上里友海は勇者である   作:水甲

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06 友海と赤嶺②

友海SIDE

 

勇者部部室で、私はあることを考えていた。

それは赤嶺と仲良くなるために、一体どうしたものか考える私。だけど思った以上に答えが出てこなかった。

 

「仲良くなるってどうすればいいのかな?」

 

「誰と仲良くなるの?」

 

そう呟いた瞬間、突然声が聞こえ振り向くとそこにはママがいた。いつの間にいたのだろうか?

 

「え、えっと……マ……友奈ちゃん、いつの間に?」

 

「ついさっきだよ。それで誰と仲良くなりたいの?」

 

「えっと…」

 

こういう時、相談したほうがいいよね。勇者部五箇条の一つにあるし、それに師匠の教えの一つ『うじうじ悩まず、誰かを頼る』というのもあるし……

 

「えっとね。実は赤嶺……さんと仲良くなりたいって思って?」

 

「仲良くって?仲悪かったの?」

 

「う、うん、ちょっと色々とあって……ここに来る前はて……喧嘩してたんだけど……今はこうして一緒に頑張ることになって……」

 

「う~ん、喧嘩してた頃を引きずってて、ちょっと遠慮しちゃってるんだね」

 

「はい」

 

「それだったら、気にしないで話しかけてみたら?そしたらほら、仲良くなれるよ」

 

ママらしい答えだ。気にしないで話しかけてみたらか……よし、頑張ってみよう

 

「ありがとう。ママ」

 

「ママ!?」

 

うっかりママのことをママって呼んでしまった。ど、どうしよう……とりあえずごまかさないと……

 

「えっと、友奈ちゃん、私のお母さんに似てるからつい……」

 

「そ、そっか、ママか……何だか嬉しいな。友海ちゃんみたいな子供がいたら、私すごく可愛がるかもしれない」

 

「あ、あはは……」

 

うん、本当にいっぱい愛してくれてるよ。ママ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤嶺SIDE

 

勇者部のみんなが授業に出ている間、私、牡丹、友海の三人はある程度の依頼をこなすことになり、私は依頼を終わらせ、部室に入ろうとした時、ドア越しで二人の話が聞こえてきた。

 

「仲良くか……」

 

「赤嶺さん、入らないんですか?」

 

どうしたものか考えているとそこに東郷がやってきた。彼女は何だか心配そうに私のことを見ていた。

 

「ちょっとね。そういえば結城は先に来てるみたいだけど、あなたはどうしてちょっと遅れて来たのかしら?」

 

「ちょっと用事があって、友奈ちゃんに先に行っていていいって言ったんですよ」

 

あの世界での彼女は普通に歩いていたけど、今の彼女は車椅子に座っている。前に海くんに聞いていたとおりだ。

 

「それでどうかしたんですか?」

 

「少しね。色々と考えることがあってね」

 

「考えること?」

 

「友海のことよ。彼女とは少しだけ壁があってね」

 

「確かに何故か貴方のことだけ、呼び捨てですね。喧嘩しているんですか?」

 

「ちょっと前に喧嘩していた仲で、今は仲良く一緒に戦うことになったけどね……」

 

「何だか辛いですね」

 

辛い……そうかもしれない。どうしたらいいのかわからないのだから……

 

「私が力になることがあったら言ってください」

 

「えぇ、その時が来たらね。さて、部室に入りましょう」

 

 

 

 

 

 

 

友海SIDE

 

「こんにちわ」

 

「友奈ちゃん、おまたせ。友海ちゃん、お疲れ様」

 

「東郷さん、赤嶺ちゃん、こんにちわ。ほら、友海ちゃん……」

 

「えっと、東郷さん、あ、赤嶺……ちゃん。おかえり」

 

「……ただいま。友海」

 

赤嶺ちゃんは何だか恥ずかしそうにしていた。それに返事もちゃんと返してくれて、ちょっと嬉しい。

 

「な、何よ」

 

「ううん、なんでもないよ~」

 

恥ずかしそうにしていた赤嶺ちゃんを見つめていて、赤嶺ちゃんは怒っていた。これから頑張って歩み寄らないといけないよね

 

「今、戻りました……何かあったんですか?」

 

すると牡丹が依頼から戻ってきて、私と赤嶺ちゃんを見てそんなことを聞いてきた。私は笑顔でこう答えるのであった。

 

「ちょっと頑張ってみただけだよ」

 

「……そっか、頑張ったんだね」

 

牡丹は私の言葉を聞いて、すぐに何があったのか理解してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある世界にて

 

中学三年のある日の春。世界は二人の女神に祝福されてから数ヶ月が経った。僕ら勇者部は樹部長の元、頑張っていたのだったが……

 

「桔梗くん~」

 

「何だよ。美森?」

 

「呼んでみただけだよ~」

 

「そっか……」

 

何故か美森が僕に後ろから抱きついていた。僕は特に気にすることなく、依頼されていた絵を書き続けていた。

続けていたのだが……

 

「ねぇ、何なの?」

 

「何って?」

 

夏凛が呆れた顔をしながら聞いてきた。一体何が気になってるんだ?

 

「その東郷よ!?キャラが変わってるし!?何があったのよ」

 

「何って……何にもないけど……」

 

「あるから!?見てるこっちが恥ずかしくなると言うか……居づらいのよ!?」

 

「友奈は気にしてないぞ」

 

「桔梗くんと東郷さん、仲いいな~」

 

「だめだ。突っ込んでも空振りしてる気がする……」

 

「みなさん、こんにち……あの、何があったんですか?」

 

樹が部室に入るやいなやそんなことを言い出してきた。全く何って、何がだよ

 

「あの、桔梗さん、部室でいちゃつくのは止めるように言ったのですが……」

 

「あぁ、わかってるつもりだけど……」

 

「「分かってない(じゃないですか)!!」」

 

もしかしてこの美森のことを言ってるのか?これは……

 

「樹部長、悪い。これは僕が悪いわけじゃない。たまにごくたまに美森が壊れることがあるんだ」

 

「壊れるって……」

 

「美森曰くものすごく甘えたくなることがあるらしく……そのときは理性崩壊を起こしてこんな風にくっついてくることがあるんだよ。まぁ元に戻ったらものすごく恥ずかしくなったりするけど……」

 

とはいえ、今回はくっついてくるだけか。前は家にいた時に押し倒されたことがあったからな……

 

「……何でまたそんなことに……」

 

「前に東郷さんから聞いたんだけどね。どうにも牡丹ちゃんにもっとイチャイチャしてほしいって言われたんだって」

 

「あの子は何って言う置き土産を……」

 

牡丹……呪いに苦しんでいた友奈を救うために別の世界の未来から来た勇者であり、僕と美森の子供……

牡丹は今頃元気にしてるのかな?

 

「牡丹ちゃん、友海ちゃん……元気にしてますかね?」

 

「きっと頑張ってるんじゃないのか?」

 

「そうだったらいいわね」

 

僕らはあの時手助けしてくれた仲間のことを思い出すのであった。あいつらは平和な世界の中を過ごしているのだろうか

 

 

 

 

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