上里友海は勇者である   作:水甲

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08 決戦

友海SIDE

 

樹海へと訪れた私達の目の前には今まで以上の星屑の群れと大型バーテックスが7体いた。

 

「残り七体。全部来てるんじゃないの? これ」

 

「敵ながら圧巻ですね」

 

「逆に言うとさ、こいつら殲滅すればもう戦いは終ったようなもんでしょ」

 

「殲滅ね!」

 

「皆、ここは、あれいっときましょ」

 

私達は円陣を組み、気合を入れ始めた

 

「あんた達、勝ったら好きなもの奢って上げるから、絶対死ぬんじゃないわよ!」

 

「よーし、美味しいものいっぱい食べようと!肉ぶっかけうどんとか!」

 

「言われなくても殲滅してやるわ!」

 

「わ、私も叶えたい夢があるから」

 

「頑張って皆を、国を守りましょ」

 

「あんな数。私と赤嶺ちゃんの拳で一発だよ」

 

「やれやれ、期待に答えますか」

 

「私達の道を塞ぐ存在は全て撃ち抜いてみせます」

 

「よーし!勇者部ファイト!!」

 

私達は掛け声とともにそれぞれの持場についた。

 

「それじゃ早速星屑から殲滅を……」

 

「友海!!爆裂魔法はまだ早いよ」

 

「牡丹、どうして?」

 

開戦の合図としていいものかと思ったのに……牡丹としてはなにか考えがあるのかな?

 

「爆裂魔法は最後の最後、見せ場に見せないと……めぐみんさんも言ってたでしょ」

 

「そうだったね。忘れてたよ」

 

「……気合い入れ過ぎじゃない?もしかしてこの戦いが分岐点の一つだったりするのかしら?」

 

分岐点って言うのはよく分からないけど、赤嶺ちゃんはこういいたいんだ。私達がここに来た目的の一つ、悲しい運命を変える機会だって言うことだよね

 

「とりあえず私達は星屑の数を……友海!?」

 

牡丹が叫んだ瞬間、私は右腕を何か引っ張られ、どこかへ運ばれるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何かに運ばれ、思いっきり地面に叩きつけられた。

 

(うくっ、腕が……それにさっきので……結構ダメージが……)

 

私はここまで運んできた存在を見つめた。それはバーテックスのような……

 

「犬?」

 

『………オレハ犬ジャナイ』

 

人語をしゃべるバーテックス。こんな存在、初めて見た。牡丹が言うように私達が来たことで何かが変わったのかな?

 

『オレハ……』

 

「犬型だろうとなんだろうと……戦うって言うなら容赦しないよ!!」

 

私はバーテックスに向かって思いっきり蹴りを放つ。だがバーテックスは当たる寸前で避けた。

 

『オレハ狼ダ!!』

 

「狼も犬も一緒だよね」

 

『違ウ!!』

 

違うの?一緒だよね。よく分からなくなってきた。だったら……

 

「師匠の教え一つ!!『細かいことは気にしない』」

 

『細クナイ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

牡丹SIDE

 

友海が連れさらわれてしまった。今すぐにでも追いかけないといけないけど……

 

「待ちなさい。貴方まで言ったら私達の目的が達成できなくなるわよ」

 

「そうですけど……でも」

 

「友海は貴方の親友。だったら親友を信じなさい。あなたの親友はそう簡単に負ける子かしら?」

 

「そんなこと……ないです」

 

「それじゃ……私達は私達のやるべきことを」

 

赤嶺さんは迫りくる星屑を全て殴り倒していき、アリエスバーテックスまで星屑を踏んで向かうのであった。

 

「まずは一体!!」

 

アリエスバーテックスの頭を思いっきり殴った瞬間、風おばさまたちが封印の儀を始め、バーテックスの核となる御霊を出現させた。

 

「ライトニング・ストライク・アロー!!」

 

雷撃を纏わせた矢で私は御霊を打ち抜くが、まだ破壊できない。すると私が射抜いた箇所に向かって、友奈おばさまが思いっきり殴った。

 

「まずは一体!!牡丹ちゃん、すごいよ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「このまま一気に……」

 

夏凛おばさまが駆け出そうとするが、突然何かの音が響き渡り私達の動きを止めた。

みるとタウロスバーテックスが頭の鐘を鳴らして私達の動きを止めていた。

 

「音はみんなを幸せにするもの。こんな音……こんな音!」

 

樹おばさまがワイヤーで鐘を縛り上げ、タウロスバーテックスの音を止めた。このままうまく行けば……

 

「そう簡単じゃないみたいよ」

 

赤嶺さんがそう告げた瞬間、周りにいたバーテックスが見る見る内に集まっていき、一体のバーテックスへと変わった。

 

「レオ・スタークラスター……厄介なやつが出てきたわね」

 

「赤嶺さん……知ってるんですか?」

 

「一応ね。あっちで色々と教えてもらったけど、結構厄介だというのは覚えてるわ」

 

レオ・スタークラスターから無数の炎の弾丸が放たれていき、私達は避けていくのであった。

 

「こういう時………どうすれば……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある世界にて

 

「ウミさん」

 

昔から続けていた日課の最中、ゆんゆんが訪ねてきた。牡丹が弟子入りしてからこうして朝に会うことはなかったのに、今日は珍しいな

 

「ゆんゆん、どうしたんだ?」

 

「あのボタンちゃんが来ないんですけど……私、なにかしたのでしょうか?」

 

来ないということで落ち込んでいるゆんゆん。もしかして嫌われてしまったのかと思ってるのか?

 

「あいつらならクエストに出かけて戻ってきてないぞ」

 

「クエスト?いえ、そんな話は……」

 

「どういうことだ?」

 

あいつらはクエストに出かけているものばかりかと思っていたんだけど……

 

「ここに来る前にギルドに行って聞いたんです。そしたらクエストを受けに来ていないらしく……」

 

「じゃああいつらどこに……他の街に行くなら一言言うだろうし……」

 

「もしかして……」

 

いや、考えたくないな。だけど……もしかして……

 

「何かトラブ……「家出か!?」

 

僕は知らない内に友海を傷つけてしまい、家出してしまったのか?牡丹はその付添で……

 

「あ、あの……ウミさん?」

 

「まさか……誘拐!?だとしたら犯人を探し出して、誘拐したことを後悔させないと」

 

「……何というか本当に変わりましたね。ウミさん……」

 

 

 

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