バンやろ外伝 -another gig-   作:高瀬あきと

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第59話 そしてイマ

「へぇ~、そんな話を聞かせて貰えたんだぁ」

 

「そうなんだよ~。梓お姉ちゃんが私に昔の話してくれた時『え?何で梓お姉ちゃんも澄香お姉ちゃんもそんなに先輩が好きだったの?アホだったの?』って思っちゃったよ~」

 

「渚、その…気持ちはわかるし、私もそう思うのだけれど、それはちょっと私達には…アレだと思うわ」

 

 

アレって何だろう?

私の名前はBlaze Futureのギタリスト佐倉 奈緒。

今日は企画バンドの話があった翌週の日曜日。

私とDivalのボーカリストである水瀬 渚と、同じくベーシストである氷川 理奈と遊んでいた。

 

遊んでいたというのも、渚から…

 

 

「梓お姉ちゃんから昔の話を聞いたんだけど、理奈や奈緒にも話していいかな?って聞いたら、梓お姉ちゃんは、『うん是非話して。そしてあたしがタカくんの事もこんだけ好きって聞いたりっちゃんと奈緒ちゃんがどんな反応するのか見てきて。あ、出来ればせっちゃんと志保ちゃんと美緒ちゃんの反応も』とか言ってたからさ?日曜みんなで遊ばない?」

 

 

という、お誘いがあったからなんですけど、残念ながら盛夏と美緒はバイト、志保はお友達のさっちちゃんと約束があるので無理との事でした。

 

そもそも、梓さんが貴の事を好きだってのは知っていた事ですし、それでどうこうとか思わないんですけどね。梓さんは何でそんな事を言ってきたんでしょう?

渚と理奈はともかく、私は貴の事を"恋愛対象"として好きな訳じゃありませんし。

 

貴が私の事を好きだとか告白してきても気持ち悪いだけですし。……だからって付き合わない訳ではないですけど。可哀想ですし。ただし結婚前提でって条件は付けますけど。

 

「奈緒?どうしたの?聞いてる?」

 

「ふぇ!?き、聞いてます!聞いてるよ!やっぱりBREEZEは凄いなぁって思って!」

 

「確かにBREEZEは凄かったとは思うのだけど、さっきの話の中に凄いって思わせる要素はあったかしら?」

 

わ、ヤバい。色々妄想しながらモノローグを語ってたら、渚に話を聞いてないと思われちゃったかもです。

ちゃんと聞いてますからね。

 

貴が告白してきたらどうしよう?とか思ってたらちょっと妄想が暴走しちゃって、私と貴の子供に、お母さんの子供に産まれて来てくれてありがとう。って結婚式で挨拶してるところくらいまで妄想しちゃいましたけど。

 

私がそんな暴走を読者の皆さんに暴露している時、渚が歩くのを止めて、ちょっと遠くの通りを眺めていた。

 

「渚?どしたの?」

 

「さっきまでイキイキと、梓さんに聞かせていただいた話をしていたのに、どうしたのかしら?」

 

「え?…あ、理奈も奈緒もごめん。ほら、あそこの通りにいる男の人なんだけど…」

 

私と理奈は不思議に思いつつも、渚が指をさした通りに目をやった。

 

「あの男の人?あの人がどうかしたの?」

 

「渚の知り合いかしら?」

 

「ううん、知り合いとかじゃないんだけどさ。何か変な人だなぁって…」

 

変な人?

渚はその変な人を見る為に、ちょっと大事そうな話が出たり引っ込んだりする梓さんの話を止めたの?

 

「あ、ほら、また」

 

「「また?」」

 

そして私も理奈も、渚が指をさす人を見た。

 

その人は手を上げながら女の子に声をかけていた。

 

……その数秒後、その男の人は思いっきり女の子にビンタをくらって吹っ飛んでいた。

え?これ何ですかね?渚はこんなのを私達に見せたかったんですか?

 

その吹っ飛んだ男の人はヨロヨロと立ち上がると、また近くの女の子に声をかけていた。

は?何ですかこれ。

 

「渚は何故これを私達に見せたかったのかしら?」

 

「いやー、漫画やアニメでもないのに、あんな風にナンパする人っているんだなぁ~って思って」

 

確かに…。あんな風にナンパしてる人って見た事ないですけどね。

 

「私って今までナンパとかされた事ないから新鮮でさ~」

 

「「え?」」

 

「え?奈緒も理奈も『え?』って何?もしかして、2人共ナンパとかされた事ある感じ?」

 

え?は?まじですか?

渚って私からしたら、めちゃくちゃ可愛い方だと思うんですけど、ナンパされた事ないんですか?

 

…確かに私も今までのアレはナンパなのか?って言われたら自意識過剰なのかもしれないですけど。ただのキャッチかもしれませんし。

 

「私は…まだデビュー前に路上で演奏していた時に何度か…もちろんみんな無視していたけど」

 

「私も駅前で盛夏とか美緒を待ってる時とか~。う~ん、たまに?」

 

もちろん私もみんな無視してましたけどね。

イヤホンしながら、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムをくらったディアボロのように『オレの側に寄るなぁぁぁ』オーラを全開にしてましたし。

 

「へぇ~、奈緒も理奈もさすがだねぇ…。私は……あれ?」

 

「ん?どしたの渚?」

 

「いや、あの人とうっかり目が合っちゃってさ?そしたら手を振りながらこっちに…」

 

「「え?」」

 

私と理奈がさっきの男の人の方に目を向けると、めちゃくちゃを手を振りながら笑顔で私達に向かって走ってきていた。

え?まじですかガチですか?

 

「お~~~い!!」

 

うわっ、めちゃくちゃガチっぽいです。

あ、ヤバ、今からイヤホンを装備するとか、ちょっと難易度が高い。

 

どうしましょうかね?私達は3人で居ますし、何とか適当に流して逃げちゃいましょうかね。

 

「ハァ…面倒な事になりそうね…。今からダッシュして逃げようかしら?」

 

「こ、これは!人生で初のナンパ体験!?後で先輩に自慢しよっと!」

 

渚は何を言ってるの?

 

そうこうしている内に、その男の人は私達の目の前までやってきた。

 

「いやー!久しぶり!俺の事覚えてる?しばらく会わない内に可愛くなっちゃって~」

 

いやいや、めちゃくちゃ初対面ですし。

久しぶりとか何ですかね?ってか、そのナンパの仕方古くないですか?

 

「まさかこんな所で会えるなんて!運命の神様って信じちゃうよな!」

 

はぁ…どう言って蹴散らしま…じゃない。逃げますかね。渚と理奈はどう言うんだろう?

私がそう思った時…。

 

「ああ、でも、渚ちゃんとは初めましてだよね?夏祭りは俺は行けなかったし。奈緒ちゃんと理奈ちゃんがまさかこんな可愛くなるなんて…」

 

「「「ふぁ!!?」」」

 

私も渚も理奈も驚きのあまり変な声を出してしまった。

 

え?私、めちゃくちゃ初対面ですけど!?

何で私達の名前を知ってるですか!?

 

「……え?あれ?その反応…俺の事覚えてない感じ?」

 

 

 

 

「へー、そうなんですね!だから私の事は知ってても、私とは初めましてなんですね。…チッ、ナンパじゃなかったのか」

 

「ナンパ?いやいや、俺も久しぶりにファントムに行こうと思っててさ。

さっきまではちょっと…可愛いなって女の子が居たから、声を掛けてただけでナンパじゃないしね。それにしても理奈ちゃんも奈緒ちゃんも俺の事覚えてなかったかぁ。うん、まだ小さかったし仕方ないか」

 

この男の人の名前は羽山 秀(はやま ひで)というらしいです。

 

「あ、俺の名前?俺の名前は…秀。しゅうと書いて秀。

秀・羽山だ。あ、なんかこの自己紹介の仕方タカっぽいな。ちょっと変えた方が受けがいいか?」

 

とか、名前を聞いてもいないのに自己紹介されて…。

 

「俺が羽山でタカが葉川、そして俺らの共通の知り合い(・・・・)に、波瀬 源二郎ってヤツが居てさ?俺達はボーカリストとしてライバルみたいな仲だったんだけど、俺達は望んでもないのに3Hとか呼ばれるようになっちゃって…って、その辺もタカどころか英治達にも聞いてない感じ?」

 

タカからは聞いた事ないですけど、私達は波瀬 源二郎って人は、渉くん達から『にーちゃんの友達だったらしいっすよ!』って話だけは聞いた事ありますけど。

あ、でも盛夏はONLY BLOODの事も知ってましたっけね。

 

「俺達って苗字のイニシャルがHってだけで、3Hとか呼ばれちゃってさ。あはは、俺がぱやまで、タカがぱかわで、波瀬のアホがぱぜで、イニシャルがPだったら大変な事になってたよな!あはははは」

 

イニシャルがPだったら、さん……おっと危ない危ない。

 

私も渚も理奈も冷たい目を秀さんとやらに向けていた。

 

「う、うん、面白くないね。ごめんね、あはは…。

え?これで笑わないって、タカのヤツどうしたん?もしかして女の子多いからってチキン振りを発揮して下ネタを封印した…?」

 

一連の話を聞いた私と渚と理奈は、とりあえず間違いなくこの人は、BREEZE時代のタカとは面識があるんだろうと思いました。

 

それから少し話を聞くと、なんと秀さんは15年前にアルテミスの矢として、貴達BREEZEと一緒に梓さん達Artemisを守る為に、クリムゾンエンターテイメントと闘っていた友達との事でした。

 

アルテミスの矢のメンバーだったから、昔に理奈と会った事もあるし、渚のお父さんの龍馬さんから渚の事も聞いていたらしいです。

 

そして、私とは梓さんがお忍びで関東に来て私のお母さんと会っていた時に、何度か秀さんも一緒になることもあって、私とも面識があるみたいでした。

当の私は全然覚えてないんですけれど。

 

「で?秀さんはどうして今日はファントムに?」

 

「いや~、最近忙しくてさ。全然タカ達に会えてなかったんだけど、色々落ち着いてきたから久しぶりに会いたいと思ってね。タカがまた歌い始めたって聞いて、ずっと会いたいと思ってたんだよ。そして梓ちゃんも帰って来たなら…さ」

 

今日は美緒も盛夏もバイトなので、ファントムは昼営業をしているはずです。

だから、私達もランチはファントムでしようと思って、ファントムに向かっていたんですけど、秀さんもファントムに向かっているという事で、私達と一緒に向かう事にしたのです。

 

秀さんと渚が色々と話をしながら並んで歩き、その後ろを2人の話を聞きながら私と理奈は歩いていた。

 

「難しい顔をしてるね?理奈」

 

私は何か考え事しながら歩く理奈に声を掛けた。

 

「え?ええ、まぁ、ちょっと…ね」

 

多分理奈も私と同じ考えなんだろうと思う。

秀さんの事をあんまり信用していない。…う~ん、信用していないって言い方は、ちょっと語弊な気もしますが、警戒って言えばいいんですかね?

 

このタイミングで、"貴達"や"梓さん達"に会いたいと言って来た。

 

貴が歌い始めて…まぁちょっと時間は経っています。あれ?Blaze Futureのライブしてから今ってどれくらいの時間が流れているんだろう?

 

あ、まぁ、それはいいです。私も考えない事にします。

 

それにしても梓さんが日本に帰って来ている事は…。

 

晴香さんですら知らなかったように、梓さんは周りには亡くなっているという事になっていた。

クリムゾンエンターテイメントの目を眩ませる為に。

 

だけど、梓さんは実際には亡くなっていません。今もめちゃくちゃ元気です。

 

一応、皆さんに許可をいただいたので、お母さんに梓さんが生きている事を話した。お母さんと梓さんは仲良しさんだったみたいですし。

 

梓さんが生きている事を知ったお母さんは、泣きながら喜んで、また梓さんと会いたいと言っていた。

そしてその後、泣いているお母さんをお父さんは慰めて、2人でどこかに出掛けて行き、顔を真っ赤にしながら4時間程経って戻ってきた。

 

その間にお父さんとお母さんの間に何があったのか知りませんし。正直、知りたくもない。

また佐倉家の黒歴史は刻まれたのだと思いました。

 

あ、ほとんど愚痴であんまり話に関係なかったや。

 

そんな事もありましたけど、梓さんが亡くなっていた訳ではなく、クリムゾンエンターテイメントから目を逸らす為に亡くなった事にしていた。と、いう事を知っている人は他にもいるかもしれません。

 

15年前にタカ達と会った事があるからこそ、タカの下ネタMCの事を知っていたのかもしれません。

 

だから、秀さんは本当にタカ達の友達かもしれない。

だけど、秀さんは本当はタカ達の敵だったのかもしれない。

 

私達は相談する訳でもなく、ちょっと目を配らせただけで、秀さんはクリムゾンエンターテイメントの刺客の可能性がある。と思い合わせました。

 

「大丈夫だよ。理奈。今日は盛夏も美緒もバイトだから英治さんも居るし、日曜日だからファントムのみんなも居るかもだし」

 

「ええ、わかってはいるのだけど、嫌な予感がしてならないのよ。渚も察してくれたから率先して、秀さんと話をしてくれているのだと思うのだけど…」

 

「まぁ、どっちかっていうと、私も理奈も渚も陰キャで友達作り下手な方だしね。それでもまだ学生時代に友達がいた渚の方がコミュ力は高いだろうし」

 

「そうね。渚が居てくれて助かったわ。でもその渚も陰キャ側。なれない事をしているせいか汗が凄いんだけど…」

 

「ね?割りと涼しくなって秋服なのに、渚の汗が凄くてブラがちょっと透けちゃってるもんね」

 

「ファントムに着いたらビールくらい奢ってあげようかしらね」

 

もしかしたら秀さんはクリムゾンエンターテイメントの刺客なのかもしれない…。私達はそう思いながらもファントムへと向かっていた。

 

 

 

 

「え?俺ここで待つの!?」

 

「そりゃそうですよ。別に先輩達と約束してた訳じゃないんですよね?」

 

「まぁ、サプライズでいきなり会ってやろうって思ってただけだし、約束はしてないけど…」

 

「だから私が先にタカ達に声を掛けて、秀さんを呼びますよ。ってか、英治さんはいらっしゃるでしょうけど、タカは今日もいますかね?」

 

「奈緒ちゃんが…?ふぅん、なるほど…ね。

もしかして、渚ちゃんも理奈ちゃんも、俺がクリムゾンエンターテイメントの刺客なんじゃないかと疑ってる?」

 

ドキッとした。

まさか私達が秀さんの事を疑っていることを悟られているとは…。

 

「べ、別にそういう訳じゃないわ。あの、あれじゃない?貴さん達ってアレだから、その、男の人がサプライズした所で喜ばないと思うのよ」

 

「うーん、まぁ、確かにタカ達にサプライズで俺が会いに来たくらいで、喜んだりはしないよな。

『あ?お前来るなら来るって先に言っとけよ。アレじゃん。お前の奢りでお高いお店に飲みに行くチャンスなのに予約とか出来てないじゃん』とか言われそうだしな」

 

やっぱり友達なのでしょうか…?

あまりにも貴が言いそうな台詞ですし、貴の物真似そっくりですし…。

 

「オッケー、奈緒ちゃんに呼ばれてから俺は店に入るよ。その方が3人共安心だろ?」

 

安心…か。

何かもう秀さんに何もかもを見透かされてる気がしてきますね。

 

「り、理奈も言ったように別にそういうのじゃないですよ。と、とりあえず私が貴達に話を通してきますね」

 

うぅ…。時期が時期だけにってのもありますが、私も渚も理奈も警戒し過ぎですかね?

そうですよね。クリムゾンエンターテイメントっていっても忙しいでしょうし、他のクリムゾングループも、本家のクリムゾンミュージックも…。

 

秀さんが本当に貴達の友達だったら…私達って超失礼ですよね…。

 

そして、私だけファントムの店内に入り、周りを見渡してみた。

 

入り口から割と近いテーブル席、そこに貴も居るのが確認出来た。

 

貴の座るテーブル席、そこにはトシキさん、拓斗さん、英治さんも一緒に座っていた。

 

遠目に見ていてもわかります。

 

 

 

 

何でBREEZEの皆さんは、ファントムのカフェタイムにテーブルで麻雀をやっているんですか?

 

あ、ちょっと奥の席にはArtemisの皆さんが居ます。

ってか、あの人達は何でジェンガをしてるんですか?ここって一応カフェですよね?

 

そして、周りを見渡すと盛夏と美緒は…あんまり忙しそうではないですね。暇そうにカウンター内に居ます。

そのカウンターを挟んだ席には、江口くん達Ailes Flammeと美緒以外のGlitter Melody、さっちちゃんと、志保と明日香ちゃんと栞ちゃんが居ます。カウンター席に何でこの人数が…。

 

離れた席には、一瀬くんと松岡くんと、姫咲ちゃん、沙織さんと弘美さんと双葉ちゃんが座って居ます。ユイユイちゃんはどうしたんでしょう?

 

そこから離れた席にはevokeの皆さん、その近くの席にはまどか先輩と綾乃先輩と花音が居ます。

 

その隣のテーブルには香菜と東山さんに、真希さんと聡美さんが居ました。これどんな組み合わせ?

今日のお客さんは他には居ないようですね。

 

……って!?みんなファントムのメンバーじゃないですか!?大丈夫なんですかこのカフェ!

 

おっと、そんな事を心配している場合じゃないですね。

貴に秀さんの事を話さなきゃです。

 

そして、私は貴達、BREEZEの皆さんの居るテーブルに近づきながら挨拶をした。

 

「トシキさん、拓斗さん、英治さんこんにちはで~す。ついでに貴もこんにちはです」

 

「あ?奈緒?何で俺はついでなの?」

 

「奈緒ちゃん、こんにちは」

 

「おう、奈緒か。お前も来たのか。このカフェってファントムのメンバーしか客が来ねぇが大丈夫なのか?」

 

「あ?いつもは他のお客さんも来てるっつーの。今日はたまたまだ」

 

まぁ、いつも通りという挨拶。

 

「それより奈緒、お前が何を思って俺達に挨拶をしに来たのかは知らんが、俺達は見ての通りめちゃくちゃ忙しい。いい子だからどっか行きない。早く」

 

どっか行きなさいって…。

確かにいつもは挨拶だけして、この場を去ってたりする訳ですが…。尊敬するBREEZEの皆さんのお話の邪魔をしちゃうのも申し訳ないですしね。

 

「いえ、今日は貴にお話がありまして、お忙しいとは思うんですけど声を掛けさせてもらったんですよ」

 

「あ?俺に話がある?そうか、わかった。今は忙しいからまた今度な」

 

「あはは、ごめんね、奈緒ちゃん。麻雀してるだけだし忙しい訳じゃないけど…このままじゃ、はーちゃんのボロ負けだから…はーちゃんは聞く耳持たないと思うよ…」

 

「タカ、てめぇ、奈緒にそんな態度でいいのか?もし奈緒がてめぇに愛の告白をしに来たとしたらどうすんだ?追っ払っていいのか?」

 

「え!?奈緒ちゃんタカに告白しに来たのか!?何かの罰ゲーム!?」

 

いやいやいや、拓斗さんも英治さんも何を言ってるんですかね?アホになったんでしょうか?

いや、違いますね。昔、子供の頃はBREEZEの皆さんひとりひとりが最高にかっこいいと思ってましたけど、音楽やってない時は皆さん普通にアホでしたね。

この数ヶ月でよくわかりました。

 

「拓斗も英治もアホな事言ってんじゃねぇよ。ちょっと期待して、奈緒の顔見ちゃったけど、これまで見た事ないブス顔しながらめちゃくちゃ嫌そうにしてんじゃん。ちょっと胸にチクチクきたわ」

 

え?私から告白とか言われて期待しちゃったんですか?

 

え?待ってそれって私が告白したらワンチャンあるって事ですか?マジですかガチですか?

 

いや、でも私は告白はされたい側なので、ちょっと私からは無理です。無理無理無理。

だから、ほら貴、私に告白してきて下さい!ほら!カモン!どんと来い!!

 

「今は…その…嫌そうな顔…してるかな?」

 

「タカっていつもアレだよな。大事な時にちゃんと見てねぇよな?」

 

「どうでもいい事はしっかり見てやがるし、聞かれたくない話も何故か聞いてやがるのにな」

 

「あ?何なのお前ら?俺にケンカ売ってんの?」

 

ハッ!?

危ない危ない。

ちょっとうっかり変な空気に流されちゃう所でした。

私はBREEZEのTAKAさんに憧れを抱いているだけで、別に恋をしている訳じゃありませんのに。

 

…外には渚も理奈も居ますしね。

 

「もう!そんなしょうもない事より!

今日はタカにお会いしたいって方と一緒に来てるんですよ!」

 

「あ?俺に会いたいって?女の子?可愛い?」

 

「はーちゃんに会いたい?Blaze Futureのライブ観て、はーちゃんを好きになってくれた奈緒ちゃんのお友達さんとか?」

 

「タカに会いたいだと?まさか、クリムゾンの奴じゃねぇだろうな?」

 

「タカに会いたい…?なぁ、奈緒ちゃん、それって何かのドッキリ?あんまりタカを嵌めてやったら可哀想だぞ?」

 

な、何でみんな揃いも揃って違う反応して来ますかね?

ってか、貴の『女の子?可愛い?』って何ですか?可愛い女の子を紹介してほしいとかですかね?ふぅ~ん、へぇ~。

 

「何か奈緒に生ゴミでも見るかのような目で見られてんだけど?まさかファンだって子に手を出す訳ないのによ。英治じゃあるまいし」

 

「だよね。ファンの子だったとしたら、そんな子に手を出したら、えーちゃんみたいになっちゃうもんね。さすがにそれはないよね。そんな事したらさすがの俺でも引くよ」

 

「そうだな。そんな英治みたいな事をタカがする訳がねぇ。俺もドン引きだわ。もしタカがファンの女に手を出すような事があったら、俺はタカの事をこれから英治と呼ぶからな」

 

「お前ら俺の友達だよな?」

 

英治さんっていったい…。

 

「違いますよ。残念ながら!

女の子じゃないです。タカの昔のお友達さんらしいですよ?だからトシキさん達にとってもお友達さんじゃないですかね?」

 

「あ?俺の友達?てか、女の子じゃないの?だったら俺は今日は忙しいから帰ってもらいなさい。……よし、これ通ったらリーチ」

 

「え?せっかく来てくれたのに帰らせるの?……うぅん、友達かぁ…俺達の…友達?あ、俺もこれ通ったらリーチね」

 

「奈緒。そいつは本当にタカの友達って言ったのか?誰だ?てか、俺達に友達なんか居たか?…チ、通しだ」

 

「俺達友達いなかったもんな?そいつ何者だろ?ま、俺も女の子じゃないなら興味ねぇや…俺も通しだな」

 

いやいやいや、さすがにお友達さんは居たでしょう?

それなりにライブとかやってきた皆さんなんですし。

わ、私もアレな青春時代を送ってきたので、友達なんか居ませんし、偉そうな事は言えませんが…。

 

「もう…皆さん何を仰ってるんですか…。そのお友達さんのお名前は…」

 

私がBREEZEの皆さんに、秀さんの名前を伝えようとした時…。

 

 

 

-バンッ!

 

 

 

大きな音をたててファントムのドアが開かれた。

それとほぼ同時に…、

 

 

 

「「貴さん(先輩)!奈緒!!逃げて!!」」

 

開かれたドアから渚と理奈の声が聞こえて、そこから…。

 

「もらったぞ!タカ!!」

 

ファントムの店内に秀さんが飛び込んできた。

そして、秀さんの手には銃が握られていて、その銃口は貴の方へ向けられていた。

 

銃なんて映画やドラマなんかでしか見た事なんてなかったのに、『私達がファントムに連れて来た秀さんが、貴に銃口を向けている。』その現実が、私にはまるで夢の中で映画を観ているような。そんな錯覚を起こしていた。

 

「ヒデ!?何でここに!?…チ、奈緒!」

 

貴がそう言って立ち上がり、私を秀さんの銃口から離すように、私を押し退けた。

 

「痛っ」

 

私はボーっとしていたせいか、貴に押された後、踏ん張る事も出来ず、押されるがまま尻餅をついてしまった。

その直後、

 

 

-ガァァ…ン!

 

-ガシャーン!

 

 

秀さんの銃が火を吹き、貴達が麻雀をしていたテーブルがひっくり返った。

 

「チィ…!外したか!」

 

1発目を何とか凌いだ貴は、そのままカウンターの方まで走ったけど、秀さんはそのまま追撃するように貴に向けて、もう1度発砲した。

 

 

-ガァァン!

 

-ガシャーン!

 

 

『え?貴ってこんな運動神経良かったでしたっけ?』と思う程に俊敏に動き、カウンターを飛び越えて、カウンターの下へと身を隠した。

 

「タカ!今日こそ決着をつける!」

 

秀さんは逃げたタカを追うように、カウンターにめがけて走った。

 

だけど、私が驚いたのはここからだ。

 

「ヒデ!」

 

貴はそのままカウンターに身を伏せている訳ではなく、そこで立ち上がり秀さんの名前を呼んだ。

…貴の手にも銃が握られていた。

 

-ガァォォン!

 

貴の持っている銃が火を吹いた。

 

-ガシャァァン

 

貴の銃に気付いた秀さんは、近くにあったテーブルをひっくり返し、貴の銃から身を守る為のバリケードにし、ひっくり返したテーブルに隠れていた。

 

-ガァァン!

 

-ガァォォン!

 

秀さんはテーブルに隠れながら貴に向けて発砲し、貴もまた、カウンターに身を隠しながら応戦していた。

 

-ガシャァァン!バリィィン!

 

「キャァァァァ!」「何だよこれ!何なんだよ!」「助けて!」「あれ?ヒデくん?」「うわぁぁぁ!お、俺のファントムが!」「怖いよ!ゆーちゃん!」「ほぇ~?」

 

貴と秀さんの銃撃戦に、備品やグラスの割れる音、そしてファントムに居たみんなの恐怖の声。

 

私達がやってるのって音楽なのに、バンドなのに…。

何なのこれ…?

 

「「奈緒!大丈夫!?」」

 

ふぇ?私?大丈夫かって?

 

私の横にはいつの間にか渚と理奈が居た。

 

「奈緒!わ、ダメだ!呆けちゃってる!」

 

渚?

 

「奈緒!しっかりしなさい!」

 

理奈?

 

「理奈!どうしよ!ヤバいよ!めちゃヤバい!」

 

「わかっているわ。だけど、奈緒をこのままここに残す訳にはいかない」

 

「そ、そりゃそうだけど…!ってか、秀さんと先輩の撃ち合ってる間に居る、トシキさんは麻雀牌をツモッた状態で固まってるし、拓斗さんは頭押さえながら項垂れてるし、英治さんだけファントムがーとか叫んでるけど大丈夫かな?」

 

「トシキさん達の心配はいらないわ。彼らも15年前にクリムゾンとの戦いを生き抜いてきた猛者。今は彼らより奈緒よ」

 

「そ、そうだね!奈緒!しっかりして!」

 

渚?理奈?

さっきまでファントムの外に居たのに、何で中に入って来たの?逃げなきゃだよ?

 

「奈緒!ごめんなさい!」

 

-パチン!

 

「痛っ!」

 

「奈緒?気がついた?」

 

ハッ!私は理奈に頬を叩かれ、一気に現実に戻ってきた。

そうだ。これは現実だもん!しっかりしなきゃ!

ごめんなさい!渚、理奈!

 

「ご、ごめん。まるで現実味がなくて…私…」

 

「良かったよぉ~、奈緒ぉ~」

 

「ひっぱたいた事は後で謝るわ。それより今は…」

 

「いやいやいや!謝らなくていいよ、理奈!むしろありがとうだよ!

渚も理奈も私を助けに来てくれたんだね。ここは危険なのに…」

 

「大丈夫だよ。ね、理奈!」

 

「ええ。あなたは私達が守る。私もあなた達に守ってもらうもの」

 

「渚…理奈…」

 

「もちろん私も理奈と奈緒に守ってもらうからね!私も2人とも守るし!」

 

「もちろんよ、渚」

 

おっと危ない危ない。

こんな危険な所で百合をしている場合じゃないです。

 

私達はファントムの外に逃げようと動いた。

 

「あ、そだ。奈緒のスマホって電波きてる?」

 

「私のスマホ?」

 

「ええ。ファントムは今までスマホの圏外じゃなかったのに、スマホが通じなくなっているのよ」

 

「え?何でそんな…」

 

 

 

 

 

 

さっき奈緒がファントムの中に入ってすぐの事よ。

 

『お、良かった。今日はタカもちゃんと居るみたいだな。奥には梓ちゃん達も居るみたいだし』

 

『志保と香菜も居るみたいだね。エルフラとかグリメロのみんなも居るみたいだね』

 

『今日って何かの日かしら?他のお客さんが居ないのに何故ファントムのメンバーはこんなに…』

 

『う~ん、せっかく来たのに結衣と架純は居ないみたいだな。ま、三咲ちゃんが居ないから好都合だな』

 

『え?秀さんはユイユイちゃんと架純ちゃんのお知り合いって感じですか?』

 

『あの、何故、三咲さんが居ないと好都合なのかしら?』

 

私と渚が各々疑問に思い、秀さんの方へと顔向けた時、秀さんは手に銃を持ってファントムの中へと入った。

 

私達は急いで警察を呼ぼうと思ったのだけれど、何故か私と渚のスマホは電波がなく、警察に連絡する事が出来なかった。

 

 

 

 

 

 

「そしてどうしようか考えている時に、銃声が聞こえて…」

 

「多分…秀さんの仕業じゃないかな?って…。

私達にたまたま会ったんじゃなくて、今日、先輩を…」

 

「そうだったんだ…」

 

背筋にゾクってするのを感じた。

だとしたら、秀さんは貴を倒す為に送り込まれたクリムゾンの刺客。だが、それはいい。

なんやかんやって、バンやろ本家もクリムゾンは銃を持ってたり、爆発させたり、マグマ噴出させたりしますし。

 

私が恐怖に思ったのは『え?何で貴も銃を持ってんの?』って事でした。

 

私がそう思って貴の方をチラっと見た時、貴もファントムの外に出ようとしている私達の方を見ているようだった。

 

だけど、それがまずかった。

貴はほんの一瞬。

ほんの一瞬だけ、私達の方へと目を向けてしまったのです。

 

「スキを見せたなタカ!もらった!落ちろ!!」

 

落ちろ?ガンダムですか?

とか、一瞬思ってしまいましたけど自重します。

 

秀さんはそのほんの一瞬のスキをついて、タカに銃口を向けて…、

 

-カチッ

 

「なっ!?しまった…!弾切れだと!?」

 

秀さんの銃が撃たれる事はなかった。

どうやら長い銃撃戦の為、弾切れになったらしいです。

 

そして、秀さんが急いでマガジンを交換しようとした時、その一瞬のスキを見逃す貴じゃなかった。

 

-がァァァァ…ン

 

-ガシャーン

 

マガジンを交換しようとした秀さんの銃は貴に撃たれ、秀さんの手から離れるように転がり滑っていった。

 

銃を失った秀さんにはもう勝機がない。貴の勝ちです。

 

私も渚も理奈もホッと息を吐いた。

これでもうこんな怖い事も終わる。

 

そう思っていたのに、貴は銃口を秀さんに向けたまま、秀さんに近づき歩いた。

 

「どうやら…俺の勝ちだな」

 

「タカ!…フッ、そうだな。俺の負けだ。ヤれよ」

 

「ああ、そうさせてもらう」

 

貴は銃口を秀さんに向けたまま、撃鉄を起こし、引き金に指をかけた。

 

……え?

嘘。嘘ですよね、貴。

そんなのって…ないですよね?

 

「せ、先輩…。冗談…だよ…ね?」

 

渚も震えからか声が声にならないような言葉を、そっと呟いた。理奈も目を見開いて驚いている。

 

「…ヒデ、言い残す事はあるか?」

 

「そうだな……いや、やっぱりいい」

 

「そうか」

 

ダメ!タカ!ダメです!ダメですダメです!

もし撃っちゃったら、貴は…。

 

「た…か。ダメ、ダメです…ダメェェェェ!!!!」

 

 

 

 

-カチッ

 

 

 

 

「「「え?」」」

 

引き金を引いた貴の銃からは発砲される事はなかった。

 

「フッ、俺も弾切れだ。また…ケリが着かなかったな」

 

「タカ…お前…」

 

貴の銃も弾切れ…?

良かった…良かった…。貴が秀さんを○すような事にならなくて…。

 

「先輩…良かった」

 

「ビックリしたわ。でも、本当に良かった…」

 

私達が安堵したのも束の間。

次の瞬間、英治さんが貴と秀さんの方へと走って行き、秀さんを殴り、貴にはお尻を蹴った。

痔の貴に何て恐ろしい事を…!

 

「「イッテェェェ!!!」」

 

「イッテェェェ!!!じゃねぇんだよ!お前ら!

何やってんの!本当に何やってんの!!!?お前らのモデルガンで、何でこんなファントムがめちゃくちゃになるの!?グラスとかテーブルも壊れちゃってるし!」

 

……モデルガン?

 

「い、今、英治さんって先輩達の銃の事、モデルガンって言わなかった?」

 

「どうやら…聞き間違いじゃなさそうね」

 

「ちょっと!英治さん!……いえ、貴!秀さん!モデルガンってどういう事ですか!?」

 

私は貴と秀さんに詰めよって聞いてみた。

 

「へぇ、やっぱり近くで奈緒ちゃんの顔見ると可愛いね。タカがまたバンドやろうって決めた気持ちわかるわぁ~」

 

「あ?バンドやろうって決めたのは別に奈緒は関係ないですけど?まぁ、奈緒は可愛い方ではあるな。中身アレだけど」

 

トゥンク!

貴…私の事可愛いって…。って違います違います!

 

「そんな事は~、ぶっちゃけどうでも良くてですね。モデルガンって所の説明が欲しいなぁ~。って私は思ってるんですけどっ!」

 

「あはは、笑顔が怖いな。お前、やっぱり梓ちゃんといい、澄香ちゃんといい…ドMだろ?」

 

「あ?俺はドSですけど?Mじゃねーし。ってか、何でここで梓と澄香が出てくんの?」

 

「おふたりとも、私の質問に応えてくれませんか?(ニコッ」

 

「「え?あ、うん!説明!説明ね!説明させてもらいます!」」

 

え?笑顔か怖いとか秀さんに言われたもんだから、今出来る精一杯の笑顔で話したのに、何でおふたりとも怯え震えてるんですか?

 

「えっと、俺のタカってめちゃくちゃ気が合ってさ?」

 

「そうそう。特に好きなマンガとかアニメとかギャルゲーとかな」

 

「で、俺達はこう…再会する度に、漫画やアニメのワンシーンを再現するようになって…」

 

「そうなんだよ。そんで今日はシティーハンターの冴羽獠とミックが再会したシーンを再現して…。最後の方は冴羽獠と海坊主の対決のシーンになぞったけど」

 

「いつも会いに行く方が、思い付きで再現シーンを出して、対応出来なかったら負けってルールがいつの間にか出来ちゃってさ?でも、さすがタカだよ。このシーンに見事に応えてくれるなんて…」

 

「フッ、冴羽獠は俺が尊敬する人物、5本の指に入る男だからな」

 

「なるほどなるほど。私もそのシーンは思い出せますよ。お母さんがシティーハンター好きなもので」

 

「「おお!さすが奈緒(ちゃん)のお母様だな!わかってるね!」」

 

「まぁ、それはそれとして。

それじゃ、おふたりは本当にお友達なんですか?」

 

「ああ、そうだよ。さっきも言ったけど、タカとはめちゃくちゃ気が合うしさ。友達ってより親友って感じ!」

 

「おお、そうだな。BREEZE以外の友達ってなると、やっぱりヒデだな。悟空とクリリンくらいの仲だな」

 

「へぇ~、悟空とクリリンですか?めちゃくちゃ仲良しさんじゃないですか!」

 

「「そうそう!俺らめちゃくちゃ仲良し!」」

 

「で?それがおふたりの遺言ですか?」

 

「「え?ゆ、遺言…?」」

 

 

 

 

 

 

私はとりあえず心配させられ過ぎて腹が立ったので、おふたりの顔を思いっきりひっぱたき、渚と理奈も貴と秀さんを殴った後、ファントム内のメンバーから石を投げられ、トシキさんと英治さんと拓斗さんにめちゃくちゃ怒られていた。

 

「まったく…本当に心配したよね~。ま、私は先輩を心配したんじゃなくて、奈緒を心配してたんだけど」

 

「本当にそうね。貴さんの事はどうでも良かったのだけれど、奈緒の事は心配したわ」

 

「ふぇ?2人ともファントムに入って来た時、貴の名前も呼んでなかった?」

 

「…空耳じゃないかな?」

 

「あまりの恐怖を前にして幻聴が聞こえていたのね。あの状況ならわからなくもないわ」

 

まったく…、私の事ももちろん心配してくれたんでしょうけど、渚も理奈もちゃんと貴の事も心配してたくせに。

どうして心配してない振りなんかするんでしょう?

 

ってな事を、私と渚と理奈で話していると…。

 

「てか、英治達はちゃんとモデルガンってわかってたみたいだし、盛夏も美緒ちゃんもビビったりしてなかったのに、何で奈緒達はあんなビビってたんだろう?普通ある訳ないじゃん、ファントムに銃とか」

 

「あはは、ソレ多分俺のせいだよ。どうも、奈緒ちゃんも渚ちゃんも理奈ちゃんもさ?俺の事、クリムゾンエンターテイメントの刺客だと思って警戒してたみたいだしな」

 

「あ?お前がクリムゾンエンターテイメントの刺客?ああ、そんでお前が銃とか持っててもおかしくないみたいな?」

 

「そうなんだよ。まさか俺もクリムゾンエンターテイメントの刺客だと思われてるとか、可笑しくてさ、気付いてない振りして黙ってたんだけどな」

 

「「ぷっ…あはははははははは!!」」

 

な、何2人して大爆笑してるんですかね?

も、もう一回ひっぱたきましょうか?

 

「へぇ、ヒデをクリムゾンエンターテイメントの刺客ってなぁ。いや、奈緒ちゃんも渚ちゃんも理奈も鋭いな」

 

え?鋭い?

私達が…?

 

「英治もそう思うか?タカって俺の事、奈緒ちゃん達に話した事あんの?俺ほんとは、クリムゾンバレしちゃったのかと思って、めちゃくちゃビビってたもん」

 

クリムゾンバレって…。

 

「いや、ヒデの事とか話す訳ねぇじゃん。お前がクリムゾンって、何で奈緒達はわかったんだろう?何かすげぇなあいつら」

 

「「「クリムゾン!?秀さんが!?」」」

 

「え?あれ?奈緒ちゃん達気付いてたんじゃないの?だから俺の事警戒してたんでしょ?」

 

そんな…やっぱり秀さんは…クリムゾンの…。

まぁ、でも今は貴も仲良しって言ってますし、手塚さんの事もありますもんね。

昔は敵だったけど、仲良しになったって感じでしょうか?

 

気になる事はいっぱいありますけど、次回は多分、周年記念のお話になるんだろうなぁ。

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