「ごめんだけどさ。みんなちょっとここで待ってって」
あたしの名前は大西 花音。
Noble Fateというバンドでボーカルをやらせてもらってます。
今、あたしが居るのはSCARLETの社長室前。
さっきFABULOUS PERFUMEのギタリストのチヒロさん。
ここでは明智 弘美。明智さんと呼ばせてもらいましょうか。
彼女があたし達にここで待ってるよう言ってから15分程が過ぎている。
「ね、ねぇ?私達は何でここに呼ばれたんだろ?架純は何か知ってる?」
「さぁ?麻衣ちゃんと沙智ちゃんが楽しみにしてろって言ってるけど…ケホッ…正直わかんないかな…ケホッ」
「わわわ!?架純…大丈夫…?」
「あはは、大丈夫だよ。ありがとね、結衣」
…御堂さん、ちょっと咳きが出てるみたいだけど大丈夫かな?
今、この社長室の前ではあたし大西 花音と、
Canoro Feliceのギタリスト夏野 結衣さん、
Lazy Windのギタリスト御堂 架純さん、
Lazy Windのドラムス三浦 聡美さん、
Glitter Melodyのキーボード藤川 麻衣さん、
Ailes Flammeのチューナー河野 沙智さんの6人がいる。
本来ならさっき社長室に入っていった明智さんを含めた7人で日奈子さんプロデュースのアイドルグループをやるという事になっている。その話のはずなんだけど…。
「う~…ん、ここに姫咲さんがいないという事は何かトラブルがあった…?」
「ん?さっちちゃんやっけ?あんたはここに私らが呼ばれた理由知っとるん?」
沙智ちゃんの呟きに三浦さんがつっこんでいた。
そっか。沙智ちゃんと明智さんと社長でアイドルグループを作ろうって話をしてたんでしたっけ?
そりゃ沙智ちゃんは知ってるよね。
ハァ~、この話ってどうなんだろ?
あたし達はいつになったら社長室に入ったらいいんだろ?
「あれ?皆さんこんな所でどうされたんです?」
あたし達に声を掛けて来た人物に目をやる。
社長室の前に居るあたし達に声を掛けてきたのは、水瀬 来夢ちゃん。
Divalのボーカル水瀬 渚の妹であり、Divalのチューナーでもあり、ここSCARLETの事務員をしている女の子だ。
「んと、私達はここで待ってろって言われてさ?
ライライはどうしたの?」
ライライ…?
結衣さんが来夢ちゃんに応えた。……けど、ライライかぁ。あたしはかのかのだったし結衣さんのネーミングのチョイスって。
「私は達也さんのご案内も終わりまして。
そろそろ帰ってもいいかな?って社長に報告を…」
え?達也さんもう帰ってきたの?
関西まで修学旅行の下見に行ってたはずなのに…。
達也さん…大変なんですね…。
「……???
まぁ、とりあえず皆さんがここで何をされてるのかわかりませんが…社長に報告したいので部屋に入らせてもらいますね」
そう言って来夢ちゃんは社長室にノックをした。
え?これって大丈夫なのかな?
「あれ?返事がない?」
来夢ちゃんが社長室にノックをしたけど、何も反応が無かった。
おかしいな…。あたし達は社長室に明智さんが入って行くのを見た訳だし、明智さんが社長室に入る前にノックした時は社長の応答があったんだけど…。
「え?何で?早く帰りたいのに…」
来夢ちゃんは再度、社長室にノックをした。
「社長!水瀬ですけど!早く帰りたいんで報告だけさせて下さい!」
来夢ちゃんがノックを続けながら社長室に向かって声を掛けた。
そして少ししてから…
『うるさいっ!聞こえている!!
豚は尻尾を巻いてさっさと帰れ!!狼のみ入室を許可する!我こそは狼だと自負する者だけ入って来い!!』
社長室から怒号が聞こえた…。
何これ?怖いんですけど…。
「は…?豚…?狼…?この声日奈子ねーちゃんの声とちゃうけど…」
来夢ちゃんと社長室のドアの前で固まっちゃってる。
「ねぇ?入っていいみたいだし入ってみる?」
夏野さん!?
「そうだね。ケホッ、いつまでもここに居てもしょうがないし」
御堂さん!?
そして夏野さんと御堂さんは社長室のドアを開けて入って行った。
何なの?この2人は勇者かなんかなの?
夏野さん達が社長室に入って行ってしまったので、ドアの前で固まっていた来夢ちゃんと藤川さんと沙智ちゃん、 三浦さんも連られて入って行った。
正直嫌な予感しかしない。
でもこのままここに居る訳にもいかないし、もっと良くない事が起きそうな気がする。
…ここであたしだけ入らずに待っているのもなんだし。しょうがない、あたしも入りますか。
そしてあたしは社長室に入り、そこに広がる光景を見てあたし達はまた固まってしまった。
社長室の中には確かに明智さんと社長が居た。
だけど明智さんは何故か軍服のような衣装を着て鞭を持っている。そして社長は何故かロープで縛られ天井から逆さに吊り下げられている。
ほんっっっと何なのこれ?
嫌だなぁ…帰りたいなぁ…。
「よくぞ入って来た勇敢なる戦士達よ!!
私はキサマ達を歓迎する!だが!ここに入って来た以上キサマらは戦士だ!その口からイエス以外の臭い息は漏らすな!そしてイエスの前と後にはサーを付けろ!」
何を言っているんだろうこの人は…。
「「サー!イエスッサー!!」」
え?何で御堂さんと夏野さんは当たり前のように返事してるの?
「よし!まずは藤川 麻衣!キサマに質問をする!」
「え?え?私…ですか…?」
「
-バシッ!
「痛いっ!」
いきなりな質問を振られて戸惑う藤川さんを明智さんが殴り付けた…。え?何で?
てか、今明智さんは
「キサマ!その口からイエス以外の臭い息は漏らすなと言ったはずだ!」
いやいやいや、藤川さんに質問したの明智さんですから…。
「サ、サー!イエス、サー!」
藤川さん…もう殴られたくないんだね…。
「まぁいいだろう!藤川 麻衣!
この世には3種類の人間しかいない!それが何かわかるか!?」
「え?さ、3種類…ですか…?
えっと…男と…女…?あ、それだと2種類か…」
「
-バシッ!
「また痛いっ!」
あ、あははは…藤川さんには悪いけど、目を付けられたのがあたしじゃなくて良かった…。
「この愚か者めっ!
いいか!?この世に居る3種類の人間とはそんな小さな括りではないっ!」
いやいや、本当に明智さんどうしたの?
「この世に居る3種類の人間!
それはな!豚と狼と……
………アイドルだ!」
ほんっっっと何言ってんの!?
「いいか!私は豚は育てない!!
そして狼も育てる事はない!私が育てるのはアイドルだけだ!キサマらは
ほんっっっと何言ってんの!?
あたし、何言ってんの!?しか言ってなくない!?
しかも今、捕食者にアイドルってルビ打ってなかった!?
「「「サー!イエスッサー!!」」」
藤川さんはもう殴られたくないからしょうがないとして、御堂さんと夏野さんさんは何で順応してんの?
三浦さんと沙智ちゃんと来夢ちゃんは戸惑ってるだけみたいだから、あたしが変って訳じゃないだろうし。
「と、とりあえずさ?社長は何で吊るされとるん?
このままやと話とか出来へんのとちゃうの?」
「そ、そうですよね…私も早く帰りたいですし…」
そう言って三浦さんと来夢ちゃんは社長に近付いて行った。ああ…嫌な予感がする。
「
-ピシッ!
「「痛いっ!」」
ほらね…やっぱり…。
明智さんは持っていた鞭で三浦さんと来夢ちゃんを叩いた。
「な!何すんねんな!?痛いやんか!」
「ちょっと…マジで痛いんやけど?訴えますよ?」
鞭で叩かれた三浦さんと来夢ちゃんは明智さんに向かって行った。そりゃそうだよね。訳がわかんないもん。
「聡美。上官に逆らうなんてもってのほかだよ?」
「いや、架純。あんた何を言っとるん?上官って何?
てか、あんたはクリムゾンの上司に文句言おうとして復讐を誓ったんちゃうかったっけ?」
「ほら、ライライ。今の内にひろみんに謝った方がいいよ?」
「夏野さん?何言っとるんですか?」
御堂さんと夏野さんはもうダメなのかな?
ってかダメな人なのかな?
「三浦 聡美!水瀬 来夢!
キサマらは何故、月野 日奈子が吊るされているかわからないと言うのか!!」
「ほら、聡美。ちゃんと謝りなさい」
「もううちは架純がわからへんねやけど?
いや、明智さんはもっとわからへんねやけどね?」
「ライライも早く謝った方がいいよ?このままじゃ懲罰房…ううん、ヘタしたら独房行きになっちゃうよ?」
「は?独房?」
これってバンドの話ですよね~?
あんまり目立つのも嫌だし空気と化してるのはいいけど、さっさと企画バンドの話して帰りたいなぁ…。
「上官殿!発言よろしいでしょうか!?」
は?
さっきまで静かだった沙智ちゃんはいきなり何を言うの?この事態を収拾してくれる発言なら大歓迎なんですけどね。
「む!?河野 沙智か!いいだろう!発言を許可する!」
「ハッ!ありがとうございます!」
そう言って沙智ちゃんはあたし達の方を見て話し始めた。
・
・
・
沙智ちゃんがあたし達にした話は企画バンドの事。
そして本来ならここに居ない秋月 姫咲さんを含めた7人でアイドルをやるはずだった事。
「フフ、やっぱりだね。結衣」
「うん!この感じ懐かしいよね。BlueTearの時を思い出すもんね」
……Blue Tearの時こんな感じだったんですか?
アイドルとは?
「じょ、上官殿~!先程は申し訳ありませんでした!
うち…そうとは知らず…上官に対して失礼な事を…!」
ん?え?は?三浦さん?
「三浦 聡美。わかってくれたか…。
私の方こそすまなかった。しかし!これもキサマらを真のアイドルとする為…許せとは言わん。むしろ私を憎め!その憎しみを糧にアイドルの道を歩むのだ!」
「上官殿…!!」
んー?あれー?
三浦さんってまともな人だと思ってたんだけど、あたしの勘違いだったのかなぁ~?
てか明智さんも憎しみを糧にとかじゃないですよ?
Lazy Windのメンバーは今まで憎しみで音楽やってて、今からやっと憎しみを捨てて楽しい音楽をやっていこうって所だったんですからね?
「あの、すみません。いいですか?」
お、今度は来夢ちゃんが発言するのかな?
来夢ちゃんはまともだといいな~…。
「先程の河野さんのお話ですと、社長と明智さんとでファントム所属のバンドのメンバーで企画バンドという名目でアイドルをプロデュースする。
そしてここに居るメンバーがアイドルに選ばれて、これからその企画バンドの話をする。
と、いう事で間違いありませんよね?」
「うむ!その通りだ!」
「で、本来はここに秋月さんも含めた7人でアイドルをやるはずだったけど、秋月さんはあず姉ちゃんの企画バンドに取られちゃったから6人しかメンバーは居ない。
社長は7人目のメンバーとして明智さんを入れるつもりだったけど、明智さんとしてはアイドルよりプロデュース業がしたいから社長の案は却下。
だから秋月さんを獲得出来なかった社長は今この部屋で吊るされている。
と、いう事で間違いありませんよね?」
「その通りだ!秋月を木原 梓に取られたというだけでも懲罰物だが、この私をプロデューサーではなくメンバーにするというのは言語道断!!
その責を償わせているところである!!」
「そうなんだよ~。あたしも頑張ったのに弘美ちゃんったらさ~…」
あ、社長。喋れたんだ?
「あ、日奈子ねーちゃ………社長。喋れたんですね。ずっと黙ってるもんだからどうしたものかと考えてたんですけど」
「喋れるよ!喋れる!もうずっと逆さにされてるからさ?頭に血がのぼっちゃってパーンってなりそうなのパーンって。だから出来るだけ大人しくしてたんだよ」
「あ、明智さん、それでお話の続きなんですが」
「来夢ちゃん!?助けてくれるんじゃないの!?」
「ファントムのバンドメンバーではなく、私はSCARLETの事務員ですので、今回の企画バンドのお話には関係がありません。仕事も終わったので帰っていいですか?」
え?何?来夢ちゃん帰っちゃうの?
言ってる事は普通の事だから安心したけど社長は助けてあげないの?
「なるほどな。確かにキサマの言う通りだな。
いいだろう。水瀬 来夢!キサマの帰宅を許可する!」
あ、明智さんが許可するんだ?
「ありがとうございます。
では社長。お疲れ様でした。また明日です。
社長に明日があればですが」
そう言って退室しようとする来夢ちゃん。
いいなぁ~あたしも帰りたい…。
「待って!来夢ちゃん!帰っちゃダメだよ!これ社長命令だからっ!」
「……は?」
「ねぇねぇ、弘美ちゃん」
「何だ?キサマに発言権は無い」
「『
来夢ちゃんにしようよ!来夢ちゃんは高校生の時ダンス部だったから、ダンスは得意なハズだよ!」
「何だと!?水瀬 来夢はダンス経験者だというのか!?」
へ~。歌は得意じゃないって言ってたけどダンスは出来るのか…。てか、あたし達のユニット名ってVivid Fairyっていうんだ…?
「日奈子ねーちゃんは何を言っとるん?そんなん嫌に決まってるやん」
「弘美ちゃん、もしあたしが来夢ちゃんを説得出来てメンバーに入ってもらえたら、あたしの事許してくれる?」
「ふむ…ダンスが得意なら願ってもないな。
いいだろう!これまでの事は不問にしてやる!」
「わぁ♪やったー!
って訳で来夢ちゃんよろしくね。もうあたしもそろそろ限界なの。頭痛いの」
「いや、さっき嫌だと言いましたが?
お断りします。お疲れ様でした」
「待って来夢ちゃん!
お給料!お給料上げてあげるからっ!」
うっわ~…いきなり金で釣りましたよ…。
「いえ、結構です。今のお給料で満足してますので」
そして交渉不成立…。
「ええええ……。じゃあ、じゃあね!うんと…え~っと…」
「キサマ!説得出来とらんじゃないかっ!」
「ちょ、ちょっと待って!えっと~えっと~…」
「ふぅ…私はアイドルなんかやりません。
もういいですか?本当に帰らせて下さい」
「あ!あれだっ!
来夢ちゃん!前の職場に居た時に番組のコーナー企画やりたいって言ってたんでしょ!?」
「え?まぁ…そうですね」
「来夢ちゃん旅行とか好きじゃん?
だから旅番組の企画とかやりたいって言ってたんでしょ?」
「そ、そうやけど…何でそんな事知っとるん?
結局、前の事務所では予算の都合と出演してくれるミュージシャンが居なくて、企画会議にすら出してもらえんかったんやけど…」
「あたし達プロデュースアイドルは番組の企画コーナーで旅行物にするつもりなんだよ!
出演者はこのVivid Fairyだから問題無し!
予算もうちの経費を使い放題!
来夢ちゃんがアイドルやってくれるなら、その企画コーナーの全権を来夢ちゃんに任せるよ!
あ、もちろん企画会議とかはちゃんとしてもらうけど」
「な…なんやて!?」
「どうかな?やりたくないかな?旅行番組!」
…何となくでやり取りを聞いてたけど。
企画コーナー?番組?何それ?
もしかしてあたしらで番組作ったりしちゃうの?
無理無理無理無理無理!!
「わかりました。アイドルのお話お受けします。
……日奈子ねーちゃん、さっきの話、約束やで?」
「やった!やったよ!
うんうん!約束する!って訳で弘美ちゃん!」
「よし!でかしたぞ!今ロープをほどいてやろう」
・
・
・
そうして社長は解放され、来夢ちゃんもアイドルをやる事になった。主にダンサーとして。
その後、社長と明智さんから詳しく企画バンドの話があった。
ユニット名はVivid Fairy。
もちろんみんな歌ってダンスもする訳だけど、
御堂さんをセンターに、夏野さんとあたしはメインで歌を。
藤川さんと三浦さんと沙智ちゃんと来夢ちゃんはダンスメインで。
曲に寄ってはパートも変わったりもするだろうとの事だったけど、基本はこんな感じらしい。
そして企画番組のコーナーでは、これももちろん全員がローテーションで出演する事にはなるのだが、メインパーソナリティーは御堂さん、夏野さん、藤川さんでやる事に決まった。
そんな風に色々と決まって、やっと帰れると思ったのだけど、最後に明智さんから各々にアイドルとしてのコンセプトを決められた。
「御堂 架純!キサマのイメージカラーは赤!リーダーの赤だ!そしてキサマは清純派アイドルだ!」
「せ、清純派…ですか…?え?もしかして恋愛禁止とか…?ケホッ清純派って何…?」
あ~…アイドルだから恋愛禁止的な?
「夏野 結衣!キサマのイメージカラーはゆるふわピンクだ!そして天然ポケポケアイドルを極めろ!」
「天然ポケポケ?天然ボケって事かな?
うん!難しそうだけど頑張ってみるよ!」
「いや、頑張る必要は無い。素のままでいい」
「え?」
あら?夏野さんは天然ボケ?
言っちゃ悪いけど確かに適役かも…。
「河野 沙智!キサマのイメージカラーはブルーだ!
キサマはヲタクアイドルとして漫画やアニメが好きなアイドルとして腐れ!」
「サー、イエッサー!」
待って?明智さん今腐れって言わなかった?腐っちゃうの?
「三浦 聡美!キサマのイメージカラーはイエローだ!
だからと言ってカレーを持つ必要は無い!キサマは関西弁アイドルだ!とりあえず関西弁を喋れ!」
「は?カレー?ってか関西弁アイドルって何!?いや、そりゃいきなり標準語とか言われた方が難しそうやけど…」
ああ、三浦さんはイエローがカレーってイメージがない世代かぁ。いやいや、あたしも世代で言ったら違いますけどね。てか、関西弁アイドルって…あたしは何を言われるんだろう…?
「藤川 麻衣!キサマのイメージカラーはライムグリーンだ!SNS担当を任命する!映えの写真をキャピキャピUPしまくるビッ◯になれ!」
「あ、あの…SNS担当ってのは嬉しいんですけど…ビ◯チって…?」
いや明智さん…アイドルですよね?しかも未成年に何を言ってんですか…?
「大西 花音!キサマのイメージカラーは…」
あ、あたしの番か。
あたしは何色なんだろう?まともなアイドルだといいなぁ…。
「ラベンダーだ!キサマはツッコミだ!
最後は水瀬 来夢だな。どうしたものか…」
ん?え?ツッコミ?
「あ、あの…」
「む!?大西 花音!キサマの発言とは珍しいなっ!何事か!?」
ん?あれ?あ、もしかしてこの話始まってからあたしの台詞ってこれが初めて?
……モノローグで語ってたからあんまり初発言って実感無いですけど。
「い、いえ、ツッコミって何ですか?と思いまして…」
「ツッコミを知らんというのか!?いいだろう!
ツッコミとは漫才などでボケに対して指摘や合いの手を挟む事を言う! またはその役割やその行為の内容に対しての事だ!
どうしよう?これコピペだけど偉い人に怒られたりしないよね?あたし大丈夫だよね?」
いやいやいや、ほんとそのコピペ大丈夫ですかね?
てか、あたしが聞きたいのはそういう事ではなくてですね…。
「いえ、あたしツッコミとかした事無いんですけど?
基本空気のぼっち民ですんで、そういうのは正直難易度高いです」
「ん…?ああ、それ大丈夫だから。
次で最後だな!水瀬 来夢!本来なら秋月にブラックカラーの毒舌アイドルを担って欲しかったのだがっ!」
いやいやいや、ほんとに待って下さい。
それ大丈夫って何ですか?
あたしにツッコミなんか出来る訳ないじゃないですか…。
「キサマはあれな?学生の時にダンスやってたなら運動神経はいいだろ?とりあえず体育会系アイドルって事で」
めちゃくちゃ適当!?
「は?まぁ…運動は得意な方ですけど…適当過ぎません?」
この後もみんなでギャーギャー騒いだり何だり、藤川さんは何故か明智さんに殴られたりもしてたんだけど、その時間も少ししてから終わりを告げた。
他の企画バンドの話も終わったからか、タカさんや英治さん、トシキさんと拓斗さんのBREEZEのメンバーと、木原さんや神原さん、瀨羽さんといったArtemisのメンバーが社長室に入って来たからだ。
「あ、あれ?弘美ちゃんは何でそんな格好を?」
「「ぶはっ!ぶはははは!弘美お前何て格好してんだ!ぶはははは!!」」
「ど……どちくしょーー!!!!」
明智さんは叫びながら社長室から逃げて、あたし達は解放された。
Vivid Fairy。
あたし達のアイドルユニットはこれからどんな感じに歌っていくのかな?
…ははは、あたしがツッコミかぁ。
そんな事を思いながらあたしの話は幕を閉じるのである。