上里友海は勇者である 作:水甲
本編よりおまけがものすごく思いついてしまい、中々かけませんでした。
おまけはちょっと注意です
???SIDE
僕が神樹が守る世界に来てから数日がたった。人間たちは特に主様を怒らせるようなことをする様子はなかった。
「今はこうして平穏な日々を生きている人間が、あの時みたいに禁忌に触れるのか……」
人間は神の領域に近付こうとしたからこそ、主様は怒り、滅ぼそうとした。それでも神々の中には人間を信じて守ろうとし、力を与えたやつらがいる。それが神樹。
「今もまた僕らと戦い続けてる。今のうち……」
「あれ?君は……」
突然声をかけられ、振り向くとそこにはこの間蹴りを喰らわし、僕を治療してくれた少女、確か名前は……
「上里友海だっけ?」
「あっ、覚えてくれたんだ。あの後怪我大丈夫?」
「あ、うん……君は不思議な力を持っているんだね」
「あ、あはは、ちょっとした機会でね……でも他の人には内緒だよ」
「……わかった」
彼女の力はどう考えても神の領域に近い。勇者なのだろうけどそれでも異質……
「そういえば名前は何ていうの?」
「僕?僕は……」
本来の名称を名乗ったらすぐに倒されてしまう。それだったら何かしらの偽名を考えないと……
「乾蒼だよ」
ぱっと思い浮かんだ名前を告げると友海は不思議そうな顔をしていた。明らかに偽名だと思われたか?
「蒼……かっこいい名前だね」
「そ、そうかい?」
なんだろう?彼女が笑顔でそういった瞬間、顔がものすごく熱くなった。それに胸がものすごく苦しい……なんなんだ?
「どうかしたの?」
「い、いや……」
彼女が僕に顔を近づけてきて、僕はものすごい勢いで逃げ出すのであった。なんなんだこれは……
友海SIDE
蒼くんが物凄い速さで走り去ってしまった。どうかしたのかな?
「友海、何してるの?」
「あ、牡丹。ちょっとね」
「ほら、まだ買い出し中だよ。早く戻らないと風お……さんに怒られちゃうよ」
「うん」
私は牡丹の荷物を受け取り、一緒に学校へと戻ろうとしていた。そんな時、牡丹がある事をいい始めた。
「ねぇ、友海」
「何?」
「やっぱりこの世界の流れって……変わってるんだよね」
「うん、夏凛おばちゃんが合流するときとか、あとは樹海化になる頻度……」
パパに聞いているかぎりじゃ、星屑だけが攻めてくるようなことはなかったらしい。だけどここ数日、星屑ばかりと戦っている。
「これって、私達がこの世界に来たことが原因で……」
「そうだけど、私達は例外的な存在になるために必要なことだから……」
「そうだとしても……あれ以来ムーマさんは何も言ってこないから……」
牡丹はきっと不安でしょうがないのだろう。今のままが正解なのか……それとも間違っているのか誰も教えてくれない。
私はそっと牡丹の手を握った。
「大丈夫だよ。勇者部五箇条にあるでしょ。『なせば大抵なんとかなる』って、きっと間違っていても何とかしよう。なにせ師匠の教えで……」
「わかったよ。そうだもんね。友海が一番好きな言葉だもんね」
牡丹は笑顔でそういった。私が好きな言葉、それは師匠の教えの一つで、これは師匠やゆんゆんさんが二人で考えてものだから、牡丹も好きな言葉だから……
「ほら、早く戻ろう」
「うん」
私達がそう言って歩こうとした瞬間、端末からアラームが鳴り響いた。これは……
「パパの話じゃ時期的に……」
「うん、かなりきつい戦いになるね」
私と牡丹は荷物を地面に置き、互いの拳を合わせた。
「頑張ろうね。牡丹」
「えぇ、友海」
蒼SIDE
世界が樹海に変わり、僕は勇者たちを見つめていた。
「戦いになるのか。僕もやるべきだよね」
僕は狼の姿に変えた。
「残念だよ。友海。こうなった以上は戦うしか……」
僕は駆け出そうとした瞬間、何かの視線を感じ振り向いた。だけど振り向いた先には誰もいなかった。
「……どうにもここ最近何かが監視している気が……」
『さて最初の難関の始まりだよ。どうするのかしら?彼女たちは』
とある世界にて
「ねぇ、あんたらって喧嘩することあるの?」
今日は夏凛と二人で依頼をこなしている中、いきなりそんなことを聞いてきた。
「喧嘩?」
「そう喧嘩。あんたと東郷って馬鹿みたいにイチャイチャしてるけど、喧嘩とかしないのかなって?」
「まぁ普通に喧嘩することはあるけど……」
「……一応喧嘩はするのね」
おい、夏凛、一応ってなんだよ。一応って……
「ちなみに仲直りするときってどんな風にしてるの?」
なんか色々と聞いてくるな……仲直りするときか……
「まぁ何日か経って互いに謝るくらいだな」
「それなら喧嘩したときとかはいちゃついたりしなさそうだし、活動も集中して……」
夏凛が小声で何か呟いていた。本当になんなんだ?
「まぁそれでもうまく行かなかったときとかあるけど、大体そういう時は僕はキスして口をふさいだりするけど……」
感情的になったりするときとかあるから、そういう時は口をふさいだりしてるし、正直嫌いとかそういう言葉を聞きたくないからな。
気がつくと夏凛が机に突っ伏していた。どうしたんだ?すると遅れてやってきた樹が部室に入ってきた。
「遅くなりました。あの夏凛さん、どうかしたんですか?」
「樹……悪いんだけどある異世界に行ってきていいかしら?」
「異世界ですか!?」
「このバカップルに対して人の目とかそういうのを気にするように、あっちの世界の海を連れてきて突っ込ませないとだめよ」
「一体何をしたんですか?」
「いや、何もしてないんだけど……」