カオスクロススクールD×H 変人紳士な青龍帝 英雄王とアーサー王に育てられし元ニート物語   作:zeke

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何故こうなった……


第二十二変人:任務……完了?

「さて、約束通り来たんだが、俺は何をしたら良いでしょうか?」

 

約束通り19:00に部室に来た一誠は部屋で待機するリアスではなく、朱乃に聞いた。

リアスは、一誠の説教マシンガントークによってソファーで未だ傷心中な為役には立たず、代わりにリアスの傍にいる朱乃に聞いたのだ。

 

「そうですわね。それじゃあ、先ずは自己紹介からいきましょうか」

 

「OK.俺の名は兵藤一誠だ。主とか認めねえしありえねえってわけだが、まあ相談くらいは乗るわ」

 

一誠の自己紹介を聞いた朱乃は、ソファーで傷心中なリアスを見ると困った表情と成った。

 

「次は、私たちの主の紹介なんですけど……あの様子ではもう少し時間がかかりそうですわね」

 

「だな」

 

「それでは、私から紹介させて頂きますわ。私の名前は姫島朱乃。3年生ですわ」

 

「ほう!一つ上の学年って事だから先輩か。そりゃあ失敬。ため口は辞めた方が良いよな?」

 

「いえ、そのままでも構いませんわ」

 

「そうか。そりゃあ助かる」

 

朱乃の自己紹介が終わり、イケメン系の優男が一歩ソファーによると自己紹介を始める。

 

「僕の名前は木場祐斗。2年で階級はナイトをやっているよ」

 

「うん。興味が全く無いけど、もしかしたら覚えとくかも」

 

一誠の言葉に木場はオカルト研究部の部室の隅でいじけた。

 

「うん。良いんだ。僕は覚えられるか、覚えられないかの存在なんだ」

 

いじける木場を見て一誠は呆れ、朱乃はあらあら困ったわと言いたげな表情で顔に手を当てていた。

白音が一誠の傍によると「兄様、先輩の名前を覚えてあげて下さい」と言い、一誠は態度を180°変えて

「うん、良いよ」と軽く了承する。

 

「あらあら、仲良しさんなんですね」

 

二人の様子を見た朱乃が一誠に茶々を入れる。

 

「まあ、兄妹だからね」

 

と一誠は言うのだが、白音は「……兄妹ですか」と意味深な言葉を一誠の隣で呟いた。暗い表情の白音を見ると一誠は白音の頭を優しく撫でる。

 

「そんな暗い顔をすんな」

 

「はい。私の事は紹介しなくても大丈夫ですよね?」

 

「当たり前だろ?何処の阿呆が妹の名前と顔を忘れるんだよ」

 

未だ傷心中のリアスを見て朱乃は一誠に声をかける。

 

「もう、後は部長だけなんですけど……あの様子では駄目ですわね。代わりに私が紹介しておきましょう。私たちの主、リアス・グレモリーですわ」

 

「そう。俺は、主と認めちゃいねえがまあ、名前ぐらいは覚えておくわ。んで?俺は何をすりゃあ良い?」

 

「そうですわね。チラシ配りでしょうかね。普段は使い魔なんかにやらせてるんですけど、新人さんですし契約の方もあれでしょうから」

 

「成る程。チラシ配りをやりゃあ良い訳だな?」

 

「ええ、お願いしますわ」

 

「了解。そんじゃあ行ってくるわ」

 

部室を出て行こうとする一誠を朱乃が呼び止める。

 

「ちょっと待ってください」

 

「ん?どったの?」

 

「チラシ」

 

一誠が朱乃に指摘された事。それは、配達するチラシを持っていなかった事だ。

朱乃に指摘され一誠は顔が真っ赤に成る。

 

「あ!……穴があったら入りたい」

 

朱乃は部室に設置されている棚からチラシを取り出すと一誠に渡した。

一誠の眼に入ってくるのは、「あなたの願いを叶えます」という何処かの宗教団体のキャッチコピーの様なフレーズに魔法陣が描かれたチラシだ。

一誠が不思議そうにチラシを見ていると朱乃がチラシの説明を一誠にする。

 

「この魔方陣から私達悪魔は契約者にお呼ばれしますのよ。対価はその時の願いによって違いますわ。お金であったり、物であったり、最近では全然耳にしなくなりましたが、時には命を貰う事もありますのよ」

 

一誠は唸りながら渡された魔法陣を見る。

 

「う~む」

 

そんな一誠を見て朱乃が一誠に尋ねる。

 

「どうかしましたか?」

 

「魔法陣からの移動ですか………面白い!是非とも魔法陣から移動してみたい!!」

 

眼をキラキラと輝かせ、純真無垢な眼差しで魔法陣と説明をしている朱乃を交互に見る一誠。その眼は俺も移動したいからやらせろと言ってるかのようであった。

 

「うふふ。それでは、下働きを頑張って下さい。魔法陣は一回使うとまた新しい魔法陣が必要ですので一誠君にはお得意様の魔法陣の補充をお願いしますわ。チラシはポストに投函して下さい。最初は誰もが通る道ですわ。一誠君にも最初は下働きをしてもらいませんと。今回はチラシ配りですけど、いずれ一誠君にも契約を結ぶ時にこの魔方陣を使ってもらいますのよ」

 

朱乃に手渡されたチラシの束とスマホの様なタッチパネル式の携帯機器を渡されると一誠は

 

「分かった!!じゃあ行ってきま~す!」

 

と元気な声で言って走って部室を出て行った。しかも、物凄い速さで。

 

「あらあら。何だか一誠君は子供みたいに純粋ですわね」

 

部室で残る朱乃が眼をパチクリとさせ、白音がソファーに座ったまま羊羹を食べながら言う。

 

「兄様は基本子供の様な好奇心の塊ですから」

 

「何だか保護欲が湧きたてられますわね」

 

「……兄様の馬鹿」

 

ぼそりと呟く妹の白音の声を部室に居ない一誠は勿論、部室に残る朱乃や傷心中の木場やリアスの耳には全く聞こえなかった。

 

●                   ○ 

 

さてさて、俺、兵藤一誠には新しい目標が出来た。

主?知るか!勝手に出て来たロン毛の赤毛何ぞ知らねえ。新しい目標。それ即ち、魔法陣から出て来る事!!ほら、漫画とかで使い魔的な奴が魔法陣から出て来るじゃん?

あれだよ!あれ!!あれが出来んだぜ!テンションさっきから上がりまくり。悪魔に成ってから力が付いたとか実感できねえ。寧ろ弱点出来て困ってる。やる気が起きねえから方式・法則殺しの剣(ルール・ブレイカー)で悪魔を辞めようかな~って思ってた今日この頃。何と悪魔は魔法陣から移動できる事が判明した。やべ~魔法陣での移動とか超楽しそう!!さっさと魔法陣で移動してえ!

あり?でも、新人は下積みつーか、下働きが必要なのは十分理解できたんだけど何時に成ったら新人からランク上がるの?

……やべ~、肝心の事を聞くの忘れてた!帰ったら尋ねよう。うん、取りあえずこの漕いでる自転車の前かごに乗ってるチラシの束を消費するために夜の街を爆走する。

 

◆                                   ◆

チラシ配りを始めてから一週間がたったある日の放課後。

俺は何時も通り旧校舎にあるオカルト研究部の部室へと移動中。

フルチンや松田、元浜にオカルト研究部に入部している事を感づかれ、ことごとくどうやったら入部できるか迫られた。いや、あん時マジで恐怖しましたよ。男に迫られるなんざ嫌だね。

オカルト研究部の部室の扉の前に到着するとドアを二回ノックする。

「どうぞ」という声が聞こえると、俺は「失礼します」と言って部室に入る。最近では此処にライトノベル()漫画(愛人)をちょっとばかしお邪魔させて貰ってる。いや~、ばれない隠れ家って超便利。快適な薔薇色学園悪魔生活をenjoy中ですわ。最近じゃあ、悪魔としてのバイトの他にも書道教室の広告のチラシ配りもやってる。悪魔でのチラシ配りのバイトと両方やって超楽しい。悪魔でのチラシを配達する時に一緒にポストに投函するから配達ノルマを余裕で達成するようになったから、ち~くと給料がアップした。あ~、おいしい儲け話だね。うん、悪魔様に感謝感激だね。これぞ一粒で二度美味しいだ。………何か違う気がするけどまあ、良いか。感がえるの面倒臭えし。ほら、誰か偉人が言ってたじゃん。考えるより感じろって。誰が言ってたっけ?ナポレオン?まあ、良いか。

そんなこんなで悪魔ライフを満喫中なんですけど、今日部室に来たのも訳がある。漫画(愛人)を楽しみたいから。と言うのも9割あるけど、呼ばれてんだよな~。うん。

部室の入り口扉を開けると、部室にはもう全員集合してた。俺がビリか。

 

「来たわね」

 

リアス・グレモリが俺が来たのを確認する成り、朱乃さんに指示を送った。あ!朱乃さんって呼ぶのも本人からの了承を得てっから問題無え。ただ、木場だっけ?あいつが「裕斗って呼んでよ」とか言い出したからしばいた。しばいた俺は悪くない。代わりに木場さんって呼び始めた。妹の白音は、相変わらず平行平常安全運転でマイシスターと呼んでいる。

 

「こっちに来てください。一誠君、この魔方陣の上に乗って下さい」

 

朱乃さんに手招きされ俺は案内された魔法陣の上に乗った。

 

「一誠、チラシ配りご苦労様。今日からあなたも契約を取ってもらうわ」

 

お!って事は!?来たか?来ましたか!?

 

「裕斗の依頼が重なってしまったのよ。片方、貴方が契約を取ってきて頂戴ね」

 

部長、リアス・グレモリーが何か言ってるが知らん。

ただ、契約の時に使うこの魔方陣を使いたいから俺は悪魔に成ったと言っても過言ではない。

魔法陣の中央に居る朱乃さんが何かを言っている。呪文を唱えているみたいだ。

まあ、直ぐに終わるだろう。

そう思っていたら予想通り朱乃さんの作業はすんなり終わった。

何やってたんだろう?まあ、良いや。契約初デビュー。契約なんざ、どうでも良い。そんな事よりも魔方陣だ。

 

「一誠、手を出してちょうだい」

 

部長に言われ、俺は左手を出すと指先でなんかしらんが左手の手のひらをなぞられた。

瞬時手のひらが光りだした。

 

「なんじゃこりゃあ!?」

 

俺は驚きを隠せずにいた。

いや、何ですかこれ!?Gガンのシャイニングゴットフィンガーでもしろって言うのか!?俺は機動兵器じゃねえんだぞ!?確かに二足歩行で動くけど。

 

「これは私の眷属悪魔だと言う印よ。まあ、言ってみれば私の家紋みたいな物ね」

 

リアス・グレモリーは、そう言うが。

 

「あのな~、俺はあんたの眷属に成った承諾はしてnothingなんだが……」

 

「妥協してよ!これをやらなきゃ飛べないのよ!」

 

くっそ~、こうなりゃ何処でもドアを使用すっか?いや、だが、何処でもドアは明確なイメージをしなきゃなんねえから一回俺が行った所等記憶にばっちり残ってるもしくは、明確なイメージビジョンを描けなきゃいけねえから初めて行く所は無理か。仕方ねえ妥協すっか。

 

「あ~も~、糞!今回だけだぞ」

 

「部長、一誠君の情報を魔法陣に読み込みませました」

 

朱乃さんに言われ、部長リアス・グレモリーは頷いた。

 

「そう、分かったわ。一誠君、魔法陣の中に入って行って」

 

よっしゃ!やっと魔法陣デビューだ!!些細な事はどうでも良いや。

リアス・グレモリーの指示を受け俺は魔法陣の中に入った。

 

「それじゃあ、一誠君を送りますわね」

 

朱乃さんはそう言うと俺を送るため魔法陣を少し弄る。

そして、カッと光だしパリンと言う音と共に魔法陣が壊れ、俺は部室から依頼人の許へと一っ跳び

――――出来てねえ!!

あれ!?ドッキリ?まさかのドッキリか!?

 

「え~と~、これどうなってるんですか?」

 

俺は朱乃さんに尋ねた。

 

「え~と~ですね。一誠君の魔力が凄く強くてダダ漏れしていて魔法陣の限界容量(キャパシティー)を軽く超えちゃったみたいで」

 

朱乃さんはそう言うが冗談じゃねえぞ!俺の夢を方式・法則殺しの剣(ルール・ブレイカー)を使っても居ねえのに初っ端からぶっ壊されてたまるか!

 

「え~と~、何とか成りませんかねえ?」

 

「そうなると魔法陣を作り直すしかありませんわねえ。作り直すと成ると時間がかかりますわ」

 

「そんな、殺生な~」

 

俺は、床で四つん這いと成る。つまりはorz状態。

リアスは腕を組みしばし考えたのち、

 

「一誠、自転車で行きなさい」

 

と言った。

……は?

 

「repeat after me」

 

「自転車で行くのよ!さあ、依頼人を待たせては駄目よ!!」

 

「ちきしょ~!!覚えてろよ!」

 

俺は眼から涙が溢れながら部室を出て自転車に跨ると依頼人の許へと向かった。

自転車を依頼人のマンションの駐輪場に止め、一階の入り口に行くと電子ロックのガラス張りの扉とインターホンがある。一階にあるポストには依頼人の名前と部屋番号が書かれていた。

部屋番号通りにインターホンに番号を入力すると依頼人を呼び出した。

 

『は~い』

 

「すみません。リアス何チャラの使いで来たんですが…」

 

『あれ?木場君を指名していたのだけど』

 

「依頼がブッキングしてしまいまして、代理で来たんです」

 

『まあ、良いわ。上がって』

 

通話はそこで途切れ電子ロックのガラス張りの扉が開いた。

扉を潜りエレベーターに乗ると依頼人の階へと向かう。

チンと言う音と共に依頼人の部屋がある階に着くと通路を渡り依頼人の部屋の前へと向かった。

部屋の玄関に取り付けられているインターホンを押すと足音が聞こえ玄関に向かってくるのが分かる。

そして、足音が消えると玄関の扉が施錠が外れる音と共に開かれた。

扉が開かれるとそこには、短髪の黒髪、やや釣り目で眼鏡をかけたボーイッシュ雰囲気を醸し出す美人?がいた。多分、世間一般の価値観じゃあ美人の分類に入るんだろう。

 

「すんません。魔法陣から本来は出るはずだったんですけど、どうやら無意識のうちに出る自分の魔力に魔法陣が耐え切れなかったみたいで。今回は脚で来ました。次回からは、魔法陣の調整が終われば魔法陣から来ますので」

 

「良いわ。脚で頑張る悪魔さんっていうのも新鮮で新しくて良いわね」

 

「あの~、それでご依頼というのは何でしょうか?」

 

「ああ、そうね。貴方、何が出来るかしら?」

 

「家事全般。その他諸々ですね。あちこちのバイトに手を出していますので普通の学生より

かは経験豊富なほうかと思います」

 

「そう!貴方、それじゃあ料理は出来る?」

 

「料理ですか。まあ、経験はありますので出来ます。ただ、最近は料理をしていないので腕が鈍っているかもしれませんが」

 

「それじゃあ、入って。私に料理を教えてちょうだい!」

 

?料理を教える??

まあ、楽ちんだし、それで依頼完了なら安いもんだが……。

 

「分かりました。それでは食材を買ってきますね。何の料理をなさいますか?」

 

「いいわ、買わなくて。食材はもう買ってあるから」

 

「ですが、久しぶりに料理をしますので腕が鈍っているでしょうから教えさせて頂く前に少しばかり料理をさせて頂きたいのですが」

 

「予行演習と言う事ね」

 

「左様で御座います」

 

「多分……いいえ。食材は多めに買ってあるから買いに行く必要は無いわ」

 

「そうですか。それでは失礼します」

 

俺はそう言って依頼人の部屋へとお邪魔した。

依頼人の案内でキッチンにたどり着くとキッチンに食材が置かれ準備がされていた。

食材を見ると玉ねぎ、人参、卵、椎茸、エリンギ、じゃが芋、牛と豚の合挽きと幅広く食材が買い揃えられており、一体何を作るのだろうと俺の中で疑問が生じる。

 

「あの~、それで何を作ればいいんでしょうか?」

 

一応依頼主に尋ねて見る。

 

「ハンバーグよ!ハンバーグを作って欲しいの!!いいえ。作り方を教えて欲しいの」

 

 ハ ン バ ー グ だと!?

子供の好きな料理best5に入り、大人でも好きな人が多々いるであろう伝説の料理。ハ ン バ ー グ

 

「成る程。汝、ハンバーグに挑戦すると言うのか?」

 

「ええ、そうよ」

 

「良かろう。最早予行演習等不要。俺が全身全力を持ってハンバーグと言うのがなんたるかを叩きこんでやる!覚悟せよ!!」

 

「望むところよ!」

 

「材料はこちら

●玉ねぎ

●人参

●椎茸

●牛と豚の合挽き

●卵」

 

「先ずハンバーグと言うのはだな、一見簡単そうに見えて実は難しい。否、難しくは無いがかなりの種類のハンバーグがある。先ず肉だ。豚と牛の合挽きの割合も人によって違う。また、牛肉と鶏肉の合挽きや、豚と鶏肉の合挽きと派閥があると言っても過言ではない。先ず材料からして今回使うのは牛と豚の合挽きだが、時間がある時で良い。他の合挽きを使ってハンバーグを作ってみよ」

 

「はい!師匠!!」

 

俺は玉ねぎと人参をまな板の上に置き包丁でみじん切りにした。

そして、ボールにひき肉を入れ、みじん切りにした人参と玉ねぎを入れて混ぜながら解説をする。

 

「先ずはこの様にして玉ねぎと人参をみじん切りにする。次にみじん切りにした玉ねぎと人参をボールに入れる。そして、卵を入れて牛と豚の合挽きを入れると混ぜる」

 

「成る程」

 

「だがな、依頼主よ。ここで流派のごとくすごい数に入れる食材が分かれるのだ。ここにパイナップルを入れる人もいればチーズを入れる人もいる」

 

「!チ、チーズですか!?」

 

「ああ。チーズを入れるとまた絶品であろうな」

 

「想像しただけで美味しそうです」

 

「気が向けば俺が作ってやろうぞ」

 

「是非お願いします!」

 

「俺の気分次第だ」

 

「依頼では?」

 

「戯け、無駄だ。俺の気分次第であるがゆえに依頼などでも作らんわ」

 

「うう、そんな~」

 

床に座り込みショックを受ける依頼者。だが、俺は優しくない。

 

「さっさと続きをやるぞ。キッチンとは戦場だ。死体など邪魔に過ぎぬわ。死体と成りて座り込むならよそに行け!食材において鮮度とはすなわち命。一分一秒こそ惜しい」

 

「すみません師匠!私が間違っていました」

 

依頼人はそう言うと立ち上がった。

俺はボールに入っている混ぜた合挽きを四等分にし、手のひらサイズにすると手のひらサイズの混ぜた合挽きを持つと形作る。フライパンをコンロに置くと火を着火させて温め、煙が出始めると油をひいて形を整えた合挽き肉の中心をへこませてフライパンの中へとダイブさせる。

 

「この様に合挽き肉に食べやすい様に四等分なり五等分なり分けて形を整える。くぼみをつけてフライパンに入れると良い」

 

「成る程」

 

「後は両面を焼いて焼けたら爪楊枝で刺して火の通りを見てうまく焼けていたら完成だ。しかし、依頼主よ。ソースはどうするのだ?和風か洋風か?」

 

「え~と~、それじゃあ洋風でお願いします」

 

「了解した」

 

「材料はこちら

●ケチャップ 大さじ2

●酒 大さじ2

●醤油 大さじ1

●砂糖 小さじ1

●中濃ソース 大さじ1」

 

 

「師匠!材料は全部あります」

 

「無論だ!無ければ作れぬでは無いか!戯け!!無ければ買って来なければならぬ。しかし、それでは鮮度が失われてしまうわ!」

 

「いえ、師匠。もう料理済みですよ」

 

「はあ~」

 

俺は依頼主の馬鹿さ加減についつい溜息を吐いてしまった。

 

「何ですか!?その可愛そうな子を見る眼は!」

 

どうやら俺はそんな眼をしていたらしい。

フム、それもまた仕方ない。全ては依頼主が悪い。

 

「フム、依頼主が冷めたハンバーグを食いたいと申すのなら俺は別に構わんが……どうなのだ?」

 

「!温かい、いえ熱いハンバーグを食べたいです!!」

 

「ならば善は急げ成らぬ、鮮度を急げ だ!」

 

「はい!」

 

「全ての材料を混ぜてさっき使っていたフライパンにぶち込んで少し煮詰めれば完成だ」

 

ソースを煮詰めているとほの良い香りが調理しているフライパンから立ち込め俺の鼻孔をくすぐる。

 

「フム、こんなもので良いか。ハンバーグを持ってこい」

 

「はい!師匠!!」

 

先程更に乗せたハンバーグをソースを煮詰めているフライパンの中に入れて温める。

暫くして温め終わると更にハンバーグを載せて完成。

 

「出来たぞ。まあ、今回は普通のハンバーグであるが……」

 

出来た2つのハンバーグを皿に載せ、依頼主と共に試食する。

 

「私はこれを求めていました」

 

ほろりと依頼主の目から涙が流れる。

 

「フム、中々の出来ではあるな。だが、もう少し……そうだな。後5秒程煮詰めていたら良かったかもしれぬな」

 

 

試食を片付け、使った皿やフライパンなどの調理器具を片付けて俺は帰った。

 

「それでは、また会おうぞ。依頼主よ」

 

 

●               ○                        ●

 

「前代未聞よ!対価を貰い忘れて帰って来るなんて」

 

只今俺は、絶賛お説教中です。目の前にはリ、リアル・グレモリー?だったか?まあ、俺の主(仮)が怒っております。

 

「それに、貴方どれだけ規格外なのよ!」

 

聞こえない聞こえない。聞きたくねえ。説教なんて一文の得にも成んねえもん。俺の耳をシャットアウト。

 

「ちょっと!聞いてるの!?」

 

「私は鳥に成りたい」

 

そういった瞬間バシンと云う音共に頭をリアル・グレモリーに叩かれた。

 

「聞きなさい。全くもう!」

 

「怒ってると皺がふえっぞ~」

 

「誰の所為よ!」

 

「誰の所為でしょう?」

 

「貴方の所為でしょう!」

 

おお怖い。主(仮)は、カルシウムが足りてないご様子。そんな主(仮)に俺からのプレゼント。

俺は懐から煮干しのおつまみの未開封を取り出してリアル・グレモリーに渡す。

 

「どうぞ。お納めください。リアル・グレモリー様」

 

リアル・グレモリーは眉をぴくぴくと動かし、頬を引き攣らせながら言う。

 

「貴方、ふざけてる?」

 

ここは、嘘を付いてはいけないシーンでは無いか?

 

「半分ほど」

 

「もう疲れたわ」

どっとソファーに座り、頭に手を置く主(仮)。

 

リアルの傍で朱乃さんが

「あらあら」

と言いながら楽しそうに笑っている。

楽しんで貰えて良かったよ。俺は、人を楽しませる才能があるのではないだろうか?

ふとそんな事を思っていると袖を引っ張られる感覚がし、袖を見ると妹の白音が袖を引っ張っていた。

 

「兄様、あまり部長を(いじ)らないであげて下さい」

 

(いじ)っているつもりでは無いのだが……フム、そう見えたのなら俺の落ち度だ。すまなかったなリアル・グレモリーよ」

 

「兄様、部長の名前はリアスです。リアス・グレモリー」

 

「すまぬ。間違えてた。リアス・グレモリーだったな。それで何が規格外なのだ?」

視線を白音からソファーに座るリアス・グレモリーに向け尋ねる。

 

「依頼後にアンケートを書いて貰うんだけど、書かれた感想がこうよ『師匠!ありがとうございます!!私が間違っていました。鮮度とは命。さすがです、師匠!これからも指名させて貰いますのでご教授お願いします。ps師匠、今度チーズ入りハンバーグを作ってくれると嬉しいで~す♥』との事よ。貴方、一体なにしたの?」

 

「何と言われてもただ、依頼が料理を教える事だったから教えただけだったが?」

 

「依頼主の評価が全てSよ!」

 

「何だそれは?」

 

「契約後にアンケートを書いて貰う時に評価をお願いするのだけれども、全てSなんてあり得ないわ!?」

 

「凄いのか、それは?」

 

「当たり前でしょう!」

 

「フム、俺は普通に教えてただけなんだが……まあ、依頼主が満足ならそれで良いでは無いか」

 

「規格外すぎて頭が痛いわ」

 

「ご苦労様」

 

「朱乃、私は少し休むわ。頭が痛くなって来たから」

 

リアス・グレモリーはそう言うとソファーから立ち上がり部室を出て行った。

全く、忙しい奴め。

しかし、my sisterよ。何故アンケートを聞いてから俺の脚を終始抓るのだ?地味に痛いぞ

 

俺は部室に隠してある漫画(愛人)を取りだすとソファーに座り、楽しむ。

隣にmy sisterも座るがご機嫌斜めなご様子。祟らぬ神に触り無しでは無く、祟らぬ猫に触り無しだ。

暫く放っておかねばならんな。俺の豊かな人生経験がそう言っている。

拗ねる要素が無かったはずだが、拗ねている妹も可愛いの~。

撫でてやりたいが我慢、我慢。代わりに家に帰ったら黒歌を可愛がろう。

 

この時の俺は浅はかな考えだった。

家に帰宅し、黒歌を可愛がろうと部屋に行くも白音共にガールズトーク中だったので、可愛がる事を後にしたのだが、その白音と話し合った後黒歌が声を掛けても反応してくれなくなった!

一大事だ!妹よ、何故無視をする!?俺はお前を怒らせる落ち度などなかった筈だ!

いや、気付いていない俺が悪いのか?だが、黒歌よ何故だ!!

くっ、自分の落ち度に気付けぬとは歯痒いぞ。分からん。全く持って何が落ち度なのかわからん。だが!黒歌の肌が恋しい。否、白音でも良いからモフりたい!無性にモフりたいのだ!くそっ!解らん。これが越えられぬ壁というものなのか!?何か、何か無いのか!妹が、ペットが拗ねた。現状は深刻なのだ。

こういう時はルルーシュ、いやルルーシュは駄目だ。C.C.かユーフェミア、シャーリー辺りにでも相談しよう。今時刻は20:30……そろそろ飯だ。駄目だ時間的にout。考えろ俺。考えるんだ!何故黒歌が無視をするのか。そもそも黒歌が無視をするように成ったのは白音とガールズトークならぬ、姉妹トークをした後だ。ここで原因は恐らく白音と判断できる。だが、白音が問題ならば黒歌が俺を無視する理由が解らん。

 

「……そうだ!口を聞いてくれないのならば、逆に向こうから口を開いて貰えるようにすれば良い。フハハハハハハハ、何簡単ではないか!何故俺はそれに気が付かなかったのだ?

まあ、どうでも良い事だ。さて、黒歌に白音よ覚悟しろ。絶対に口を開かせてみせるぞ!」

 

一人の馬鹿(一誠)の声が自室に響いた。




この書いてる小説の悪い点:中々進まない点…二十三話なのにまだ夕麻ちゃんの再開どころか、イカレ神父や金髪シスターと出会ってねえ!!やばい!

これからリアルがすごく忙しくなるので更新が週一から二週間に一や三週に一話と成ります。楽しみにしてくれている人に申し訳ないですが、これからリアルがすごく忙しくなるので更新が週一から二週間に一や三週に一話と成ります。すみません
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