カオスクロススクールD×H 変人紳士な青龍帝 英雄王とアーサー王に育てられし元ニート物語   作:zeke

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第二十四変人:俺、赤ん坊拾いました

「いらっしゃいニョ」

 

(にょ、だとっ!)

 

絶賛兵藤一誠君大ピンチ中。いつもの如く―――と、言っても今回で二回目の悪魔の契約、つまりお仕事中な俺なんですが、俺は何時の間にやら何処でもドアを使わずチャリのみで異世界へと転移しちまったらしい。何故なら依頼主の部屋を訪ねたら世紀末覇者の世界のラオウ並みの猛者がぴちぴちのコスプレ衣装を着て頭には猫耳?なのか知らんが、着けていて俺がインターホンを鳴らした瞬間勢い良く玄関のドアが開いて俺を待っていたのだ。

 

「さ、さっ、早く中に入ってミルたんのお願いを叶えて欲しいにょ」

 

未知の生物ミルたんと名乗るそれは、そう言うと俺の肩を逃げられないように捕まえて部屋の奥へと俺を引っ張っていく。

 

(な、何なんだ!此奴は!?お、おい!相棒!!此奴は一体何なんだ!?)

 

俺の中に、主に左手に勝手に住みいた居候穀潰しドラゴンが驚愕の声を上げている。こいつ、俺が一度死んでから昨日まで思うように力が入らなかったらしく不貞寝してたらしいんだぜ。信じられるか?無論その後肉体的なO HA NA SIを主に拳で一方的に語り合った。

そんな阿呆で不細工で間抜けなドライグくん。此奴は――――馬鹿だな。

はっきり解った。と言うか地球が出来ていた時から決まっていた真理を再度認識させられる。

世界の人に御免なさいだな。こんな馬鹿なドラゴンが生まれて。

 

(ひ、酷い!たった一言、一言喋っただけで此処までぼろ糞に言われた事が無いぞ!?)

 

酷いのはお前の低能だ。脳みそがスポンジのスポンジドラゴン。

何?――お前の脳みそはBSEの如く脳の中に空洞が出来ていてスポンジなの?否、スポンジだったね。うん、御免。改めて現実突き詰めて本当に御免ね。

 

(二天龍と神からも恐れられた俺を此処まで(何、お前程度が神様から恐れられたの?マジで!?神雑魚!セイバーやギルよりも弱いじゃん!ライナ兄もそん位なら余裕で神様倒せるわ。で、神ってさ、その程度の力で神様気取るとか、マジで何様?)もう嫌だ!此奴も此奴の周りの家族も。俺が惨めに成ってくる。うわあああああああん!白いのおおおおおおおおおおおおお)

 

糞五月蠅いドラゴンだな。

でも、神様弱い。たかだか、この駄龍と阿呆龍を叩きのめせずに神様気取るとか弱すぎでしょう!?

此奴らなんざ、拳骨脳天に一万発ぶちかまして逆エビ固め掛けたり、筋肉バスター掛ければ即KOでしょうに。もしくは、間接全部ギャクパカすれば黙るだろうに。神様の弱さを改めて教えられている間に俺は異世界の戦士、ミルたんに家の奥へと案内される。

 

「どうぞにょ」

 

「あ、ご丁寧にどうも」

 

ミルたんに案内されて着いたのはミルたんの家のリビング。

普通の木のテーブルに椅子が並べられていた。

 

「あ、悪魔さん!」

 

ミルたんの一言で俺は臨戦態勢に成ってしまう。

ミルたんの一言は、ナルやレックス、ジョー程では無いが、この家を揺らすには十分のブレスとも言える声音だった。

 

「並々ならぬ悪魔さんのファンタジー力にミルたんは感動したにょ」

 

(ファンタジー力?さてさて、何処の業界用語だろうか?女子力なら知っているがファンタジー力なんて用語は知らないぞ)

 

「ミルたんを魔法少女にして欲しいにょ」

 

「…………は?」

 

俺は数秒にわたり思考が停止した。

 

「魔法少女?」

 

「魔法少女にょ」

 

(性別変わってんじゃねえか!?)

 

「出来なくも無い」

 

そう。俺の無から有を創る力でその様な道具や、能力を創れば出来なくもない。

だが、このミルたんと言う未知なる生物の魔法少女姿が想像出来ないのだ。

パリーン

俺の中で種子が割れた。否SEEDを発動させた。

SEEDを発動させたこの状態なら想像力も格段に上がっている筈。

再びSEED状態でミルたんの魔法少女状態を想像してみる。

――――――結果から言おう無理だった。

 

「ごめん無理みたい。俺の能力で君を魔法少女にしてあげたいんだけれどもこれにはかなりの想像力を必要とするんだけれども、君の魔法少女姿が想像できない。だから君を魔法少女にしてあげれない」

 

「それなら仕方ないにょ」

 

俺の前で未知なる生物ミルたんの巨大な体が落ち込むように少し項垂れる。

 

「なら!」

ミルたんは顔をあげこちらを向くとがしっと俺の両腕を拘束――掴んだ。

 

「ミルたんを弟子にして欲しいにょ」

 

「だが断る」

間髪入れずに俺はミルたんに断りを入れる。

 

「ど、どうしてにょ?」

 

「弟子は取らない主義でね」

面倒臭いからです。

 

「なら、ならミルたんを使い魔にして欲しいにょ」

 

「使い魔?」

 

「そうだにょ」

 

使い魔か……まあ、それ位なら。

 

「それが依頼と認識して良いのか?」

 

「勿論だにょ」

 

「そうか。なら良かろう。汝、今この時、この時間を持って我の使い魔だ」

 

「やったにょ!これでミルたんのファンタジー力がアップするにょ!」

 

「あっ、そう。…それじゃあ、対価を貰うぞ」

 

俺は、リアス・グレモリーから預かったタブレット型の携帯機器を操作する。

 

「悪魔さん。ミルたんの取って置きを上げるにょ」

視線を声のする方向に向けるとミルたんがいつの間にか部屋の奥から何か石板の様な物を取り出して来ていた。そして、それを俺の方向に軽く投げてきたので俺はそれをキャッチする。

 

「これは……石板?」

 

人々が描かれていて、人々の上空に何やら丸い球が描かれている。

俺が石板を見ているとミルたんが説明を始める。

 

「それは、ミルたんが異世界に行った時に手に入れた魔法の石板だにょ」

 

ミルたんの説明を聞き終えると俺は端末を見る。

対価としては十分と言う事だった。

……これが本物の異世界の時に手に入れた物なのか、それとも俺の使い魔と成る対価が低いのか解らないが、俺は今日ミルたんという使い魔を手に入れた。これのみが変わらない事実。

 

(この者から並々ならぬ覇気を感じるぞ!何なのだ此奴は!?)

 

糞居候穀潰しドラゴンのドライグが何やらほざいておるが気にしない気にしない。

しかし、マジマジとミルたんを見るが凄い。鍛え抜かれた身体。

俺やセイバー、ギルやグレイフィアにペットのジョーやレックス、ナル程では無いが少なくとも白音やよりは強い。ハヤテだとスピードで負かしそうだが、アテネだと負けるかも。

白兄は攻略してそうだし、ライナ兄とフェリス姉は勝ちそう。黒歌も仙術で勝ちそうだが、この人中々出来る。

 

「それじゃあ、これからも宜しく」

 

俺はそう言うと玄関から出て家へと帰宅する為に依頼主ミルたんの家を出た。

 

帰宅の為にと言っても、今日は愛人(漫画)の新刊が出る日なので俺は本屋に行く為に河川沿いの道路を歩いていると……

なんか、川の上流から見た事のある人が流れてきた。

ダンディーで白いタンクトップという服装。巨体な体の胸に何故か矢が刺さっている。

あれって……どう見ても……あれだよな~。アテナ様が言ってたもんな~。イレギュラーを付けたって。

縦に真っ二つに割れるあの方だよな~。

………関わると面倒臭そうだし。関わらない方が賢明か。

上流から流れてくる【べるぜバブ】に出てくるアランドロンを放置プレイして本屋へと向かっていたのだが、ざばっと音が聞こえ、音の音源である後ろを見るとアランドロンが俺に向かって猛ダッシュしてきていた。

俺は逃げた。ダッシュで逃げた。

十分後

アランドロンがまだ追いかけてくる!何でだよ!面倒臭そうなフラグ回避をしてるのに追いかけて来るよ!

こうなったら何処でもドアを使うしかない!

俺は何処でもドアを無から有を創る力で創り学校の屋上へと繋げてドアを開く。

そして、有を無に変える力で何処でもドアを無に帰した。

ふう、これで安心出来る。

周囲にアランドロンは居ない。これで安心……嘘でしょう?

俺のすぐ隣にアランドロンが現れた。

しまった!アランドロンは次元転送悪魔だった!

くっ!何て言う無理ゲーだ!!

絶対に追いついて来る次元転送悪魔から逃げろと言う指令。100%捕まる逃走中。

こうなったらバトルしかない!

アランドロンを倒してベル坊を育てるフラグを叩き壊すしかない!

 

「おらああああああああああ!!!」

 

拳をアランドロンの顔面に叩き込もうとアランドロンの顔面に当たる直前、アランドロンが縦に真っ二つに割れた。

 

「な!しまった!!」

 

真っ二つに割れたアランドロンの中から元気な男の子、カイゼル・デ・エンペラーナ・ベルゼバブ4世 通称ベル坊が現れた。

ベル坊はヨチヨチと俺の方に向かって歩くと俺のズボンをしっかりと掴んだ。

 

「え~と~、僕?離してくれるかな~」

 

俺はベル坊に優しく話しかける。

だが、ベル坊は

 

「ダ~?」

 

首をかしげ俺を見る。

クッ!可愛い。だが、ここは心を鬼にしてベル坊を突き放さないと。

ヒルダ!ヒルダは何処だ!?

please come here!

すぐ来てくれよおおおおおおおおお!

周囲をきょろきょろと見渡してみるがヒルダが来る気配は全くない。

アランドロンもいつの間にか何処かに行きやがった。

糞!絶対に後でアランドロンをしばいて簀巻き状態にしてフルチンの所に代引き手数料込で発送してやる!

取り敢えず、このままベル坊を放置プレイする事は気が引けるので俺はベル坊を抱っこして本家へ帰宅した。

本家の門を潜り、玄関を開けて帰宅する。

 

「ただいま~」

 

……あり?何かやけに家が静かだな。

ただいまの時刻17:30

普段ならグレイフィアが台所で料理しているので匂いが玄関に入ってもするのだが今日は何故か解らないけどしない。

どうしたんだろう?家の中が本当に静まり返っている。まるで誰も居ないようだけどちゃんと気配はする。

と言うか、気配から察するにみんなリビングに集まっているみたい。

ベル坊を抱きかかえ、廊下を渡りリビングの扉を開くと俺は絶句した。

何故なら胸部辺りを大きく空けたゴスロリ服を着ている金髪で巨乳美人。ヒルダさんが居たからだ。

 

「え?何で居るの?」

 

いや本当。何で居るの?

 

「一誠?これはどう言う事ですか?」

 

正座しているヒルダの前に立っているセイバーが俺に詰め寄ってくる。

 

「へ?何が?」

 

状況が呑み込めない俺。

一体我が家で何があったんだ!?

 

「是非ともゆっくりとお聞きしたいですね。一誠様」

 

グレイフィアまで参戦して俺に詰め寄ってくる。

今までの比じゃないぐらいの謎の重圧感がグレイフィアから発せられて怖い。

 

「兄様!」

 

「一誠!」

 

「「どういう事ですか(にゃ)!?」」

 

白音や黒歌まで俺に迫ってくる。

全く持って状況が呑み込めないんですけど!?一体我が家で何が起こったんだ!?

 

「ふむ、ついに孫まで出来たか……考えものだな。良いぞ良いぞ、我が許す。一誠、子作りに励むがよい」

 

ギルが何か言っている。

……って、子作りいいいい!?

 

「へ?え、はあ!?子作りいいいいいいいいいい!?え、ちょっ、マジで状況が呑み込めないんですけど!?一体何があったの!?」

 

ここで、一誠が帰って来るまでに兵藤家で起きた事を説明しよう。

一誠が帰って来る50分前に【べるぜバブ】のヒルダがこの世界に来た。アランドロンが高熱を出し、体調不良で魔力がうまく練れないままベル坊を人間界に転送する為に転送を試みたのだが本来【べるぜバブ】の世界とは別の一誠が住んでいる【ハイスクールD×D】の世界に来たのだ。高熱を出しているアランドロンは意識を失う前にベル坊を比較的強く安全な人間にベル坊を任せようとした。そこで途中一誠と出会い一誠に白羽の矢が当たり、一誠が晴れてベル坊の親へと成ったのだ。

その事を知ったヒルダは、一誠をベル坊の親にする為に兵藤家へと足を運んだのだ。

兵藤家のインターホンを鳴らし出て来たグレイフィアに深々と頭を下げ挨拶した。

 

「初めまして、ヒルデガルダです。一誠様のお宅でいらっしゃいますか?」

 

「え?」

 

ピシリと氷にひびが入る音がグレイフィアからして、グレイフィアはしばらく思考が停止した。

 

(一誠様?私の他にもあの人をそう呼ぶ人がいたの!?)

 

等と考え暫く思考が停止しているとヒルダが

 

「ご両親と一誠様のご家族にご挨拶をと思いましてお伺いさせていただきました」

 

と淡々と答える。

 

(ご挨拶!?え、何ですか。それ!)

 

訳が分からないグレイフィアは取り敢えずヒルダを兵藤家の中に招き入れたのが嵐の始まりだった。

ヒルダがグレイフィアに案内されたのは兵藤家のリビング。

グレイフィアはヒルダが暫くリビングで待っているとグレイフィアがセイバーとギルガメッシュ、長男ライナと長女フェリス、次兄白蘭と次女黒歌、三女白音。執事ハヤテとメイドであるアテネ。自宅にいない一誠以外の全員を引き連れて兵藤家の人々を引き連れてリビングに入って来た。

ヒルダは兵藤家の人々がリビングに入って来ると正座をし、

 

「皆様、初めまして。ヒルデガルダです。ヒルダとお呼びください」

 

深々と頭を下げ挨拶をした。

 

「え~と~、ヒルダ様。どうぞ頭を上げてください」

 

ハヤテにそう言われヒルダが頭を上げるとハヤテが続ける。

 

「それで、御用と言うのは?」

 

「はい、兵藤一誠様のご両親とそのご家族に挨拶をしに参りました」

 

(え!それって、もしかして……)

 

ヒルダの言葉にハヤテは嫌な予想をしてしまう。

 

「これから、こちらでカイゼル・デ・エンペラーナ・ベルゼバブ4世様と共にお世話に成りますヒルダと申します」

 

(ハハハ、まさかあの一誠様に限ってそんな事は無いですよね)

 

「それで、ヒルダさんだっけ?そのベルゼバブ4世と言うのは一体何者何だ?」

 

何時もは眠たそうな眼をしている長男のライナがヒルダに尋ねる。

 

「子供でございます」

 

「マジだ!」

ハヤテの大きな驚きの声が兵藤家に響き渡った。

黒歌と白音、グレイフィアとセイバーは眼を大きく見開き、白蘭は楽しそうに傍観者を決め込み、ギイルガメッシュは嬉しそうな顔をし、長女のフェリスは「私もおばちゃんか」と何処か遠い眼をし、ライナは無言と成った。アテネは何か考え事をし始めたのだ。

と、ここで一誠が帰って着たのだ。

 

 

俺からの視点でこれまでの経緯を説明すると依頼主の許に行き契約を成立させ、帰ってくる途中【べるぜバブ】のアランドロンと遭遇。アランドロンとバトル事、ベル坊GET。ベル坊引き連れ家へ帰宅すると皆に迫られて訳が分からない事に成っている。

 

「え~と~、一体何があったんでしょうか?」

 

俺の周りにいらっしゃる我が家の殆どのガールズ達に訊いてみる。

 

「一誠、あなたが抱えている子は誰の子ですか!?」

 

セイバーは俺が抱えているベル坊を指さしながら訪ねてくる。

誰の子って言ってもな………

 

「俺の子?かな?」

 

原作通りなら俺の子に成るんだよな~。

でも、もしかしたらこれから次第で子育てフラグ回避に成るかも知れない。

まあ、ベル坊可愛いから子育てフラグ建っても育てりゃ良いだけだけど。

 

「ふむ、一誠も遂に大人の階段を登ったか」

ギルは、一言そう言うと面白そうにこっちを見て来る。

周りの俺の女性人が全員放心状態なのだけれども………どうしよう?

 

取りあえず俺はヒルダにの傍によると彼女に尋ねる。

 

「あの~、俺、どうしたら良い?」

 

ヒルダはこちらを見ると俺を指さしながら言う。

 

「貴方は、晴れて魔王の親に選ばれました。つまり、貴方が魔王の親です」

 

その言葉を聞くと俺は地面に手をつき膝をついた。

 

「これから宜しく」

 

ヒルダの微笑みが悪魔の様に見えて仕方がなかった。

俺は晴れてベル坊を育てる子育てフラグが建った事に成った。

暫く時間は掛かったが、何とか立ち直ると俺はヒルダに言う。

 

「すまねえが、俺は平日学校だ。部活もバイトもあっから日中は、此奴の面倒を見てやれねえ。だから、ヒルダ。お前に頼んでも良いか?」

 

「了解した」

二つ返事で了承してくれたヒルダに頭を下げる。

 

「すまねえ。ありがとう」

俺はヒルダからベル坊へと視線を向けるとベル坊の頭を撫で微笑みながら言う。

 

「つーわけだ。すまねえなベル。お前は日中ヒルダとお留守番していてくれ。出来るか?」

 

「アイダ!」

 

手を挙げ元気の良いベル坊の返事に思わずほっこりしてしまう。

 

「頼んだぜベル」

 

「ダーブ!」

 

俺はそのままベル坊を抱えると自分の部屋へと向かった。

放心状態のガールズ達を残したまま。

 

「さて、ベル!服を着るぞ!」

 

「ダ~?」

部屋に着いた俺はベルに服を着させるために無から有を創る力で服を創る。

服は、魔王参上!とプリントアウトされた服だ!

無論ズボンも無から有を創る力で作成済み!抜かりなんて無いぜ!

創った服を持ってベルに近づくき、着させようとすると……

 

「アイダ………ビエエエエエエエエエエン!!!」

 

ベル坊が泣き始めベル坊から出た電撃が俺を襲う。

 

「ぎゃあああああああああああああああ!!!」

 

痛いとかそう言う次元じゃねえ!

もう何も感じねえ。ただ、全身がピリピリとして体中に電撃が走るのが分かる。

既に体から焦げ臭い匂いがし始める。

 

「分 か っ た!」

 

ベル坊の電撃のせいで痺れて呂律が回らないが何とかそう言うとベル坊からの電撃は収まった。

すっかりベル坊が服を着ることが嫌いだって事を忘れていた。

つうか、ベルの電撃ヤバイ。

男鹿もよくこの電撃で生きていたな……

マジで尊敬者だわ。特に生命力。

あれか、慣れか?慣れなのか!?慣れなきゃいけねえのか。この電撃に!?

 

「ダ……ブ」

 

涙目のベル坊に這いずりながら近づくとベル坊の頭を撫でながら言う。

 

「ベル。手前の言いたい事は分かった。だがな、男がそうそう涙を流しちゃいけねえぞ。涙ってのは、大切な時に流せるように取って置くものだぞ!分かったか?」

 

「……アイダ!」

 

ベル坊は右手で涙を拭い元気よく答える。

 

「よし!泣き止んだか。男が早々涙を流しちゃいけねえぞ」

 

撫でてる腕が焦げ臭いのはご愛嬌して欲しい。

ベルと会話をしていると俺の体の痺れも回復した。

コンコンと部屋の扉がノックされ

 

「兵藤、いるか?」

 

ヒルダの声が扉の向こうからした。

 

「ああ」

 

「入るぞ」

 

声の後に扉が開かれヒルダが部屋に入って来た。

 

「……何をしている?」

体から煙が上がってベル坊を撫でている俺を見てヒルダが冷めた眼で言う。

 

「いや、見りゃ分かんだろう?ベルを撫でていんだよ」

 

「それは分かるが何故貴様が焦げ臭いのだ」

 

「ベルが泣いたらベルから電撃が出て俺が電撃の餌食になったんだよ」

 

「……貴様!」

 

わなわなとヒルダの体が震えヒルダは何処からか傘を取出し、傘に仕込んである仕込み刀を抜いた。

 

「よくも坊ちゃまを泣かしたな!」

 

ヒルダはそう言うと刀の剣先を俺に向け突いて来る。

俺はそれを紙一重で避け、ヒルダが振るう刀を右手で掴む。

ヒルダの剣はフェリス姉やセイバーよりも遅い。

刀を掴んだ為か俺の右手から血が腕に流れた。

 

「手前、何のつもりだ。ヒルダ!」

 

「よくも坊ちゃまを泣かせたな!?」

 

クッ!こいつ【べるぜバブ】の原作並みかそれ以上にベル坊の親馬鹿に成ってやがんじゃねえか!

 

「……ダ」

 

「「え?」」

不意に俺は足元にいるベル坊から声がしたので俺はヒルダと共に視線をベル坊に向けると、そこには頬に俺の血が一滴ついた涙目のベル坊が居た。ベル坊の体からバチバチと電流が僅かながらはみ出ている。

 

「待つんだベル坊!」

 

「坊ちゃま、お待ちください!」

 

ヒルダと共にベル坊に待ったの懇願をするが流石魔王様の子供。

 

「ダーブ!」

 

喧嘩両成敗と言わんばかりベル坊から容赦ない電流が俺とヒルダを襲う。

糞!こうなったら……

 

「危ねえヒルダ!」

 

ヒルダを押しのける。

雷は周囲で一番高い所に落ちると聞く。

俺に押された事でヒルダは部屋の隅で尻餅をつき高さはベッドと同じくらい。

つまり、ベル坊の電流が雷の様な性質を持つのならベル坊から出た電流は全てベルの周囲で一番高い俺に流れる。

 

「ぎゃああああああああああ!!!」

 

本日二度目の感電。クソ!今日は厄日だ!!

 

 

「すまない」

 

ベル坊の二度目の感電から立ち直った俺は胡坐をかき膝にはご機嫌を取り直したベル坊が座り、目の前に先ほどの事で正座で申し訳なくしているヒルダが居るという状況だ。

俺の体から煙と焦げ臭い匂いが強くなっている。

 

「だが何故私を押しのけた!貴様がそれをしなければ貴様の被害も皆無とまではいかなくとも被害は少なくなって居た筈だ!」

 

此奴は……

 

「阿呆か!花が萎れてちゃつまんねえ。花ってのは生き生きとしてるのが良いんだよ!」

 

ヒルダは俺の話を聞くと頭に?を浮かべる不思議そうな表情と成った。

此奴は、分かってねえのか……

 

「つまりだ!女が傷付いたり、悲しそうな表情を浮かべんのは俺は見たくねえってことだ」

 

「兵藤「一誠で良い。うちの家族と紛らわしい」一誠。それは、私に傷付いて欲しくないと言う事か?」

 

う~ん。結果論から言うと、そう成んのか?

 

「……そうだ。女が傷付くのは見たくねえかんな」

 

「……そうか」

 

何か若干頬が赤くなって無いっすかヒルダさん!?

あんたそう言うキャラだっけ!?

キモッとか言って毒舌吐くキャラじゃなかったっけ!?乙女か!

俺は自分の信条を言っただけなんすけど!

 

「それでヒルダ。お前、何か用があったんじゃ無いのか?」

 

俺の言葉にヒルダは我に返った様な表情となった。

 

「そうだ!貴様を下に連れて来る様に言伝を頼まれているのだった」

 

「早く言えよ!」

 

ベル坊が俺の背中に捕まりヒルダと共に一階に駆け降りる。

リビングに行くと放心状態だったガールズ達が立ち直っていた。

俺とヒルダがリビングに入ったのをセイバーが確認すると俺に近寄ってくる。

 

「一誠、そのあなたの子供ですが……」

 

「ああ。まあ、俺の子っちゃ俺の子なんだけれども血は繋がってねえぞ。養子みたいなもんだよ。セイバー」

 

俺の言葉に家族全員の眼が点に成っていた。

 

「えっと、その子供はあなたの子供なんですよね?」

 

セイバーの問いに頷いて背中にしがみ付いているベル坊を抱っこして見せながら言う。

 

「うん、俺の子。可愛いっしょ」

 

「ダーブ!」

 

ベルも宜しくと言わんばかりに手を挙げて挨拶する。

 

「「「ああ、成程」」」

 

家族一同、主にガールズ達が納得の表情を浮かべる。

クッソ!これも全てアランドロンのせいだ!

絶対にアランドロンを見つけたら簀巻きにして古市の家に代引き手数料込で包装してリボンをつけて発送してやる。

 

 

 

「ふう、疲れた」

 

家族に理解をしてもらえた一誠は、もう心身ともに疲弊していた。

そこで、体を休めるために自分の部屋に戻ってベットでベル坊と共に横になっていた。

 

「お疲れ様です」

 

一誠の背後から男の声が聞こえた。

一誠が部屋には、一誠とベル坊以外誰も居なかった。

しかし、一誠の背後から、しかも横に寝そべっているベットのすぐ後ろから声がしたのだ。

一誠がベットの上で横に寝そべった状態で顔を背後にやるとおっさん次元転送悪魔アランドロンのズームアップした顔があった。

 

「近けえよ、馬鹿野郎!!!」

 

一誠の魂の叫びが部屋に響き、一誠はいつの間にかアランドロンを殴り飛ばしていた。

殴り飛ばされたアランドロンはベットから落ちてクルクルと2,3回転すると部屋の壁に頭から激突した。

 

「痛いですなあ。行き成り何をされるんですか?」

 

壁に激突した頭をさすりながら言うアランドロン。

ブチンッ

アランドロンの言葉に一誠の中で何かが切れた。

ベットから出ると一誠の足取りはアランドロンへと向かい、一誠はアランドロンの顔を右手で掴み右手に力を籠め始める。

 

「何をさられるんですか?だあ!?手前が現れて勝手にベルを俺に任せたせいで、俺は子育てフラグが建っちまったじゃねえか!?一体どこで何をしてたんだよ!」

 

アランドロンの頭を鷲掴みにした手に力を込め、アランドロンにアイアンクローをしながら言う一誠の声は怒りに満ちていた。

 

「はい。あなたに預けた後、魔界健康ランドで温泉に浸かりながら魔力の回復と体調を整えていました」

 

魔界健康ランド……それは、【べるぜバブ】の世界の魔界にある温泉。

その事を知っている一誠はアランドロンの話を聞くと

 

「ふざけんなこの野郎!!」

 

アイアンクローをしているアランドロンを空中に放り投げ、アランドロンに空中コンボで拳の嵐を食らわせる。

空中コンボを食らったアランドロンは部屋の戸棚に激突して気絶。

一誠は無から有を創る力で鋼鉄のワイヤーを創るとそのワイヤーを持ってアランドロンに近づいた。

そして、アランドロンを文字通り簀巻きにして鋼鉄のワイヤーで拘束。

無から有を創る力で段ボールを創ると拘束したアランドロンを入れ、外側にはピンクの紙で包装した。

包装し終わるとポケットから携帯電話を取り出して電話をする。

しばらくのコール音の後に相手は出た。

 

「はい、こちら運送会社 白猫大和です」

 

「すみませんが荷物の配送をお願いしたいので取りに来てもらえませんか?荷物が重いのでちょっとそちらに持っていくのがしんどくて」

 

「分かりました。すぐそちらに伺います。ご住所を教えてください」

 

「はい。〇〇〇〇県☓☓☓☓☓の☐☐☐です」

 

「すぐにお伺いします」

 

一誠が携帯電話の通話を切るとアランドロンを包装した段ボールを一階の玄関に運び込む。そして、再び自室へと向かい自室のベットの上で漫画を読み始めた。

漫画を読み始めて15分位すると、

ピーンポーン

不意に家のインターホンのチャイムが鳴った。

 

「行くか」

 

「ダ~ブ!」

 

読んでいた漫画をベットの上において、ベットの上に座っていたベル坊を抱っこして玄関に向かい扉を開けて業者を家の中に招き入れる。

 

「あの~、お届けするお荷物は?」

 

「あ~、荷物ならこれです」

 

「あっ、そうですか。以上でしょうか?」

 

「そうです」

 

業者は荷物を持ってきたトラックに運び込むと一誠にお届け先の紙を渡す。

一誠はそれを受け取ると届け先を古市の家で記入。

料金も代引き手数料としてアランドロンを出荷した。

 

「それでは、ご注文を承りました」

 

業者は一誠に挨拶をすると玄関を出てアランドロンを乗せたトラックを発進させた。

一誠はそれを見送ると玄関の扉を閉めベル坊と共に家の中に入っていった。

 

後日、一誠のアランドロンへの恨みで実質何の関係もない古市が代引手数料を払わされ、アランドロンと言う無駄にダンディーなおっさん次元転送悪魔を受け取る羽目になった。

 

 

 

「一誠ええええええええ!!!」

 

翌日の放課後、一誠が駒王学園の廊下を歩いていると背後から怒鳴り声がし、一誠の後頭部に衝撃が走る。

一誠はそのまま勢いで前方へと倒れこむ。

そして、すぐさま起き上がると襲撃者の方に顔を向けた。

実際は襲撃される事は分かっていたが、なんとなくノリで襲撃を受けた。

 

「何だフルチン。朝から喧しいぞ」

 

襲撃者の名は古市。一誠の友達だ。

古市は一誠の胸倉をつかむと一誠の体を揺さぶり始める

 

「何だじゃねえぞ!手前、俺に何の恨みがある!あんなおっさんを俺の家に送ってきやがって!そこはまだ良しとしよう「あ、やっぱりそっちの気が」ねえよ!無いからな!!おっさんを送ってくるのは良しとして、手前の所為で俺はこずかいから代引き手数料を支払っておっさんを引き取る羽目になったんだぞ!!どうしてくれんだ!?」

 

「いや、フルチンが独り身じゃ寂しいだろうからと思って」

 

「余計な心配だ馬鹿野郎!手前の所為でおっさんが、アランドロンが朝起きると俺のベッドの中に入っているというホラーが今朝あったんだぞ!」

 

「大丈夫だ。古市」

 

「何がだよ!」

 

「直に慣れる」

 

「慣れたくねえよ。そんなホラー!!」

 

「俺もな、色々と大変なんだよ」

 

「何がだ?」

 

「ひょんな事から赤ん坊を育てなきゃいけなくなってな」

 

「ねえよ!そうそう、ねえよ。そんな事!」

 

「だからな、旅は道連れって言うじゃん」

 

「糞が!道連れか!?俺は道連れでおっさんを引き取らなきゃいけねえのか!」

 

「俺もな、何かあると電撃に襲われる羽目になってよ」

 

そう。一誠の家にベル坊が来てから二日目なのだが、今までにベル坊の電撃で一誠が感電した回数がすでに二桁を超えているのだ。

驚くべき感電回数と成っている。

 

「まあ、そう言うわけだ。頑張れフルチン」

 

一誠はそう言うと古市の肩をポンポンと叩くとその場を後にした。

 

「ちきしょおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

一誠がいなくなった廊下で古市の声がこだまし、廊下を歩いていた女子がびっくりして一斉に古市の方を向いた。

古市は女子に見られている事にも気付かず、廊下で四つん這いになると地面を叩いて嘆いた。

 

「女の子が朝起きると一緒にベットで寝ているというシチュエーションじゃなくておっさんが寝ているというシチュエーション。一体だれ得なんだよおおお!」

 

『貴之いいいいいいいい!!!』

 

「げっ!」

 

おっさんの声がすると古市は顔をしかめ、辺りを見渡す。

 

「誰を探しておいでですかな?」

 

「んなもん。決まって……え?」

 

声のした背後を古市は振り返ると白いタンクトップのおっさん悪魔。アランドロンがいた。

無駄にダンディーな特徴的な自身のひげを弄りながら無駄にかっこよくポーズを決めたアランドロン。

そんなアランドロンを見ると古市はクラッチングスタートをしてダッシュで逃げる。

風のように、ボルトのように速く逃げた。

と本人は思った。

 

「ハッハッハ。何処に行こうと言うのですかな貴之殿」

 

しかし、アランドロンを舐めてはいけない。

彼は【べるぜバブ】では、優秀な次元転送悪魔。縦に真っ二つに割れると自身を古市の走る先へと転送する。

 

「ぬおおおおおおおお!!!追いついて来る!あはは、おっさんが追いついて来るよ!」

 

壊れたように笑いながら全力で逃げる古市。

だが、そんな古市に救いの手が差し伸べられた。

 

「こおら!古市!廊下を走るな!!」

 

走る古市の前方に現れたのは古市のクラスの担任西村。

男子トイレから出てきたため用を済ませて来た所だ。

 

「先生!今は勘弁してください!」

 

古市はさらに走る速度を加速させ西村の前を通り過ぎた。

西村はその様子を見ると……

 

「待たんか古市!!」

 

全力で走り古市を捕まえた。

 

「先生!離して下さい!このままじゃ、俺は俺は!」

 

もはや興奮状態の古市。そんな古市は更に続ける。

 

「おっさんに捕まっちまう!」

 

古市の発言に暫し無言となった西村だが、

 

「何を言っとるんだお前は…」

 

呆れ顔で古市を見ると古市を担ぎ、補習室へと連れて行った。

 

「嫌だあああああああ!!!」

 

古市の絶叫が廊下だけではなく校舎全体に響き渡った。

 

 

一方、アランドロンは?と言うと……

 

「キイイイイイ!あの人は誰なんですか!?私の貴之を連れて行って!」

 

陰で古市が西村に連れて行かれる様子を涙を流し、ハンカチをくわえ悔しそうな顔をしながら見ていた。

 

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