イナズマイレブンGOクロニクル ~集え!銀河最強の戦士達~ 作:ヒビキ7991
~衛宮亭 縁側~
穂群原学園で起きた対ブラックウォーリアーとの試合の翌日、衛宮邸の縁側ではオズロックがパソコンとにらめっこをしていた。
オズロック
「ウム………。」
天馬
「どう、オズロック?」
そこへ天馬が様子を見に来た。オズロックが見ていたのは、ギャラクシーノーツ号の修復状況だ。
オズロック
「取り敢えず、ギャラクシーノーツ号に搭載された自動修復プログラムで修理出来る範囲で何とか収まっている。だが完全に治るまで、最低でも一週間は掛かるだろう。」
天馬
「そっか………まぁ、まだ修理が出来る範囲内で壊されたってだけ良かった事にしようよ?」
オズロック
「そうだな。それに、ここ何日か長旅と戦いが続いている。少しの間休息を取るのも悪くない。」
コンッコンッコンッ
すると、キッチンからお玉でフライパンを叩く音が聞こえてきた。振り向くと、士郎が両手にフライパンとお玉を持ってこちらを見ていた。
士郎
「二人とも、昼飯の時間だぞ?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~居間~
居間にやって来ると、そこには刺身や天ぷら等、豪華な昼食が並んでいた。
士郎
「さあみんな、腹いっぱい食べてくれ!今日はセイバーが帰ってきた御祝いだ!」
「「いただきまーす!」」
一同は合掌し、楽しい昼食が始まった。
イリヤ
「やっぱり士郎の料理サイコー!」
桜
「お刺身も新鮮で美味しいです!」
士郎
「だろ?今朝上がったばかりの新鮮な魚だからなぁ。」
豪華な昼食に箸が進む一同だが、私服姿のセイバーは何故か箸を止め俯いていた。
凛
「どうしたのセイバー?食べないの?」
セイバー
「・・・。」
士郎
「もしかして、生魚とかは苦手だったか?」
セイバー
「いえ、そういう訳では・・・ただ、私が帰ってきたというだけでこんな御祝い事をして頂いて、よろしいのでしょうか?」
凛
「そんなの気にしなくて良いわよ!セイバーが帰ってきてくれて、私達凄く嬉しいんだから。」
バゼット
「その通りです。昨晩士郎君だって言ってたじゃありませんか?貴方にまた会えた。こんなに嬉しい事は無いって。」
セイバー
「そう、ですが・・・。」
まだ何か言いたそうなセイバー。
セイバー
「・・・シロウ、一つお願いがあるのですが・・・。」
士郎
「何だ?」
セイバー
「その・・・出来れば私の事は今後、《アルトリア》と呼んで頂きたいのですが・・・。」
恥ずかしそうに言うセイバー。
天馬
「アルトリア?」
凛
「セイバーの本来の名前よ。正式には《アルトリア・ペンドラゴン》。本来サーヴァントは聖杯戦争中、自分の真名を他のサーヴァントやマスターに明かしてはいけない事になってるの。召喚されたサーヴァントが有名な英霊なら、真名を聞いただけで弱点とかが露見する事があるから。」
セイバー
「ですがサーヴァントでなくなった私にはもう、セイバーという偽名は必要ありません。ですから、出来る事ならシロウやリン達には、私の本来の名前で呼んで頂きたいのです。」
士郎
「そうか、分かったよセイ・・・いや、アルトリア・・・。」
いざ呼んでみると違和感有々の士郎とセイバー。
士郎
「ダメだ!ずっとセイバーって呼んでたからついセイバーって呼んでしまう・・・。」
セイバー
「私も、いざシロウに呼んで頂くと、何だか少し違和感が・・・。」
イリヤ
「じゃあさ、いっそ名前を変えちゃうのはどう?」
イリヤの突然の提案に、一同は驚いた。
セイバー
「なるほど、その手がありましたか・・・確かにもう王ではなくなった私に、嘗てのペンドラゴンという姓は必要ありません。私は今日からセイバー。《アルトリア・セイバー》と名を変えましょう!」
桜
「アルトリア・セイバー・・・何だか良い感じですね?」
凛
「確かに。それなら士郎や私達がどっちの名前で呼んでも問題無いわね。」
士郎
「だな。」
セイバー
「はい!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
~台所~
昼食を終えて、士郎と桜は食器を片付けていた。
士郎
「ところで桜、臟硯さんの事は良いのか?」
実はブラックウォーリアーとの試合の後、臟硯はアインツベルン城から姿を消し、行方を眩ませれていた。その後桜は間桐邸で、臟硯の置き手紙を見つけたのだ。
ーー桜よ、暫し私は間桐の名を捨てて一人旅に出る事にした。もう冬木に戻ることは二度と無いだろう。今までお前にしてきた仕打ち、そのせいで昨夜の様な事態を引き起こした事を許せとは言わん。だが、これが私にとって唯一の償いだ。これでお前はもう間桐の名に支配される事はない。間桐の姓のままで生きるも、遠坂凛と再び姉妹として生きるも、衛宮士郎と共に暮らすも、全てお前の自由だ。私の事など忘れ、どうか幸せに生きておくれ。
間桐臟硯
桜
「御爺様の事ですから、きっと大丈夫です。」
士郎
「そっか。」
一方居間では、天馬達が昨夜の試合で負傷した鉄角と好葉の怪我を見ていた。
鉄角
「悪いなキャプテン。しばらくは試合に出れそうにねぇわ・・・。」
好葉
「ごめんなさい、キャプテン・・・。」
天馬
「鉄角、好葉・・・。」
ガラガラガラ・・・
突然玄関の引き戸が開き、一人の女性が衛宮邸にやって来た。
「御免くださーい!衛宮は居ますか?」
女性は玄関から士郎を呼ぶ。士郎は居間を通り玄関へと向かった。
士郎
「はいはーい。アレ?《美綴》じゃないか!」
と、今後は美綴という女性の背後から新たに三人の女性と一人の青年が姿を見せる。
士郎
「って、《蒔寺》に《三枝》に《氷室》、それに《一成》!?」
蒔寺
「よっ!」
一成
「突然の訪問で済まんな、衛宮。」
と、そこへ今度は天馬とセイバーがやって来た。
セイバー
「どうされましたか?シロウ。」
天馬
「どうしました?」
天馬とセイバーは自然と、美綴達と目を合わせる。
美綴
「アレ?もしかしてお客さん?って、あれぇセイバーさんじゃん!」
士郎
「えっ?あぁ、まぁな・・・。」
士郎は五人を居間へと招き入れ、天馬達に紹介した。
士郎
「紹介するよ。コイツは俺の友達の一成。で、こっちは弓道部時代の同期で桜の先輩の美綴。それから陸上部の蒔寺と氷室と三枝。みんな俺の同級生だ。」
一成
「うむ、穂群原学園生徒会長を勤めております《柳洞一成》と申します。以後お見知り置きを。」
美綴
「同じく元弓道部部長を勤めてました、《美綴綾子》です。」
蒔寺
「同じく陸上部所属、《蒔寺楓》!で、こっちの眼鏡が鐘で、こっちが由紀ッチだ!」
氷室
「蒔ノ字、勝手に愛称で紹介するでない。陸上部の《氷室鐘》だ。」
由紀香
「えーっと、同じく陸上部の《三枝由紀香》と言います。その、よろしくお願いします。」
美綴達は天馬達に自己紹介を終え、天馬達も軽く自己紹介をした。
士郎
「それで?美綴、一成、お前達が一緒に家にくるなんて、いったい何があったんだ?」
一成
「うむ、実は非常に申し上げ難いのだが、お前に頼みたい事があってな・・・。」
セイバー
「シロウに頼みたい事ですか?」
美綴
「実はさ、来週の文化祭で弓道部と陸上部による合同の舞台演劇をやる事になってるんだけど、ちょっと問題が起きてさ・・・。」
蒔寺
「アタシ達と桜以外の弓道部員と陸上部員、みんなインフルエンザでノックダウンしちゃってさ・・・。」
士郎
「ありゃりゃ、そりゃ大問題だな・・・。」
戦兔
「読めたぞ?つまり代役を探しに来たって事だな?」
美綴
「その通り!衛宮って意外と学園外でも知り合いが多いって聞くからさ、ちょっと頼めないかなって思ってさ。」
士郎
「なるほどなぁ・・・。」
呆れながらも納得する士郎。すると、凛がある提案を持ち掛けた。
凛
「じゃあさ、彼らに手伝ってもらうのはどう?」
凛はそう言って、天馬達アースイレブンに目を向ける。士郎や美綴達もアースイレブンに目を向けた。
天馬
「えっ?俺達がですか!?」
サトシ
「面白そうじゃん!やろうぜみんな!」
セレナ
「そうね、せっかくだし私達も参加させてもらお?」
永夢
「一宿一飯の恩もあるしね。」
シトロン
「証明や音響は僕に任せて下さい!」
どうやら天馬以外全員やる気の様子。
凛
「決まりね。じゃあみんな、台本渡しとくから目を通しておいて。」
と、凛は何処から途もなく台本を取り出し天馬達に渡した。台本には誰が何の役を演じるかのメモが書いてあった。
瞬木
「・・・へぇー、中々面白そうじゃん!」
座名九郎
「では、私はコレを担当しましょう。歌舞伎で培ってきた技術が役に立ちそうです。」
戦兔
「エフェクトは俺に任せてくれ。天才物理学者の腕が鳴るぜ!」
台本をザッと見ながら、役が決まってない箇所を埋めて行く。
士郎
「大丈夫かなぁ?」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
~穂群原学園 体育館~
そして迎えた文化祭当日、舞台演劇を行う体育館には大勢の観客が集まっていた。観客の中には鉄角・好葉・オズロック・イリヤ、更に病欠で練習に参加出来なかった弓道部と陸上部の部員達の姿もある。
司会
『続いての演目は、弓道部と陸上部による合同舞台演劇です。ですが今回、弓道部と陸上部がインフルエンザによる大幅な欠員により、学園外の方々に手伝って頂きました。それでは、ご覧ください。《シンデレラ》。』
証明が落ち、舞台の幕が上がり、中世ヨーロッパの田舎町の風景を描いた背景と、小さな家のセットが姿を見せる。そして二つのスポットライトが舞台右端を照らす。そこにはナレーション役の由紀香の姿があった。
由紀香
『昔々、とある国の小さな街に、シンデレラという一人の美しい少女がおりました。』
舞台に明かりが灯り、桜扮するシンデレラと士郎扮する父が姿を見せる。
シンデレラ(桜)
「お父様!今日もお仕事、頑張って来てください!」
父(士郎)
「ああ。行ってくるよ、シンデレラ。」
父は一旦、舞台から姿を消す。
由紀香
『シンデレラは幼き頃に母を亡くし、今では父と二人仲良く幸せに暮らしておりました。』
舞台がオレンジ色に染まり、父が美綴扮する母と蒔寺扮する姉1、凛扮する姉2を家に連れてきた。
由紀香
『しかしある日、父は家に三人の女性を連れてきました。』
シンデレラは玄関に向かい、父を出迎える。
シンデレラ(桜)
「お帰りなさい!・・・おや?お客様でしょうか?」
父(士郎)
「ああ、君の新しいお母さんとお姉さんだ。今日から俺達の家族になったんだよ。」
母(美綴)
「あなたがシンデレラちゃん?私が今日から貴方の新しいお母さんよ。よろしくね。」
シンデレラ(桜)
「は、はい・・・。」
由紀香
『最初、シンデレラと父は新しい母・姉と仲良く暮らしておりました。ところが・・・。』
姉1(蒔寺)
「シンデレラ、何をのんびりしているのです!?もっと早く磨きなさい!」
シンデレラ(桜)
「は、はい!」
姉2(凛)
「ちょっとシンデレラ、何よこのご飯!?今すぐ作り直して!」
シンデレラ(桜)
「は、はい今すぐに!」
母(美綴)
「シンデレラ!何なのこの服は!?もっと綺麗に畳んでちょうだい!それと、シワ一つ残さないように!」
シンデレラ(桜)
「も、申し訳ございません!」
由紀香
『お父様が亡くなると、シンデレラはまるで召使いのように扱われるようになりました。』
舞台が再び暗くなり、今度は噴水のある広場の背景と、サトシ扮する城の使い、氷室・セレナ・葵扮する街娘、そして30のベストマッチフォームをした30人のビルド扮する野次馬が現れた。
由紀香
『そんなある時、シンデレラの住む街の近くにある城から、ある一報が入って来ました。』
城の使い(サトシ)
「さぁさ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!なんと明日の夜、お城で王子様の花嫁を決める舞踏会を開くことになったよ!舞踏会への参加を希望される方は、素敵なドレスに身を包み、お城までお越し願いまする!」
街娘1(氷室)
「お城で王子様の花嫁を決める舞踏会ですと?」
街娘2(セレナ)
「お母様に新しいドレス用意してもらおっと!」
街娘3(葵)
「王子様の花嫁かぁ、いいなぁ~。」
由紀香
『舞踏会の話を聞いて、街の女性達はウキウキ。それはシンデレラも例外ではありませんでした。』
と、今度は背景が城を望む月夜の街道に変わり、数本の街灯とシンデレラが現れた。
由紀香
『そして舞踏会の日の夜、シンデレラは月と星空に照らされるお城を見て思いました。』
シンデレラ(桜)
「今日は、王子様のお嫁さんを決める舞踏会。私も行けたら…」
と、そこへサテンの美しいドレスに身を包んだ母と姉二人が登場。
由紀香
『ですが、綺麗なドレスを纏ったいじわるな母と姉二人は・・・。』
姉1(凛)
「何を言うかと思えば。第一に貴女、自分のドレスすら持っていないでしょうに。そんなボロボロの服のままじゃ、舞踏会には出られませんことよ!」
姉2(蒔寺)
「そうそう!アンタには、コレがお似合いよ!」
グシャ
姉2はシンデレラにカボチャを投げつけ、カボチャは地面に激突し粉々に砕けた。
シンデレラ(桜)
「キャッ!」
母(美綴)
「私達が帰ってくるまでに綺麗に掃除してなさい!オーッホッホッホ!」
由紀香
『母と姉はシンデレラを残し、お城へと向かいました。』
シンデレラ(桜)
「そんな・・・。」
由紀香
『シンデレラは悲しくなり、静かに涙を流しました。その時です。』
『お城に行きたい?シンデレラ。』
由紀香
『突然、何処かから幼い少女の声が聞こえて来ました。』
シンデレラ(桜)
「だ、誰!?」
シンデレラは辺りを見るが、誰も居ない。すると、舞台の上から妖精の姿をしたイリヤがゆっくりと舞い降りてきた。
妖精(イリヤ)
「よいしょっと。こんばんは、シンデレラ。」
シンデレラ(桜)
「あ、貴方は?」
妖精(イリヤ)
「私は森に住む妖精よ。事情は把握してるわ。貴女も、お城の舞踏会に行きたいんでしょ?」
シンデレラ(桜)
「はい!でも、この服装じゃ・・・。」
妖精(イリヤ)
「それなら私に任せて!そ~ぉれ!」
妖精は手に持っていたステッキから光を放ち、光がシンデレラを包み込む。そして、シンデレラは美しい桜色のドレス姿に変身した。
シンデレラ(桜)
「これは・・・何て美しいのでしょう!」
由紀香
『妖精の魔法によって、シンデレラは美しい桜色のドレス姿へと変身しました。頭には青い宝石をあしらった銀色に輝くティアラ、胸元には赤い宝石をあしらった金のネックレス。そして足には、美しいガラスの靴が。』
妖精(イリヤ)
「よし、これでドレスはバッチリね!あと必要なのは・・・馬と馬車!」
妖精はさらに近くにあったカボチャに光を放ち、光がカボチャを包み込む。すると、カボチャは白いペガサスの引く美しい馬車へと変身した。
妖精(イリヤ)
「はい、馬車の出来上がり!これで舞踏会に行けるわね。」
と、馬車の御者台には天馬扮する御者の姿が。
御者(天馬)
「さあシンデレラ、この馬車で貴女を舞踏会にお連れ致しましょう!」
妖精(イリヤ)
「でもシンデレラ、これだけは気を付けてね?その魔法は、夜の十二時になると解けてしまうの。だから、十二時になって魔法が解ける前に、お城から戻るのよ?」
シンデレラ(桜)
「分かりました。何から何まで、ありがとうございます!」
妖精(イリヤ)
「舞踏会を楽しんでね!」
由紀香
『シンデレラは馬車に乗り、馬車はペガサスと共に空を飛び、お城へと向かいました。』
再び舞台が暗くなり、今度は背景がお城のダンスホールに変わり、金のラインが入ったネイビーのスーツに青いマントを羽織った、セイバー扮する王子様と座名九郎扮する執事1が現れた。
由紀香
『お城では、舞踏会が始まったばかりでした。』
王子(セイバー)
「今日の舞踏会はいつも以上に大賑わいだな。」
執事1(座名九郎)
「どうでしょう?王子も皆と一緒に踊って来られては?きっと今日こそ、王子の花嫁に相応しい方が見つかる筈ですよ。」
王子(セイバー)
「・・・そうだな、そうしよう。」
王子は席を立ち、階段をゆっくりダンスホールへと降りて行く。
母(美綴)
「あっ!王子様ですわ!」
王子の姿を見るや否や、シンデレラの母と姉は王子に駆け寄った。
母(美綴)
「王子様、是非私と踊ってください!」
姉1(凛)
「いえいえ、ここは私と一つ。」
姉2(蒔寺)
「何を言うの!王子様と踊るのは私よ!」
王子(セイバー)
「まぁまぁまぁ、皆様落ち着いて・・・。」
ガチャ
突然、ダンスホールの扉が開き、桜色の美しいドレスに身を包んだシンデレラが現れた。ダンスホールにいた者達は、そのあまりにも美しい姿に言葉を失い目を丸くする。
姉1(凛)
「誰ですか、あの御方は?」
姉2(蒔寺)
「分からない。でも、凄く綺麗!」
母(美綴)
「何処の国のお姫様かしら?」
王子(セイバー)
「おお、これはなんと・・・!」
由紀香
『王子はシンデレラの美しさに心がときめきました。』
王子はシンデレラにゆっくりと近づき、ゆっくりと手を差しのべる。
王子(セイバー)
「お嬢さん、私と踊って頂けますか?」
シンデレラ(桜)
「はい、喜んで。」
王子とシンデレラは互いに手を取り合い、共にダンスを踊る。
由紀香
『王子とシンデレラは、仲良くいつまでも踊り続けました。二人は時間も忘れ、あっという間に時間が過ぎてしまいました。』
王子(セイバー)
「お嬢さん、貴女は私が今まで出会ってきた誰よりも美しい。是非、お名前をお聞かせください!」
シンデレラ(桜)
「はい。私は・・・。」
ゴーン!ゴーン!
由紀香
『その時です。城の時計が十二時を告げる鐘を鳴らしました。』
シンデレラ(桜)
「いけない、十二時だわ!王子様、申し訳ありません!私、もう戻らねばなりません!」
シンデレラは王子の手を離れ、急いで馬車に乗り混む。
王子(セイバー)
「お嬢さん!」
王子はシンデレラを追いかけるが時既に遅く、シンデレラは馬車と共に大空へと飛び立った。
王子(セイバー)
「そんな・・・。」
王子はショックで俯いた。すると、足下にあるものが落ちていた。それは、シンデレラが履いていたガラスの靴の片方。
王子(セイバー)
「これは、ガラスの靴?」
再び舞台が暗くなり、今度は街の広場へと変わり、街娘と野次馬と王子と執事1、さらに瞬木扮する執事2が姿を見せる。
由紀香
『次の日、王子はガラスの靴の片方を持って、二人の執事を連れて街へ赴きました。広場に到着するや否や、街の住民が何事かと集まってきました。』
執事1(座名九郎)
「皆の者控えよ!この方は我が国の偉大なる王子である!」
王子(セイバー)
「私は昨夜の舞踏会で、このガラスの靴を履いていた娘を探しています!このガラスの靴の持ち主こそ、私の花嫁となるに相応しい御方!この靴がピッタリ合った女性は、私の花嫁として迎え入れましょう!」
由紀香
『この話を聞いて、街中の女性達が"我こそは!"と押し寄せて来ました。』
母(美綴)
「まぁ、コレは私の靴ですわ!」
母が靴に足を入れようとするが、入らない。
姉1(凛)
「違いますわ!コレは私の靴で御座います!」
続いて姉1が足を入れようとするが、入らない。
姉2(蒔寺)
「二人とも何言ってるの?アタシのに決まってるじゃない!」
更に姉2が試すも、やはり入らない。
由紀香
『ですが、ガラスの靴がピッタリ合う女性は中々見つかりません。』
執事1(座名九郎)
「王子、もう諦めましょう・・・。」
王子(セイバー)
「いやまだだ。あの美しい娘は必ず居る。この街に居ないのであれば、他の街へと行くのみだ。」
すると、買い物を済ませ家へと帰るシンデレラが近くを通り掛かった。
執事2(瞬木)
「・・・ん?もし、そこの娘。」
執事2がシンデレラに気づき声をかけ、シンデレラは振り向いた。
シンデレラ(桜)
「私、でしょうか?」
執事2(瞬木)
「そうです。実は今、王子はあのガラスの靴がピッタリ合う女性を探しているのです。よければ試して頂けませんか?」
シンデレラ(桜)
「・・・分かりました。」
執事2はシンデレラの手を引き、王子の前へと連れて行く。
王子(セイバー)
「貴女は?」
シンデレラ(桜)
「シンデレラと申します、王子様。この靴は、私の靴でございます。」
シンデレラはガラスの靴に足を入れる。するとどうでしょう?ガラスの靴はシンデレラの足にピッタリだった。
王子(セイバー)
「なんと!では、もしかして君が昨日の・・・!」
姉2(蒔寺)
「そ、そんな訳無い!こんな埃まみれ灰まみれの汚い召使いが、あの綺麗なお姫様だったなんて!!」
姉1(凛)
「そうよ!嘘に決まってるわ!」
ポンッ!
妖精(イリヤ)
「嘘じゃないわよ?えいっ!」
突如、昨夜の妖精がシンデレラ達の前に現れ、シンデレラに魔法をかけた。すると、シンデレラは昨夜の舞踏会の時と同じ、美しいドレス姿に変身した。
王子(セイバー)
「おお!貴女が昨日の美しいお嬢さんだったのか。」
シンデレラ(桜)
「王子様・・・。」
王子は昨日の舞踏会の時の様に、シンデレラにゆっくりと手を差しのべる。
王子(セイバー)
「シンデレラ、貴女を私の花嫁として迎え入れたい。」
シンデレラ(桜)
「・・・はい!」
由紀香
『こうして、シンデレラは王子様と結ばれ、その後結婚し、二人は何時までも幸せに暮らしましたとさ・・・。めでたしめでたし!』
パチパチパチ・・・!
舞台は無事に終わり、観客席から拍手が鳴り響く。そして裏方含め舞台演劇に携わったメンバー全員が姿を見せ一礼。こうして合同舞台演劇は幕を下ろした。