イナズマイレブンGOクロニクル ~集え!銀河最強の戦士達~ 作:ヒビキ7991
~穂群原学園 校庭~
士郎達の住む冬木市深山町にある穂群原学園。深夜の誰も居ない筈の学園の校庭に、一人の男がいた。男は夜空に巨大な孔を開け、そこから出てくる泥の様な物質を、学園上空に停泊する巨大な船に送っていた。
士郎
「慎二!!」
穂群原学園に士郎達とアースイレブンが到着し、士郎は男の名前を叫ぶ。男はゆっくりと身体を士郎達に向けた。
慎二
「来たか衛宮。クックック、随分と早かったなぁ。」
慎二の髪は夜空に浮かぶ月の様に白く、瞳は血の様に赤く染まっていた。
士郎
「・・・お前、桜から抜き取った聖杯の欠片を取り込んだんだな?」
慎二
「ああ、そうさ。僕とグランドチルドレンの狙いは、あの孔から流れ出てる聖杯の泥。だが第五次聖杯戦争が終結した今、アレを手に入れるには桜の持つ聖杯の器の欠片が必要不可欠だったのさ。僕は欠片を取り込む事で、この世全ての悪と繋がった。悪は僕の中にある負の感情によって成長し、僕はこの世全ての悪を受け入れ、強大な力を得た。この世の全ての滅ぼす程の力をな!!」
『慎二よ、我々の目的のモノは無事手に入った。』
突然、スターシップスタジアムから聞き慣れない男の声がした。
『次はそのアースイレブンを潰すのだ。良いな?』
慎二
「分かったよ、グランドファーザー。」
慎二が答えると、聖杯の泥を手に入れたスターシップスタジアムは上昇し、光学迷彩機能でその場から姿を消した。
慎二
「今の声の主がグランドファーザー。僕を甦らせてくれた男だ。」
慎二はそう言うと、アースイレブンに目を向けた。
慎二
「グランドファーザーからの命令だ。アースイレブン、僕と勝負しろ。」
天馬
「勝負?」
慎二
「分からない?僕とサッカーで勝負しろってことだよ。僕はお前達を倒して、その次は僕を死の運命に追いやった衛宮を殺す。そしたら次は僕を捨てた遠坂、その次は僕の居場所を奪った桜、僕から何もかもを奪ったこの街、この世界、いやこの星を・・・全て破壊してやるんだよぉ!!」
天馬
「そんな事、絶対にさせない!この星は、俺達が絶対に守る!勝負だ!!」
数分後、アースイレブンのメンバーはユニフォームに着替え試合の準備を始める。だが、敵側のフィールドには慎二以外に誰も居ない。
戦兎
「なあ、あっちのフィールド、あの慎二って奴以外誰も居ないみたいだぞ?」
サトシ
「まさかとは思うけど、一人で戦うなんて言わないよな?」
慎二
「・・・さぁ~て、じゃあ始めるか。」
パチン! ブゥオン!
慎二が指を鳴らすと、慎二側のフィールドに七つの魔方陣が出現した。
天馬
「な、何だ!?」
セレナ
「何!?」
慎二
「さあ出てこい、我が僕達よ!!」
ビチャ! ブゥオン!
孔から聖杯の泥が零れ、泥は各々の魔方陣の中心へと落ちる。聖杯の泥が落ちた途端、七つの魔方陣は強く輝き出した。
慎二
「フハハハハハッ!ハハハハハハァ!!」
魔方陣に落ちた聖杯の泥は徐々に形を成していき、フィールドに七人の戦士を作り出した。赤槍を持った青い槍兵。黄金の鎧を纏った黄金の戦士。紺色の陣羽織に長大な太刀を帯びた耽美な青年剣士。魔術師然としたローブを纏い、黒いフードで顔を隠した女性魔術師。紫の眼帯に黒を基調としたボディコン服を纏った長い髪の女騎兵。巨人と見紛うほどの巨躯を持った巌のような男。そして黒いドレスに黒い甲冑と、黒ずくめの禍々しい姿をした金髪と金の瞳をした女騎士。
士郎
「・・・っ!?」
士郎はその女騎士を見て目を疑った。
慎二
「アレ、衛宮もしかして驚いてる?そりゃそうだよな!何せここに居るのはみんな
、お前が第五次聖杯戦争で見てきたサーヴァントなんだからさ!ただ、何故か遠坂のアーチャーだけ呼び出せなかったんだけどねぇ。」
天馬
「アレが、第五次聖杯戦争のサーヴァント?」
凛
「そうよ。金ずくめの男はアーチャーこと、世界最古の英雄王《ギルガメッシュ》。」
桜
「眼帯をした黒い女性は、私の召喚したサーヴァントだったライダーこと《メデューサ》。」
戦兎
「メデューサ?メデューサって確かギリシャ神話に出てくる怪物だろ?」
カレン
「そうです。ですが悪によって歪んだ聖杯は、その力で正純な英霊ではない反英雄を呼び出す様になってしまった。しかし彼女
は反英雄どころか、英霊に敵対する魔物に近い存在であったのですが、かつて美しかったものとして、英霊としての側面も持つため、「英霊メドゥーサ」として召喚されたのだと思います。そしてあの黒い女魔術師はキャスター、紺色の剣士はアサシンでしょう。残念ながら真名は不明です。」
バゼット
「青い槍兵は私の召喚したサーヴァントだった、ランサーことアイルランド神話『アルスター伝説』に登場する大英雄、クランの猛犬《クー・フーリン》です。」
士郎
「あの巨人は、俺と遠坂が聖杯戦争中に戦ったバーサーカー。真名はギリシャの大英雄《ヘラクレス》。そして、黒いドレスと甲冑の女騎士はセイバー。その正体はアーサー王伝説に登場する円卓の騎士の一人、《アーサー王》。でもって、第五次聖杯戦争で俺のパートナーだったサーヴァントだ。」
士郎の言葉にアースイレブンは驚いた。
慎二
「まあでも、これじゃ人数足りないから試合出来ないよね?」
そう言うと、慎二はフィールドに三体の怪物。竜牙兵、ゾンビ、オートマタを出現させた。
瞬木
「おい、何だありゃ!?」
慎二
「さあ、これでこっちは11人揃った。始めようじゃないか?この星の命運を掛けた、君達アースイレブンと、この僕が率いるチーム《ブラックウォーリアー》との試合をなあ!!」
士郎
「気を付けろ天馬。サーヴァントはみんな人間離れした能力を持ってるうえに、全員何かしらの宝具を持ってる。」
天馬
「宝具?」
凛
「サーヴァントが持つ切り札であり、人間の幻想を骨子に創り上げられた武装。簡単に言うなら、サーヴァントの必殺技。サーヴァント達が生前に築き上げた伝説の象徴であり、物質化した奇跡の事よ。ただ、彼らの生前使っていた武具だけが宝具になる訳じゃ無くて、その英霊の人となりや生き方が武具の形となって宝具になったりと、その成り立ちは様々ある。分かりやすい例を上げるなら、アーサー王の持っていた聖剣エクスカリバーとか、ヘラクレスが生前に成し遂げた十二の偉業とかね。」
士郎
「慎二の事だ、きっと勝つためには宝具でも何でも使ってくるに違いない。十分警戒してくれ。」
天馬
「分かりました。」
数分後、各々のチームがポジションに着いた。
アースイレブン
GK:井吹/背番号1
DF:鉄角/背番号5
好葉/背番号2
戦兎/背番号19
永夢/背番号86
信助/背番号20
MF:天馬/背番号8/キャプテン
サトシ/背番号14
セレナ/背番号7
FW:瞬木/背番号11
座名九郎/背番号18
ブラックウォーリアー
FW:ランサー
セイバー
MF:ギルガメッシュ
ライダー
キャスター
アサシン
慎二
DF:竜牙兵
ゾンビ
オートマタ
GK:バーサーカー
アースイレブン側のベンチでは、オズロック・葵・シトロン・ユリーカ・凛・桜・バゼット・カレン・イリヤ・ピカチュウが待機している。
天馬
「俺達がこの星を守る!勝負だ!」
アースイレブンのキックオフで試合が始まり、瞬木がボールを受け取り座名九郎と共に上がる。
ランサー
「・・・。」
瞬木の前にランサーが立ちはだかる。
瞬木
「へっ!抜いてやる!」
だが・・・
シュッ!
瞬木
「ナニッ!?」
ランサーは何もせず、瞬木と座名九郎は素通りした。
慎二
「取り敢えず、お手並み拝見だな。頼んだよバーサーカー。」
瞬木と座名九郎はバーサーカーが守るゴールへと走る。 瞬木は座名九郎にボールを預け、座名九郎は必殺技の体制に入る。
座名九郎
「行きます!」
座名九郎は両手に稲妻を発生させボールに纏わせると、自らをオレンジ色の台風の様な巨大な球体で包み込んだ。
座名九郎
「今、ここに再誕する!《グレートマックスな俺》!!」
そして大きくジャンプし、ボールに飛び蹴りを叩き込んだ。
座名九郎
「スーパァー!!!」
ボールは巨大な渦と共にバーサーカーの守るゴールへと突き進む。
バーサーカー
「・・・。」
バーサーカーはゆっくりと右手を突き出す。
ドンッ!
バーサーカーは座名九郎の必殺シュートを右手だけで意図も簡単に受け止めた。
瞬木
「なっ!?」
座名九郎
「片手ですって!?」
バーサーカー
「■■■■■ーーー!!」
バーサーカーはボールを蹴りあげ、ランサーにボールを預ける。ランサーはボールを受け取ると、ボールを空高く蹴り上げ赤いエネルギーを充填させる。そしてランサーも大きくジャンプし、ボールにオーバーヘッドキックを叩き込んだ。
ランサー
「《ゲイ・ボルク》!!」
ランサーのシュートは赤い弾道を描きながら井吹の守るゴールへと放たれた。
『ラビットタンク!イエーイ!』
『マイティ・マイティアクション!エックス!』
ビルド
「絶対に決めさせねぇ!」
戦兎と永夢は仮面ライダーに変身し、ランサーの放ったシュートの前に立ち塞がる。
シュッ!
だがボールは奇妙な動きを見せ、ビルドとエグゼイドの脇を通り過ぎた。
エグゼイド
「ナニッ!?」
井吹はランサーの放ったシュートの正面で防御の体制に入る。
シュッ!
井吹
「ナッ!?」
ガシャーン!
だがボールは突然井吹の目の前で進路を変え、アースイレブンゴールに突き刺さった。
井吹
「何だ、今のシュート?」
ビルド
「ボールが変な曲がり方をしたぞ。まるで、意思を持ってるみたいだった。」
井吹とビルドは状況が理解できず混乱する。
エグゼイド
「なるほど、だからゲイ・ボルクなのか。」
ビルド
「ゲイ・ボルク?」
エグゼイド
「クー・フーリンが使う槍の名前だ。槍の持つ因果逆転の呪いにより、「心臓に槍が命中した」という結果を作ってから「槍を放つ」という原因を作る。つまり、必殺必中の一撃を可能としてしまうんだ。生物の急所である心臓を穿つ為、仮にどんな攻撃にも耐える相手でも、確実に相手を死に至らしめることが出来る厄介な槍だ。」
ビルド
「なるほど。その槍の特性をサッカーに応用して、”必ず決まるシュート”にした訳か。コイツは厄介どころじゃねぇな。」
数分後、アースイレブンボールで試合が再開された。ボールは瞬木からサトシに、サトシから天馬に渡り、天馬はゴールへと走る。と、前方にアサシンが立ちはだかる。
シャキン
アサシンは背中の太刀を装備し、刀を構えた。
アサシン
「秘剣、《燕返し》!」
アサシンは目にも止まらぬ速さで3つの斬撃を繰り出す。
天馬
「うわっ!?」
天馬は即座に後ろにジャンプし攻撃を避ける。だがボールはアサシンに渡ってしまった。
慎二
「へぇ、アサシンの燕返しを避けるなんて凄いじゃないか。」
慎二は面白そうに見ているが、ベンチの士郎は怒っていた。
士郎
「おい慎二!サッカーの試合に本物の武器を用いるのは反則だぞ!」
慎二
「んな事関係無いね!要は勝てば良いんだよ、どんな手を使ってもな!!」
ボールはアサシンから慎二に渡り、慎二はボールを蹴り上げ、直後に同じ高さまでジャンプ。空中のボールを脚で挟み回転させ、巨大な黒い槍へと変身させる。
慎二
「食らえ!《デススピアー》!!」
慎二のデススピアーは井吹の守るゴールへと放たれた。
鉄角
「決めさせねえ!!」
鉄角・好葉・信助・ビルド・エグゼイドがデススピアーの前に立ち塞がる。
ビュー!
鉄角・好葉・信助・ビルド・エグゼイド
「うわあああああああ!?」
だが、デススピアーは回転と共に物凄い風を起こし5人を吹き飛ばした。
井吹
「今度は止めてやる!!」
井吹は右手にパワーを込めて大きくジャンプし、巨大な青いドラゴンを呼び出した。
井吹
「《ゲキリンダンク》!」
そして空中からドラゴンと共に降下し、デススピアーを押さえ込む。
ドーン!
井吹
「どわああああああ!?」
ガシャーン!
だがデススピアーのパワーに負け、井吹は吹き飛ばされ、デススピアーはゴールへと突き刺さった。
天馬
「みんな!!」
天馬達は急いで鉄角達のところへ向かう。
鉄角
「きゃ、キャプテン・・・。」
好葉
「ごめんなさい、ウチ・・・。」
井吹
「天馬すまない、止められなかったぜ・・・。」
信助
「みんな・・・。」
鉄角・好葉・井吹はゆっくりと立ち上がる。
ズキッ
鉄角・好葉
「痛っ!」
だが立ち上がろうとした途端、 鉄角と好葉の足に激痛が走った。
天馬
「鉄角!好葉!」
天馬は試合を一旦止め、一同は鉄角と好葉をベンチへ運び、シトロンが二人の怪我を見た。
シトロン
「二人とも、足首を捻挫しています。これでは試合は出来ません。」
セレナ
「そんな・・・。」
サトシ
「どうする?このまま9人で試合するか?」
天馬
「うん・・・。」
天馬は頷く。だが皆も、それしか選択肢は無いと分かっていた。 すると・・・。
エグゼイド
「1人だけなら、何とかなるよ?」
天馬
「えっ?」
そう言うと、エグゼイドはマイティブラザーズXXガシャットを取り出し、ガシャットのスイッチを押して起動。
『マイティブラザーズダブルエーックス!!』
『ガシャット!』
エグゼイドはドライバーのレバーを閉じ、ガシャットをドライバーにセット。
エグゼイド
「だーい、変身!!」
そして勢いよくレバーを展開した。
『ガッチャー!ダブルアップ!』
音声コールと共にエグゼイドは2体に分離し、向かって右が全体的にオレンジ色、左側が緑色をした、二人のエグゼイドに変化した。
『俺がお前で!お前が俺で!(ウィーアー!)マイティ!マイティ!ブラザーズ!(ヘイ!)ダブルエーックス!!』
エグゼイドL & R
「超キョウリョクプレーで、クリアしてやるぜ!」
突然の出来事に、一同は仰天した。
天馬
「え、エグゼイドが分裂した!?」
エグゼイドR
「わりぃ、こういう仕様なもんでね。」
エグゼイドL
「でも、これで1人分確保できたね。あと1人はどうしようか?」
士郎
「俺が出る。」
突然、士郎が立ち上がり呟いた。
凛
「衛宮君?」
桜
「センパイ?」
士郎
「天馬、俺を試合に出してくれ!」
天馬
「士郎さん、でも・・・。」
士郎
「大丈夫だ。慎二の事はよく知ってるし、アイツのチームにいるサーヴァントの何人かとは前の聖杯戦争で戦ったことがある。それに、俺達の地球の運命が掛かった試合だ。指を咥えて観てるだけなんて我慢ならない。頼む!」
天馬
「・・・。」
天馬は眼を閉じ、数秒考える。そして・・・。
天馬
「分かりました。では士郎さんにはミッドフィルダーに入ってもらいます。」
士郎
「分かった、ありがとう!」
天馬
「戦兎さん、永夢さん、信助、ディフェンスは任せます。」
信助
「分かった!」
エグゼイドL & R
「オッケー!」
戦兎
「了解、任された!」
エグゼイドとビルドはディフェンスに着き、士郎は背番号46番のユニフォームに着替えミッドフィルダーの位置に着いた。
慎二
「へぇ、衛宮が助っ人で来たのか。丁度良い、予定変更だ。アースイレブンを潰すより先に、憎き衛宮を潰してやる!」
セイバー
「・・・。」