バンやろ外伝 -another gig-   作:高瀬あきと

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第18話 二周年記念

「お?どうやら今回は俺の出番らしいな!

二周年記念日って大事な日に、俺のモノローグとか主人公はやっぱり俺って感じだよな!」

 

「渉は何を言ってるの?二周年って何の事?」

 

「拓実。これは渉のいつものメタ発言だ。あまり関わらない方がいい。そして渉、少し自重しろ」

 

「うん。亮くんの言う通りだよ。それに去年の一周年記念は渚さんだったし、まだボク達Ailes Flammeの台詞があるだけで、渉くんのモノローグは語られてないよね」

 

「え?あ、ほんとだ。シフォンの言う通りだ。

まだ俺も台詞言ってるだけで、モノローグに入ってねぇ」

 

などと、いきなりな感じで二周年記念が開始されるのであった。

 

 

良かったぁ。実は俺のモノローグじゃなかったりして?とか思ったけど、今回はしっかり俺のモノローグだったな。

 

俺の名前は江口 渉。

Ailes Flammeってバンドでボーカルをやっている。

 

本来なら今回も企画バンドの話になる予定だったんだけどな。せっかくの二周年記念日だから特別編をお送りする予定だ!

 

ってかあれだよな。

俺達Ailes Flamme、Blaze Future、Canoro Felice、Dival編からの特別編(南国DEギグ編)を経ての一周年だったのに、一周年から二周年までの一年って全然話が進んでないよな!

 

そもそも伏線回収やら矛盾点を払拭する為に企画バンド編とかやり出すもんだから、ネタに行き詰まってなかなか更新が……

 

「渉くん!ストップ!!」

 

「わ!?ビックリした!

どうしたんだシフォン?」

 

「さっき亮くんも言ってたけど、そういうメタ的な発言は止めといた方がいいよ?それよりほら!せっかくの二周年記念なんだから、なんかそれっぽいお話をしようよ!」

 

「お?おう!そうだな!せっかくの二周年記念だし、俺のモノローグ回だしな!」

 

「くっ…あんま渉の話に関わらない方がいいと思っていたが、このままこいつに任せてたんじゃカオスになっちまうか…」

 

「あ~…確かに亮の言う通りだね。このまま何もせず平和に終わってくれたら良かったんだけど…僕らでサポートするしかないか…」

 

へへへ、せっかくの二周年記念だもんなぁ~。

何の話にするかなぁ~。

 

「ってかそもそもさ?確かにこの物語が始まって二周年に突入した訳だけど、思いっきり中途半端な展開だよね。渉みたいなメタ的な発言はあんまりしたくないんだけど、今は企画バンドの話のめちゃ途中でしょ?」

 

「ああ、拓実の言う通りだな。オレも渉みたいなメタ発言はあんまりしたくないんだが、澄香さんの企画バンドの話、拓斗さん達の企画バンドの話、そして貴さんの企画バンドの話があって、その次が二周年だもんな」

 

「ボクも渉くんみたいなメタ的な発言はしたくないんだけど、次のお話も一応執筆中みたいだよ?そっちを先に仕上げちゃえば良かったのにね?」

 

「なぁ?さっきから亮も拓実もシフォンも何を言ってるんだ?企画バンドって何の事だ?とりあえず今は二周年記念の話をしようぜ!」

 

「こ…こいつ…今更…」

 

「亮、諦めよう?」

 

「そうだね。このまま大人しく二周年のお話しちゃおうよ。きっとそれが一番平和だよ」

 

「そ、そうだな。

おい渉。それでこの二周年記念ってのはどんな話をするつもりなんだ?」

 

「ああ!それな!」

 

「それなって…渉?ちゃんと考えてる?」

 

そっか。ただこのままダベって終わるとかないよな。

何か斬新かつこれぞバンドだぜ!って感じにしたいよな。

 

「じゃあこんなのどうだ!?

俺達ファントムのバンドメンバーのプロフィールを発表するとか!」

 

「おい、それは去年渚さんがやったやつじゃないか?」

 

「そうだよ。去年と被っちゃってるじゃん…」

 

「全然斬新じゃないよね」

 

くっ…確かに去年ねーちゃん達がそんなのやってたけど、1年前からはメンバーも増え…

 

「増えてないよ?」

 

ああ、そういや増えてないな。

それにしてもやっぱり俺のモノローグは筒抜けなんだな。

 

「なぁ、ならこんなのどうだ?シフォンの日常を赤裸々に発表しちゃうとか」

 

「ごめん亮。それが冗談じゃなかったら、僕はかなりドン引きしちゃうよ」

 

「ははは、なら俺の日常を赤裸々に発表しちゃうか!」

 

「それは需要ねぇんじゃねぇか?」

 

何だと!?シフォンなら良くて俺はダメだってのか!?

 

「う~ん…」

 

「どうしたシフォン?赤裸々に発表してくれる気になったか?」

 

「いや、そういえばみんながどのタイミングで、どうやってボクの正体が遊太だって気付いたのか!?とか、気になる事はあるんだけどね?evokeにゲスト出演させてもらうちょっと前とか聞いてないしさ」

 

「うん。シフォンが井上くんだって気付いたのはその時期くらいだよ」

 

「うん。でもまぁ、それはまた個人的に聞いたのでいいかな?って思うんだよね。こんな時にするような話でもなさそうだし?」

 

ん?そうなのか?

まぁ、俺もシフォンが井上だって気付いたのは、そんくらいの時だって事しか覚えてないんだけどな。

 

「それで?ならシフォンはどんな話がいいと思ってるんだ?あ、まさかオレとの将来的な話か?」

 

「将来?うん、まぁ将来的にもボクはAiles Flammeをやっていきたいと思ってるよ」

 

ああ、俺もこれからもずっとAiles Flammeをやっていきてぇ。

けど、亮の言う将来ってのはバンドの事じゃないんだろうな…。

 

「あ、それでね。ボク去年の一周年記念のやつを読み直してみたんだけどさ」

 

今回はみんなメタ発言してるよな。

 

「ボク達ファントムのバンドの情報はあんまり無かったなぁって思ったんだよね」

 

「「「バンドの情報?」」」

 

「うん。長いお話にはならないと思うけどさ?

Ailes Flammeは誰が作詞作曲してるかとか、Blaze Futureは誰が作詞作曲してるかとかね」

 

「ああ、そういう事か。

まぁ、大した話にはならないとは思うけど、企画バンドの話の合間の二周年記念って感じだしそんなもんでいいかもな」

 

「でしょ?あんまり凝った話をして二周年記念日に間に合わなかったら元も子もないしさ」

 

あ~…。

さっきまでは『今日が二周年記念日だよ!』って感じで話してたのに、とうとう間に合わなかったら大変みたいな事を言っちゃったか…。

 

「そうだね。シフォンの言う通り僕もそれでいいと思うよ。じゃあ早速だけどAiles Flammeからいこうか」

 

「ああ…そうだな…」

 

「おりょ?渉くんどうしたのかな?元気ない?」

 

「あれじゃねぇか?さっきまで二周年記念って気合い入れてたのに、そんな長い話になりそうにないから拗ねてんじゃねぇか?」

 

「各バンドの作詞作曲が誰かって話は割といいと思うけどね。この物語で出てくるのはタイトルだけだし、誰が作詞してるかとか、キャラの性格や雰囲気でどんな曲なのか想像もしやすくなるかも知れないし?」

 

え~…そんな事ってあるかなぁ?

まぁ、いいか…。俺も他にこんな話がいいとか思い付かねーしな。

 

「よし!シフォンの案でいこう。まずはAiles Flammeな!

Ailes Flamme。作曲は秦野 亮!作詞は今のところは俺、江口 渉とシフォンだけだけど、今後は秦野 亮、内山 拓実が作詞した曲も増えていく予定だ!」

 

こんな感じでいいかな?

ってか、Ailes Flammeの曲はまだ少ないから、この曲は誰の作詞で~とか全部言えるけど、evokeやFABULOUS PERFUMEは曲数が多いから無理だしな。

 

「うんうん!じゃんじゃんいっちゃお~!

次はたか兄達のBlaze Futureだね!」

 

「そうだな。

Blaze Future。作詞作曲はにーちゃんこと葉川 貴!

それとは別ににーちゃんがボーカルをやらない時用に、各メンバーのソロ曲があって、ソロ曲は各々のメンバーが作詞作曲をしている!」

 

「ソロ曲は各々のメンバーがって…なんか雑だな。

Ailes Flammeの時はフルネームだったのに…」

 

「別にいいだろ?これから言うCanoro Feliceは全部松岡パイセンの作詞作曲だろ?そしたら春さん達の名前は出ないし、Divalだって作詞作曲全部理奈ねーちゃんじゃねぇか」

 

「ああ…渉がCanoro FeliceとDivalの作詞者と作曲者を雑に…」

 

「渉くん!ちゃんと仕切り直して!」

 

え~…まぁ、確かにさっきのは雑過ぎだもんな…。

 

「よし、次はCanoro Feliceな!

Canoro Felice。作詞作曲は松岡パイセンこと松岡 冬馬。

あ、でもこれってこれくらいしか言う事無くねぇか?」

 

「もう!渉くんは!次はボクが発表するよ!

Dival。作詞作曲は氷川 理奈。

志保も作詞作曲は出来るみたいだけど、渚さんの声には理奈さんの曲の方が合うみたいだから、今のところは志保の曲はないみたい」

 

お?そうなのか?雨宮も作詞作曲やるって聞いてたけど、そういう理由があるから理奈ねーちゃんの曲ばっかりなのか。

 

「そしてevoke。作詞作曲は主に日高 響。

たまに作詞に豊永 奏、作曲に折原 結弦。

鳴海さんは基本ノータッチみたいだね」

 

へー、そうなのか。

まさか響さんが作詞作曲してたなんてなぁ。

てか、俺って今更知る事多すぎねぇ?

 

「Noble Fate。

作詞は大西 花音。作曲は木南 真希。

さ、次はFABULOUS PERFUMEだね。続きはそうだなぁ~…拓実くん!お願い!」

 

「え?ぼ、僕?僕より亮の方がいいんじゃ…」

 

「オレは楽出来そうだから拓実でいいと思うぞ?」

 

「え~…楽出来そうだからって…。

わかったよ。僕がやるよ。

FABULOUS PERFUME。

作詞は小暮 沙織と茅野 双葉。作曲は茅野 双葉。

FABULOUS PERFUMEは小暮さんと茅野先輩で詞を作って、それに茅野先輩が曲をあてるって感じみたいだね」

 

FABULOUS PERFUMEは作詞してから曲か。

俺達Ailes Flammeとは逆なんだな。

 

「Glitter Melody。

作詞作曲のほとんどは佐倉 美緒。

でも睦月ちゃんも作詞作曲する事もあるみたいだし、恵美ちゃんが作詞、藤川さんが作曲をやる事もあるみたいだよ」

 

Glitter Melodyはそんな感じなのか。

恵美が作詞をなぁ~。俺も負けてらんねぇな。

 

「そしてLazy Wind。

今は作詞作曲全部が宮野 拓斗。

でも拓斗さんが言ってたんだけど、これからは架純さんがボーカルをやる機会を増やしていきたいみたいで、その時は架純さんに作詞、観月さんに作曲をしてもらう機会も増やしたいみたいだよ」

 

「お?そうなのか?拓斗にーちゃんってボーカル辞めるのか?」

 

「ううん。ボーカルを辞めるって訳じゃないみたいだよ。架純さんにも歌ってもらうって感じみたい。それに架純さんが歌う曲の作詞作曲にしても、拓斗さんがメインでやっていくらしいし」

 

「ああ。なるほどな。

架純さんが歌う曲のうち何曲かは観月や架純さんにも、作詞と作曲をやってもらいたいって事か。てか、お前Lazy Windの情報に詳しいな」

 

「あ、あはは。たまに拓斗さんにベース教えてもらってるから」

 

「へぇ、お前拓斗さんとそんな仲良くなってたのか。

じゃ、最後はオレがいくか。えっと、SCARLETのバンドな」

 

ん?SCARLETのバンド…?

 

「………そういや渉、拓実、シフォン。

誰かSCARLETのバンドのバンド名知ってるか?」

 

………そういや聞いた事ねぇな。

 

「ふぇ?SCARLETのバンドってSCARLETってバンド名じゃないの?」

 

「え?そうなのかな?僕は知らないけど…」

 

「今度聞いておくか…。

とりあえずSCARLETのバンドな。あそこの作詞作曲は手塚 智史。

手塚さんって作詞は苦手みたいに言ってたけど、SCARLETのバンドの作詞はやってんだな」

 

おい!亮!それはメタ発言だぞ!

その話は俺達は知らないはずだからなっ!

 

「まぁこんなもんだな。あっさり終わってしまったな」

 

「そうだね。ここからどうやってオチをつけるのかわからないけど、やりきった感……もあんまりないね」

 

シフォン!これからオチをつけるみたいな感じになってハードル上がっちまったじゃねーか!

どうすんの!?ほんとこれからどうすんの!?

 

そうしてこの二周年記念の幕は閉じるのであった。

 

え!?閉じちゃうの!?


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