上里友海は勇者である   作:水甲

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03 合流するのに必要なもの

牡丹SIDE

 

私達がこの世界に来てから一ヶ月が過ぎた。いい加減勇者部の皆さんと合流するべきなのだけど、赤嶺さん曰く戦闘しているときのほうがいいんじゃないのかということで、私達はずっとバーテックスが攻めてくるのを待っていた。

 

「牡丹、日記つけてるの?」

 

「うん、日課だから……」

 

「そっか……いつも日記つけてたもんね」

 

友海はそう言いながら、私の日記を取り上げ読み始めた。あんまり日記を読まれるのは嫌なんだけど……

 

「それにしても……いつになったらママたちと合流できるのかな?」

 

「う~ん、敵の侵略って不規則らしいから……」

 

「それでも早く会いたいな~」

 

友海は友奈おばさまに会いたがっていた。私もお母様に会いたいけど……んん?何かとんでもない事を忘れてない?

 

「ふたりとも~お昼ご飯どうするの~」

 

赤嶺さんがキッチンから出てきた瞬間、私はすべてを思い出した。合流する前にやるべきこと……それは……

 

「まずいです……この姿のままじゃ私達……お母様に会えない!?」

 

「「んん?」」

 

未来の情報を迂闊に話せない。園子さんはまだいいとして、お母様たちには話してはいけないみたい。だからこそ私はこっちの世界では東郷ではなく、神宮と名乗るべきなのだけど……それ以前に私達の見た目が問題だ。

私と友海はふたりとも母親似だと言われている。勘がすごい人には一発で何かしらの関係があるのではないかと気づかれてしまう。

そして赤嶺さんはかなりまずい。ちょっとした違いが有るにしても友奈おばさまにそっくりだ。どうにかしてごまかさないと……

 

私はお昼を食べながら二人にそのことを伝えた。

 

「う~ん、つまり変装すればいいのかな?でも、勇者に変身したら見た目を変えられないよ」

 

「そ、それはそうだけど……」

 

「まぁ二人の場合はちょっとだけ似てるって感じで誤魔化せるんじゃないのかな?」

 

「そうですが……赤嶺さんは……」

 

「大丈夫。私にはある方法があるから……」

 

赤嶺さんが笑みを浮かべていた。一体どんな方法なのか気になるけど、聞かないほうがいいよね……

 

昼食を食べ終わり、片付けをしようとしたその瞬間、突然端末からアラームが鳴り響いた。

 

「これって……」

 

「ようやく合流の時が来たね」

 

「……あれ?」

 

友海だけ何故か不思議そうな顔をしていた。一体どうしたんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友海SIDE

 

樹海へと訪れた私達、端末で敵の出現位置を確認してその場所へと向かっていく。だけどどうにも気になることが有る

 

「ん~敵の数が多いわね」

 

「なるべく早く合流しないと……友海?」

 

「ん?大丈夫」

 

今は気にすることじゃないよね。私たちは先へと進んでいくと何十体もの白いバーテックスの群れに、それと戦うママたちの姿を見つけた。

 

「雑魚ばかりだね。どうする?様子を見る?」

 

「赤嶺さん……そんなのだめです。遠距離から数を減らします。その隙に二人は接近してください」

 

「了解~ほら、行くわよ」

 

「う、うん」

 

私と赤嶺は一緒にママたちのところへと向かっていく。ママたちはどうにも苦戦をしているみたいだったけど、私は大きく拳を振り上げた。

 

「必殺!!勇者パンチ!!」

 

一体のバーテックスを殴るとバーテックスの群れは私達に気が付き、向かってきた。赤嶺は迫りくるバーテックスを何体も殴り続けていた。

 

「あっちと変わらないみたいだね」

 

「ちょ、ちょっとあんた達、誰よ!?」

 

風おばさんが私達を見て驚いていた。ごめんなさい。話はあとでするので今はバーテックスたちを退治しないと……

 

「友海、赤嶺さん、それに勇者のみなさん、後ろへ下がってください」

 

牡丹がそう叫んだ瞬間、一本の矢が地面に突き刺さり、巨大な竜巻が起きた。バーテックスの群れは竜巻に飲まれ、上空に集まっていた。

 

「ほら、トドメは譲るわ」

 

「うん、必殺!爆裂!勇者パンチ!!」

 

眩い閃光とともにバーテックスの群れは爆発し、倒されるのであった。それと同時に樹海から私達は元の世界へと戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元の世界に戻るとそこはパパたちの母校である学校の屋上に来ていた。もちろん、ママたちも一緒だ

 

「ふぅ、合流できたわね」

 

「ちょっとあんた達…何者なの?」

 

「それに友奈さんにそっくりな人もいます」

 

樹おばちゃんがそう言いながら、赤嶺を見ていた。そういえばどう説明するのかな?

 

「そうね。いろいろと事情を話さないとね。結城友奈ちゃん」

 

「えっ?はい」

 

「実はね。私は赤嶺友奈…………あなたの生き別れの双子の姉なの」

 

「そうだったの!?」

 

うん、何だかとんでもない誤魔化し方をし始めたよ。

 

「で、でも、お母さんやお父さんからお姉ちゃんがいるって聞いてないよ」

 

「大赦があなたが成長するまで伝えないようにって言われてるのよ。でも事態が事態だからこうして……」

 

「そうだったんだ……」

 

「会いたかったわ。妹よ」

 

「お、お姉ちゃん……」

 

ママは話を信じ込み、抱き合うのであった。本当にママは素直だな……

 

「いや、明らかに嘘よねそれ……」

 

「えっと……すみません。嘘です。赤嶺さん、バレてますよ」

 

「だめだったか……」

 

「嘘だったの!?」

 

「友奈ちゃん……」

 

牡丹のママも呆れた顔をしている中、牡丹が説明を始めた。

 

「えっと、私達は大赦から派遣されたものです。これから先の戦いに向けて戦力増強のために……」

 

「なるほどね……それでそこの彼女と友奈が似ているのは?」

 

「えっと……」

 

「まぁ世の中には自分とそっくりな人がいるっていう感じだよ」

 

「それにしては……そっくりね」

 

牡丹ママは疑いの目を向ける中、赤嶺はある提案をしてきた。

 

「とりあえずいろいろと話しておきたいから、どこか落ち着ける場所に案内してくれないかしら?」

 

 

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