上里友海は勇者である 作:水甲
友海SIDE
私は風おばちゃんに部室に呼び出され、部室に入るとそこにはみんなが集まっていた。
「友海……あなた……」
「牡丹……」
「友海、あんた、私達になにか隠してるでしょ。話しなさい」
みんなの表情を見れば分かっている。そっか、もう知ってるんだね。でも知っていたとしても話すことは出来ない
「ごめんなさい。私……話すことは出来ないんです」
「ゆうちゃん、私達は知ってるんだよ。天の神の呪いを受けてることとかそれを話したりしたら私達に呪いの影響が出るって、たんちゃんから全部聞いてる」
「友海、みんなはそれを知った上で貴方の話を聞きたいって思ってる。それに助ける方法を一緒に見つけてくれるって……だから」
みんなの気持ちはすごく嬉しい。だけどごめんね。私は……
「大丈夫だよ。私は……」
「友海ちゃん、一人で背負い込まなくっていいんだよ。こういう時は悩んだら相談して……」
「ママ……」
「友海さん、大丈夫です。牡丹ちゃんから聞いてます。同じような事があったけど、それでも何とかなったって」
樹おばさんが私の手を握りながらそう言う中、私は首を横に振った。その瞬間、赤嶺ちゃんが私の頬ひっぱたいた。
「あんた、いい加減背負い込むの止めなさい。このままだとあんたは死ぬかもしれないのよ!」
「…………」
「あなたはあの人が愛しる娘なのよ。だからあの人を悲しませるようなことをしないで……」
みんなが私のことを思って言ってくれている。すごく嬉しいけど……だけど……
「ありがとうね。みんな、でも私……もう助ける道を見つけてるの……」
「助かる道……?」
「牡丹、昨日邪神さんが教えてくれたの。私が助かって、この世界が悲しい運命にならない方法を……それは…………」
私が言いかけた瞬間、突然窓から蒼くんが飛び込んできた。蒼くんは私のことを睨みつけた。
「友海、お前、邪神と何を契約した?」
「えっ?私は……勇者の力を邪神にあげることで呪いもなんとかなるって……」
「………まだあげていないんだな」
「うん……」
「だとしたら……」
「邪魔はしないでもらいたいわね。使いごときが!!」
聞き覚えのある声が聞こえた瞬間、私以外の全員が吹き飛ばされ、窓の外には邪神がいた。
「ムーマさん?」
「あいつが牡丹達が言ってた邪神ね」
「はじめましてでいいかな。勇者の皆様、私はムーマ」
赤嶺ちゃんと夏凛おばちゃんはすぐに飛びかかり、邪神に攻撃を仕掛けようとするが、邪神の前にある障壁に弾かれた。
「あんた、力を隠してたのね」
「ふふ、隠していたのはそれだけじゃない。私は運命と例外を司る邪神と言ったけど、本当は絶望と悲しみを司る邪神ムーマ」
「絶望……」
「友海、こっちに来なさい」
邪神が手を伸ばした瞬間、私は黒い何かに包まれてしまった。脱出しようとしても全然できそうにない。
「友海を離せ!!」
牡丹が矢を放つが、邪神の障壁によって弾かれた。
「さぁ、始めましょう。私が支配する世界を作るための儀式をね!!」
「くっ!?」
蒼くんが三首のバーテックスに変身し、皆を連れてどこかへ逃げるのであった。
とある世界にて
「さぁて、行きましょうか。境界の勇者」
天の神が部室に現れ、僕にそう告げた。天の神曰くすべての準備を終えたらしく、別世界にいる牡丹たちを助けに行くことが出来るらしい
「久しぶりの戦いだな。美森、行ってくるよ」
「うん、気をつけてね」
美森はそっと僕にキスをし、僕は天の神と共にどこかへ向かうのであった。
「ウミさん、準備は整いました」
「エリスさん、ありがとうございます」
「ウミ、気をつけろよ。今回は俺たちは行くことができないけど……」
「大丈夫ですよ。カズマさん、絶対に邪神のやつをぶっ飛ばします」
「いい、ウミ。ギタギタにするのよ」
「帰ってきた時のためにごちそうを用意しておくから、必ず戻ってこい」
アクアさん、ダクネスさんの二人の激励を受け取る中、めぐみん、ゆんゆんは……
「めぐみん……」
「分かっています。ウミ、お願いがあります。どうか私達も連れて行ってください。弟子の危機を助けるのは師匠である私たちの役目なのですから……」
「めぐみん……」
「ウミさん、私もお願いします」
めぐみんとゆんゆんの頼みを僕は………
「ウミさん、扉を開きます。それと天の神から一時的ですが全盛期の頃に戻すとのことです」
「わかりました。それじゃ行ってきます」