第1話 ハジマリ
私の名前は水瀬 渚。
今日はGlitter Melodyのデビューライブ。
そして、ファントムが音楽事務所としての初ライブの日だ。
ハッ!?こんな記念の日に、私のモノローグとか…。この物語の主人公は私なのでは!?
「渚は何を言っているの?」
「え?り、理奈…?」
「Glitter Melodyのデビューライブな訳だけど、Noble Fateもデビューライブな訳だし、Blaze Futureも私達と同じようにゲスト参加するわけだし…」
この子の名前は氷川 理奈。私達のバンドDivalのベーシストだ。
「渚のモノローグは割と私達に筒抜けだしね…」
な、何だと…!?まさかこんなハッキリと、私の心は読まれている事を言われてしまうとは…!!
「あ、あははは。それより理奈は何でこんな所に居るの?」
「今はGlitter Melodyがリハやってるみたいだしね。貴さんや英治さんは外の喫煙所に居るかと思って」
あ、そうなんだ?先輩か英治さんに用事かな?
私の会社の先輩でありBlaze Futureのボーカルの葉川 貴、そして、ライブハウス『ファントム』のオーナー中原 英治。理奈はこの2人を探しているようだった。
私も先輩と少し話をしたいと思って、ファントムの外にある喫煙所付近まで来てたんだけど…。
「あ、それじゃ理奈はこの物語の主人公は誰だと思ってるの?」
「そうね…。まぁ無難に考えると、渉くんか貴さんか奈緒。一瀬くんと夏野さんは無いかしらね。後は渚か志保と言った所じゃないかしら?」
「あははは。先輩が主人公だったらウケる~。私が下剋上してみせるよ」
「貴さんが主人公だとしたらヒロインは誰なのかしらね?」
「………私か」
「それは無いわ!」
え?何で?
私達がそんな話をしながら、外の喫煙所に行くと、案の定英治さんとBlaze Future、そして志保と香菜、それにトシキさん、翔子お姉ちゃん、澄香お姉ちゃんと日奈子お姉ちゃんが居た。
「やっぱり先輩と英治さんは、喫煙所に居たんですね」
「ああ、俺らはリハも終わったしな。Divalもリハお疲れ様だったな」
「なっちゃん!リハ見せて貰ったよ!リハからDivalは気合い入ってたね。SCARLETのボスってより、Artemisのドラマーとして熱くなれたよ!」
「あはは、確かに。なっちゃんがランダムスター弾いてると、梓を思い出すよね」
私が梓お姉ちゃんに…。
「でも渚ちゃんも凄いね。もうギターもバッチリ弾けてたし。もうはーちゃんより弾けてるんじゃない?」
「いやいや、私なんてまだまだですよ。所々は弾けないから志保に任せて、エアーな所もありますし」
「そだね。渚ももう少しギター上手くなったら、あたしらの演奏ももっと良くなりそう」
うぁ!?志保からの期待という名のプレッシャーが重い…!
「それよりも奈緒。あなたさっきからどうしたのかしら?顔がひきつってるわよ?」
「あはは、なんかね。Glitter Melodyのデビューライブだからって、美緒ちゃんが緊張してないか心配なんだってさ」
「佐倉はgamutでライブ経験もあるから大丈夫だと思うんだけどね」
「翔子さ~ん、香菜ぁ。それだけじゃないと思うよ~?」
「そだね。せっかくの美緒ちゃんのデビューライブだから、あたしらBlaze Futureのラストは奈緒のソロ曲だからね。奈緒も緊張してんでしょ」
へぇ~。Blaze Futureのラストは奈緒の曲なんだ?それは美緒ちゃんも喜びそうだね。
「み、美緒にはサプライズで驚かせようって事で、リハでも私の曲やってないし、上手く演奏出来るかどうか不安で……あ、お腹痛い…」
え?リハやってないの?それPAとか大丈夫なの?
私達がそんな話をしている時だった。
-タッタッタッタッ
「ダッシュからのキ~~ック!!!!」
「ぷげらっ!」
え?え?え?
いきなり先輩が『ぷげらっ!』とか叫びながら、吹っ飛んで行った…。一体なにごと!?キック!?
「え?な、何で…?」
「あ、梓ちゃん?何で日本に…」
「梓…?あれ?梓ちっちゃくなった?」
え?梓…お姉ちゃん…?
私が先輩を吹っ飛ばした人に目をやると、そこには梓お姉ちゃんが……居ない。この子は美来お姉ちゃんだ。
「性懲りもなく女の子に囲まれてるどころか、喉を壊したくせにタバコを吸っているとは…。やはり、タカくんは軽薄な男」
「み、美来さん?どうしてここに…?」
「あら?志保も美来ちゃんの事を知っているのかしら?」
「え?美来?梓じゃないの?」
澄香お姉ちゃん達もびっくりしてるね。
やっぱり…美来お姉ちゃんって梓お姉ちゃんに似てるなぁ。
「へぇ~。本当に梓に似てるな。キミが噂の美来ちゃんか?」
「ん?何者?何であたしの名前を知っているの?」
「あ、ああ。俺はここのライブハウスのオーナーで、中原 英治ってんだよ。キミの事はタカから聞いててな」
「タカくんから聞いて……?ハッ!?ち、違う。あたしはタカくんの彼女って訳じゃない。確かにタカくんにはホテルに誘われたりしたけど、まだそんな関係じゃないから」
え?先輩がホテルに誘って…?あ、こないだの旅行の時の聞き間違いのやつかな?
てか、まだって何?美来お姉ちゃん?
「そ、それよりタカ兄生きてる?思いっきり吹っ飛んで行ったけど…」
「まあ、はーちゃんだからね。大丈夫じゃないかな?」
「ジィー」
ん?どうしたんだろ?
美来お姉ちゃんは英治さんの事をジッと見つめていた。
「英治くんってもしかしてBREEZEのEIJI?」
「お、俺の事も知ってくれてんのか?」
「ヒィィィィィィィィ!!?」
「え?お、おい…」
美来お姉ちゃんは両手で胸を隠しながら後退りしている。どうしたんだろう?
「た、助けてお母さん…。お、犯される…。初めては好きな人にって決めてるのに…」
「ちょ、ちょっと待って!何それ!?俺そんな事しないよ!?」
「本当に…?」
「あ、ああ。当たり前だろ…。俺には愛する妻も娘もいるしな(キリッ」
それでも美来お姉ちゃんは英治さんから離れ、今度は澄香お姉ちゃん達の方に歩いて行った。
「ジィー」
「え?な、何かな…?」
「やっぱり。澄香」
「え?何で私の名前を…?」
美来お姉ちゃんが澄香お姉ちゃんの名前を…?
「Artemisのファンだったから。ArtemisのメンバーもBREEZEのメンバーも知っている」
「え?そ、そうなんだ…?あ、ありがとう。それより本当に梓に似てる…」
「澄香。英治くんは安全?近付いても大丈夫?」
「あかん!英治の近くなんて危ない所に行っちゃダメ!」
「え!?澄香!?何で!?」
「本当に梓ちゃんに似てるね~。この子が『サガシモノ』だったりして」
「ちょ、日奈子…あんた何を言って…」
『サガシモノ』?え?美来お姉ちゃんが…?
そ、そんな訳ないよ。美来お姉ちゃんがクリムゾンのミュージシャンだなんて…。梓お姉ちゃんのクローンだなんて…。
「あんたさ?39番?」
翔子お姉ちゃんまで!?
てか、本人に39番かどうか聞くとかストレート過ぎない!?
「ちょっと翔子…!」
「39番?何の話?……あっ、ちょっと待って」
そう言って美来お姉ちゃんは、肩から提げているポシェットをガサゴソと触りだした。
「ん、やっぱ違う。あたしは18番。これって最前行けそうじゃね?キャッホー!」
え?18番?最前?
美来お姉ちゃんがそう言って、翔子お姉ちゃんに見せたのは、今日のGlitter Melodyのライブのチケットだった。
………って、ちょっと待って!?これって美来お姉ちゃんが今日のライブ観てくれるって事!?
ヤ、ヤバ…ヤバい…。めちゃくちゃ緊張してきた…。
「……そっか。変な事聞いてごめんね」
「……?別にいい」
-ドサッ
ドサッ?何の音だろう?
その音が気になって振り返ってみると、そこには拓斗さんと明日香ちゃん、架純ちゃんと聡美ちゃんが居た。
「あ、梓…?何でこんな所に…」
「タ、タカさん…?何でこんな姿に…」
あ、先輩ってまだ倒れたままなんだ?
「梓ぁぁぁぁ~~~~!!!!」
「ヒィィィィィィ!!?」
拓斗さんが美来お姉ちゃんに飛び掛かってきた。
あ、これはあかんやつや。
-ドカッ
-ボキッ
-ドスッ
「あ、あはは、美来ちゃんだっけ?ごめんね、変態が怖がらせて」
「よく見ろ拓斗。この子は梓じゃないよ」
「拓斗ちゃんは本当に危ないよね」
拓斗さんは澄香お姉ちゃん達に、殴られて何とか止まってくれた。それよりボキッって音してなかった?
「あん?あ、ああ。確かに似てるが、梓とは違うな。すまん、我を忘れちまったぜ」
我を忘れちまったって…。もしかして梓お姉ちゃんにいつもあんな事を?
「BREEZEの男はやはり危険。助けてお母さん…」
「あ、あはは、お、俺は危険ではないと思うんだけど…」
・
・
・
「そうなんですね。美来さんも美緒ちゃんにライブを招待してもらったんですね」
「ん?りっちゃん?何でりっちゃんは、あたしをちゃん付けなの?りっちゃんも美来お姉ちゃんって呼んでいいんだよ?ほら、カモン。どんと来い」
「い、いえ、それはさすがに…」
そっか。美緒ちゃんって美来お姉ちゃんと、連絡先交換したって言ってたもんね。それで連絡貰って今日は来てくれたのかな?
「やっぱりあの子はmakarios biosじゃないんじゃないかな?」
「う~~ん…私達を敵として認識してるから、とぼけてるって可能性も捨てきれないだろ?」
「でもあの子、背はちっちゃいけどおっぱいは大きいよ?梓ちゃんの遺伝子なら、あんな大きくならないんじゃない?」
澄香お姉ちゃん達は美来お姉ちゃんの事を、makarios biosだと思ってるのかな?内緒話してる風を装ってるけど、ここまで丸聞こえだけどね…。
「あ、そういや美来お姉ちゃんは何でここに?」
「みーちゃんにライブのチケット貰ったんだけど、あたしの友達も行きたいって言ったから、当日券狙いで来た」
え?う、うん。ライブに来たってのはわかってるんだけどね。何でこの喫煙所に来たのか聞きたかったんだけど…。
「ファントムで待ち合わせって言ったのに、誰も来ないからしょんぼりしてた。そしたらタカくんがハーレム作ってたから気分が悪くなって…」
「当日券?当日券ももちろんあるけど、販売はこんな裏ではやってないぞ?」
「……迷子じゃないもん」
迷子!?迷子になっちゃったの!?
「迷子…そんな所まで梓に似てるんだ…」
「いや、待て澄香。梓とこの子はやっぱり似てないぞ」
「翔子ちゃんの言う通りだね。もしこの子が梓ちゃんのmakarios biosだったとしたら、ファントムまで辿り着けるわけがないよ」
梓お姉ちゃんってどれだけ方向音痴だったの?
「おい、澄香」
「何?拓斗?」
「ちょっとだけ面貸せ」
「断る」
「………何で?」
「え?何か怖いし」
「大事な話だ」
「いや、それこそ無理やろ?拓斗と2人きりで大事な話とかマジ嫌なんだけど?」
「あー、わかったわかった。今度そよ風でタカとデートさせてやる。俺の奢りってったらタカも来るだろ」
「拓斗。大事な話って何?(キリッ」
ん?澄香お姉ちゃんと拓斗さん?
2人で何処行くんだろ?美来お姉ちゃんも理奈達と話してるみたいだし……。ちょっと覗いてみようかな?
べ、別に澄香お姉ちゃんと拓斗さんが付き合ったりしたら、ライバルが減るとか考えてるわけじゃないからねっ!
「みんなと離れてるし、この辺ならいいでしょ?大事な話って何?」
「いや、お前どんだけ俺の事信用してないの?
……まぁ、こんだけ離れてたらあの子には聞こえないだろうしいいか…」
「もし愛の告白とかだったら、明日の太陽を見る事はなくなっちゃうからね?覚悟して話してね?」
「俺は梓一筋だ」
拓斗さん、やっぱり梓お姉ちゃんの事まだ諦めてないんだ……。
「多分こないだタカが話してたmakarios biosのガキって、あの子の事じゃねぇか?」
「やっぱりその話か…。私もあの子と会うまではタカの話してた子がサガシモノかな?って思ってたけど、さっき少し話してみて違うかな?って思ったよ」
先輩が話してた…?先輩も美来お姉ちゃんがmakarios biosだと思ってたって事?何で?
美来お姉ちゃんが梓お姉ちゃんに似てるから?
「あら?どうしたの、渚?」
え?あ…理奈…?
「う、ううん。何でもないよ。それより美来お姉ちゃんは?」
「英治さんとトシキさんと日奈子さんで、ファントムの入口に案内しに行ったわ」
「そ、そっか。あ~…私も連絡先交換お願いしたら良かったぁ~」
そんな訳ないじゃん…。美来お姉ちゃんがクリムゾンエンターテイメントのミュージシャンだなんて…。
先輩も澄香お姉ちゃんも拓斗さんも…。
どうしてそんな風に思うの…?
・
・
・
「こ、こんばんは…!Noble Fateです…!」
そしてGlitter Melodyのライブが始まった。
まずはNoble Fateのオープニングアクト。
さすがに木南さんと達也さんは堂々としてるなぁ。
花音は緊張しているみたいだけど…。
Noble Fateのオープニングアクトが終わったら、Glitter Melodyが演奏する。
そして、私達Divalが演奏し、Blaze Futureが演奏する。
その後再びGlitter Melodyが演奏し、アンコールという流れだ。
……お客様いっぱいいるなぁ。
ここからじゃ見えないけど、きっと美来お姉ちゃんもこの中に…。
「渚、どうしたの?」
「あ、志保。えへへ、私もちょっと緊張してきてさ」
「本当に緊張しているだけかしら?」
「え?理奈…?」
「うん、ちょっと変だよ渚」
「香菜まで…」
「もうすぐ私達の出番よ。そんな顔でステージに立つつもりなのかしら?」
「うっ……」
「えい」
私は香菜に顔を掴まれ、人さし指で頬を押されて無理矢理笑顔にされた。
「ふぁ、ふぁな(か、香菜)?」
「渚。あたし達はDivalだよ。何かあるならさ?あたし達にも話してよ」
みんな…。
そして私は志保達に美来お姉ちゃんが、もしかしたら『サガシモノ』なんじゃないかと、先輩達が考えているようだと話した。
「そっか。美来さんの事を貴達は…」
「美来さんってさっき喫煙所で会った子でしょ?何でタカ兄達はそう思ったんだろう?」
「………渚?それがどうしたっていうの?これから私達は最高のライブをやるのよ?」
「ちょっ、理奈ち…」
「う、うん…わかってるけどさ…」
「わかってないわね。そんなままじゃDivalのステージに立たせる訳にはいかない。……いいわ、今日は私が歌う」
え?ど、どういう事…?理奈が歌う?私は…?
「ちょっと理奈!何を言って…」
「それとも志保が歌う?渚のパートもカバーしながらとなると大変だと思うのだけれど?」
「そういう事じゃなくてっ!」
理奈はさっきから何を言ってるの?
Divalのボーカルは私だよ…?何で理奈が歌う事になってるの?志保は私のパートのカバー…?
……まさか私をステージに立たせないつもり?
「渚は何を黙りこくっているのかしら?反論はないの?
ならいいわ。そろそろステージに上がる準備をしましょう」
反論…?あるよ。あるに決まってんじゃん…!
「そ、それってどういう事なの?わ、私をステージに上げないつもり?」
「ええ、そうよ」
そうよって…!!
「な、何でそんな事言うの!?私ちゃんと歌える!歌えるよ!」
「ちゃんと歌える?」
「もちろんだよ!私は大丈夫!!」
「ちゃんと歌うって何なの?」
「え?」
ちゃんと歌うって何って…?え?どういう事?
「渚。ちゃんと歌詞を間違えずに歌うだけなら、誰にでも出来るのよ。あなたは何の為に歌っているの?
美来ちゃんがクリムゾンかも知れない?だから何?」
え?理奈…?何でそんな事言うの?美来お姉ちゃんがクリムゾンのミュージシャンだったら私達は…。
「私は先日、美来ちゃんと少し遊んだだけだけれど、私は美来ちゃんの事が好きよ?だから、せっかく美来ちゃんがここに来てくれているのだから、最高の演奏を届けたい」
理奈…?
「そんな顔で悩みながら歌った所で、美来ちゃんにはもちろんここに私達の演奏を聴きに来てくれているオーディエンスにも届かない。ましてや、今日私達をゲストに呼んでくれたGlitter Melodyに失礼だわ」
美来お姉ちゃんにもオーディエンスにも…。
そうだ。美緒ちゃんもせっかくのGlitter Melodyのデビューライブに私達を呼んでくれたのに…。
「美来ちゃんは私達の敵じゃないわ。今はね」
今は…?
「美来ちゃんが私達やファントムを潰すと言った?敵だと言ったかしら?」
「美来お姉ちゃんはそんな事言わないよっ!」
「そうね。では貴さんは?澄香さんは美来ちゃんを敵だと言ったのかしら?」
「い、言ってない…」
「美来ちゃんがクリムゾンエンターテイメントのミュージシャンだとしても、『サガシモノ』だったとしても関係ないわ。美来ちゃんが私達を敵だと思って近づいて来てるのだとしても……私は美来ちゃんの事を…と、とも…とも……」
とも?
「り、理奈ちさぁ?途中までかっこいい事言ってんだから、最後までバシッとキメなよぉ~」
「い、言わなきゃわからないなんて、まだまだだって事よ…」
とも…?友達…?
友達…。そうだ、そうだよ。美来お姉ちゃんは友達だ。
クリムゾンエンターテイメントのミュージシャンだとか、そんなの関係ない。私は美来お姉ちゃんが好き。
美来お姉ちゃんが私達に敵だと言って来た訳じゃない。
「渚。だから私は美来ちゃんにも…」
「うん、そうだね。理奈の言う通り。
美来お姉ちゃんにも最高の演奏を、私達の歌を聴いてもらいたい」
「渚……そうよ。それがわかったのなら大丈夫かしらね」
「うん、ごめんね理奈」
「わ、私に謝る必要はないわ」
「渚、理奈!お喋りはそこまで。Glitter Melodyが戻ってくるよ」
え?もうGlitter Melodyの出番も終わっちゃったの!?
「よし!みんな行くよ!理奈ちも渚がボーカルで大丈夫だよね?」
「一時はどうなるかと思ったけれど…。
Divalのボーカルは渚よ」
うん。そうだ。私はDivalのボーカルの渚。
今、最高の歌を歌うだけだ。
「魅せるよ!Dival!!」
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「どうなるかとヒヤヒヤしましたけど…。貴の言った通り大丈夫でしたね」
「な?あいつらなら大丈夫だって言ったろ?」
「渚と理奈の事、信じてるんですね♪」
「まぁ……な。……さ、俺らも準備しに行くか」
「そうですね。私もDivalの演奏ゆっくり聴きたかったですけど……。あ、貴、ちょっと待って下さい」
「ん?何?」
「美来さんでしたっけ?……貴は今もmakarios biosだと思ってますか?」
「……多分な」
「そうですか」
「は?何?そうですか。ってそれだけ?」
「え?何ですか?もしかして慰めて欲しかったとかですか?うわっ、気持ち悪いです。むしろキモいです」
「いやいやいや、何なの?これ新手の精神攻撃?」
「貴がそう思うなら、もしかしたらそうなのかも知れませんね」
「は?やっぱ精神攻撃なの?何でライブ前に俺の心折るような事言うの?」
「そっちじゃないですよ~。……わかってるくせに」
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「みんなありがとう~~!!次で私達Divalの曲はラストです!」
\\えぇ~~!?//
あはは、やっぱりライブは楽しい。最高の時間だ。
ここからみんなの笑顔が見える。
渉くん達も、日奈子お姉ちゃん達も、美来お姉ちゃんも…。
みんなにもっともっと私達の歌を届けたい。
「今日はGlitter Melodyの特別な日にゲストとして呼んでもらえて、私達Divalにとっても最高の1日になりました!」
私は梓お姉ちゃんのギター。
先輩から託して貰ったランダムスターをしっかりと構えた。
「今日の事を思って、Glitter Melodyのスタートに、今日という特別な日の為に作った新曲です」
作ったのは理奈だけど……。
「
・
・
・
「はぁ~……やりきったぁぁぁぁ!」
「あはは、香菜お疲れ」
「ん……志保もね」
私達の出番は終わり、控室に戻って来ていた。
「ん?あれ?理奈は?」
「ん~?理奈ち~?あれじゃない?こっち戻らずにBlaze Futureの演奏観てるんじゃない?」
あ、そうなのかな?私も行って来ようかな?
「じゃあ私も観て来ようかな。志保と香菜はどうする?」
「あたしパス…さすがに疲れた…」
「あはは、香菜もめちゃ激しくパフォーマンスしてたもんね。渚、あたしもBlaze Future観たいし一緒に行くよ」
「うん、じゃあ香菜はゆっくり休んでてね。また後でね」
私は志保と一緒に舞台袖へと向かった。
・
・
・
「さすがBlaze Futureですね。お姉ちゃんや盛夏さん、まどかさんはもちろんですが、お兄さんもすごくかっこいいです…」
「そうね。歌ってる時の貴さんはかっこいいわね。歌ってる時は……」
「あたしBlaze Futureの演奏観るの初めてだけど、ほんとタカさんかっこいいね。いつもあんな顔ならモテるだろうに」
「睦月の言う通りだよね。普段がボケボケしてるだけにギャップもすごいし?」
「あはは、睦月ちゃんも麻衣ちゃん言い過ぎ…」
「「ま、モテたらモテたで困るんだけど…(ボソッ」」
「ん?理奈さんも美緒も何か言った?」
「「いえ(ううん)、別に何も」」
私達が舞台袖に行くと、そこには理奈とGlitter Melodyのみんなが居た。
「渚さん、お疲れ様でした。今日は本当にありがとうございます」
「あ、恵美ちゃん。お礼なんていいよ。こっちこそありがとうだよ」
「おりょ?香菜さんは?」
「ああ、香菜は疲れきって控室でグッタリしてるよ」
「お、Blaze Futureの曲終わった。次はあたし達の番だね」
あー、Blaze Futureの出演時間終わっちゃったか。
もう少し早く来たら良かったかな。
「よ~し!ほら!みんな、円陣組もう円陣!」
「え?やだよ。理奈さん達も居るのに恥ずかしいし…」
「麻衣はこういうの好きだよね」
「あ、あはは、麻衣ちゃんなりの緊張のほぐし方なんじゃないかな?」
本当ならこのままBlaze Futureが舞台袖に戻って来て、Glitter Melodyと交代。
だけど今日は美緒ちゃん達へのサプライズがあるから…。
「Blaze Futureの挨拶も終わってライトが消えたね」
志保がそう言って、美緒ちゃん達Glitter Melodyのメンバーは準備を始めたけど、
舞台袖に戻って来たのは先輩だけだった。
「あー、お疲れ」
「え?あ、はい。お兄さんお疲れ様でした…。あの、お姉ちゃん達は…?」
「ん?もう少ししたら戻ってくんだろ」
先輩は美緒ちゃんにそう言ったけど、次の瞬間ステージ上の奈緒にスポットライトが当てられた。
「え、え?お姉ちゃん…?」
「奈緒さん?何で…?」
ふふふ。美緒ちゃんも麻衣ちゃんもびっくりしてるね。
「あ、改めましてこんばんは。Blaze Futureのギタリスト奈緒です…」
「え?奈緒さん何をしてるの?貴さんは戻って来て良かったの?あ、仲間外れ?」
「睦月ちゃん…。その…気持ちはわかるけど…」
「お、お兄さん!?どういう事ですか!?」
「ん?まぁ黙って見てろ」
「きょ、今日はGlitter Melodyの特別な日でして…。
その…美緒にとっても、睦月ちゃんにとっても、恵美ちゃんにとっても、麻衣ちゃんにとっても、新しいスタートを切る日です」
「お姉ちゃん…」
「奈緒さん?ど、どうしたんだろ?」
「美緒ちゃんも睦月ちゃんも。今は黙って奈緒さんを見てよ」
「恵美の言う通りだよ。奈緒さん…何かサプライズしてくれるんじゃない?」
あはは、麻衣ちゃんは鋭いなぁ~。
頑張ってね、奈緒。
「あの……それでって訳じゃないんですけど、私も歌を作ったりなんかしちゃってまして。あ、あはは…」
「お姉ちゃん…」
「聞いて下さい。『
♪
♪♪
♪♪♪
わぁぁぁ、すごい!
奈緒とも何度かカラオケ行った事もあるし、歌声も聞いた事あるけど……
「これが奈緒の歌声?す、凄いわね、正直驚いたわ」
「お姉ちゃん…すごく素敵な歌…」
「奈緒の歌も演奏もすごいね。心に訴え掛けられるっていうか、すごく胸に響いてくる。これって貴もボーカルの座危ういんじゃない?」
「本当に綺麗な声…。せんぱぁ~い、志保の言う通りこれはうかうかしてられないんじゃないですか?」
「……」
先輩?
「う、嘘だ…ろ…?」
「先輩?どうしたんですか?マジで焦ってます?」
先輩は奈緒を見ながらびっくりした顔をしている。
本当に奈緒の歌声って凄いもんね。先輩も本気で心配してるのかな?
「何で奈緒が……?カラオケとライブは違う…くそっ!」
そう言って先輩は走ってどこかに行ってしまった。
どうしたんだろ?本当に自分より奈緒がボーカルやった方がいいと思ってへこんじゃった?
「貴さん?どうしたのかしら?」
「何か変じゃなかった?貴も歌うの好きだしボーカルだっていっても…」
「うん、いつもの先輩なら『あ、これ俺がボーカルじゃなくてもよくね?これからは奈緒にも歌ってもらうようにするか』とか言いそうなのに」
「そうよね」
私達がそんな話をしている時だった。
「タカちゃんいる!?」
「タカ!!?」
澄香お姉ちゃんと翔子お姉ちゃん、そして日奈子お姉ちゃんが舞台袖へとやって来た。
「なっちゃん、タカは?控室戻っちゃった!?」
「え?いや、何かどっか走って行っちゃったけど…。澄香お姉ちゃん達はどうしたの?」
何でこんなに焦ってるんだろう?
何となくだけど、すごくヤバい予感がする。
「あのバカどこに…」
「英治の所かな?翔子はここでGlitter Melodyに激励でもしてて。タカは私と日奈子で探してくる」
「うん、私は控室に行ってみるから、澄香ちゃんは英治ちゃんの所に行ってみて」
そう言って澄香お姉ちゃんと日奈子お姉ちゃんは走って行ってしまった。本当にどうしたんだろう?
「あ、あの、翔子お姉ちゃん?一体何が?」
「ん?いや、ちょっとね。奈緒ちゃんの歌声って」
奈緒の歌声?やっぱり何かあるの?
先輩も奈緒の歌を聴いてから様子がおかしくなったし。
「ありがとうございました。
それでは、次はGlitter Melodyの再登場です!皆さん是非拍手で迎えて下さいね!」
\\ワァー//
パチパチパチパチパチパチ……
奈緒の歌が終わり、Blaze Futureが舞台袖へと戻って来た。
「おねーちゃーん!!」
「ふぇ!?わっ!美緒?」
舞台袖へと戻って来た奈緒に美緒ちゃんは抱き付いた。
「お姉ちゃん…ありがとう。すごく感動した」
「美緒……。うん、次は美緒の番だよ。お姉ちゃんここで観てるから頑張って来るんだよ」
「うん」
美緒ちゃんはしばらく奈緒に抱き付いたままだったけど、睦月ちゃんに肩を叩かれて、
「行くよ、美緒」
「盛夏さんもまどかさんもありがとうございました。あたし達も行ってきます」
「うん、恵美ちゃん達も頑張ってね。Glitter Melodyの演奏楽しみにしてる」
「よ~し!私達もBlaze Futureに負けないように頑張るよ~!」
そして、睦月ちゃんと恵美ちゃんと麻衣ちゃんはステージに上がろうとした。
「ま、待って!」
「ん?どしたの美緒」
「わ、私達も負けていられない。ちょっとセトリ変わっちゃうけど……飛ばしていくよ!」
「「「え?マジで?」」」
「みなさん!改めましてこんばんは!Glitter Melodyです!」
美緒ちゃん達、Glitter Melodyがステージに上がり、Glitter Melodyの2回目の演奏が始まった。
「ねぇ、タカ見なかった?」
「先輩ならどっか走って行っちゃいましたよ?」
「そっか…。ありがと…」
まどかさん?どうしたんだろう?
「奈緒、あなたの歌声、正直驚いたわ」
「ほんとだよね~。あたしも今日の奈緒の歌にはびっくりしたよ~」
「え?そうかな?理奈も盛夏もありがとう」
うん、本当に奈緒の歌凄かったもんね。
何だろう?初めてBREEZEの歌を聞いた時みたいな…。
何だか昔の先輩の歌を思い出しちゃったな。
やっぱりファンだっただけあって、先輩の歌い方に影響されてるのかな?
・
・
・
Glitter Melodyの演奏も終わり、Glitter Melodyのデビューライブは無事に終わった。
私達は終演後のお見送りにフロアに出ていた。
理奈はKiss Symphonyのみんながまた来てくれていたみたいでRionaさんとRunaさんに捕まってしまった。
志保は明日香ちゃんやさっちちゃんの所に行き、香菜は盛夏と大学の友達の所に行ってしまった。
私は今はぼっちで……
美来お姉ちゃんを探している。
「なっちゃん、お疲れ様」
「美来お姉ちゃん!?」
なっちゃんと呼ばれた私が振り向いた先には
「……先輩になっちゃんとか呼ばれたくないんですけど?これってセクハラで訴えられますかね?」
「え?何で?」
何で先輩が私の事をなっちゃんって呼ぶのよ…。
「お前……さっきの反応って事はやっぱ美来を探してんのか?」
「はい、まぁ…」
「俺も美来を探してんだけどな。もう帰っちまったかな?」
先輩も美来お姉ちゃんの事を?
「先輩。梓お姉ちゃんがダメだったからって、美来お姉ちゃんもダメですからね?」
「そんなんじゃねーよ」
そんなんじゃないか…。
やっぱり美来お姉ちゃんの事をmakarios biosだと思って問いただすつもりなのかな…?
「あ、あの…先輩…」
-ポン
ふぇ!?先輩!?な、何で私の頭を!?
ここにはまだお客様もいっぱい居るのに!!
「そんな不安そうな顔すんな。別に美来にmakaリ……ぶふぉあ!」
ぶふぉあ?
先輩はいきなりうずくまってしまった…。
え?何事なの?
「お疲れ様と労いの言葉をかけようと思って探していたら、まさかあたしのなっちゃんにセクハラをしているとは…。やはりタカくんもBREEZEの男。危険人物」
「み、美来お姉ちゃん…?」
「なっちゃん、今日はお疲れ様。
Divalの演奏すごく良かった。ランダムスターを弾いてるなっちゃんもすごくかっこ良かったよ」
「あ、ありがと…。美来お姉ちゃんに良かったとか言われると照れちゃうね。あはは」
「そう?」
どうしよう…。ライブ前に理奈に美来お姉ちゃんは友達だって言われたばかりなのに…。
美来お姉ちゃんはmakarios biosじゃないよね?
クリムゾンのミュージシャンじゃないよね?
そんな事ばっかり頭に浮かんで来て…
何を話せばいいかわかんないよ…。
「なっちゃん?」
あっ…。私が黙ってるもんだから美来お姉ちゃんも…。
あはは…私…今どんな顔してるんだろ…。
「おい…美来…」
「ん?タカくん?生きてたの?あたしの攻撃を1日に2度も受けて立てるとは…」
「ふっ、美来の攻撃なんぞ俺にしてみれば赤子に撫でられたようなもんだな」
「本当に?じゃあもう1発いっていい?」
「ごめんなさい」
先輩…。先輩は普通に美来お姉ちゃんとお話出来るんですね。私は…。
「あ、そんな事よりな美来」
「何?Blaze Futureの演奏の感想?」
「いや、別にそれはいいや」
「確かにタカくんもかっこ良かった。屈辱でしかないけど胸がドキドキした。でもまぁ、BREEZEの時の方が良かった」
「BREEZEの時の方がって…。感想は別にいいって言っただろ。あんな、渚の様子おかしいと思わね?」
え!?わ、私!?
「うん、確かにおかしいと思う。タカくんにセクハラされて気分が悪くなって落ち込んでいるとしか思えない」
「実はな。渚は美来と連絡先の交換したくて仕方ないんだけど、なかなか言い出せなくて緊張してんだと」
「え?あたしと連絡先の交換?」
ふぇ!?先輩!?
な、何を言ってくれちゃってんですか!?
そりゃ美来お姉ちゃんと連絡先の交換したいけど!
「なっちゃん?そうなの?」
「う、うん…。あの…連絡先の交換したい…。ダメ…かな?」
「なっちゃん。なっちゃんとの連絡先の交換は是非あたしもしたい。ほら、交換しよ?」
美来お姉ちゃん…。
「うん!」
そうして私は美来お姉ちゃんと連絡先の交換する事が出来た。美来お姉ちゃんの連絡先…。
うん、そうだよ。私はやっぱり美来お姉ちゃんが好き。
美来お姉ちゃんがmakarios biosだったとしても、クリムゾンのミュージシャンだったとしても関係ない。
美来お姉ちゃんは美来お姉ちゃんだ。
私の大好きな美来お姉ちゃん。
「あ、ついでにタカくんも連絡先交換しとく?」
「ん?あ、ああ、そうだな」
そう言って先輩と美来お姉ちゃんは連絡先を交換していた。
「あ?何だ美来もバンやりやってんのか?」
「うん。それよりタカくんの上げてる写真ってラーメンばっかりだね。飯テロ?」
ん…?美来お姉ちゃんがバンやり?
先輩が写真を上げてる?
「ちょ、ちょっと待って下さい先輩。ラーメンの写真って…まさかTwitter?」
「ん?ああ、LINEとTwitterと交換したけど?」
なぁ!?つ、Twitterも交換しただと…!?
せ、先輩だけズルい!!何で!?何で私はLINEだけなの!?
-ドスッ
「はうん!」
先輩が今度は『はうん!』とか気持ちの悪い事を叫びながらうずくまった。どうしたんだろう?
「み、美来…何で…?何で俺いきなり殴られたの…?
知ってるか?人の右腹には肝臓って臓器があってだな?そこって人体の急所なんだよ?」
「大丈夫。肝臓の事は知っている。ただ、タカくんはTwitterで『なおちん』って女の子とよく話してて仲が良いなぁ。と思って」
「あ?なおちん?」
なおちん?あ、それって奈緒の事じゃないかな?
確かに先輩と奈緒ってよくTwitterで話してるよね。
私も2人共フォローしてるから、2人の会話見てよく妬きも……微笑ましいなぁって思ってるし。
「その子はBlaze Futureのギタリストだ。だからよく話すの。何なの?何で俺が女の子と仲良く話してたら殴られるの?」
「Blaze Futureのギタリスト…?って事はこの子は奈緒ちゃん?」
あれ?美来お姉ちゃんって奈緒の事も知ってるのかな?
あ、今日ライブ来てくれていたんだし、そりゃ知ってるか。
「タカくん。真面目な話」
「あ?」
「奈緒ちゃんにはもう歌わせない方がいい。そしてちゃんと守ってあげて」
「お前…何を言って…」
奈緒にはもう歌わせない方がいい?何で?
そういえば先輩も澄香お姉ちゃん達も、奈緒の歌を聞いて…。
「……変な事を言ってごめん。あたしは帰る。友達も待たせてるし」
そう言って美来お姉ちゃんは逃げるように走って行こうとした。
「美来。待て」
だけど先輩はそんな美来お姉ちゃんを呼び止めて
「何?」
「…守るよ。奈緒も渚も理奈も美緒ちゃんも。他のみんなもな」
「そう」
「相手が誰であろうとな…。俺達の敵からは守ってみせる」
「……うん。よろしく」
美来お姉ちゃんはそのまま走って行った。
今の……どういう事なんだろう?
その後は先輩と一緒にお見送りをして、私達のファントムとして初めてのライブは終了した。
この日が私達の『ハジマリ』なんだね。
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「ごめん。待たせた」
「あ?別にいいよ。それより愛しのタカとは会えたのか?」
「沙耶。気分の悪くなる事言わないで。別にタカくんを愛おしく思ったりしてない」
「ん?小夜?どしたの?何か悩み事?」
「美奈?いやさ。Blaze FutureとDivalとGlitter Melodyのライブ見てさ?私達の敵じゃないって思ったんだけどね」
「あ、うん。アタシもそれは思ったよ?それが?」
「…うん。でも奈緒って子の歌は危険だと思ってね。私達には脅威になりかねない」
「小夜!」
「わっ!?びっくり。
どしたん美来。いきなり大きな声を出して…」
「奈緒ちゃんはBlaze Futureの正式なボーカルじゃない。それにあの歌声でもあたしの敵じゃない。それとも小夜はあたしの歌声が奈緒ちゃんに負けてると思う?」
「あ、いや、そう言われると美来の敵じゃないし、何の脅威もないけどさ?」
「それに奈緒ちゃんがBlaze Futureのボーカルをやるなら余計に問題なくなる。タカくんが歌わなくなるんだから」
「あ、そっか。確かにそれなら奈緒って子が正式にBlaze Futureのボーカルになってくれた方がいいのか…」
「そういう事。だから何の問題もない。Blaze FutureもDivalもGlitter Melodyも、あたし達Malignant Dollが倒す。それには何の影響もない事」
「美来よぉ。でも一応九頭竜さんに報告してい…」
「沙耶?何も問題ないと言っている。九頭竜に報告なんか必要ない(ギロッ」
「わわわわ、わかったよ。報告なんかしないって。約束する!うん、絶対」
「美来って本当に怖いよねぇ。元ヤンお母さんの影響かな?」
「あ、美来のお母さんって元ヤンだったの?アタシも気を付けよ~っと」
「今日があたし達とタカくん達との戦いの…『ハジマリ』だ」
「まさかまだ元気に生きていてくれたとはね。
美来…か。今はそう名乗ってるんだね…。39番…」