イナズマイレブンGOクロニクル ~集え!銀河最強の戦士達~ 作:ヒビキ7991
天馬
「お前は・・・オズロック!」
天馬の前に現れたのは、かつてアースイレブンと銀河全体を賭けた試合を行ったチーム《イクサルフリート》のキャプテン、ビットウェイ・オズロックだった。
オズロック
「無事で何よりだ、天馬。」
天馬
「オズロック、ここってまさか・・・。」
オズロック
「惑星ファラム・オービアス。そしてここは、ファラム・オービアス中央病院だ。」
天馬
「もしかして、お前が俺をここに?」
オズロック
「ああ。お前達が地球でグランドチルドレンに敗れた後、瞬間移動装置を使ってお前達をファラム・オービアスへと転送した。」
天馬
「お前、奴らの事知ってるのか?」
オズロック
「つい最近この星にやって来た。奴らは突然現れては我々にサッカーによる勝負を挑み、我がイクサルフリートとファラム・ディーテが相手をしたが、手も足も出なかったよ・・・。」
天馬
「そうだったんだ・・・。」
オズロック
「我々に勝利した奴らは、コズミックプラズマ光子砲の設計図と銀河系のマップを手に入れこの星を離れた。奴らが何のために使うかは不明だ。」
天馬
「みんなは無事なの?紫天王やイクサルフリート、アースイレブンのみんなは・・・。」
オズロック
「ファラム・ディーテとイクサルフリートのメンバーは皆、奴らとの試合で深手の傷を負った。アースイレブンはマネージャーの葵と言う少女が何とか無傷だ。他の連中も幸い、軽傷で済んでいる。ただ・・・。」
天馬
「ただ?」
オズロック
「剣城・神童・野咲・九坂の四人は打ち所が悪かったのか、骨折・脱臼等の重傷だ。だが安心しろ。治るまで時間が掛かるが命に別状は無い。」
天馬
「そっか、良かったぁ~。」
天馬はホッと一安心したが、オズロックの表情は険しかった。
オズロック
「・・・天馬、心して聞いてくれるか?」
天馬
「オズロック?」
オズロックは静かに目を閉じ、そして天馬に真剣な表情を見せた。
オズロック
「これを見てくれ。」
オズロックはエアディスプレイを展開し、天馬にある画像を見せた。そこに映っていたのは、全体が黒い雲に覆われた星だった。
天馬
「これは?」
オズロック
「お前達の地球。その現状だ。」
オズロックの言葉に、天馬は耳を疑った。
天馬
「これが、地球!?」
オズロック
「お前達がグランドチルドレンに敗れた後、地球は奴らのテリトリーになってしまった。奴らは地球全体を分厚い雲で覆い、太陽光を完全にシャットアウトした。そして・・・。」
オズロックは次の画像を見せた。そこには巨大な塔が暗い街にそびえ立っている。
オズロック
「これが今のホーリーロードスタジアムの現状だ。奴らはホーリーロードスタジアムを自分達の基地に作り替え、そこから謎の電波を放ち地球人を洗脳し支配している。」
天馬
「そんな・・・。じゃあ、円堂さんやスタジアムにいた観客達は・・・?スタジアムの外や他の街にいた人達は・・・?」
オズロック
「残念ながら・・・。」
オズロックは俯きながら暗い表情をした。
天馬
「・・・オズロック、他のみんなは?」
オズロック
「えっ?ああ、全員エントランスにいるハズだ。お前が目覚めるまで、待つと言ってくれてな。」
天馬
「わかった!」
天馬はそう言うと病室を抜け出し、エントランスへと向かった。
オズロック
「おい天馬!」
オズロックも天馬を追いかけた。
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~エントランス~
エントランスに着くと、剣城・神童・野咲・九坂を除くイナズマジャパンのメンバー。さらにカトラが集まっていた。イナズマジャパンのメンバーは皆、顔や腕や脚のあちこちに絆創膏や湿布を貼っている。
天馬
「みんな!」
座名九郎
「キャプテン!目が覚めたんですね!」
天馬の元気な声を聞けて、全員嬉しそうだ。
カトラ
「天馬、無事だったのですね。」
天馬
「カトラ!久しぶり!」
カトラ
「お久しぶりです!」
葵
「天馬、体の具合は大丈夫なの?」
天馬
「大丈夫、問題無いさ。それよりも・・・。」
信助
「地球の事、だよね・・・。」
信助がそう言うと、全員の表情が険しくなった。
瞬木
「お前もオズロックから聞いたんだろ?」
天馬
「ああ…」
鉄角
「まさか、地球が奴等に乗っ取られちまうなんてな…」
好葉
「怖い…」
皆帆
「地球の人達は洗脳されて支配されてるって聞いたけど、大丈夫なのかな…」
天馬
「・・・。」
天馬は下を向き、そして拳を強く握り、歯を食い縛った。
天馬
「・・・。」
天馬は歩き出し、病院入り口へと向かう。
オズロック
「何処へ行く?」
だが到着したオズロックに呼び止められ、足を止め振り向いた。
天馬
「決まってるだろ?地球を取り戻しに行くんだよ!」
オズロック
「気持ちは十分に分かる。だが、今の戦力ではハッキリ言って奴らには到底勝てないだろう。」
天馬
「そんなの、やってみないと分からないだろ!?」
オズロック
「・・・天馬、少し冷静になれ。」
オズロックは落ち着いたトーンで天馬に語りかけた。
天馬
「オズロック?」
オズロック
「お前たちは奴らに倒されて身に染みたんじゃないのか?今の自分達では奴らに勝てない。ましてや今は、負傷者が出てメンバーが欠けているというのに。」
天馬
「じゃあ、俺達はどうすれば・・・。」
天馬を始め、イナズマジャパン・・・いやアースイレブンのメンバーは表情を暗くした。
カトラ
「彼らを倒すには、あなた達はもっと大胆に変わる必要があると考えます。」
突然カトラが口を開いた。
瞬木
「大胆に、変わる?」
オズロック
「お前達の地球では以前、エイリア学園と名乗る組織が日本中で破壊活動をしていただろ?当時の円堂守率いる雷門中サッカー部は、史上最強のイレブンを集めるため日本中を巡った。」
天馬
「それが・・・どうしたの?」
オズロック
「当時の彼らに倣い、我々も旅に出るのだ。地球人による銀河最強のイレブンを集める旅に。」
「ええええええ~!?」
オズロックの発言に、アースイレブン一同は驚いた。
鉄角
「俺達が、銀河最強のイレブンを集める旅に出るだと!?」
だが、真名部と皆帆は先程のオズロックの発言に違和感があった。
真名部
「ちょっと良いですか?地球人による銀河最強イレブンとはどういうことですか?」
皆帆
「大体、僕達の地球は彼らに侵略されたんじゃ・・・。」
オズロック
「この銀河系には数多くの恒星が存在している。その中にはお前達の知る太陽系と瓜二つの恒星系が存在し、そこに人間の住む地球型の惑星が存在していても不思議ではない。その星々を巡り、メンバーを集めるんだ。」
真名部
「けど、何で地球人に限定するんです?サンドリアスやガードンみたいな星の人達じゃダメなんですか?」
オズロック
「奴らは我々の持つソウルや、お前達の持つ化身の力を把握している可能性がある。奴らに勝つには、我々も奴らも知り得てない未知の力が必要だ。」
天馬
「未知の力?」
オズロック
「そう、化身やソウルの様に人が内に秘めている力だ。同じ地球型惑星でも、場合によってはお前達の地球に生息しない生き物、存在しない未知のテクノロジーがあると考えても良い。そうなれば、更なる力を秘めた人間がいても不思議ではない。」
天馬
「確かに。」
ピピッピピッ
オズロックの端末に着信が入った。
オズロック
「私だ。・・・そうか、分かった。」
ピッ
天馬
「どうしたの?」
オズロック
「イシガシから連絡だ。たった今地球と同型の惑星を発見したらしい。」
オズロックの発言に一同はハッとした。
オズロック
「どうする?旅に出るも出ないもお前達の自由だ。だが今回は、今まで以上に危険な航海へと出ることになる。それだけは覚えておいてくれ。」
一同は黙り込む。すると・・・。
天馬
「俺行くよ、銀河最強イレブン探しの旅に。俺は奴らを許さない。奴らを倒して、俺達の地球を取り戻す!その為なら、どんな危険な旅にだって出てやる!」
葵
「天馬・・・。」
天馬は真剣な目をオズロックに向けて言った。
葵
「なら、私も行くわ!」
信助
「僕も!」
座名九郎
「私も、ご一緒させてください。」
瞬木
「俺も行くぜ。可愛い弟たちや母さんを助けねぇとよ!」
鉄角
「俺もだ!やられっぱなしで黙って見てる訳にはいかねぇからな!」
好葉
「ちょっと怖いけど、ウチも行く!怪我した九坂君のために!」
井吹
「俺も行くぜ。神童や剣城の仇討ちしねぇとな!」
皆帆
「僕も行くよ。僕らの地球以外の星で暮らす人間達が、その星でどんな生活をしてるのか興味があるしね。」
真名部
「僕も行きます。その未知のテクノロジーというものに、少し興味がありましてね。」
天馬
「みんな・・・。」
思いは違えど、ここにいる全員が共に旅に出てくれる。天馬はとても嬉しかった。
オズロック
「では、全員参加で構わないな?」
オズロックの問いに、アースイレブンメンバーは全員頷いた。その眼には一切の迷いという感情は無いと、オズロックは確信した。
オズロック
「分かった。では早速だが旅立ちの準備がある。皆ついてきてくれ。」
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~宇宙港~
オズロックは天馬達を連れて、ファラムオービアス宇宙港へとやって来た。
天馬
「ここって、宇宙港?」
ふと前方に目を向けると、ホームに白と青の列車の様な宇宙船が停まっていた。一同はその宇宙船を見て驚いた。
真名部
「あれ、ギャラクシーノーツ号じゃないですか!?」
そこにはアースイレブンがグランドセレスタギャラクシー本戦で世話になった列車型スターシップ、《ギャラクシーノーツ号》があった。
天馬
「本当だ!いったい、どうして?」
オズロック
「お前達をこの星に転送する際に、一緒にここへ転送したんだ。必要になるだろうと思ってな。」
すると、皆帆があることに気づく。
皆帆
「ねえ、なんか車両の数が多くない?」
皆帆にそう言われ、一同はギャラクシーノーツ号の両数を数え始めた。ギャラクシーノーツ号は元々、先頭車、寝台車4両、ブリーフィング車とブラックルーム搭載車が1両ずつ、最後尾に食堂車の計8両編成だった。だが・・・。
天馬
「寝台車が前後1両ずつ増えてる。」
オズロック
「メンバーの増員を考慮して寝台車の数を増やしたんだ。先頭車とブリーフィングルームの後ろに1両ずつ連絡してある。新しくシャワーも搭載したぞ。」
鉄角
「細かいな…」
オズロック
「出発は今から二時間後。それまでに全員、旅の準備を済ませておいてくれ。」
それからアースイレブンは一時解散し、天馬はある場所へと向かった。
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~中央病院 病室~
天馬は中央病院に戻り、剣城・神童・野咲・九坂がいる病室を訪れた。剣城は右腕、神童は左足にギブスを、野咲と九坂は右肩にサポーターをしてベッドで横になっていた。そしてララヤが四人の看病をしていた。
天馬
「みんな・・・。」
天馬に気づき、剣城達は天馬に顔を向け笑顔を見せた。
剣城
「天馬・・・。」
ララヤ
「何じゃ?お主も剣城達が心配になったのか?」
野咲
「大丈夫よキャプテン。この程度の怪我、大したこと無いわ。」
神童
「ララヤ様から聞いたよ。お前、銀河最強イレブン探しの旅に出るんだろ?奴らを倒すために。」
天馬
「はい。」
九坂
「だったらキャプテン、俺も連れてってくれよ!俺だって奴らを・・・!イテッ!」
無理にでも同行しようとする九坂。他の3人も気持ちは同じだった。
天馬
「みんなの気持ちは分かる。でも今は、自分達の怪我を治すことに専念してほしい。みんなの仇は俺が打つ!心配しないで。」
剣城
「天馬・・・。」
天馬
「・・・ララヤ様、剣城達をお願いします。」
ララヤ
「分かっておる。怪我が治るまで藁わが看病する。安心するがよい。」
天馬
「はい。・・・みんな、行ってくるね!」
そう言うと、天馬は病室を離れた。
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~ギャラクシーノーツ号 コックピット~
出発時刻になり、準備を済ませたアースイレブンはギャラクシーノーツ号へと乗り込んだ。
オズロック
「それでは行くぞ?エンジン始動!微速前進!」
エンジンに火が入り、ギャラクシーノーツ号はゆっくりと動き始める。
オズロック
「ファラム・オービアス宇宙港管制室、応答せよ。こちらギャラクシーノーツ号、ビットウェイ・オズロック。発進の許可を求む。」
『こちら管制室。ギャラクシーノーツ号、発進を許可する。幸運を。』
オズロック
「よし・・・エンジン出力最大!ギャラクシーノーツ号、発進!」
ゴオオオオオオオオオッ!!
エンジンの出力を上げ、ギャラクシーノーツ号はスピードアップ。そして徐々に上昇に、大空へと飛び立った。
天馬
(待ってろよ、グランドチルドレン!お前達は必ず、俺達アースイレブンが倒す!)
ファーン!
ギャラクシーノーツ号は大空の彼方へと消え、アースイレブンとオズロックは旅立った。銀河最強のイレブンを集めるため。そしてグランドチルドレンから自分達の地球を取り戻すために。