緋弾のアリア with水竜の巫   作:月見草クロス

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水と美癒

あれは大雨の日

 

その事件は突然起きた。

 

 

いつものようにバスに乗り、登校する。

周りが騒がしい中、二人ほど存在感があるくせして周りと話さない二人がいた。

 

それが水先輩とレキ先輩なのはみんなが知っていた。

水先輩もレキ先輩もこの時点でSランクの最強武偵。しかしその性格ゆえにあまり人が寄ってこない。

 

美癒「にしても今日は災難だなぁ」

 

外を見るとそれは類を見ない程の大雨。

外に出ればびっしょりになりそうだし、風も強く、吹き飛ばされそうだ。

 

美癒「しかもみんないないし………」

 

さらに今日はバスの中に友達も居らず、話す人がいない。

 

 

そんな雨の日はとても視界が悪く、風も強いので狙撃には向かない。

 

 

しかしそいつは正確に……………

 

 

「グアッ」

 

 

運転手の心臓を撃ち抜いた。

 

 

「バスが!?」

 

突然、バスが大きく傾き、ビルの壁に激突して止まった。

 

「おい!!運転手が!!」

「撃たれてる!?」

「でも撃てる距離に人影が………」

 

「狙撃だよ」

 

そこで声を上げたのは水先輩。

 

「この雨の中で狙撃なんて!!無理に決まってるでしょ!!何言ってるんだ水!!」

 

高三の先輩が言う。

もう完全にプロの風格がある先輩に対し、水は更にプロの風格を見せながら

 

水「先輩!!見えなかったのか!!遠くのビルで光があった!!マズルフラッシュだ!!」

 

「おいおい。お前が俺と同じ狙撃科のSランクだからってこの距離を撃つやつは信用出来ないぞ!!」

 

レキ「いいえ、水さんのことは正しいです。私にも見えました。あれは………恐らくM700」

 

「なわけあるか!!」

 

水「……っ!!伏せろ!!」

 

次の瞬間、その先輩目掛けて弾丸が飛んでくるのが見えた。

到底間に合わないと思ったが水先輩は強靭的な反応速度で先輩を押し倒した。

 

水「先輩!!すいません!!」

 

「いや、こっちもすまん!!確かにマズルフラッシュが見えた!!距離は多分………1000mってところだな!!」

 

水「みんな!!このままバスが止まってればやばい!!バスはまだ動くのか!!おいバカの武藤さっき居ただろ!!」

 

「誰が馬鹿だ!!轢いてやる!!」

 

そんなことを言いつつ、その先輩、武藤先輩はバスの運転席に行く。

 

水「おい!!誰か救護科か衛生科!!」

 

美癒「あっ!!はい!!」

 

私は衛生科だったので手を挙げる。

 

水「この運転手を後ろまで運んで治療!!まだ生きてる!!」

 

そう言いつつ、先輩は救急箱をバックからだし、投げてきた。

 

美癒「分かりました!!」

 

武藤「水!!これまだ動くぞ!!打ちどころが良かったみたいだな!!」

 

水「了解!!武藤!!一旦、ここを離れるぞ!!

あと、このバスは人数が多すぎる!!今からできる限りスピード出すから運転手と衛生科の………美癒だな!!と武藤!!あと俺とレキだけ残る!!」

 

「おい待て!!バスに乗ってた方がいいだろ!!ここに残れば確実に撃たれる!!」

 

水「自分の身は自分で守れ!!このまま逃げても思うつぼだ!!気配がする!!恐らく待ち伏せ!!」

 

「………なんだと」

 

水「先輩!!頼むから!!連絡はよろしくな!!流石に狙撃の正確さは微妙みたいだ!!だからこのビルの中の方が安全だ!!………頼む」

 

そこで先輩は頭を下げる。

 

「………信じていいんだな」

 

水「信じろ、先輩。僕は嘘をつかない」

 

「………みんな!!降りろ!!」

 

『はい!!』

 

先輩が先導してみんなが降りる。

 

水「武藤!!美癒!!地獄まで付き合え!!」

 

美癒「運転手は降ろさないんですか?」

 

水「出血が酷い。下手に動かせる状況じゃない。それに流石に三人じゃ戦力も問題だ。頼りにしてるぞ!!」

 

レキ「………!!」

 

レキ先輩は無言のまま、狙撃。

すると飛んできた弾丸がギリギリのところで弾丸で弾かれた。

 

水「ナイスレキ!!」

 

レキ「………(コクリ)」

 

無言で頷くレキ先輩。

そこで武藤が声を荒らげる。

 

武藤「そろそろ行くぞ!!」

 

武藤先輩がバスをバックさせて、高速発進させる。

 

水「…………ここからは狙撃出来ない……………武藤!!この先!!近接特価の奴がいる!!」

 

美癒「………さっきからなんで分かるんですか?」

 

水「気配!!」

 

美癒「えぇ………」

 

先輩の言葉に内心、ガックリしたが何故か信用できるのはなぜだろうか。

そんな中、バスは直線の道に出る。

 

レキ「………いました。この先に………」

 

水「あぁ、僕にも見えた」

 

武藤「とりあえずとばすぞ!!」

 

水「乗り込まれたら厄介だ!!頼む!!」

 

武藤先輩が本気でかっ飛ばす。

それによってバスが思いっきり風を受けて窓ガラスが割れる。

 

水「レキ!!狙撃!!」

 

レキ「私は一発の弾丸………」ターン!!

 

レキ先輩が見える距離に来ていた敵………ツインテールで中国人のような服を着た、それを撃った。

しかしそのツインテールは神がかった速さでそれを回避しバスの窓ガラスを破り、侵入してきた。

 

「アイヤ!!やっと乗れたネ」

 

水「名を名乗れ」

 

水先輩は腰にかけた鞘に二本の刀を収める。

レキ先輩も狙撃銃、ドラグノフの先に短剣を付けて独特の構えをする。

私も武器のコルトSAAを構える。

 

「私、ココネ。水。やっと見つけたヨ」

 

水「僕にようか?」

 

ココ「その前にちょっと手合わせネ!!」

 

そのココとやらは柳叶刀を取り出した。

 

水「………骨まで砕く気かよお前」

 

ココ「お前はこの程度じゃ死なないネ」

 

レキ「よく分かってますね」

 

水「おい」

 

なぜかこんな時にコントのような会話をする2人に呆れる。

 

ココ「行くネ!!」

 

水「まずはその片言どうにかしろ!!」

 

水先輩はそうやって叫ぶながら居合斬り。

ココはそれに対して物凄い反応速度で防いだ。

 

水「やるじゃん」

 

ココ「キヒッ!!」

 

ココは刀を振り回すように攻撃してくる。

水先輩はそれを軽々と回避する。

 

ココ「その反応速度、厄介ネ」

 

水「お前も凄かっただろ!!」

 

レキ「………あと一人来ます」

 

それを聞いてハッとするとココが破った窓ガラスからもう一人が入ってきた。

 

ココ「…………来たネ」

 

「またせたようだね」

 

そいつはスーツ姿というストイックな服装のイケメン。

しかしそこからは明らかに普通じゃないオーラがある。

 

水「誰だ………」

 

「ここで名乗るような名前じゃない。ただ周りからは教授(プロフェシオン)なんて呼ばれてるね」

 

水「大層な名前だ………全く………とりあえず敵なんだな!!」

 

水先輩はその男に対し、とんでもない速度で突撃する。

そして刀を振りかざし………

 

「動きの一つ一つが単純すぎる」

 

水「…………なっ」

 

そいつは二本の刀を両手の指で一本ずつ止めていた。

 

レキ「私は一発の弾丸!!」パーン!!

 

レキ先輩がドラグノフで一発撃つ………しかしその弾丸は何故か男に当たらない。

 

水「なんだと………」

 

「まずは君からだ」

 

そして男は水先輩に対してただ殴った。

そう殴っただけなんだ。

 

しかし水先輩は私の横を通り過ぎレキ先輩に激突した。

 

 

ハッとして後ろを見ると…………水先輩は頭から血を流し気絶している。レキ先輩も気絶はしていないものの骨でも折ったのか立ち上がれない。

 

武藤「なんだてめぇ!!」

 

「君に用はない。無駄な命は捨てないことだ」

 

暴れだそうとする武藤先輩に対し、ココが首に刀を置いて止める。

 

「彼の身柄をしばらく預からせてもらう」

 

そう言って………男は水先輩を担ごうと近づいた。

 

私が止めないといけない………!!

 

でもその男の圧力に………足が動かない………!!

 

男が水先輩に手をかけようとする。

 

 

待って………先輩を………連れていくな!!

 

 

しかし次の瞬間、先輩が男の顔を両足で蹴り飛ばした。

 

………気絶していた。あの時は明らかに。

 

しかし先輩はあれほどの衝撃を受けて、数十秒で起き上がった。並のことじゃない。

 

水「てめぇ………に…………負けられない………」

 

「………まさか僕に一撃くらわせるとは…………」

 

男はただただ驚いていた。

 

水「そりゃどうも………俺だって並の人間じゃない自信はあるんでね」

 

「君は僕の予想を遥かに上回る………どうしてそんなに強くなれる?」

 

水「ここには美癒だって武藤だってレキだっている。だから負けられない」

 

「………なんとも理解不能だよ」

 

レキ「………」

 

すると男は顔を笑顔にして

 

「なら一ついい選択肢を作ろう。君が僕についてきてくれれば彼女達は傷つけない」

 

水「………わかった。なら行こう」

 

先輩はノーマルに考えて信じられないほどの速さで返答した。

 

レキ「水さん………!!」

 

水「心配すんな。また帰ってくる」

 

 

そうして水先輩はバスを降りていった。

 

 

美癒「………なんだったんですかね………」

 

レキ「…………なんで」

 

美癒「………先輩?」

 

レキ「なんで行ってしまうんですか………」

 

その時、レキ先輩が悲しんでいた。

顔を微妙に歪ませて、声も震えていた。

 

レキ先輩が表情を見せたことに驚いた。

 

美癒「…………」

 

思い返せば、水先輩は守るために行ったんだ。

 

…………なんだか放っておけない先輩だ。

優しすぎて身を滅ぼしてしまいそうな………

 

レキ先輩もだ。

感情を持たない訳では無い先輩。気になるし、心配だ。

 

 

そして水先輩もレキ先輩も諦めなかった。

 

私………じゃなくてボクはそこに憧れたのかもしれない。

 

その時、不確かだけど確かに先輩達に対して憧れが生まれたのは確かだ。

 

 

だからボクは先輩について行くことにした。

ただ、それだけの事だった。

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