上里友海は勇者である 作:水甲
牡丹SIDE
蒼くんに連れてこられた場所は、英霊碑がある場所だった。蒼くんは人間体に戻ると、膝を付いていた。
「かはっ、邪神め……」
「蒼くん、大丈夫?」
「何とかな……」
蒼くんは痛みに耐える中、私達の所に星海さんが駆けつけてきた。
「みなさん!?」
「星海、あんたどうしてここに……」
「蒼くんにここに避難するように言われて……皆さんの様子を見る限り、やっぱり邪神が」
「あの邪神は何なのよ。友海を使って何をするつもりなの?」
夏凛おばさまがそう言う中、星海さんは目をつむり、あることを語りだした。
「邪神は例外の力を使い、自身の力を強くしようとしています」
「力を強く……強くしてどうするつもりかしら?」
「神樹様は邪神はこの世界だけではなく、全ての平行世界を支配するつもりです。そのために自身の司る悲しみと絶望をかき集めています。そしてより大きな絶望を食らうために……」
「友海ちゃんを利用したの?」
「そんなのひどいです……」
「私達はまんまと騙されたみたいね」
みんなが怒っている中、持っている端末から今までよりも大きな警報が鳴り響いた。
「これって……」
「邪神の目的を阻止するために天の神が動き出した」
蒼くんがそういった瞬間、壁の外から巨大な何かが現れた。あれは天の神が作り出したシステム?ううん、こっちの世界だとあれが天の神……
そしてその先には黒い何かがいた。あれは邪神と友海?すると邪神の声が響き渡った。
『天の神か。私を排除するみたいね』
天の神からまばゆい光が放たれた瞬間、邪神を包み込んでいった。そうだ、同じ神でも天の神ならきっと邪神を……
「やったのか?」
『ふふ、その程度の攻撃……前の私なら一撃でやられただろうけど……私を崇拝するものたちの絶望を……そしてこの子の絶望を食らった私には効かないわよ』
邪神は無傷だった。そして手を上に掲げた瞬間、黒い閃光が天の神を撃ち抜いた。
「天の神が……倒された……」
『天の神、吸収させてもらうわよ』
邪神の中に天の神が吸い込まれていき、邪神はみるみるうちに禍々しい姿に変わり、胸の中心には友海が飲み込まれそうになった。
「友海!?」
『あははは、あとは神樹。あなたを食らうだけでこの世界は私のものよ』
邪神の声が響き渡る中、私達は………
「あんなの……倒せるの?」
風おばさまがつぶやく中、友奈おばさまは勇者の姿に変わった。
「なるべく諦めない!!友海ちゃんを助け出して、みんなで力を合わせればきっとなんとかなる」
こんな時でもおばさまは……
私は立ち上がり、勇者に変わった。
「そうです。私たちは勇者部五箇条が今でも心の支えになっています。きっとなんとかなる。なせば大抵なんとかなる」
私と友奈おばさまが顔を見合わせ、笑顔になるのであった。
「あんた達……まったくさっきまで絶望していた私が馬鹿だったわ」
「意外ね。風がそんな風になるなんてね」
「でもまだ世界を救う方法があります」
「きっとなんとかなるはず」
「私達はいつだって諦めなかったよね~ミノさん、見ててね。世界を救ってみせるから」
「あの子を救って、この世界を救う……やってみせる」
みんなが決意をする中、星海さんと蒼くんは……
「みなさん、信じています。この世界を救うって、みんなが笑顔で戻ってくるって」
「お前たち……僕も最後まで諦める訳にはいかないよな」
蒼くんも立ち上がり、私達の隣に並び立った。
「それじゃ勇者部全員出撃よ!!」
『おぉーーーーーーーーーーーー!!』
みんなが決意を秘め、樹海へと入るのであった。
女神の間
「それじゃ頼んだわよ。境界の勇者、女神の勇者、そして守護の勇者」
天の神が僕らに向かってそう告げた。
「さぁ、邪神とかいうのをぶっ潰すぞ」
「いや、二度と復活できないくらいにボコボコにしてやる」
「あ、あの、ノリについて来れないんだけど……」
『頑張ってください。蕾。それにしても海』
「何だよ?」
『貴方は……いいえ、きっと必要なのね』
サンチョ……ヒメノさんはあるものをみて何かをいいかけるのであった。そりゃ必要だからな。何せ……