上里友海は勇者である   作:水甲

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04 合流と星の海

友海SIDE

 

私達はママたちと合流し、勇者部にて互いのことを話すことになった。なったのだけど……私はある違和感を感じていた。

 

「とりあえず私達三人はあなた達のことを大赦から聞いてるから、自己紹介は私達だけでいいわね」

 

「なんというか友奈に似てるのは見た目だけなのね」

 

「そういうのは気にしなくていいわ。私はさっき言ったように赤嶺友奈。まぁ結城友奈のそっくりさんってことかな」

 

「うん、さっき、お姉ちゃんって聞いて信じちゃったよ」

 

「あの、それは友奈さんだけじゃ……」

 

まぁ何というかママはそういう所あるから仕方ないけど……

 

「えっと、私はと……神宮牡丹っていいます」

 

「牡丹ちゃん。可愛い名前ね」

 

「あ、ありがとうございます」

 

牡丹ママに名前を可愛いと言われて嬉しそうにしている牡丹。あれでも、牡丹の名前を付けたのって牡丹ママじゃないのかな?

 

「私の名前、お父様が付けてくれて……」

 

「そうなんだ。いいお父さんだね」

 

「はい」

 

そっか、牡丹パパが名前をつけてくれてたんだ

 

「私は上里友海です」

 

「ありゃ?上里?どっかで聞いた名前ね」

 

「風先輩、もしかしたら彼女じゃないかしら?」

 

「あっ、そっか、あの子だね」

 

「確か今迎えに行ってるんですよね」

 

何故かみんなが『上里』の名前に反応していた。おかしい……パパの話じゃパパ以外、ママたちは関わりないって話なのに……

すると部室の扉が突然開くとそこには黒く長い髪の女の子と見覚えのある女の子が入ってきた。

 

「ただいま、戻ってきました」

 

「ここがそうなのね」

 

「おかえり、星海ちゃん。それにえっと……」

 

「その子があんたが迎えに行っていた子かしら」

 

「はい、彼女は三好夏凛さんです」

 

「あんたらが勇者ね……どう見てもトーシローの……なんかそこの三人だけは違うわね」

 

夏凛おばちゃんが私達を見てそう言うけど、私達はそっちよりも星海と呼ばれる子のことが気になっていた。

 

「部長さん、彼女たちは?」

 

「ありゃ、あんたは聞いてないの?この子達、大赦から派遣された勇者だって」

 

「私以外に派遣された子がいるなんて聞いてないんだけど……」

 

まずい、赤嶺がついた嘘が微妙にバレそうになってきている。星海さんは私達のことを笑顔を向けた。

 

「あぁ、間に合ったんですね。彼女たちは秘密裏に開発していた勇者システムの使用者です」

 

「秘密裏って……」

 

「大赦は隠し事が多いわね」

 

牡丹ママがそう言うと、星海さんは申し訳なさそうにしていた。

 

「すみません。なるべくみんなには明かしておきたいけど、大赦のモットーは秘密主義みたいなものなので……私も話せることに制限がついていますし」

 

「気にしなくても大丈夫だよ。星海ちゃん」

 

「ありがとうね。友奈ちゃん」

 

「あぁ、そうだった。星海、私達がいつものバーテックスを倒したあとに出てきた白い奴らってなんなの?あれもバーテックスでいいの?まぁあっちの三人が手伝ってくれて、なんとかなったけど……」

 

「白い奴ら……もしかしたらそうですね。とはいえ、今回は彼女たちのおかげですね」

 

白い奴ら……それに私達が来る前に戦ったいつものバーテックス……やっぱり私が感じた違和感って……

 

「とりあえず友海、牡丹、赤嶺、夏凛、勇者部にようこそ。歓迎するわ」

 

「ちょっと待ちなさいよ。いつのまに私が入ることになってるのよ」

 

「まぁまぁ、三好夏凛ちゃん、一緒に行動していたほうがいろいろと都合がいいでしょ」

 

「うぅ……わかったわよ」

 

赤嶺に言われて、納得する夏凛おばちゃん。こうして私達はママたちと合流+勇者部に入部するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家に帰り、私は二人に私が感じた違和感を話した。

 

「実は……ちょっと時間の流れがおかしいの」

 

「おかしいって……特に私は感じなかったけど……」

 

「もしかして、今日の出来事が少し変だったって言うこと?」

 

「うん、パパから聞いた話だと今日が夏凛おばちゃんと合流する日だったんだけど、私達がママたちと合流する前にバーテックスを一体倒しちゃってるし……」

 

「そのかわりにあの白いバーテックス。星屑がうじゃうじゃと攻めてきたって言うことね」

 

「確かに聞いていた話とはぜんぜん違う感じはしていたけど……」

 

牡丹も同じことを感じていた。もしかして私達が来てから世界の流れが変わっているのか?それとも上里星海という存在がいるからなのか……どっちなんだろう?

 

「まぁ、私達の目的は悲しい運命にならないように……運命を変える例外になることよね。今回の件としてはいいことじゃないかな?」

 

赤嶺の言うとおりかもしれない。いちいち気にしていたらキリがないよね。

 

「師匠の教え一つ『細かいことは気にしない』だもんね」

 

「友海、少しは細かいこと気にしないとだめだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんばんわ、乃木ちゃん」

 

「やっほ~せいちゃん」

 

「全く話を聞いてたけど、こんなすぐに会えるとは思ってなかったよ」

 

「あの三人のこと?ごめんね~」

 

「でも、なんとか誤魔化しておいたよ。特に友海ちゃんのことは私の親戚って言うことにして」

 

「そっか……」

 

「ただ気になることが一つ……神樹様からの神託にあった邪神ってなんなんだろうね?」

 

「それは私にもわからない。ただ、みんなが大変なことにならなければいいな~」

 

「そうだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある世界にて

 

 

「さぁ、カズマ、行きますよ」

 

「なぁめぐみん、いい歳なんだから日課の爆裂魔法はやめないか?」

 

「どうしてですか!?」

 

「十分爆裂魔法を極めているんだから大丈夫だろ」

 

「だめです。まだ極めていません。ユミにものすごく期待されているので……」

 

「期待って……あいつはどれだけお前のことが大好きなんだよ」

 

「カズマさん、めぐみん、出かけるの?」

 

「ウミ、はい、そうですが……」

 

「お前も出かけるのか?」

 

「いや、そういうわけじゃないけど……友海の姿が見えなくってな」

 

「お前はどんだけ心配性なんだよ」

 

「ユウナはあんまり心配してませんよ」

 

「いや、だって……いろいろとあったから……」

 

「俺たちは特に聞いてないけど、クエストに出かけてるんじゃないのか?」

 

「そうだといいけど……」

 

「それにウミはユウナのことを気にかけてください。二人目がいるんですよね」

 

「そうだけど……ほら、大切な娘だから悪い虫がついたら……」

 

「お前……どんだけ親バカなんだよ……そういえば二人目の名前は決まってるのか?」

 

「ん、まぁ女の子らしいから……星海かな」

 

 

 




今回は合流回+新キャラの登場でした。

次回は友海に悪い虫が……
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