上里友海は勇者である 作:水甲
友海SIDE
黒いバーテックスとの戦う私達。バーテックスの強さは普通のと比べて変わらない様子だけど……
「数が多い!!」
「このままじゃ東郷さんの所に行けない!?」
「それだったら……満開!!」
園子おばちゃんがそう叫んだ瞬間、眩い光が照らされ、巨大な船が現れた。あれが園子おばちゃんの満開……
「ちょっと乃木、いきなり満開なんて……精霊の加護を受けられなくなるのよ」
「昔はバリアなしで戦ったから大丈夫だよ~ほら、みんな乗って、わっしー行の船に」
『俺はここで足止めをしている!!』
蒼くんが雄叫びを上げながら、バーテックスを蹴散らしていく。
「蒼くん、頼んだよ~」
私達は船に乗り込み、ブラックホールへと目指すのであった。
「かっこいい船です」
「でしょ~」
「なんか東郷とあんた二人の満開ずるくない?」
「ちょっと一番かっこいいのは私のよ」
「私たちの満開もかっこいいよ!!ねぇ牡丹」
「え、えっと……」
「いいわね~私は昔のままだからそういうのはないのよね~」
何だかものすごくのほほんとしてしまった。気がつくとブラックホールの近くまで来ていた。
近くは物凄い暴風で迂闊に近づけない
「友奈!ここは私達に任せて、あんたは行きなさい」
「で、でも……」
「風さん、私も行きます」
「友海……わかったわ」
私とママは二人でブラックホールへと飛び込んでいくのであった。
ブラックホールを抜けていくとそこは見たことのない景色が広がっていた。それに私達の体も何だか半透明の体になってるし……
「ここは……うっ」
「何……なの?」
敵の攻撃が降り注ぎ、当たった場所がなにか侵食してきた。この姿で攻撃を喰らい続けたら……
「先へ行こう。ママ」
「うん」
先へと進んでいくとシャボン玉が降ってきた。私達はそれに触れるとある記憶が流れ込んできた。
牡丹ママの所に大赦の使いが現れた。牡丹ママが壁を破壊した影響で、崩壊した世界の炎の勢いが強くなった。いずれ炎は四国を飲み込むであろうということらしい。
大赦と天の世界の民は炎の勢いを止めるため、奉火祭を執り行うしかないという話になった。。普通なら生贄には巫女が必要だが、美森には勇者の素質と巫女の素質を兼ね備えているため、牡丹ママでも生贄になれるらしい。
だけど私はあることが気になった。大赦の使いの中に邪神の姿があった。
「今の……」
「東郷さん……それにあの女の人は……」
「あの人は……」
私達をこの世界に連れてきた存在だということを言うべきか迷っていると、灰色の世界にたどり着いた。
その中心部には炎に包まれた牡丹ママの姿があった。
「東郷さん……今助けるから……」
今ここで、ママが牡丹ママを助けることは出来る。だけどそのせいでママは辛い目に合うっていうことは知っている。それだったら私は……
一緒にママと牡丹ママを引っ張る中、体に侵食が始まってきた。私は咄嗟にママを突き飛ばした。
「友海ちゃん?」
「ここは私が頑張るから……」
私は笑顔でそう告げるのであった。
こうして私達は無事に牡丹ママを助けることが出来た。だけど牡丹は……
「友奈おばさまのこと気をつけないとね」
「………そうだね」
牡丹はこれから先起こることを告げる中、私はそっと自分の胸に触れた。私の胸に刻まれた烙印……
私が変わりに引き受けたからこそ、ママはつらい思いをすることはない。これで良かったんだよね。
「…………」
だけど赤嶺ちゃんは私の様子がおかしいことに気がついていたことは、私は知りもしなかった。