俺の名前は佐藤 トシキ。
今日は文化祭のライブ大会決勝リーグを観に来たんだけど、まさか出演予定のある双葉ちゃんや栞ちゃんが、あんな事件に巻き込まれているとは…。
決勝リーグに参加が決まっていた志保ちゃん達のバンドは、ベースの双葉ちゃんとドラムの栞ちゃんが、農作業対決に出る事になったから、ベーシストとドラマーの代役を探さなきゃいけない。
ドラマーはなんと遊太くんが、シフォンちゃんに扮するように、栞ちゃんに扮する事で何とかなった。
だけどベーシストだけは代わりがいない。
ライブ大会に出れるのは、合同文化祭に参加している学校の学生であり、女子生徒であること。
そして、他のバンドのメンバーとしてエントリーしていない事が代役の条件に含まれる。
そうなると俺達ファントムやSCARLETの関係者じゃ、Canoro Feliceの姫咲ちゃんしかいないけど、姫咲ちゃんはライブ大会の審査員だから、そもそも出場が不可能だしね。
本当に困った。
「よぉ、タカ。こうなったら拓実に遊太みたいに女装させるか?」
「拓斗の案もありかも知れねぇが、拓実くんじゃ背格好が双葉ちゃんとは違いすぎるだろ?他のメンバーなら理奈とか盛夏ちゃんに女子高生のふりさせるとか?」
「あ?理奈は絶対無理だろ」
-ドカッ
「私じゃ無理っていうのはどういう理由からかしら?まさか私では女子高生のふりは出来ないという事かしら?」
「ほうほうほう。よくはわからないけど、タカちゃんはあたしに女子高生のコスプレさせたい訳かぁ~」
俺達がベーシストをどうしようかと話していると、理奈ちゃんと盛夏ちゃん。奈緒ちゃんと渚ちゃんと香菜ちゃんがやって来た。さっきのドカッって音は、はーちゃんが理奈ちゃんに後ろから思いっきり蹴られた音である。
…香菜ちゃんは何であんな青い顔をしているんだろう?
体調が悪いのかな?
「ほら、立ちなさい。納得の理由を聞かせてもらうわよ?理由に納得が出来なかったら殴るのを止めるつもりはないわ」
「いやいやいやいや!待って!落ち着いて!
別に理奈が無理で盛夏が大丈夫って意味じゃないから!お前は元charm symphonyのRinaなんだから、顔でバレバレだろうが!代役なんて無理って意味だよ!」
「あ、なるほど。そういう事だったのね」
「何でいきなり思いっきり蹴られにゃならんのだ…」
「何よ、私に蹴ってもらえたのよ?むしろご褒美じゃない」
理奈ちゃんの蹴りで派手に吹っ飛んで転んでたけど、相変わらずはーちゃんも丈夫だなぁ。
「ねぇねぇ、三咲さん、一体何があったんですか?」
「あ、それなんだけどね…」
渚ちゃんが質問してくれたのを機に、みんなに三咲ちゃんが経緯を説明してくれた。
・
・
・
「お、思ってた以上にとんでもない事になってますね…」
「ほうほうほう。それであたしか理奈に代役させようかって話になってたのかぁ~」
「あれ?そもそも合同文化祭に参加校の在校生である証明がいるから、そもそも理奈も盛夏も無理じゃない?」
「そうなのね。それなら私達は尚更無理ね。井上くんはそのまま小松さんだと言い張っても、誰も疑わないでしょうけど…」
そうなんだよね。
本当に栞ちゃんに扮する遊太くんは、親や親友とかでもわからなそうだし。声さえ出さなければだけど。
「でも、本当にベースをどうするべきかしらね。井上にはわざわざ変装してもらったのに悪いけど、辞退するしか方法はないんじゃない?」
「あ、明日香…それは嫌だよ!せっかく決勝リーグに出れるのに…あ、大声出したらまたお腹が…ごめん、トイレ行ってくる…」
「志保ちゃんもそんなお腹の調子でライブとか無理じゃない?」
「どうしたんだろ?志保って体調悪いのかな?理奈は何か心当たりある?」
「いえ、わからないわ。朝はあんなに元気だったのに…」
「渚と理奈はどの口が言ってるの…?ア、ゴメン、アタシモトイレ…シホ、マッテ。アタシモツレテッテ」
香菜ちゃんも顔色悪いなぁ。
志保ちゃんも香菜ちゃんもどうしたんだろ?
「けど、ほんっとーにinterludeの虎次郎のせいで大迷惑だよね!ボクも栞ちゃんのふりしなきゃいけなくなったし」
「やれやれ…聞くんじゃなかった」
「ん?お前、確かinterludeの…」
「ひーちゃん?何でこんな所に?」
さっきの話を聞いていたんだろうか?
俺達が話をしていると、interludeのベーシストである朱坂 雲雀ちゃんが、俺達に近寄って来た。
「海原さんに決勝リーグを観るよう命を受けて来てみれば…虎次郎も本当に困った事をしてくれたものだよ」
「雲雀…お前、久しぶりだな。お前の事は睦月に聞いてるよ」
「翔子さん…ご無沙汰しています。むっちゃんに聞いていましたか。でも、安心して下さい。一応僕からは翔子さんの事は話してませんよ」
「そんな事はどうでもいいんだよ。それより何でお前…クリムゾンエンターテイメントなんかに」
「僕は僕の意思でクリムゾンエンターテイメントのinterludeのベーシストをやっています。何も心配するような事はありませんよ」
「お前の意思でって…本当かよ?」
そういや翔子ちゃんなら雲雀ちゃんのご両親の事も知っているかも?
あんまり雲雀ちゃんの事を探るみたいで、聞きづらい気もするけど、事が事だしいつかタイミング見計らって聞いてみようかな。
「あ、調度いいじゃん。居たじゃん。合同文化祭の参加校の女子生徒で、他のライブ参加バンドにエントリーしてないベーシスト」
あ、確かに雲雀ちゃんなら問題はクリアしてるか。
「葉川 貴…貴方は何を言ってるの?話は聞いていたし、うちの虎次郎のせいで…とは思うけど、僕にはライブ大会に代わりに出るような義理はないよ」
「そ、そうよ!タカさん!こいつはinterludeのベーシスト!私達の敵じゃない!」
「明日香。ちょっと黙ってろ」
「拓斗…!黙ってろですって!?これが黙っていられる訳ないじゃない!」
「明日香、よく聞けよ?いや、面倒なら聞き流してくれてもいいけど。
そもそも敵だ味方だってな。音楽ってそんなもんじゃねぇんだけどな。みんな仲間みたいなもんだし。
でも俺も海原や足立の事は、俺に無礼を働く不届き者と思ってるししょうがないか」
はーちゃん…それは聞き流すのはよくないんじゃない?
「不届き者って…」
「まぁ、雲雀はクリムゾンエンターテイメントだし敵だとしてもよ?音楽やってる者同士じゃん?明日香も楽し
い音楽をやるって、決意新たにしたなら、こうやって敵って思ってる奴とセッションしてみるのもいいんじゃねぇか?」
「そ、そりゃ、タカさんに負けて…志保や沙智や…ファントムのみんなと一緒に居て…私も楽しんで音楽をやりたい。楽しい音楽ってのがあるのなら知りたいって…思って…。少しずつだけど…」
明日香ちゃん…。
「だ、だけどクリムゾンエンターテイメントだけは…!」
「まぁ、タカの言う通りだと俺も思うぜ?何だかんだっても、俺達の昔馴染みの仲間にゃ、クリムゾンだった奴も敵だった奴も居たんだし。セッションやって合わなかったら、それから考えたらいいんだよ」
「わぁ。英治くんが割と良いこと言ってる。びっくりだよ」
「明日香をあんな風に育てちまった不甲斐ない俺が言うのもなんだが、確かに英治にしちゃ良いこと言ってやがるな。それより三咲。喋り方が昔に戻ってんぞ?いいのか?」
「英治さんまで…」
「それに敵だと思ってた奴とセッションするのもいいもんだぜ?ほら、特にinterludeなんかAiles Flammeのライバルみたいなもんだし、一緒にセッションして癖なんか掴めば、渉くん達の助けになるかもだしな」
「渉の助けに…なるほど。敵の癖を知る為のセッションって考えもあるわね。いいわ。タカさんと英治さんの口車に乗ってあげる」
ん、そっか。明日香ちゃんはそれでOKしちゃうか。
渉くん達の為って英ちゃんは言ったのに、渉くんの為って言っちゃうんだね。
…まぁ、昔は梓ちゃんもそんな感じだったしね。
「葉川 貴も中原 英治も観月 明日香も…。僕にはそんな義理はないって言ったでしょ?演奏を間近で見られた所で、僕の弱味を握る事も出来ないとは思うけど、手の内を間近で見せる程バカでもないしね」
まぁ、確かにあんなやり取りを見せられて、参加しますなんて言わないよね。
「んだよ、海原に決勝リーグ観てこいとか言われたって事は、結局、ライブ大会に出るバンドの偵察して来いって事だろ?雲雀にとっても間近でこいつらの演奏観るチャンスじゃん」
「海原さんの意図はそうかも知れないけど、そこまで明確に命令された訳じゃないからね」
「いやいやいや、海原だよ?あいつだったら絶対『フハハハ!面白いブゥ~。雲雀ちゃん、タカ様の口車に乗ってバンドの助っ人に入るんだブゥ~。フフフ、これは面白い事になってきたブゥ~』とか言うって」
海原はそんな喋り方じゃないけど、確かに面白そうとかって理由で、雲雀ちゃんを助っ人に入れそうだね。
「…海原さんは語尾にブゥ~なんか付けないし、僕をちゃん付けで呼ぶ事も、貴方に様を付ける事もないでしょう」
あ、否定する部分はそこだけなんだ?
雲雀ちゃんも海原のやりそうな事はわかってるって事かな?
「僕はひっそりライブ大会を見学させてもらうよ。
今回の虎次郎の件は、申し訳ないとは思うから、虎次郎に何かケジメを取るようにはさせるから」
このままじゃ、やっぱり雲雀ちゃんは参加しないよね。
あんまりこういうやり方は好きじゃないけど、しょうがない。
雲雀ちゃんにも相応の青春ってのを経験してもらいたいし…。
俺は雲雀ちゃんに向けて、ちょっと酷いかな?とも思ったけど、脅し文句を使わせてもらう事にした。
「今度、虎次郎くんにケジメは付けさせるとは言ってもさ。それって都合良すぎじゃない?志保ちゃん達は今日しか出来ないライブ大会への参加が出来なくなったんだよ?」
「佐藤トシキ…確かに、学生生活を楽しんでいる、しーちゃん達には申し訳ないとは…思うけど…」
やっぱりそうなんだ。
先日に雲雀ちゃんと会った時の違和感。
雲雀ちゃんはきっと普通の学生のような、青春ってのを本当は楽しみたいんだ。だから、こないだは看板持ちといってもクラスの催し物に参加していたんだろう。
自分がクリムゾンエンターテイメントだから、そういった事で色々と心を犠牲にしていたのかも知れないな。
それをわかってるのに、こんな事を雲雀ちゃんに言うのは心苦しいなぁ…。
いつもこういうのは、はーちゃんか英ちゃんか宮ちゃんの役割のはずなのに。
それなのに何で3人共『こいつ女子高生に何て事言ってんの?鬼畜なの?』みたいな顔で俺を見てるの?
あ、何か渚ちゃん達にも『トシキさんってこんな鬼畜な人だったの!?』って顔をされてる気がする。もうお家帰りたい。
「さっすがトシキくんだね。普段こういうのってタカくんとか英治くんとか拓斗くんの役割のはずなのに。あの3人が日和ってる時はしっかりサポートしてくれるよね!」
「ああ…トシキさん!いつもこういうのはアホ共の役割のはずなのに、そのアホ共が役立たずだからって、自ら悪役になるなんて…何て素敵なの…!」
「今、雲雀ちゃんが志保ちゃん達のサポートとして、ベースを演奏してくれるなら、俺達には何もケジメを付けてもらう必要もないし、全部解決でしょ?
クリムゾンエンターテイメントはファントムのバンドに手を出さないと約束してくれてるとはいえ、レガリアが絡んだ事だから、FABULOUS PERFUMEから虎次郎くんに挑んでるし、クリムゾンエンターテイメントとして非があるわけじゃないし」
むしろレガリアが本当に絡んでたら、俺も虎次郎くんに挑んでただらうし…。クリムゾンエンターテイメントとしてはどっちかというとファントム側の自業自得みたいな所もあるもんね。
って、はーちゃん達もわかってるから、この脅し文句を使わなかったんだろうなぁ。
めちゃくちゃ俺を見る目が『こいつ本当に血の通った人間か?』みたいな感じになってるし。
わぁ、渚ちゃん達からの視線からは絶対零度を感じるよ。
「あー、確かにタカくん達はアホだし、自分達に少しでも非があったらオドオドしちゃうから、こんな駆け引きは出来ないかぁ~」
「トシキさんも心苦しいでしょうに…。こんならしくない事をされるなんて…もしかしたら雨宮達の為だけじゃなくて、雲雀の為でもあるから…って考えなんだろうか?尊い!トシキさん尊すぎる!
なぁ、三咲。どうやったらトシキさんとあたし結婚出来るかな?」
「わざわざ僕達、クリムゾンエンターテイメントから手を出せない話まで持ち出すとはね。そこまでして何で僕にしーちゃん達のバンドに参加させたいの?」
うわ!失敗したかな?
クリムゾンの事まで持ち出すのはやぶ蛇だったか…。
もう一押しで何とか口車に乗せれそうだけど、はーちゃんみたいに理不尽にねじ伏せるとか、俺には難易度高いか…。
せっかくだから雲雀ちゃんの良心をつついて、志保ちゃん達のバンドに参加してもらっても、そんな責任感で参加するんじゃなくて、雲雀ちゃんにはライブ大会楽しんで欲しかったんだけどな。
「雲雀。トシキさんの言いたい事、本当はわかってんだろ?」
翔子ちゃん?
「…僕にしーちゃん達の思い出を、interludeのせいで潰されるかもって良心に訴えかけて、責任感でライブやっても僕が楽しめないなら意味がないから、責任感だけでは参加させないようにしたい。そんな見え透いた気遣いでしょ?回りくどすぎてわかりにくいけどね」
あ、言葉にされて説明されるとめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど…。
「わかってんじゃねーか。でもまぁ、あたしの方が絶対に先にトシキさんの意図に気付いてたけどな」
「翔子さんはどこに張り合ってるの?」
うぅ…翔子ちゃんにも見透かされてたか…。
俺ってこういうの下手くそなのかな?
……いや、そういう訳でもなさそうか。
はーちゃんも英ちゃんも宮ちゃんも『え?こいつマジか?実は天才か?』って目で今は俺を見てるし。
「ひ、ひーちゃん」
「しーちゃん?」
「ひーちゃんは…嫌かも知れない…けどさ。あたしはこのライブ大会に出たい。あたしに実力がなくて、他のバンドに負けてさ。それで…終わりなら悔しいけど納得は出来る。でも…こんな形じゃさ…」
志保ちゃんが雲雀ちゃんに声を掛けた。
そうだね。最後の一押しは、一緒に演奏するメンバーからの言葉がいいよね。
「だから…お願い。今日だけでいいからさ。それは絶対に約束する。だから、今日だけ昔みたいに、あたしと演奏してほしい。出来れば…その…責任感じゃなくて、楽しんでもらえたら…って思うけど」
「しーちゃん…。それよりめちゃくちゃ顔が青ざめてるし、お腹も押さえてるけど体調は大丈夫なの?汗もすごくかいてるし、ライブより体調の方を心配した方が良くない?」
「朱坂 雲雀っていったわね。私はクリムゾンの事は許せないって思うし、あんたの事なんかよく知らないし、信用も出来ないって思うけど…今はあんたの力が必要だわ!私も折れるんだから、あんたも折れて私達のサポートしなさいよっ!」
「観月 明日香…。また勝手な事を…。
でもこれだけお膳立てされて、虎次郎の事もあるのに断ったりしたら、まるっきり僕が悪者じゃないか」
「まぁ、おっちゃんの言う通り、ボクらの偵察にもなるしいいんじゃない?ボクとしても間近で雲雀ちゃんの演奏観てみたい気もするし。間近で観られても、困る事ないならボクらの偵察が出来る分、雲雀ちゃんにはメリットじゃない?」
「シフォン…いや、今は井上くんかな?
確かに海原さんに報告出来る事も多いだろうし、間近でAmaterasuを観られるのも、僕にはメリットか」
Amaterasu?
そういや海原が気にしてるんだっけ?
雲雀ちゃんにAmaterasuの演奏が、どんなものだったのか報告させるつもりなのかな?海原なら自分が観ないと意味がないとか思いそうなもんだけど…。
「それにな雲雀」
「翔子さん?」
「雨宮達のバンド。お前にサポートしてもらいたいバンドの1回戦の対戦バンドは、睦月達のGlitter Melodyだ。今の睦月の演奏も間近で観たいだろ」
「そうか。むっちゃん達が最初の相手なんだね。
なるほど、いいよ。わかった。しーちゃん達のバンドのサポートとしてベースを演奏させてもらう。
ただし、僕からも条件を出させてほしい」
条件?何だろう?
あんまり無茶な条件じゃ、さすがに聞けないとは思うけど、こんな状況で変な事を条件にしないとは思うけど…。
「僕からの条件はひとつ。
今回のサポートでは雷獣は使わない。この学校にも軽音楽部があるんだし、ベースの1本くらいあるでしょ?それを貸してもらいたい」
雷獣を使わない?
何だろう?雷獣もIrisベースの内の1本だし、雷獣を使った方が勝算はあるのに…。
「雷獣を使わないって…お前がIrisベースを持ってるっては知ってたけどよ。何でだ?使い馴れたベースの方がいいだろ?」
「やるからには精一杯の演奏はするよ。だけど、手の内を全部見せる程バカでもないんでね」
「演奏はちゃんとするってんならいいけどよ。ベースもそれなりに揃えてるしな。まぁ、後で部室に連れてってやる」
「ありがとう。だったら僕にも問題はないさ」
「でもいいのか?事情を知らないクリムゾンの奴らからしたら、interludeのベーシストがファントムのバンドのサポートしてるとか知られたら、お前らを蹴落とすチャンスにもなるかも知れないぞ?クリムゾンの目はどこにあるかわかんねぇし」
「中原 英治も心配しすぎだね。
問題ないよ。さっき葉川 貴も言っていたように、海原さんなら喜んで僕を差し出すだろうしね」
確かに…変に疑われるのはinterludeにはデメリットだよね。クリムゾンは裏切りは許さないだろうし。
でも今回のケースに至っては、海原に説明したらいくらでも揉み消してくれそうか。
「それじゃ早速だけど、しーちゃん達はライブ大会でどの曲を演奏するつもりなの?ある程度なら僕もスコアを見れば…ってあれ?しーちゃんは?」
「ボクも志保に何の曲やるか聞きたかったんだけど、物凄く青い顔しながらトイレに走って行っちゃった」
「私達がやる予定だった曲はこれだけど…。オリジナルはさすがに井上には無理だろうし、なんとかコピーだけでやりましょ。Artemisの曲は私も井上も無理でしょうけど、BREEZEの曲なら出来るし、朱坂もスコア見たら大丈夫でしょ?」
「BREEZEの曲なら翔子さんにやらされてたし問題はないよ」
「ボクもBREEZEなら余裕~♪」
遊太くんは英ちゃんにBREEZEの曲で練習させられてたのはわかるけど、何で雲雀ちゃんは翔子ちゃんにBREEZEの曲をやらされてたんだろう…?
それにしても、まさかクリムゾンエンターテイメントの雲雀ちゃんとファントムのみんなで、バンドを即興で組んで、ライブ演奏をするのか。
何て楽しみなバンドなんだろう。
最初の対戦バンドはGlitter Melodyだから、どっちも応援したいけど、出来れば雲雀ちゃんには、このライブ大会を楽しんでもらいたいな…。