カオスクロススクールD×H 変人紳士な青龍帝 英雄王とアーサー王に育てられし元ニート物語   作:zeke

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三叉戟は、【犬夜叉】に出てくる奈落が阿毘姫に貸し与えた三つ叉の戟。奈落の骨でできていて、結界を張ったり瘴気を纏って突くことが可能です。

瘴気とは、王水よりも超強力な酸の様なものです。地面を溶かしたりするのでかなり危険な物です。

闘鬼神、切れ味は鉄砕牙以上に鋭く軽く振るっただけで剣圧が敵を切り刻む宝剣です。


第二十三変人:俺、姉とデートします

一人の男が居た。

男はとある山の中で大の字に成り地面に横たわっている。

 

「ハアハアハア。くそっ!弱体化しすぎだろ」

 

毒づきながら自分の弱体化に男は憎々しげに呟き空を見上げる。

空は男の心情を表しているのか黒い雲がかかり、いつでも雨が降り出しそうな天気だ。

男は修行で疲弊しきった手を地面に横たわった状態で上げる。

ブルブルと震える男の腕。男の腕は痙攣を起こしている。

 

「ほう!こんな何の変哲も無い山に行き倒れが居るとはな」

 

男が声のする方向に視線だけを向けると金色と黒色が入り乱れた髪で、双眸は右が金で左が黒という特徴的なオッドアイを持つ、黒いコートに身を包んだ長身の男が茂みの中から現れた。

 

「!」

 

男はすぐさま地面から疲弊しきった体を起こし臨戦態勢になる。

 

「ほう!そんな体で俺と戦うと」

 

黒いコートに身を包んだ長身の男は興味深そうに臨戦態勢になった男を見る。

 

(こっちが疲弊しているのを知られている!?……当然か。こんだけ息が上がっていたら直ぐにばれるか。だが、)

 

「死ぬなら一矢報いてやる!!」

 

男はそう言うと黒いコートに身を包んだ長身の男に向かって走り出し、左手にはいつの間にか日本刀の様な剣を持っていた。男はその日本刀の様な剣を黒いコートに身を包んだ長身の男に斬りかかる。

 

「!こいつ何時の間に!?」

 

突然男が日本刀の様な剣を持って振るう事に黒いコートに身を包んだ長身の男は驚く。

 

 

「だが、構えも素人。隙も多い!」

 

 

黒いコートに身を包んだ長身の男は、男が振るう剣を避け、男の剣を持つ左手を掴むと背負い投げをして男を倒した。そして、倒れた男の腹に一撃を入れる。

 

「グフッ!」

 

男は腹に一撃を喰らい嘔吐する。

一撃を喰らったショックで男は持っていた剣を手放してしまい、剣は弧を描くように宙を舞うと地面に突き刺さった後、パリンとガラスが割れるような音を発した後、綺麗に跡形も無く砕け散った。

 

「素人の戦い方だ。構えも曖昧。だが、俺に不意を突いた。あれはお前の能力か何かだろう?」

 

黒いコートに身を包んだ長身の男の視線の先には跡形も無く消えさった刀が地面に突き刺さった痕跡。

そして、黒いコートに身を包んだ長身の男は、再び地面に倒した男へと視線を向けて続ける。

 

「今のお前は雛鳥だな」

 

「………僕が雛鳥か」

 

男は地面に寝そべった状態で勝者の顔を見る。自分を負かした勝者の顔を。

 

「今、殺されるわけにはいかないんでな!」

 

男は素早く起き上がると立ち上がった。

そして、再び臨戦態勢となる。

男の手にはいつの間にか先程とは違う剣が握られていた。

 

「ほう!神器(セイクリッド・ギア)か。俺の知らない珍しい神器(セイクリッド・ギア)だな」

 

「違うな。俺の力は神器(セイクリッド・ギア)じゃない!これは俺が持つ本来の力だ!!」

 

男はそう言うと握っている剣の剣先を黒いコートに身を包んだ長身の男に向ける。

黒いコートに身を包んだ長身の男は暫し考える素振りを見せると一つの提案をする。

 

「お前、俺と共に来ないか?」

 

「……ハア?」

 

男は突然の事に驚き、ついつい剣を握りしめている力が緩んでしまう。

 

「雛鳥が。このまま戦ってもお前は死ぬぞ」

 

「ほざくな!」

男は握りしめた剣を黒いコートに身を包んだ長身の男に振るう。

 

「無駄な事だ」

黒いコートに身を包んだ長身の男はそう言って今度は剣を白刃取りで受け止める。

途端黒いコートに身を包んだ長身の男に剣を振るった男の頬が緩んだ。

 

「受け止めたな」

 

男がそう言った瞬間黒いコートに身を包んだ長身の男の全身が切り刻まれた。

 

「!どういう事だこれは!?」

 

黒いコートに身を包んだ長身の男は刻まれた自身の体を見ながら驚く。いつの間にか自身の体が切り刻まれていたのだ。驚きを隠せずには居られなかった。

 

男は剣を見ながら説明する。

 

「これは闘鬼神。軽く振るっただけで剣圧が敵を切り刻む剣だ」

 

男の持つ剣の説明が終わると同時に男が持っていた剣がパリンとガラスの割れる音と共に粉々に砕け散った。

 

「僕自身も弱体化していれば能力も弱体化している……か。まあ、良かろう。それもまた一興よな。今は……な」

 

男は砕け散った剣から黒いコートに身を包んだ長身の男へと視線を戻すと言う。

 

「目の前の敵を倒すのみ!」

 

男の左手には先程とは違う武器が握られていた。

武器は三つ又の戟。

男は戟で黒いコートに身を包んだ長身の男を突く様に攻撃する。

黒いコートに身を包んだ長身の男は攻撃を避けるが先程の受けた攻撃の所為か些か動きが鈍い。

 

「鈍い!」

 

男が振るう三つ又の戟が黒いコートに身を包んだ長身の男をかすめる。男の頬は紙を鋏で切ったの如く小さな切り傷が出来、男の頬から僅かながら血が流れる。

黒いコートに身を包んだ長身の男は自身の頬に触り手に血が付くと歓喜の声を上げた。

 

「ほう!俺が血を流すか。そう言えば血を流すのも久しぶりだな。実に愉快だ」

 

クックックと愉快そうに黒いコートに身を包んだ男は笑う。

 

「決着は着いたと思うよ」

 

男が持つ戟は再びひび割れたガラスの様に砕け散った。

 

「何を……!?」

 

突然黒いコートに身を包んだ長身の男の表情が驚愕の表情へと一変する。

黒いコートを身に包んだ男は一歩歩み出そうと足を出すと途端に男の全身に激痛が走り男は倒れた。

 

「!どういう事だ。これは!?」

 

男は自身の体験した事の無い痛みに襲われ自身の体を動かそうとするが体が動かない事に驚く。

地面に倒れた黒いコートを身に包んだ男に男は一歩一歩近づきながら言う。

 

「貴様の頬を切り裂いたのは三叉戟。強力な瘴気で貴様の頬を掠め切り裂いた僕の武器だ。無論、本来ならば掠っただけでも致命傷の瘴気が相手を襲うのだが、貴様は正気を失ってはいない。何者だ貴様」

 

途端に地面に倒れた男の顔が驚きの表情に染まる。

 

「瘴気だと!?あれは、妖怪の毒気で周りの物全てを融解させる技な筈だ!人間のお前が手に出来る技ではない!何故人間のお前が瘴気を使える!?」

 

黒いコートで身に包んだ男の表情は苦痛に歪む表情ではなく、純粋な驚きの表情と成っていた。

 

そんな男に向けて男は言う。

 

「さっき君を傷付けた三叉戟。あれは僕の物……いや、僕自身が創りだしたもの。僕に名など無い。有るとすれば幽霊(ゴースト)かな?僕自身が創った物は僕の手脚も同然。故に僕が使えるのも道理だ。それじゃあ………止めと行こうか!」

 

男はそう言うと背中から白銀の翼を出して空中に浮上する。

そして、自身の右手を空に高々に上げて言う。

 

禁手化(バランス・ブレイカー)!!!」

 

「これが僕の初陣。生まれて初めて創った神器(セイクリッド・ギア)無限の宝剣創造(アブソリューション・ブレイカー)だ!」

 

男が手を挙げた空には大小、形様々な剣が出て来た。行き成り出て来たのだ。まるで今まで隠れていたかのごとく大剣の様な大きさの剣からナイフの様な大きさの剣まで大小、形態、色彩様々な剣が男の頭上から現れ空を覆い尽くした。

男が空に上げた右手にもいつの間にか黄金のレイピアの様な剣が握られていた。

 

「これで終わりだ」

 

男は右手に持つ剣を空中で振りおろし剣先を黒いコートで身を纏う地面で倒れている男に向ける。

すると、剣を持つ男の頭上にあった大小、形態、色彩様々な剣達が一斉に地面で倒れている男に向き照準を合わせるかのように動くと一斉に雨の如く地面で倒れている男に降り注いだ。

降り注いだ剣達の所為で地面に倒れていた男の場所を中心に土煙が立ち込める。

白銀の翼を出した男は空中からゆっくりと地面へと降り立つ。

その瞬間、男の視界が歪み男は片膝をついた。

 

「くっ!無理をし過ぎたか……。だが、僕は強く成らねばならないんだ。力を持ち無知なる者と一つに成りて生き残る為にどんな犠牲を払ってでも今は生きて強く成らねばならないんだ」

 

男はその場を後に背にして後にしようとすると声が掛る。

 

「一体何処に行こうと言うのだ雛鳥よ」

 

男が声がした背後を振り返ると巨大な龍が煙の中から出て来た。

声は龍から発せられ男の表情に変化が生じる。

 

「そうか!……お前は妖怪だったのか!?」

 

「そこは龍だろ!?」

 

男の発言に龍と成った男がツッコミを入れる。

 

「だが、体が大きくなったのならダメージを与えやすい!」

 

男は右手で持っている黄金のレイピアノ様な剣を自身の足元の地面に突く。

 

「ハアアアアアアア無限の宝剣創造(アブソリューション・ブレイカー)!!!」

 

地面から大きな剣が次々と筍の様に生えて龍に襲いかかる。

そして、龍の手脚、胴体を次々と貫きダメージを与える。

龍は翼を羽ばたかせ空中へと逃げる。

 

「逃がすか!」

男は地面に突きたてたレイピアの様な剣を抜くと剣先を龍と成った男に向ける。

男の背後から再び大小、形態、色彩様々な剣が現れ、弾丸の様に龍に向かって発射された。

龍は翼で一羽ばたきさせて風を起こし向かってくる剣のスピードを殺す。

 

「な!」

 

男は攻撃を防がれた事に驚き、攻撃の手を休めてしまう。

龍はその隙を見逃さず、男の目の前に空中から移動し再び人間の姿に戻ると男の腹、腕、頭に連続で拳を叩き込む。男の視界が歪み、男は気を失った。

 

男が再び目を覚ますと地面に寝かされ、服が掛けられていた。

 

「……ここは?」

 

男が全身の筋肉が悲鳴を上げている体を起こし周囲を見渡すと先程自分と戦っていた男が焚火をしながら座っていた。

 

「!お前は!?」

龍に化けた男は焚火をしながら答える。

 

「俺の名はクロウ・クルワッハ。戦いと死をつかさどるドラゴンで三日月の暗黒龍(クレッセント・サークル・ドラゴン)と言われている。邪龍だ」

 

「そうか。僕の名は…自己紹介したいが僕に名などない。幽霊(ゴースト)と呼んで貰うしか無いな」

 

クロウ・クルワットが幽霊(ゴースト)に尋ねる。

 

「生きてるのに名が無いのか?」

 

 

「ああ、そうだ。僕にはとある目的がある。故に生き恥を晒してでも生きねばならない」

 

「……そうか。再び問う。お前は俺と共に来ないか?。俺に傷を負わせたんだからお前は磨けば光るダイヤの原石だ」

 

クロウ・クルワットの問いに幽霊(ゴースト)は答える。

 

「敗者は勝者の言う通りと成ろう」

 

「そうか。ならばお前に稽古をつけてやる。な~に、俺は各地で武術を学んでいた」

 

「龍なのに武術を学んだのか?」

 

幽霊(ゴースト)の問いにクロウ・クルワットは、「ああ」とだけ、苦笑しながら答える。

 

「一つ教えてくれ!」

 

幽霊(ゴースト)は立ち上がり、クロウ・クルワットに詰め寄るように問いかける。

 

「何だ?」

 

「僕はあなたに着いて行けば、今よりも強く成れるだろうか?」

 

クロウ・クルワットは幽霊(ゴースト)の顔をしばし見ると答えた。

 

「お前は確実に強く成るさ」

 

「………そうか。それじゃあ宜しくお願いします。師匠(マスター)!!」

 

幽霊(ゴースト)が頭を下げてお願いすると突然クロウ・クルワットが笑い出した。

 

「くっくっく、はっはっは!!!」

 

「どうしたんですか?」

 

心配そうにクロウ・クルワットを見る幽霊(ゴースト)

そんな幽霊(ゴースト)にクロウ・クルワットは手を振り、大丈夫だと合図する。

 

「何、俺が人間の弟子を連れるとは思ってもみなかったからな」

 

「大丈夫ですよ!師匠(マスター)は、元々ドラゴンっぽくないですから。そんな事を言っても今更感が満載です」

 

何気ない幽霊(ゴースト)の言葉に邪龍 クロウ・クルワットのメンタルは切り刻まれた。

 

「軽く凹むぞ。それは」

 

★                                  ★                               ★

 

「お願いします。女神様。どうか無知なる私め為にお力添えを頂きたく存じます」

 

俺、兵藤一誠は只今土下座中である。

 

「フム、して貢物はあろうな?」

 

流石女神様。あざと過ぎるぜ!

チャキリと音がし、俺の頬に何かが掠める。

目だけを頬に向けると剣が俺の顔のすぐ横に待機させられていた。

俺はどうやら女神様のご機嫌を損ねたらしい。

 

「何か失礼な事を考えなかったか?一誠」

 

「いえ。あなた様のお力添えがあれば成功に成るでしょうから。この愚弟、胸が高まりまして成功した時を思いますと対価はやはり多い方が良いだろうな~と思いまして。願をかける意味合いも込めてこの不肖兵藤一誠。貴女様にこちらを収めて頂きたく存じます」

 

俺は後ろに待機させていた袋を目の前に出す。

女神様は抜刀した剣で袋を取ると中身を探った。

 

「こ、これは!?」

 

女神様は袋の中身を取り出すと驚気の声をあげる。

 

「はい。申しました通り、願をかける意味合いも込めて上質な高級団子を納めさせて頂きました」

 

「フッフッフ、一誠。お主、相当焦っておるな」

 

くっ!流石だ

 

「お願いします。非力な私めにご尽力を賜りますようお願い申し上げます!!」

俺は再度地面に頭をこすり付け土下座する。

俺の前にはベッドに座ったフェリス姉(女神様)が俺を見下すような形で俺を見ていた。

 

「フム、献上物も上々であるし……まあ、良かろう。力を貸してやろう」

 

「ありがとうございます!!」

 

「詳細は?」

 

「明日、一緒に出掛けて下さい!」

 

俺は再び地面に頭をこすり付けてフェリス姉にお願いする。

 

「それは、でーとと言うやつだな」

 

「……はい。そうですね」

 

「私の美貌は義弟(おとうと)にまで影響し、禁断の恋をさせようと言うのか」

 

「………勘弁して下さい。それに、あのぐ~たらのライナ兄に嫉妬させるのも面白いでしょう?」

 

フェリス姉は暫し考える素振りを見せた後口を開いた。

 

「フム、あのライナ(馬鹿)にも自分の幸せをそろそろ気付いて貰わないとな」

 

多分、自身の事を言ってるんだろうけど、それって自意識過剰とも捉えられるよね。

んな事を思っていると、フェリス姉が自身が持っている剣を抜刀し、俺の首に当てて来た。

首に鉄の冷たい感触が当たる。

 

「一誠。何か失礼な事を考えなかったか?」

 

「いいえ、全く。ただ、世間一般的にはそれを自意識過剰と思うとか思ってませんよ」

 

命が惜しいのでフェリス姉の問いに俺は即答する。

あり?何か変な事を口走らなかったか?俺

 

「……そうか」

 

フェリス姉はそう言うと俺は予感に襲われる。

―――――何か来る!

そう思った瞬間、俺は後ろに転がり込み、すぐさま立ち上がり臨戦態勢を取る。

立ち上がり、視線を周囲に向けるとフェリス姉は持っていた剣を振り下ろした。

しかも、顔を真赤にして。

フェリス姉が剣を振り下ろした所には俺の姿は無く、フェリス姉は剣を地面から抜くと座っていたベッドから立ち上がった。

 

 

「フフフ、一誠。覚悟は良いな?」

 

「え!?覚悟!?何の覚悟!?」

 

有無を言わさずフェリス姉は踏み込んで来て俺に剣を振るう。

だが、避けきれない速度じゃない。

フェリス姉から振るわれる剣を全て避ける。回避回避回避。

 

「フフフ、一誠。お前を殺すか、私が死ぬかだ!」

 

「一体何の話だよ!?」

 

未だ錯乱中のフェリス姉を鎮圧するのは……あれしかない。

 

「縛れ幌金縄!!」

 

俺は無から有を創る力で幌金縄を創りすぐさま命令する。

幌金縄は素早くフェリス姉に絡みつきフェリス姉を拘束した。

 

「フェリス姉。落ち着いて」

 

俺はフェリス姉に近づき諭すように話しかける。

 

「何をそんなに慌てているのか知らないけど、俺が悪かったのは確かなようだ。ごめん」

 

フェリス姉は幌金縄に拘束されたまま深呼吸をすると、

 

「私も少し錯乱していた。手を煩わせたな、一誠」

 

元のフェリス姉に戻った。

 

「元に戻ったんだね。フェリス姉」

 

「ああ」

 

フェリス姉の言葉を聞き、俺はついつい頬が緩み笑みをこぼしてしまう。

フェリス姉はそんな俺に怪訝そうな顔で訊いてくる。

 

「如何した、一誠?」

 

「何でも無いよ。本当に何でもない。ただ、」

 

「ただ?」

 

「ただ、さっきのフェリス姉も可愛かったよ」

 

自然と笑みがこぼれ、クスリと笑ってしまう。

そんな俺を見てフェリス姉は

 

「忘れろ」

 

と言うけど、ハッキリ言おう。

 

「無理」

 

満面の笑みでフェリス姉に言ってあげる。

そして、フェリス姉の部屋をダッシュで逃げる。

「一誠ぇぇぇぇぇ!!」

逃げる背後からフェリス姉の声が聞こえるけど問題ない………筈。うん、明日が怖いけどno problemって事で。

 

翌日、俺は家の前で待機していた。

空は雲一つない青空。素晴らしい天気においしい空気。ライナ兄の言葉を借りるなら絶世の昼寝日和。

ポカポカとした太陽が二度寝を誘うこの季節。

俺はふと現実に戻ってみる。

―――――今日、どうしよう!?

何も考えてない。否、考えれなかった。フェリス姉と出かけるなんて初めてだし!昨日布団に入って5分考えたけど、いつの間にか寝ていたし。

結論、俺は悪くない。多分。

疲れてたんだな。うん、そう言う事にしておこう。

(負けない事・投げ出さない事・逃げない事・信じ抜く事・駄目になりそうな時 それが一番大事 [それが大事/川嶋あい] byアテナより愛をこめて)

ん?何か今、曲が流れなかったか?

しかも、今現在の俺の窮地にぴったりの曲。無性にピッタリ過ぎてはっ倒したくなるような曲。

あ、あれ?悲しくないのに眼から涙と言う汗がにじみ出てくる。

くっ!何故だ!?何故なんだあああああああああああ!!!

ガチャリと背後から音がし、俺に声が掛かった。

 

「待たせたな、一誠」

 

振り返るとフェリス姉がいつもの姿で玄関から出てきていた。しかも、剣を持って。

 

「フェリス姉!剣は置いてきて!!捕まっちゃう!お巡りさんに捕まっちゃうから!!!」

 

「そうか。ならば置いて行かねば成らないな」

 

フェリス姉はそう言うと玄関を開け、上半身だけを入れて玄関に剣を置くと再び出てきた。

 

「さて、それじゃあ行こうか。フェリス姉」

 

「フム、構わんが何処に行くのだ?」

 

「黒歌と白音、あいつ等のプレゼントを買いにさ」

 

「……そうか」

 

少し項垂れるフェリス姉。

 

「どうしたのフェリス姉?」

 

「いや、あいつ等のだけかと思ってさ」

 

成程。やきもちって訳でも無いけど自分が手に入らないのにプレゼント選びに付き合わされるのも余り気持ちの良いものでは無いからね。

 

「大丈夫だよ。途中でフェリス姉にも何かプレゼントするから。…まあ、サプライズじゃないから面白味はないだろうけど」

 

俺はそういってフェリス姉の手を取り、無から有を創る力で何処でもドアを創ると何時も愛用している商店街へと向かう為、何時も通り人気の無い所に繋いで開く。

 

「一誠、こんな人気の無い所に私を連れ込んでお前は!?」

 

「変な想像しないでね。そんな事したら下手すればライナ兄に(殺さないだろうけど)殺されるから!!」

 

「ふむ、そうか」

 

フェリス姉はそういうと少し落胆の表情を見せる。

 

「なんで落胆するの?もしかして、からかった?」

 

「やや」

 

くっ!この姉様は!!

 

「あのね!?フェリス姉のからかいで俺が死ぬ事もあり得るからやめて!真剣でやめて!!」

 

そんなやり取りをしながら商店街に行くと何処からか鼻孔を刺激する美味しそうな匂いが俺達の周囲に充満していた。

俺は手を繋いで隣で一緒に歩くフェリス姉に尋ねる。

 

「どんなのが黒歌と白音に喜んで貰えるかな?」

 

「……そうだな。あれなんかどうだ?」

 

フェリス姉が指差す方向には和服を売っている服屋。

和服か~。黒歌は結構普段から着ているけど、白音の和服姿は見た事無いからな~。

………うん、良いかもしれない。

そう思ったのだが、一つ重大なことを忘れてた。

白音と黒歌の服のサイズが知らない!!

―――――っ!これを知らなきゃ買うに買えねえ!!兵藤一誠、一生の不覚!

……でも

 

「黒歌と白音のサイズを知らないからあいつ等の為に買ってやれないけれども、見て行きたいから見て行こうフェリス姉」

 

「まあ、良いぞ」

 

フェリス姉と一緒に和服を見るため服屋に入ると、色取り取りで様々な柄の着物が掛けられていた。

女性店員はこちらに気づいて近づいてくる。

 

「いらっしゃいませ~」

 

わお!やっぱり店員さんも着物だね。

うん、似合ってる。

やっぱり、あいつ等の着物姿を見てみたい。

でも、あいつらのサイズ知んないし………

ふとフェリス姉を見るとフェリス姉も店内の着物をマジマジと見ていた。

……そうだ!

 

「すみません店員さん!」

 

俺は店員を呼ぶと耳打ちをする。

 

「成程。畏まりました」

 

店員さんは俺から離れてフェリス姉に近づくとフェリス姉を呼んだ。

 

「お客様、ご試着なされては如何ですか?」

 

「え!?でも!」

 

店員は有無を言わさずフェリス姉を試着室に連れ込んだ。

俺が店員に言った事。それは、フェリス姉の和服姿を見たいと言った事。

店員さんはそれを実行してくれたまで。何も悪くない。

後でフェリス姉に事実を言っておこう。

試着室からフェリス姉が出てくると和服を身に纏っていた。

店員さんは俺に近づくと

 

「どうですか?」

 

と訊いてくる。

俺は店員さんに親指を立てて言う。

 

「グッジョブ!」

 

店員さんも無言で親指を立てた。

フェリス姉は着物を着たまま俺の方に近づいてくる。

その表情はご不満なご様子。

 

「どう言う事だ、一誠?」

 

俺は笑いをこぼしながらフェリス姉に言う。

 

「いや~、実はフェリス姉の着物姿が見たかったから店員さんに頼んで無理やり着させてもらいました。御免ね」

 

「そうか。それで?」

 

「感想を言わせてもらうと……似合いすぎてた。こりゃあ、ライナ兄も惚れるかも」

 

「な!?」

 

「あん?どったのフェリス姉?」

 

「何でもない!!」

 

顔を真っ赤にしながら俺の腹部に一発打ち試着室に戻るフェリス姉。初々しい反応ありがとうございます。でも、痛いっす。

俺は店員さんの傍に寄ると頼み込む。

 

「あれを一着下さい。発送で」

 

「分かりました。それではこちらに」

 

店員に案内されレジに行き会計を済まさせ住所を記載し終えるとフェリス姉が試着室から出てきた。

 

「行くぞ」

 

怒った声でおっしゃるお姉さま。

やっぱ楽しいや。この世界

だから俺は守る。この世界(俺のもの)を、俺の家族(俺のもの)を、俺の友(俺のもの)を。

 

次にフェリス姉と共に商店街を歩き、向かうは洋菓子店。

途中、比企谷八幡と妹の小町とバッタリ出くわした。

 

「よう、一誠」

 

八幡が手を挙げて挨拶するので俺も手を挙げて挨拶する。

 

「よう!八幡」

 

俺は八幡によると八幡の肩をポンポンと叩きながら言う。

 

「………お前さ、年下の中坊に手を出しちゃあまずいだろ」

 

全く。いくらボッチだからと言っても中学生女子に手を出しちゃあ拙いっしょ。

 

「な、馬鹿!ちげえよ!!妹だよ!妹の小町」

 

八幡の驚きように俺は笑ってしまう。

 

「あははははは!八幡、驚きすぎ」

 

まあ、八幡が驚くのも無理はない。八幡との会話中比較的大きな声で話してたから俺らの周囲に通る人がこちらを見ているため注目の的になりつつあるのだ。

八幡が焦る中、八幡の隣で八幡と一緒に歩いてた小町ちゃんが挨拶と自己紹介を始める。

 

「こんにちは、え~と~」

 

「俺の名は兵藤一誠だよ」

 

「兵藤一誠さん。ゴミいちゃんの妹の小町です。兄がいつもお世話になっています」

 

笑顔で自己紹介する小町ちゃん。

笑顔が似合っているね~。

 

「それで、一誠。そちらの方は?」

 

八幡と小町がフェリス姉に視線を向けたので俺が紹介し始めようとするとフェリス姉が口を開いた。

 

「私か?私は……美人だ」

 

唖然となった。否、俺だけじゃない。辺りを見ると商店街の人が全員唖然と成っていた。

 

「……冗談だ」

 

顔を赤くしながら下に視線を背けるフェリス姉。

やべえ、超可愛い。

この男殺しが!魔性の女とはこの人の為にある言葉だ。

 

「やべえ、可愛い」

 

ぼそりと呟く八幡君。

 

「ゴミいちゃ~ん?」

 

凄い声で八幡を呼び、じと眼の小町ちゃん。

 

「俺とデートして下さい!」

 

「いえ、ぜひ私と!」

 

「いえ、この私と」

 

フェリス姉にプロポーズ?ナンパと言うのか?まあ、男共が凄く群がってる。

さながら飢えた鯉が餌に群がるようだ。

 

「フッ、美人と言うのは罪だな。一誠?」

 

「こっちに話を振らないで」

 

だってフェリス姉の周囲に群がる男共が凄い顔でこっちを見て来るし、周囲の女性達が殺気立ってるんだもん。豆腐メンタルな一誠君には、こんな場面の対応なんて無理。

 

「馬鹿やってないでさっさと次行くよ」

 

俺はフェリス姉の手を取る。そして逃げるように次の場所へと走って移動する。

瞬時、数名の男共が凄い形相で

 

「待てやごらあ!」

 

「手前!一人だけ美人とデートだと!?」

 

「んな事許せるかよ!」

 

馬鹿丸出しで喚きながら追いかけてきたのだが俺とフェリス姉の走る速度に追いつくことができなかった。

男共の姿が確認できなくなった2,3秒後にバチンと大きな音が聞こえ、

 

「貴方とはもう別れるわ!」

 

「さようなら」

 

「愛想が尽きたわ」

 

等と多数の女性の声が聞こえて来て、

 

「ま、待ってくれ!」

 

「すまなかった樹里!」

 

「ふふ、これが最大級のご褒美 離 婚 か」

 

等と複数の男共の悲痛な嘆きが聞こえて来た。

ってか、離婚がご褒美って最後の奴色々と終っているんだろうか?

それともドMの最上位種か何かか?

兎も角、色々と関わってはやばそうな声が聞こえて来た。

俺の隣を歩くフェリス姉が口を再び開く。

 

「美人と言うのは罪だな」

 

俺はフェリス姉の言葉にただ首を縦に振り

 

「罪だね~」

 

と答えるしかなかった。

 

商店街の端まで逃げると西洋の建築構造をした洋菓子店【流桜】に着いた。

店の外には早くも美味しそうな甘い香りが立ち込め、俺の食欲をそそる。

 

「フェリス姉、ここを見て行こう」

 

「ふむ、構わんぞ」

 

俺はフェリス姉の手を繋いで西洋式の店内に入るとそこは芸術の数々をガラスケースに並べた理想郷だった。

俺の興味を引く芸術の数々。まさにアートの山。

素晴らしい。まさにその一言に尽きる。

俺の興味を引き、あまつさえ惚れ惚れとさせるような職人による匠の技。

それを一つの洋菓子に詰め込んでいた。これは一日中見ていても飽きない。

日本の食文化は俺が知らない間にここまで進んでいたのか!?

……これは、買うしかない!俺のため、白音と黒歌との仲直りの為にも買うしかないだろう!

今買わなくて何時買う?

―――――今でしょ!?

と言う事で会計へと向かう。

 

「はい、次の方」

 

店員さんに言われ俺は注文する。

 

「この店ごと売って下さい!」

 

突如、店員が笑顔のまま凍りついた。

否、店員だけじゃなく店の中にいたフェリス姉と俺以外の全ての人が凍りついたように動かなくなっていた。

 

「………?」

 

分からない。何か拙い事を言っただろうか?

俺は心からこの店ごと欲しいと思ったから注文したのだが………

 

暫くして店員さんが再度聞いてくる。

 

「ご注文は?」

 

ここは、はっきりと言うべきだろう。

 

「この店ごと売って下さい!!」

 

店員さんは一呼吸休んだ後、大声で言った。

 

「店長おおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

店員さんの背後にあったノレンから【べるぜバブ】に出てくる東条英虎にそっくりの男店長さんが出て来た。

 

「何だ?」

 

状況整理の為店長さん俺とレジにいた店員さんに訊いている。

 

「それが、このお客様が店ごと欲しい仰いまして」

 

店員さんの説明を聞き俺の方を見てくる店長さん。ここは俺の出番である。

先ずは褒めて褒めて褒め殺す。

 

「はい。こちらのケーキはどれも素晴らしい。一つ一つが正に芸術」

 

店長は俺の言葉を聞き「ほう!」と言葉を漏らす。

俺はさらに続ける。

 

「出来る事なら一日中見ていて居たい。俺は、欲しい物は絶対に手に入れる主義でね。素晴らしい物は是が非でも欲しい。故にこの店ごと買いたい。言い値で買い取る」

 

店長は暫し考えた後

 

「……悪いが断る」

 

断られてしまった。

 

「何故だ?貴店にとって有利な状況ではないか?」

 

「ケーキはあんた一人の為に作っているんじゃない。皆に多くの人に食べて欲しいから作っているんだ。それを独占されるような事にはしたくない。あんたがその気が無くても…だ」

 

「……ハッハッハ!素晴らしい!!貴方は真の一流職人だ。技術が一流でも心まで一流でなければ所詮それは二流。貴方の様な素晴らしい職人に出会えて良かったよ。店を買う事は出来なくて残念だが、これからもこちらでケーキを買わせてくれ」

 

「おうとも!良いぜ!!これからも当店をご愛用お願いします」

 

結局この店【流桜】での店ごと大人買いは無理だったが、店長とも良い感じに終われた。俺はこの店のおすすめロールケーキを二つ買って家に帰り白音と黒歌にプレゼントして何とか仲直りしたのだが、フェリス姉とデート?した事が白兄のストーキングの所為でばれて夕方の修行でセイバーが何時もの6倍ぐらい厳しかったし、夕食の時グレイフィアの謎の無言の重圧感。超怖かった。

夜、俺の部屋に枕を抱え涙目で白音と黒歌が、「一緒に寝て下さい」「一緒に寝よう」とか言って来たのだ。あの時のラブリーさは、半端無かった。しかも、寝る時に猫耳と尻尾を出して寝るから可愛さ半端なかった。萌え死ぬ。いや、マジで萌え死ぬ。

後日何故無視したのかと訊くと何でも依頼後のアンケートのコメントに❤が書かれていたので嫉妬したらしい。

一つ言わせて頂こう。俺は全く一ミクロも悪くねえぞ!忠実かつ確実に任された依頼をこなしただけだ。

白音と黒歌にもそこら辺は解って頂きたい。

 

 

 

 

 

 

 

【観測者議事録】

 

「兵藤一誠こと、桐ケ谷 隆介は転生した後fate/stay nightのサーヴァントであるギルガメッシュ、セイバーを両親とし、伝説の勇者の伝説 ライナ・リュートとフェリス・エリスを長男、長女にして家庭教師ヒットマンREBORN!の白蘭を次男とし、犬夜叉の桔梗と犬夜叉をこちらに連れ込み友達の印として犬夜叉に鉄砕牙を渡しました。他にも、コードギアス反逆のルルーシュの中のルルーシュ・ランペルージとナナリー・ランペルージ、シャーリー・フェネット、枢木スザク、ユーフェミア・リ・ブリタニアをこちら側に引き込みました。なお、原作では死ぬ筈であった聖剣計画の被害者達を生き返らせ、捕まえた者達に不死の体とし、休ませる事の無い労働をさせ永遠の苦行をさせています。以上の事を第一次転生者観察報告として報告します」

 

「宜しい。では、引き続き監視を」

 

「ハッ!」

 

「ふう、原作と外れてきましたか。まあ、良いでしょう。問題は彼、桐ケ谷 隆介があのアテナ(馬鹿)から貰った無から有を創る力と有を無に変える力ですね。彼が我々の存在に気づく事は先ずありえませんが、彼の持つこの二つ力は物語その物を無くしかねない。それだけは観測者として放置しては置けない。無論、彼が我々に牙を向ける様ならば我々もまた彼を殺し、その魂を永久封印しなくてはならない」

 

「他に報告する事のある人は居ますか?」

 

「「「………」」」

 

「無いようですね。これにて観測者定期報告会を終わりにします。我々は、知られず悟られず黙って観測しなければなりません。皆さんも分かっているとは思いますが、出来る限り不干渉でお願いしますね」

 

「「「ハッ!世界の観測者の名に懸けて!!」」」

 

「これにて閉会!」




体を休める時間が……無い。一週間の内3日間が12時間半労働。他の4日間は学校と部活……
ゴールデンウィーク中は12時間半労働が当たり前。……バイト二つの掛け持ちは辛い。
結論、39.8℃の風邪をひきました。皆さんも風邪には気を付けてください。
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