上里友海は勇者である 作:水甲
牡丹SIDE
「ハッ!!」
矢を射るが、お母様の銃弾に相殺されてしまう。攻撃が届かない。お母様は二丁の銃の他に遠隔操作で狙撃が可能な自動端末を持っているため、隙を突いて攻撃することができない。
「未来から来ていても……私を止めることはできないわよ。牡丹ちゃん」
「そんなの……分かってます」
炎を纏わせ、矢を放つ。だけどそれでもお母様に撃ち落とされてしまった。このままだといつか私に命中し、負けてしまう。
(思い出すんだ。先生との訓練を……お母様の指導を……)
お母様は遠く離れた場所で戦況を把握し、すぐに援護ができるように動けるようにすることを教えてもらった。
先生からはどんな状況でも諦めないことを教えてもらった。
「ライトオブセイバー・アロー!!」
矢を放つと同時にお母様の自動端末を光の刃で全て破壊した。私は距離を詰め……
「これで……」
「………満開!!」
その言葉を聞いた瞬間、目の前が真っ白になった。
友海SIDE
三首のワンコバーテックスの攻撃を避けていく、私。炎とか吐いてくるかと思ったけど、踏み潰すくらいのことしかやってこない。これぐらいだったら……
「ハアアアアア!!」
横腹を思いっきり殴った。だけどワンコバーテックスは気にもとめずに、大きな尻尾で私を地面に叩きつけた。
「かはっ……!?」
『悪いがお前では今の俺には勝てない。お前の攻撃の威力はたしかに強いけど、それでも今の俺には通じない』
巨大な足で倒れ込んだ私を踏みつけた。痛い、痛い、泣き叫びたい……
『動けなくしてしまえば……もうあの存在の目的は達成できなくなる』
何とか抜け出し……爆裂勇者パンチを放とうとするけど、体中に痛みが走り、膝をついてしまった。
『もうやめろ。何故そこまで戦うんだ』
「わた……しは……諦めない」
牡丹SIDE
お母様は巨大な戦艦に乗り、巨大な銃口を私に向けていた。直撃を喰らい、体中が痛くて泣きたくなってきた。
「牡丹ちゃん!?」
「友奈……さん……大丈夫です……」
私は立ち上がり、弓を構えた。こんなところで諦める訳にはいかない……
「……どうして立ち上がるの?そこまでして私達を救いたいの?」
「そう……教えてもらったから……」
私は悲しそうな顔をするお母様に笑顔を見せた。
「どんなときでも……勇者は……」
友海SIDE
「諦めない……」
『もう勝ち目が無いんだ。諦めろ。お前では救うことは……』
「なるべく諦めない……ママから教えてもらった勇者部五箇条……」
牡丹SIDE
「私達も勇者だからこそ……勇者部五箇条を信じている……」
体中が熱い。これは何なのかわからないけど……力が溢れてきている
「そして私は……お母様から大切な……」
友海SIDE
「ママから大切な人たちを守るために頑張れる勇者になれるように応援してるって言われた。私の大切な人は……ママ、牡丹……カズマおじちゃん達……そしてパパ……出会った人たちがみんな大切な人だからこそ……守っていくために……」
桜色の光が鉄甲から放たれていた。これは……わかるよ
「力を……」
牡丹SIDE
「みんなを……お母様を救うための力を……今!!」
「「満開!!」」
牡丹SIDE
まばゆい光とともに、私の両手には二丁の銃が握られ、衣装も神秘的なものに変わっていた。
これがお母様たちが言っていた満開……
「今………助けます」
「くっ」
巨大な砲台から砲撃が放たれていくが、私は避け、二丁の銃から光の銃弾が放たれ、砲台を破壊した。
「友奈さん、道は私が切り開きます。だから!!」
「うん!!」
お母様が攻撃を放ち続けるが、私は全てを撃ち落としていく。そして道を切り開き、友奈おばさまがたどり着き、思いっきりお母様を殴るのであった。
友海SIDE
まばゆい光とともに、私の両手には巨大な鉄甲が装備され、更には額には角みたいな額当てがつけられていた。
これって高嶋おばちゃんの……
「そういえばおばちゃんが言ってたな。自分の切り札を誰かに受け継いでほしいって……」
『姿が変わっても!!』
巨大な足でもう一度私を踏み潰そうとするが、私は拳を構え、思いっきり巨大な足を殴った。
バーテックスは殴られた勢いで吹き飛び、地面に倒れ込んだ。
『ぐううう、まだだ』
「これで終わり!!」
トドメの一撃を与えようとした私だったけど、寸前のところで止めるのであった。
『とどめを刺さないのか?』
「蒼くん……大切な人を守るって決めたからこそ……蒼くんを倒すことなんてできないよ」
『敵同士だぞ』
「違うよ。もう友達だよ。喧嘩はやめよう」
私は微笑むとバーテックスの姿から蒼くんの姿に戻った。
「はは、友達か……手を取り合えると思ってるのか?お前ら人類と僕らバーテックスが……」
「知ってるから……手を取り合った未来を……」
「ふふ、負けたよ。お前には……」
とある世界にて
「それじゃ天ちゃんは色々と調査をしてるんだね~」
「あぁ、もしかしたら手伝うことになるかもな」
僕は端末を取り出した。せっかく世界が変わったっていうのに……
「きょうくんは境界の勇者だから大変だね」
「桔梗くん、手伝えることがあったら言ってね」
「ありがとう。美森」
さて、今回の戦い……またあいつと一緒になりそうだな。でも不安が一つだけ……天神刀がないけど大丈夫か?