改造人間はヒーローになる   作:就職太郎

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第3話

 

 

「た、助けてくれっ」

 

「なん…で…」

 

「こ、この人殺しが!」

 

 

 

 

「………はぁ」

 

悪夢。夢だけならいいんだがな。

忘れたいが、忘れてはいけない。この呪われた体がある限り、彼らを殺した事実とこの悪夢は一生ついて回る。簡単に割り切れるものじゃない…、やはりこの体は(ヴィラン)なんだ。まったく、入試当日だというのに嫌な目覚めだ。

 

 

 

 

 

 

実技、仮想(ヴィラン)を破壊し競うポイント制。

今は試験開始待ちだ。ちなみに俺の今の格好はショッカーの戦闘服。

本当は着たくないが、どうやらホッパーを活かすのに最適なのはこれらしい...

 

 

 

「はいスタートォォォォォォオオ!!」

 

え?

 

「どうしたあ!実戦にカウントなんかねえんだよ!走れ走れぇ、賽は投げれてんぞ!」

 

 

と、プレゼントマイク。

じゃあ遠慮なく、  『サイクロン』

 

ストレージからサイクロンを出現させる。

他の受験者は会場へ走りだしている。まあバイクを持ってくるやつは流石にいないか。

それじゃ行くか。

 

 

1速....2速..............3速

 

みんなお先に。

 

 

 

 

 

 

今何ポイントだ...多分50は超えてると思うが。

バイクを走らせながら戦うのは効率がいい。特に今回みたいなロボット相手には。

 

 

『キョウテキホソク、キョウテキホソク。』

 

3P!他の受験者に取られる前に一発できめる。

 

先生に言われた時速60kmキープ、この勢いを殺さずに敵に拳を叩き込むっ!!

気合いを入れる為の必殺技、心の中でこう叫ぶ!

 

(ライダーパンチッ!!!)

 

3Pの腹に拳を打ち込みえぐり取る。

 

 

 

 

ガッツリ稼ぐのはこんなもんで十分んだろう。

後はサイクロンで外周を回りながら残りを狩っていけば

 

「…っ!?」

 

 

突如。市街地の地面が音を立てて割れた。 

轟音を響かせ迫ってくる無限起動。

ビルを握りつぶし空を覆いながらこちらを覗き込んでくる。

なるほど、プレゼントマイクが言っていたことがよくわかった。

 

0Pは規格外だ...

 

こいつがポイントにならないなら逃げるに限る。

壊せないこともないだろうが、戦うだけ無駄だろう。

他の受験生は一目散にかけていく。

さっそくサイクロンをUターンさせ、逃げようとした。その時

0Pの少し前で服が暴れていた。

 

……?瓦礫に挟まった服がじたばたしている。服だけが。

 

「痛っ…」

 

服が喋った。………あぁ、そういう個性か!?

なるほど透明化か!

 

ぎいぎいと音を立てて0Pが近づいてくる。

助けなきゃまずい。試験だから死亡事故はないだろうが、大怪我は免れない。

間に合うか、いや間に合わせる。

 

透明の人を救出するか、いやリスキーだ。

透明さんには悪いがまずは、脅威の0Pを排除する。

 

距離はある… サイクロンがスピードに乗るのにはちょうどいい距離だ。2速、3速、4速、5速!!

 

60は過ぎてるが関係ない。今は人命救助優先!!

 

「待ってて!」

 

すれ違いざま透明さんにそう声をかけて(聞こえたかどうかは分からないが)、さらに加速。

ストレージで元に戻るとはいえ、あんまり荒い使い方はしたくないんだがなぁ…

 

ぶっ飛ばしたら被害が広がる。それなら

瓦礫を踏み台に、サイクロンごと空へ翔ぶ。

 

真上からのかかと落とし!!

その名も

 

(ライダーキック 応用編!!)

 

 

ダッサいなぁ… 落ち着いたら別の名前考えよう。

 

0Pは頭からひしゃげて粉微塵。もう動きそうにない。

余りにもあっけないが、多分この体が異常なんだろう。

何はともあれ爆破も避けて、最小限の被害で抑えた。と思う。

 

急いで透明さんのところに戻り、瓦礫をどかしてやる。

 

「あ、ありがとう。痛ぅ」

 

「大丈夫?ちょっと待ってて」

 

確かこのヘルメットには音波を利用した可視化システムがあったはずだ。

首元の内側、ひねりをいじる。額のoシグナルが熱くなった。

 

「……?」

 

不思議そうにこちらを見るショートカットの女の子。

色までは見えないが輪郭とパーツぐらいは見えた。どうやら右足首を抑えているようだ。

 

「捻ったのか。」

 

「え、見えるの?!」

 

「少しだけね」

 

とりあえず、固定だな。

ブーツの脛当てを抜き取り患部に当ててスカーフで縛る。

見栄えはあれだが、そこらに落ちてる木片なんかを使うよりはよっぽどマシだろう。

 

 

『終了ぉおおお!』

 

 

プレゼントマイクからアナウンスが入った。

 

「歩け…そうにはないか。ちょっとごめんね」

 

「うおぁっと」

 

サイクロンを収納してから透明少女を抱きかかえる。小脇に。

 

「こういう時ってお姫様だっこじゃないの?」

 

「怪我人は黙って運ばれてな。とりあえず開始位置あたりに戻ろうか」

 

 

足首以外に大きな怪我はないようだ。

 

「俺は本郷。名前は?」

 

「葉隠透だよ!あらためて、助けてくれてありがとね!本郷くん!」

 

「どういたしまして。お互い受かってるといいな」

 

「うん!」

 

 

 

まぁ、なんていうか。久しぶりに女子と話した。

 

 

 

 

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