「やあ、みんなチャンネル登録はしてくれたかな?
CMも明けた事だし、後半戦のスタートだよ。フフフ」
何?フフフって?さっきからキャラぶれぶれじゃん?
「さぁ、早速メンバー紹介といこうか!」
はぁ~…ネット番組のMCって、もっと楽しくやれると思ってたんだけど、台本を読んでるだけだしなぁ~。
もっとゲストを呼んでトークしたり、楽しい所にロケに行ったり出来ると思ってたんだけどなぁ。
「私達の事務所『ファントム』の仲間の紹介だ!
誕生日は7月18日のA型。
好きなバンドはBlue Tear。
好きな食べ物は刺身。
嫌いな食べ物はチョコミント。
必殺技は場の空気を壊す。
趣味はドライブ。
元BREEZEのドラマー。バンドが自由な音楽をやれる為にと、ライブハウスを創るのを夢に、仕事をいくつも掛け持ちしながら頑張っていた。だが、ライブハウスが完成した途端、それまでの反動からかあんまり働かなくなった。Lazy Windの架純のファン」
英治さんって架純ちゃんのファンだったんだ…。
そういえばカフェタイムの時のファントムでは、英治さんが働いてるところ見た事ないかな?
「
誕生日は3月3日のO型年齢はヒミツ。
好きなバンドはBREEZE(一応)。
好きな食べ物はマヨネーズ。
嫌いな食べ物はししとう。
必殺技はパロスペシャル。
趣味は格闘技観戦。
BREEZEの英治の嫁。英治とは中学の卒業と共に付き合いだしたが、浮気性だった英治をしばく為にあらゆる格闘技を習っていた。こいつならフリーザにでも勝てんじゃねぇの?って思う。怒ると怖い」
三咲さんってすごく優しいんだけどなぁ?
怒ると怖いんだ?あんまりイメージ出来ないや。
「
誕生日は4月2日のA型年齢は禁則事項。
好きなバンドはアーヴァル。
好きな食べ物はお米。
嫌いな食べ物はパクチー。
必殺技はマジ殴り。
趣味は釣りとサイクリング。
元BREEZEのギタリスト。今はギターから離れ三線にハマっているが、雨宮 大志やLazy Windとデュエルをした時は、15年のブランクを感じさせないパワフルな演奏を魅せた。女の子と2人きりになると気を使いすぎて話せなくなってしまう」
そういえばトシキさん本人も、女の子と2人きりになると…って言ってるけど、あんまりそんな風には感じないんだけどなぁ?確かにいつも誰かしらとは一緒だけど…。
「
誕生日は5月20日のA型で年齢は不明。
好きなバンドはBREEZE。
好きな食べ物はチーズフォンデュ。
嫌いな食べ物は豆乳。
必殺技は容赦のない暴力。
趣味はバイクに乗ってどっか行く事。
元BREEZEのベーシスト宮野 拓斗の妹。今は居酒屋の店長をやっている常識人だが学生の頃はアレだった。その為普段は優しいがキレると怖い。梓とすごく仲が良かった。そしておっぱいがでかい」
ふぁ!?
確かに晴香さんのおっぱいって大きいけど、この情報必要なの!?ってか晴香さんってファントム関係ないじゃん!?確かに私達は頭も上がらないくらいお世話になってるけど!!
「
誕生日は9月5日のB型年齢は内緒。
好きなバンドはBREEZE。
好きな食べ物はメンチカツ。
嫌いな食べ物はほうれん草。
必殺技は不明。
趣味はヨガ。
Blaze Futureの盛夏の母親であり、クリムゾンエンターテイメントの海原の娘。楽器の声を聞く事が出来る。想いや感情を音色に乗せる力も使えるが、楽器が全く出来ない。BREEZEの追っかけをやっていた」
盛夏のお母さんって楽器が出来ないのか。だから盛夏のお母さんは神原に狙われてなかったのかな?
「ここからは私達ファントムのバンドでチューナーをやってくれるメンバーの紹介だ!
準備はいいかな?ヒアウィーゴー!!」
だから…何なんですかこのキャラ……。
「
誕生日は11月11日のB型16歳。
好きなバンドはBLAST。
好きな食べ物は焼きそばパン。
嫌いな食べ物はつぶ餡(こし餡は平気)。
必殺技はマインドリーダー。
趣味はコンビニスイーツ巡り。
evokeの鳴海の妹。自分に過保護過ぎる兄を疎ましく思っている。Divalの志保と仲が良く、よく一緒に遊んでいる。親が共働きで滅多に帰って来ない為、料理の腕もそれなりだが、学校の購買の焼きそばパンが好きな為に弁当は絶対に作らない」
さっちちゃんとも色々お話ししたいし仲良くなりたいんだよね~。志保ったら全然さっちちゃんを家に呼んでくれないし…。いつかうちにお泊まりとか来て欲しいなぁ~。
「
誕生日は8月18日のA型[ピー]歳。
好きなバンドはBREEZE。
好きな食べ物は赤ウインナー。
嫌いな食べ物は特に無し。
必殺技はお客様の趣向を覚える。
趣味はカフェの新メニュー開発。
中原 英治と三咲の娘。まだ[ピー]歳とは思えないくらいしっかりしている。気になる事や疑問に思った事はすぐに調べたくなる。いつもファントムの手伝いをしているように思われがちだが友達は多い。将来のタカのよ………めません。ちょっと疲れたかもですぅ」
将来の先輩の嫁って何ですか!?これ書いたの英治さんだなぁ…?せ、先輩と結婚の約束は初音ちゃんより私の方が早いもん。私は別に先輩なんかと結婚したくないけどねっ!
「
誕生日は6月21日のB型20歳。
好きなバンドはOSIRIS。
好きな食べ物はたこ焼き。
嫌いな食べ物は渚の手料理。
必殺技は不明。
趣味はランニング。
Divalのボーカル渚の妹。楽器は何も出来ないがリズムを取るのは得意。日常の音からリズムを取る事が出来るが渚以外にはあまり伝わらない。物の捉え方が現実的過ぎてあまり冒険はしないタイプ。名前が『みなせ らいむ』な為に『みならい』ちゃんと呼ばれる事が多い。貴とはよく会っていて仲良し」
……は?先輩と仲良し?
何で?確かにお父さんも先輩と仲良しみたいだけど、何で来夢まで?
私こっち来るまで先輩とは、昔の夏祭りしか会った事ないよね?あ、来夢とちゃんとお話しなきゃね。うふふ。
「さ、さぁ!次はお待ちかね!Artemisのメンバーの……。
Artemisのメンバーの…紹介だ…。まずはボーカルの…」
Artemisのメンバーの紹介…。梓お姉ちゃん達の…。
私の知らない梓お姉ちゃんの事…知れるかな?
「まずはボーカルの紹介だ。
誕生日は4月8日のA型自称永遠の二十歳。
好きなバンドはCure²Tron。
好きな食べ物は豆腐。
嫌いな食べ物は渋柿。
必殺技は妄想具現化。
趣味は漫画、アニメ、ゲーム。
15年前に事故に合い車イス生活になるが、アメリカでの手術が成功し、現在はリハビリ中。海原の妾の娘で楽器の声を聞く力と、想いや感情を音色に乗せる力がある。その為、海原に狙われていた。実はSCARLET開発のゲームであるバンやりの作画をしている!?え!?マジで!?」
梓お姉ちゃんがバンやりの作画担当なの?先輩は知って……あ、知らないみたいだね。びっくりした顔してる。……あ、どこかに電話しだした。まさか梓お姉ちゃんに!?
「
誕生日は10月15日のB型年齢は企業秘密らしい。
好きなバンドはBLAST。
好きな食べ物は焼肉。
嫌いな食べ物はマーマレード。
必殺技は踵落とし。
趣味はお風呂。
Glitter Melodyである美緒達の学校の軽音楽部の顧問をしている。Glitter Melodyの睦月の家の近所に住んでいて、睦月が幼い頃からギターを教えている。男勝りな性格だがトシキの前に行くと、何故かしおらしくなる。何でだろ?」
何でだろ?って…!!何でわかんないの!?
それって翔子お姉ちゃんはトシキさんの事…って訳じゃないの!?………まぁ先輩だしなぁ。
「
誕生日は8月5日のO型20歳にはなってるらしい。
好きなバンドはOSIRIS。
好きな食べ物はオムレツ。
嫌いな食べ物はみょうが。
必殺技は爆熱ゴッドフィンガー。
趣味は映画鑑賞(特に任侠映画)。
Canoro Feliceの姫咲が幼少の頃より執事として仕えていた。クリムゾンエンターテイメントから身を隠す為に、男装してセバスとして生活をしていた。姫咲がCanoro Feliceに入り、強くなったと感じた澄香はセバスの姿を捨て、女性として生活するようになる。しかしたまにセバスの頃の癖が出る」
澄香お姉ちゃんもこの15年ずっと大変だったんだね。
そういえば姫咲ちゃんはキュアトロのユキホに憧れてベースを始めたって言ってたけど、その頃から澄香お姉ちゃんが姫咲ちゃんにベースを教えたのかな?
「
誕生日は7月7日のAB型見た目は子供、頭脳も子供。
好きなバンドはFairy April。
好きな食べ物はクレープ。
嫌いな食べ物はブラックコーヒー。
必殺技は駄々っ子パンチと地団駄キック。
趣味はFX。
SCARLETの創始者。音楽事務所を創設する為にゲーム会社やグッズ制作会社で資金集めをしていたが、会社が大きくなり過ぎた為、音楽事務所をやらないかとファントムに持ち掛けた。昔からこいつの考えや企画はぶっ飛んでいて、BREEZEのメンバーは何度か命の危機に合っている。正直クリムゾンよりこいつの方が怖い」
日奈子お姉ちゃんの企画とかって、そんなにヤバいの?
「さぁ!それじゃあ次はSCARLETのメンバーの紹介といこうか!」
SCARLETのメンバー?手塚さんとあの有希ちゃんって子しか私は知らないんだけど…。まぁ日奈子お姉ちゃんも来夢もSCARLETのメンバーっちゃメンバーだけどね。
「
誕生日は4月30日のA型45歳。
好きなバンドは四響のラファエル。
好きな食べ物は里芋のにっころがし。
嫌いな食べ物はきゅうり。
必殺技は偉そう。
趣味は切手集め。
元クリムゾンエンターテイメントの幹部で、クリムゾンに敗れたバンドを自分の部下に迎えていた。自由が無くても音楽をやれる環境を作ろうとしていた。Artemisとアルテミスの矢と出逢い、考え方を改めてBREEZEの仲間になるが、タカと日奈子はこいつが嫌い」
先輩も日奈子お姉ちゃんも手塚さんの事嫌いなんだ…。でも、自由が無くてもバンドに音楽をやれるようにしようとはしてたんだから、いい人なのかな?英治さんやトシキさんは慕ってるような感じだったし。
「
誕生日は12月4日のB型25歳。
好きなバンドはOSIRIS。
好きな食べ物は麻婆豆腐。
嫌いな食べ物は焼いた野菜。
必殺技は何かしらのスタンド能力を有しているらしい。
趣味は不明。
クールで静かな女の子。他のバンドメンバーは不明。色んなライブハウスにライブを観に行き、そこに介入してくるクリムゾンのミュージシャンと戦っていたらしい」
え!?有希ちゃんって25歳!?しかも先輩と誕生日一緒!?確かに大人びてる雰囲気はあったけど、私と同じか下くらいだと思ってたよ…。
次はクリムゾンエンターテイメントの紹介かぁ…。
「みんな!ファントムとSCARLETの事はわかってもらえたかな?次は私達の敵!クリムゾンエンターテイメントの紹介だぁぁぁぁぁ!」
「スト~~ップ!!!」
え?はい?
「なっちゃんもタカちゃんも英治ちゃんも、何をやっているの?」
私がクリムゾンエンターテイメントの紹介に入ろうとすると、スタジオ内に日奈子お姉ちゃんが入ってきた。
「あ?お前がファントムの紹介動画が撮りたいって言ったんだろ?だから俺達がだな…」
「そうそう。それにちゃんと手塚さんの許可も得てるぞ?日奈子は聞いてないのか?」
え?何何?
「ふぅん…手塚にはなっちゃんの紹介動画を撮るって聞いてるよ。私もちゃんと許可出したし。だからスタッフもこうやって撮影してくれてるんだと思うけど」
「だったら何で止めた?お前の紹介が気に入らなかったのか?」
どうしたんだろう?何か問題かな?
「あのね。私はファントムの紹介動画を撮りたいとは依頼したよ。でもそれは、ファントムのバンドを番組のエンディングで流すMVとかのつもりだったんだけど?」
え?それって……。
「何だと!?だったら最初からそう言えよ!手塚だってそんな事言ってなかったぞ!?」
「その台本っての手塚に見せた?」
「ああ、英治のやつが見せたはずだ」
「本当?」
「ん?台本は見せてねぇぞ?」
「「は?」」
え?台本見せてないの?もしかして私達の今までの撮影って…。
「いや、待て英治。少し落ち着こう。手塚から日奈子がファントムの紹介動画を撮りたいと依頼を受けたな?」
「ああ、間違いねぇな」
「そんで俺とお前で紹介動画って何だろうなぁ?って悩みながら適当に台本を作ったよな?」
「ん?ああ、ファントムのメンバーを手分けして紹介台本を書いたな。何か問題が?」
「んで、台本が書き終わったから、手塚にこれでいいか確認して撮影の許可貰ってくれって頼んだよな?」
「手塚さんには台本も出来たから撮影の許可くれと言ったぞ(ドヤァ」
英治さん!?何でドヤ顔!?
「………らしいぞ日奈子」
「SCARLETのボスとして、私がこんな台本OK出せる訳ないよね?FABULOUS PERFUMEの正体バラしちゃってるし、梓ちゃんの事とかSCARLETの事まで暴露しちゃってるし。放送出来る訳ないよね?」
え?放送出来ないの?私頑張ったのに?頑張ったよ?
「よし、渚、英治。スタッフの皆さんに挨拶して帰ろうか」
「ははは、まさか手塚さんに台本を見てもらってから、確認を取って欲しかったとは思わなかったぜ」
「あの~。先輩?英治さん?」
「「申し訳ございませんでした」」
先輩と英治さんの綺麗な土下座を見た私は、誰にでもミスはあるもの。今から居酒屋そよ風に行って全部先輩と英治さんの奢りという事で許してあげる事にした。
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「……と、いうわけだ。我々はファントムのバンドには手を出さない。よろしく頼むよ」
「承知しました、海原総帥」
「九頭竜…お前は何を言ってやがる。このクリムゾンエンターテイメントを守ってきたのは俺とお前だろ?
クリムゾンエンターテイメントを今のようにでかくしたのは俺だ。海原…あんたアメリカに行って腑抜けになっちまったのか?えぇ?」
「海原さん。私もそう思います。ファントムのバンドは私達クリムゾンエンターテイメントには邪魔な存在だと思いますが…」
「黙れ小暮。俺はお前の事も認めてねぇ。
海原、あんたが社命だというからJOKER×JOKERとinterludeを小暮の手駒にしてやったが、それはBlaze FutureとLazy Windを潰す為だ。それがファントムのバンドには手を出すなだと?ふざけた事をぬかすなよ!」
「二胴!海原総帥に対して何だその口の聞き方は!!」
「九頭竜くん、構わないよ。確かに日本でクリムゾンエンターテイメントを守ってきたのは、二胴くんと九頭竜くんだ。私は高く評価している。ありがとう」
「海原総帥……ありがたきお言葉!」
「ハッ、だったらどういうつもりで、ファントムに手を出すなと言ってやがるのかお聞かせ願いてぇな!15年前に俺達は葉川や宮野、あいつらのBREEZEとアルテミスの矢を潰せなかったから、俺達は遠回りする事になった!
今、葉川がまた歌い出しやがったんだぜ?早目に潰しておかねぇと15年前の二の舞だろうがっ!」
「海原さん、お言葉ですが私もそう思います。ファントムのバンドはこちら側につかないのであれば、早目に潰しておいた方がいいのでは?私は出来れば潰さずにこちら側につけたいというのが本音ですけどね」
「小暮も甘ぇ!あいつらがこっち側につくなんて、天地がひっくり返ってもありえねぇんだよ!だったら潰すしかねぇだろ!九頭竜!お前だってDivalは潰しておきたいんだろ!?」
「た、確かにDivalはオレの計画には邪魔でしかないが…」
「落ち着きたまえよ二胴くん。キミは多くのバンドを集めクリムゾンエンターテイメントを大きくしてくれた。そして、小暮くんがクリムゾングループから才のある人材を引き抜き、それこそキミの求めていた最強のバンドを育成してくれる。確かにタカ達は邪魔だが、我々のやろうとしている事に比べれば些細な問題だ。
それこそ遠回りをするわけにはいかないのだよ」
「些細な問題だと?15年前にアメリカに逃げたあんたがそんな事を言うのかよ?ファントムのバンドには聖羅の娘もいる。あんたは孫が可愛くてしょうがねぇんじゃねぇのか?何ならもう隠居してくれても構わないんだぜ!?」
「ほう…まさか盛夏の事を知っているとはな。さすが情報は早いな。だがそんな事は関係無いよ。私を誰だと思っているのかね」
「ハッ!どうだかな!」
「やれやれ、私はまたアメリカに戻らなくてはならないし、完全に日本に戻るのは先の話になるから、まだ内緒にしておきたかったのだが…」
「そのままアメリカから戻って来なくてもいいんだぜ?俺はファントムを…今度こそBREEZEもArtemisも潰す。その為に集めたクリムゾンエンターテイメントだ!」
「だからアルテミスの矢である雨宮くん達も我々に取り込んだか…。まぁアルテミスの矢の事はいいだろう。クリムゾンエンターテイメントのミュージシャンとして、活躍してくれるなら私には関係ない。ただ……」
「ただ?何だ?」
「私が知らないと思っているのか?足立が復活し動き出したという噂がある。キミは足立を探しだしてまたクリムゾンエンターテイメントに所属させようとしているね?」
「足立は最強のミュージシャンだからな。今度は俺の手駒とする。幹部なんかにしてあいつの上に誰もつけなかったから、あいつが暴走しただけだ。俺ならあいつも上手くコントロールしてみせる。葉川との決着を餌にくれてやったら喜んで食いついてくるだろ」
「そこには賛同出来ないな。キミ程の男がその程度でしかヤツを見れないとは…。せっかく15年前に私が見捨てたのに…」
「何だと…?」
「私がファントムに手を出すなというのはね。我々クリムゾンエンターテイメントは、もっと強大な敵を相手にせねばならないからだ」
「強大な敵…ですか?」
「クリムゾンミュージックだよ。
せっかくクリムゾンエンターテイメントがここまでの力を蓄えたのだ。そして、アーヴァルのダンテが救出され、かつてのアーヴァルのマスターとラモがアヴァロンという組織を創り、クリムゾンミュージックと戦う。これ以上の機はないだろう?」
「「「クリムゾンミュージックを!?」」」
「どうかね二胴くん、ファントムに…タカや拓斗に構っている場合ではないと思うのだが?」
「クリムゾンミュージックを…?私達…共食いを?」
「さすが海原総帥…心…洗われました」
「クリムゾンミュージックを潰す…?パーフェクトスコアを…俺達の手に…」
「そこで九頭竜くんには引き続きアルティメットスコアを。そして小暮くんにはアルティメットスコアを歌える最強のバンドの育成を。二胴くんはファントムに囚われず、クリムゾンミュージックに反抗的なバンドと、我がクリムゾンエンターテイメントのバンドで戦っていってもらいたい」
「「「……承知しました」」」
「(やれやれ、何とかなったか…。このままファントムと戦って無駄に我々の戦力が削られれば、クリムゾンミュージックにはとても敵うものではない。足立なんぞに戻って来られればヤツの毒で我々自身が倒れる。九頭竜に念を押しておくか……)」
「アルティメットスコアはお任せ下さいませ!
(フフフ、海原総帥はオレのアルティメットスコアに期待してくれている。海原総帥の悲願の達成の為、必ずアルティメットスコアを完成させてみせる。しかし、海原総帥はmakarios biosの事をお話になられなかった…?なるほど、そういう事か…)」
「ご安心下さい。必ずアルティメットスコアを歌える最強のバンドを育成してみせますわ。
(あははははは、やっばい…笑っちゃいそう~。でも我慢しなきゃね。ファントムに手を出すな。って言われた時はどうしようかと思ったけど、クリムゾンミュージックを相手に戦うんだ?面白~い。やっぱクリムゾンエンターテイメントに配属されて良かったぁ~♪)」
「あんたの言う通りにさせてもらう…だがやはり葉川達は…。
(クリムゾンミュージックを潰すだと?面白い。パーフェクトスコアを俺が手に入れるチャンスだな。それまではこいつに従順な振りの方がいいか…。いつかあんたも潰すけどな海原…)」
「ああ、そうそう。ファントムには手を出すなとは言ったが、もし彼らが我々の邪魔をして来た場合はその限りではないし、彼らが参加するようなギグイベントに我々のバンドの出演が『たまたま』重なった場合もその限りではない。全力で相手にしてやるといいよ。
(九頭竜はまだしも二胴と小暮は何をしでかすかわからないからな。餌は与えておいた方がいいだろう。タカ達が邪魔であるのも確かだしね)」
「承知しました、海原総帥!
(オレは動かない方がいいか…?いや、makarios biosならDivalも…)」
「『たまたま』一緒になった場合ですね…。
(ヤバいヤバい…楽し過ぎる…!!初音ちゃんでも遊んでいいんだね?)」
「その時は俺の駒を使わせてもらう。
(なるほどな…俺が暴走しないように餌をぶら下げてきたか…。やはり足立は早目に見つけておくか…)」
「では私は明日アメリカに戻る。後は任せたよ」
「「「はい!畏まりました!!」」」
私達はクリムゾンエンターテイメントでそんな事が話されている事も知らず…、居酒屋そよ風で美味しいご飯とお酒を楽しんでいた……。