その内容は、この小説には全く活かされません。
ウォータースライダーでセクハラしたら逮捕されちゃうしね!
でも北條さんにもセクハラしたいよね!(うるせえ)
「お父さん、勝負しようか」
今日も西方との勝負に勝った。
まさに絶好調だ。
今度こそお父さんに勝つ。
お父さんはからかい甲斐が全く無いが、いつもセクハラされているので常々ぎゃふんと言わせたいと思っている。
「ん。いいぞ~」
水彩画の女の子が表紙になっている漫画雑誌を読みながら生返事をした。
お父さんはいつも読んでるなぁ、あの雑誌。
格好良いキャッチコピーでスタイリッシュなデザインだけど何なんだろ。
レイアウト? の資料かな?
「なんの勝負すんだ?」
ふふふ。
「間違い探しだよ」
「ふーん。いいけど」
お父さんめ。
余裕綽々な態度も今だけだ。
「この歴史の教科書に間違いがあります」
歴史の教科書は意外と変更があるらしい。
大化の改新は646年って書いてあるんだけど、お父さんの世代は645年って習ってたらしい。
蒸米で祝おう大化の改新っていう語呂合わせだったと先生が言ってて、コレだと思った。
だからこの年号が間違っていると、勘違いするに違いない。
ぱらぱらと教科書をめくるお父さん。
大化の改新のページで止めた!
顔に出さないようにしないと……。
西片はこういうときにいっつも顔に出ちゃうから勝てないんだよ。
そこがいいんだけど。
「あれ、年号が……」
きたきたきた!
「変わったんだな~」
そう言いながら、にやりとこちらを向くお父さん。
さすがお父さん……。
この程度では、ひっかからないか。
でも、正解は見つけられないだろうな。
ズルじゃないかっていうくらい難しいもん。
「これさ、間違ってるのは教科書そのものじゃなくて持ち主だろ」
……!?
な、なんでわかるの?
この教科書は西片のものなのだ。
西片が間違えて私のを持って帰ってしまったみたい。
それでこの勝負を思いついたんだけど……。
小学校じゃないから、持ち主の名前が書いてあるわけでもないし。
するとお父さんは、江戸時代のページを開いて私に見せながら言った。
「だって、こんな落書きしないだろ」
ぷっ!
あはははは!
西片、くだらなすぎ!
ありがちなヒゲの落書きだった。
おっかしー。
もっとヒネった落書きしなよー。
「じゃあ次はパパの番だな」
そう言って渡してきたのは妙に薄い本だった。
なんだろう、この本?
すごく不思議だ。
ためつすがめつしてみるが、よくわからない。
パンフレットみたいな。
それにしてはイラストしか描いてなくて、商品を紹介するようには見えない。
映画のパンフレットともまた違う。
「その本の間違いを指摘できるかな~」
ふ~む。
そもそもバーコードとか値段とかが書いてないけど。
そういうことじゃないんだろうな。
表紙はカラーのイラストだった。
イケメンが2人いて、顔を赤らめている。
私はあんまりイケメンには興味ないんだよね。
タイトルは、宇宙一初恋……すごいタイトル。
中を開いてみる。
あ、漫画だ。
でもコミックってこんなに薄くて大丈夫なのかな。
あっという間に読み終わっちゃうよ。
ページをめくる。
うわあ……。
いきなりキスシーンだった。
しかも、男同士の。
やられた。
お、お父さんめ~。
こんなの、平然と読めるわけないじゃない。
あっという間に読み終わるどころか、まともにセリフも読めないよー。
やっぱりお父さんは私より
間違い探し勝負を持ち込んだのが私である以上、どんな本でもじっくり読んで間違いを探すしか無い。
男同士で愛し合うことは勿論、間違いじゃないよね。
愛の形は人それぞれで認め合わないといけないって、いつもお父さんが言ってる。
ついからかっちゃうのも、愛の形だし。
次のページをめくる。
顔が熱くなるのが自分でもわかる。
その様子をお父さんが、ニヤニヤしながら見ていることも。
くぅ~。
二人はなにやら好きとか愛しているとか、身体は正直とか言いながら裸になった。
ひゃ~。
……うひゃ~。
……。
わ、わかんない……。
もう、どこが間違ってるっていうか、何もかも間違ってるような気がしてくる。
なんで、駄目とか嫌いとか嫌だとか言いながら嬉しそうなのかとか。
なんで、女の子っぽい見た目の方が強気で、男らしい方がなよなよしているのかとか。
なんで、裸にネクタイとジャケットだけ着ているのかとか。
そもそも、宇宙一初恋っていうタイトルと内容が紐付かない。宇宙一でもないし初恋でもない。
更に読み進める。
ベッドの上で抱きしめあうイケメン達。
あんまり凝視できないんだけど……。
「間違い、わかった?」
頬杖をつきながら、にまにまと笑っている。
全然わかんない。
正確には、間違いを見つけられるほどお父さんの前で読めない。
本を閉じて、目を瞑る。
む、無念。
私が無言でいると、お父さんはネタバラシを始めた。
「そこに出てくる男はな、お尻とは別に穴があるんだが、そんなものは存在しないぞ」
お尻と別の穴?
なんでそんなものが必要なんだろう。
気になったので穴の描写を探していると、お母さんがリビングに入ってきて、叫んだ。
「やおい穴はありまぁす!」
……やおい穴?
「パパ、私のお宝を勝手に持っていって娘に見せるとか、もうこの世に未練はないの?」
お母さんはそう言って、庭に逃げようとしたお父さんの首根っこを捕まえた。
あ~あ。
命だけは助かりますように。
っていうか、あの本ってお母さんのなんだ……。
他にも持ってるのかな……。
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