上里友海は勇者である   作:水甲

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今回、話が少し飛びます。

そしておまけは……本編がこんな状況なのにという突っ込みを入れるのはOKです


12 気づかれた真実

東郷SIDE

 

合宿が終わり、私は自分の部屋であることを調べていた。それは友海ちゃん、牡丹ちゃん、赤嶺さんのことだ。

 

あの三人は大赦から派遣された勇者と説明されたけど、何かしら隠している気がする。私は300年前から今まで起きたことを調べているとあることが判明した。

 

それは赤嶺家が大きく関わった事件。人類とバーテックスとの戦いではなく、人類と人類同士の戦いの記録。そこで大きく関わった人物の名前を見て、私は驚きを隠せないでいた。

 

「赤嶺友奈……この記録に書かれている彼女と同じ人なの?」

 

友奈ちゃんにそっくりであり、大昔の記録に同じ名前……まさか彼女は……

 

「……そんなSFみたいなことじゃないわよね」

 

そう自分に言い聞かせるように否定するが、自分のこの考えが正しいと思えてしまっている。

 

「そして上里友海……あの時、彼女が言った言葉は……」

 

宇宙に上がって御霊を破壊した時、友海ちゃんが言った『ママ』という言葉。最初は誰に向かっていった言葉なのか分からないでいたけど、いろいろと考えていくと彼女の言う『ママ』は友奈ちゃんに向かっていったのではないかと思えてきた。

 

「友海ちゃんは未来の友奈ちゃんの娘?」

 

本当にSFだ。もしそうだとしたら牡丹ちゃんは誰の娘に……

 

「考えすぎよね」

 

私は自分にそう言い聞かせるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして数日後、大赦から敵の残存勢力が確認され、私達はもう一度勇者として戦うことになった。

敵は友奈ちゃんが撃退したけど、また満開ゲージが溜まってしまう。それを見て、友海ちゃんと牡丹ちゃんは悲しそうな顔をしていた。やはり何かを隠している?

 

 

 

 

 

 

 

 

樹海から戻ると私と友奈ちゃんの二人だけ、大橋の近くに飛ばされてしまい、奥へと進むとそこにはベッドに横たわる一人の少女がいた。

 

「……やっと会えた~わっしー」

 

「!?」

 

「わ、わっし~?」

 

「本当だったらもっと早く会いたかったんだけどね。中々会わせてくれなかったから、呼んじゃった」

 

「え、あ、わ、私は東郷美森です」

 

「………美森ちゃんか。そっちの子は?」

 

「結城友奈です。えっと……貴方は」

 

「私は乃木園子。二人より前に勇者になった。言うなれば先代勇者かな」

 

「先代……」

 

「二人は満開……あのパッーとなってガッーって強くなったんだよね」

 

「は、はい」

 

「私も、友奈ちゃんも……」

 

「でも体の機能をどこか失った。満開は花が咲き誇ること、咲き誇った花は、そのあとどうなると思う?満開のあとに散華という、隠された機能があるんだよ」

 

「散…華?『華が散る』の散華?もしかして私達の体の機能が失ったのは」

 

「それって……」

 

彼女は頷き、静かに語っていく。

 

「それが散華。神の力を振るった満開の代償。花1つ咲けば、1つ散る。花2つ咲けば、2つ散る。そのかわり、決して勇者は死ぬことはないんだよ」

 

「死なない?」

 

「でっ、でも…しっ、死なないなら、いいことなんじゃないのかな?ねっ?」

 

「そして、戦い続けて今みたいになっちゃったんだ。元からぼ~っとするのが特技でよかったかなって。全然動けないのはきついからね」

 

「い…痛むんですか?」

 

「痛みはないよ。敵にやられたものじゃないから。満開して、戦い続けて、こうなっちゃっただけ。敵はちゃんと撃退したよ」

 

「満開して、戦い続けた」

 

「じゃあ、その体は代償で…」

 

私の頭にある考えがよぎった。私のこの両足も、記憶ももしかして……

 

「で、でも、どうして私達が……」

 

「いつの時代だって、神様に見初められて供物となったのは、無垢な少女だから。汚れなき身だからこそ、大いなる力を宿せる。その力の代償として、体の一部を神樹様に供物として捧げていく。それが勇者システム」

 

「私たちが、供物?」

 

「大人たちは神樹様の力を宿すことができないから、私たちがやるしかないとはいえ、ひどい話だよね」

 

「それじゃあ、私たちはこれから、体の機能を失い続けて…」

 

「でも、12体のバーテックスは倒したんだから、もう戦わなくっていんだよね。大丈夫だよね、東郷さん」

 

「友奈ちゃん」

 

「倒したのはすごいよね。私たちのときは追い返すのが精一杯だったから」 

 

「そうなんですよ!もう戦わなくていいはずなんです」

 

「…そうだといいね」

 

「そ…それで、失った部分は、ずっとこのままなんですか?みんなは、治らないんですか? 」

 

「治りたいよね…。私も治りたいよ。歩いて、友達を抱き締めに行きたいよ」

 

彼女の頬を伝う涙。彼女もずっと苦しんでいたんだ……

 

「悲しませてごめんね。大赦の人たちも、このシステムを隠すのは、一つの思いやりではあると思うんだよ。でも…私はそういうの、ちゃんと、言ってほしかったから、うぅ…分かってたら、友達と…もっともっと、たくさん遊んで…。だから…伝えておきたくて」

 

私はそっと彼女の涙を拭った。すると彼女は私が持つリボンに気が付き、微笑んだ。

 

「そのリボン、似合ってるね」

 

「このリボンは…とても大事なものなの。それだけは覚えてる。けど…ごめんなさい、私、思い出せなくて」

 

「しかたがないよ」

 

「教えて、貴方は知っているはず……上里友海ちゃんたちが何者かって……」

 

「えっ?友海ちゃんたちがどうかしたの?」

 

「友奈ちゃん、私なりに彼女たちのことを調べたの。そしたらある考えに至った。赤嶺さんは過去の勇者。友海ちゃんと牡丹ちゃんは未来の勇者……ありえないかもしれないけど……」

 

「………すごいね。8割当たってるよ」

 

「8割……」

 

「それじゃ本当に過去と未来から?」

 

「二人は知ってる?私達がいるこの世界とは似てるけどぜんぜん違う世界のこと……」

 

「似てるけど……違う世界?」

 

「友奈ちゃん、例えばバーテックスもいない世界とか……そういうありえたかもしれない世界のことを平行世界っていうの」

 

「そう、その平行世界から彼女たちは来た。赤嶺友奈ちゃんは過去の別世界から、友海ちゃんと牡丹ちゃんは未来の別世界から……とある神様に言われて連れてこられた存在なんだよ」

 

やっぱり私の考えはあっていた。本当に彼女たちは……

 

「で、でも、どうして三人は神様に?」

 

「話を聞く限りじゃ例外的な存在になってほしいんだって、悲しい運命も辛い運命も変えられるような……そんな勇者になってほしいからだって」

 

だとしたら今、私達の状況は……

気がつくと大赦の仮面をかぶった人たちが集まっていた。

 

「彼女たちを帰してあげて、これは私が勝手にやったこと……もし彼女たちを傷つけたら………許さないから」

 

彼女の言葉を聞き、周りの人達は後ろへ下がっていった。私達はそのまま大赦の車に乗り、家まで送られるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある世界

 

「桔梗くん~」

 

今日は部室に僕と美森の二人っきりだった。そのためか美森はものすごく甘えてきた。

 

「どうしたんだ?」

 

「なんだか静かでね……」

 

美森はそっと目を閉じた。全くこういうときに夏凛か樹が帰ってこないか心配だけど、僕は気にせず顔を寄せた。

 

「じ~」ポリポリ

 

何故か視線とお菓子を食べる音が聞こえ、振り向くとそこには天の神がくつろぎながら、僕らの事を見ていた。

僕と美森は咄嗟に離れ、僕は天の神の頭を掴んだ。

 

「何しに来た」

 

「あぁ、気にしないで。ちょっとした映画気分で見てるから」

 

「いや、だから……」

 

「ひと目を気にせずいちゃついてるんだから、良いじゃない。あぁ、激しいうん……」

 

うん、いい加減殴りたくなってきた。というか天の神がこうして遊びに来ていて怒られないのかよ

 

「あぁ、私がやることは見守ることだからね。世界の守護やら二人の女神に任せてるから」

 

要するに暇なんだな。全く世界が生まれ変わったっていうのに……

 

「それで何か用でもあるのか?そのために来たんだろ?それともただの暇つぶしか?」

 

「あぁ、そうだった。あっちのエリスに頼まれたことがあってね。この世界に牡丹はきてないか?」

 

「牡丹?」

 

「牡丹ちゃんって、海くんの世界のですか?来てませんけど……」

 

「だとしたらやっぱり……もう少し調べてから話すが、もしかすると手伝ってもらうことになるぞ。境界の勇者」

 

「……わかった」

 

 

 

 

 




フラグが段々立ってきていますが、あと一人、まだフラグが立っていない勇者が一人います

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