firstのホッパーではヒロアカの世界じゃあんまり強くないと思うんで、1号の技や適当に強化とかしたりします。
中学二年生の夏。
「おめでとう本郷猛くん!」
なんでもない塾帰りだった。
「この度あなたは、」
夜10時を過ぎた橋の下。
「神聖なるショッカーのメンバーに選ばれました!!」
見るからに胡散臭い男とガスマスクの集団。
拍手。
暗い。拘束されている。
助けは…、ヒーローはいつ来るのだろうか…。
「やめろぉおおおおおおおおお」
あの日を境に俺は、人間ではなくなった。
〇
夜の路地裏。あれから何日たっただろうか。
プロテクター付きのライダースーツと、ヘルメットを身に纏っている。
意識はあるが、体が思いどうりに動かせない。
自分の意志とは関係無く、何かに命令されるがまま動いてしまう。
「た、助けてくれっ」
体が言うことを聞かない。
もう嫌だ。もう殺したくない。
俺の腕が男の首に添えられる。
「やめぅ、ェ…」
男の首がありえない方向に曲がる。
…3人目だ。俺が殺した。
殺したくない。そんな声すら上げられない。
「終わったか、ホッパー」
スパイダーと呼ばれる男が尋ねてくる。
ああ、明日もまた人を殺すのだろう。
そして星の数いるヒーローもどうせ助けに来ない。
「一度引くぞ」
スパイダーが踵を返した、その時。
スパイダーを何者かが
やっと来てくれた…
テレビで見たコスチューム。
見慣れたウサギのように逆立った金髪。
常人離れした筋肉の量。
「私が来た!」
手遅れの中に光…
届かなくてもいい。彼の名前を呼ばなくては
「ォール、マ、ィト」
〇
気がつくと俺はオールマイトに抱えられていた。
「目が覚めたかい?」
「…は、ぃ」
うまく喋れない。体がダルい。
「無理をしなくていい。そのまま聞いていてくれ」
1人で歩けそうにない。
「きみを拉致したショッカーという
ショッカー...
「ショッカーの本拠地にあった拉致被害者リストに君が載っていてね」
俺は奴らに改造されたんだ。
「君のその体は『ホッパー』というらしい」
そして人を
「....遅くなって悪かった」
「ォ、ール、イト」
「なんだい?」
殺した。三人。
「…君のせいじゃないさ...我々、ヒーローの落ち度だ」
その言葉が、今は酷く痛い。
○
あの後病院に運び込まれそのまま入院、検査。
やはり俺の体は改造され、20%も人の臓器は残ってないらしい。
幸い俺の個性『ストレージ』には影響はなかった。
大きな影響というと、力の加減ができないというところか。
入院中は色んな人がお見舞いに来てくれた。
親代わりのおやっさんは当然、友達、オールマイト、そして何故か雄英校長の根津校長…
「きみ、雄英を受けてみる気はないかい?」
「雄英を、ですか…」
根津校長の話を聞くと、中学の担任にヒーロー志望だということを聞いたらしい。
「皮肉なことに君のその体はヒーローをする上で必ず役立つ。君の個性も合わせて、戦い方に多様性か生まれるはず。是非とも君に雄英で学んでほしいのさ!」
嬉しい誘いだ。でも
「人殺しの俺に…ヒーローなんて」
「きみの意志じゃないだろう。命を奪ったことに代わりはないが、洗脳状態での犯行で少年の未来を絶つほど大人は鬼じゃないさ!」
「重ねて言うが、救出が遅くなった我々ヒーローの責任でもある」
オールマイトは悔しそうな顔でそう言う。
正直踏ん切りはつかない。やりたい事とやってしまった事がこうも真反対では、はっきりいってこれ以上考えたくなくなってくる。
「奪った力でもっと多くを救えるなら、彼らも報われると思わないかい?」
それでも
「……俺も、ヒーローになって…いいですか?」
希望があるならば
「もちろんさ!」
「…受けます、雄英。頑張ります」
考えたくない。だからこそ、今は引いてもらったレールを走ることにする。まぁ、提案だけであって推薦が貰えたりする訳では無いんだけど。
その後、個性の話や入院生活の話など、他愛もないことを喋りオールマイトと根津校長は帰っていった。
そういえば、何故あの二人が一緒に見舞いに来たのだろう…
とりあえずは遅れた分の勉強、あとはこの体『ホッパー』を使いこなさなければ。