ソードアート・オンライン〜真実を知る者〜   作:夜明けを齎す竜

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サブタイに悩みまくった回。
どこまでやったらいいのか分からなかったのはこの回が一番決まらなかったっす


15話 簒奪者、妖精の国に降り立つ

ログインをすると俺は暗い部屋にいた。部屋の中央には大きなデバイスが鎮座している

 

『アルヴヘイム・オンラインへようこそ!初めてプレイされる方は種族を選択してください!』

 

いきなりアナウンスなのな。もうちっと工夫はないのかよ。伸之め、せめてゲームとしての出来を求めた方がいいぞ?ま、その座から引きずり下ろすために俺はここに来たんだ。このくらいの修正はその後にでもやってやるよ…‼︎

 

「それで…どんな種族があるのかな?」

 

デバイスにカラフルな妖精たちが表示される

 

風妖精族 シルフ

特徴:飛行速度と聴力に長け、風属性魔法が得意

火妖精族 サラマンダー

特徴:武器の扱いと攻撃に長け、主に火属性魔法が得意

影妖精族 スプリガン

特徴:トレジャーハントと幻惑に長け、幻影魔法が得意

猫妖精族 ケットシー

特徴:俊敏性に長けて、モンスターの<テイミング>に長けた種族。また、9種族で最も視力が良い

水妖精族 ウンディーネ

特徴:回復魔法と水中活動に長け、水属性魔法が得意。水に適した種族

工匠妖精族 レプラコーン

特徴:武器生産及び各種細工を生産することに特化した種族

闇妖精族 インプ

特徴:暗視・暗中飛行に長けた種族

音楽妖精族 プーカ

特徴:歌唱、楽器演奏に長けた種族

 

 

「へ〜!このゲームにもテイミングがあるのかぁ。どんなやつらがいるのかね?」

 

つっても俺は選ばないんだけど

 

「せっかく空を飛べるゲームなんだから、これを選びたいね……」

 

全体的に緑を基調した色合いの『シルフ』のパネルをタッチする。飛行速度上昇はロマンがあって好きだし、聴力の強化は今の俺にとって良いものかもしれん

 

ポチッ

 

「これで決定っと。遠距離攻撃が少なかったかったSAOじゃ、魔法は夢物語だったからな。覚えてみたいものだ」

 

『それではアバターを生成し、種族ごとの領地に転移します。アルヴヘイム・オンラインをお楽しみくださいませ』

 

転移が始まった。しかし、アルヴヘイムねぇ……。北欧神話における9つの世界の一つ。光の妖精たる『エルフ』が住むとされ、ヴァン神族のフレイがその妖精たちの王とされる世界樹ユグドラシルの第一層にある世界。

 

エルフが住んでるって設定なのに種族の選択肢には入ってなかった……NPCとかがそうなのか?それとも別に存在するとか……?

 

そこまで考えてると、目の前が真っ白に光った

 

ーーー

 

〜シルフの領地『スイルベーン』〜

 

転移した先は自然と文明が両立した街、『スイルベーン』。行き交う人々は緑ばかりを着ている。ちょっと目が痛い……

 

「ん!ちょっとそこのお兄さん?君は新人くんかな?」

 

お兄さん?俺か?

目の前を横切った少女が後ろ歩きで俺を見る。少々小柄で大きな剣、両手剣だろうか?それを装備している。不釣り合いな武器を扱っているのがこの子のステータスがSTRに多く振っていると伝えてくれる

 

「俺のことですか?…はい。今ログインしたばかりの新人です。」

 

「そうか、そうか!いや〜、中々のイケメンくんじゃないか!痩せ型だけど大きいね、2mくらいあるんじゃない?」

 

グハッ!おじさんにそれはキツいぞ…。いくら褒め言葉でも刺さるものは刺さる。しかも、現実じゃもっと小さいんです…

 

「ハ、ハハハ……」

 

「それで新人くん?ここで何をしてたのかな?」

 

「初めてログインしたので、このゲームはどうやったらいいのか教えてくれそうな人を探していたんです。」

 

「お!それから私が教えてしんぜよう。少し暇してたところなんだよね」

 

「あ、ありがとうございます。俺は『ルーキス』。貴方は?」

 

「私は『フカ次郎』。よろしく」

 

互いにの手を握る。あれだな。俺は教えてもらうことに定評があるのか?スゲェ許可してくれるんだが……

 

フカ次郎が『この先にいい訓練場所と武器屋があるんだ。とりあえずは戦闘を教えてあげよう!』と俺を案内した。道中でその名前の由来を聞くと、飼っていた犬からとったと説明された。つい先日にその犬が亡くなったそうだ……あまり聞かないほうがよかったかな

 

武器屋で少々の調達をした。アイテム欄を見ずにそのまま買ったので、初期アイテムとかは分からなかった

 

「本当に『そいつら』でよかったのかい?このゲームはPK推奨なんだぜ?男なら大きい武器で戦いたいだろうに」

 

「いや、俺はこれでいいんです。この方が慣れてる」

 

握るのは名前も知らない短剣。どうせ使い捨てるレベルじゃないとしっくりこないし……

 

「まずこのゲームはレベル制ではなくてスキル制なんだ。経験値じゃなくてスキルの熟練度が重要になってくる。多少のステータスは上がるけどそれほど気になることはないよ」

 

なるほど。初心者にも楽しくってスタイルか。そこはいい点だな、伸之

 

「わかりました。それじゃあ、行きます!」

 

多分、この子は大学生くらいかな。言葉使いとか仕草が学生たちのそれと似ている。

 

「ハァァ!」

 

「ッと!中々に速いね、君。他にゲームの経験が?」

 

「ええ、まぁ。それなりには!」

 

脇腹。内股。肩甲骨。切りつけて、離脱の繰り返し。ふん、予想より強くないな。いや、一撃一撃は当たったらお終いな威力ではある。ただ、俺が速いだけか

 

「そりゃ」

 

「ガハッ‼︎」

 

大剣を振り終わりを狙い、腕を掴んで投げる。CQCだかCQBだか知らんが、SAOで再現できなかった体術もこの世界では可能らしい。先程からの立ち回りで何となくわかった。直勘だけど…

 

チャキ…

 

短剣を喉に突き立てる

 

「これでいいですよね?」

 

「つ、強すぎ……ハハハ……」

 

フカ次郎の体を起こして暫しの休憩

 

「強いね、ルーキスくんは」

 

「ただの経験ですよ。才能だけなら俺より上なんていくらでもいます」

 

「『経験』ね……」

 

余計なこと言っちまったかな

 

「うし!息も整ったところで飛行訓練でもしますか!」

 

「はい、先生!」

 

「先生じゃなくて、フカ次郎でいいよ」

 

「了解!フカ次郎」

 

それからは目玉の『飛行』を教えてもらった。左手で空中を握るとコントローラーが感じられ、それで飛ぶことが出来る。だが、これのデメリットとしてウィンドを開く際に左手が使えないために空中における戦闘で不利になるとの説明を受ける

 

「ここで必要になるのが『随意飛行』って言う方法なんだよね」

 

「随意飛行……?」

 

「背中の羽は肩甲骨の辺りからはえてるでしょ?そこに仮想の骨と筋肉を想像してそれを動かすと……ホラ!」

 

フカ次郎の体が宙に浮かぶ。なるほど、さすが妖精ってことか

 

「肩甲骨……ソイっと」

 

ブワァッ

 

「おお!ルーキスくんは筋がいいね!最初の随意でそんなに飛べる人なんてそうそういないよ?」

 

ビュン、ビュン

 

「こういうことね。うん、思ってたより簡単だ」

 

実は『仕事』のときにスカイダイビングやムササビスーツでの強襲が何度かあった。長いことやってなかったけど身体が覚えてるもんなんだな

 

その他、魔法などの戦い方も教えてもらった。フカ次郎本人はあまり魔法が得意ではないらしい。どちらかと言えば剣技で圧倒する派だそうだ

 

「これで大体のことは教えてあげたけど、他に何かあるかい?」

 

「聞きたいことはもうないよ。だから、お礼をさせてくれ。フカ次郎の知ってる美味しいレストランとかに連れて行ってくれたら奢るよ」

 

「え!そう?それじゃ、お言葉に甘えて……」

 

連れて行ってもらったのは『スイルベーン』で一番評判良い店だ。おススメはアクアパッツァだそうで、それを注文する

 

「「いただきます」」

 

味がしねぇ……。いや、しないわけじゃない。途轍もなく薄く感じるだけだ。クソッ……脳のダメージがこれほど嫌なことはないな。

 

「どう?美味しいでしょ?他の料理系ゲームとなんら遜色のないこの味!なんでも運営はそっち系の企業のデータをそのまま再現してるらしいよ」

 

伸之がそんなことするのかよ……娯楽に力入れすぎだろ

 

「美味しい。素直に美味しい」

 

ここは嘘をつくしかあるまい

 

「だよね!よかった、よかった」

 

それから料金を払った。案の定、所持金がそこを尽きた。武器を一個少なくしてたらなんとかなっていたかも……

 

「それじゃ、お別れだね。ルーキスはこれから何をしたいの?」

 

「あ!そう言えば人探しをするつもりだったんだ」

 

「人探し?」

 

「スイルベーンにいる可能性は低いけど、世界樹の麓まで行けば必ず会えるはず……」

 

キリトのことだ。アイツならあの写真くらい手に入れてるはず。そんでこのゲームをやるとこまでは読める。ただ、どの種族なのか?いつ世界樹に向かうのかは分からないが

 

「ここから世界樹かぁ……遠いなぁ」

 

「急がないといけないんでここで」

 

「世界樹に行きたいんなら、『塔』から飛ぶといいよ。あそこ!」

 

フカ次郎の指差した方角には大きな緑色の塔がある。気になってはいたがそれほど重要視してはいなかったら。不覚である

 

「さっきも説明したけど飛行時間はだいたい10分が限界なんだよね。だから遠くに行きたいなら高度を稼いでとばなきゃならない。そのための建物なんだよ。他にも主要な施設も一階にあるし」

 

「何から何までありがとう。」

 

「いいってことよ!」

 

「いつかこの借りは精神的に。じゃあ!」

 

フカ次郎は俺が見えなくなるまで手を振っていた。いい人だ。また会えそうな気がするね

 

ーーー

 

フューー!!

 

「風が強いな」

 

塔の上に来た。管理者の人曰く、今はあまり使うプレイヤーがいないから俺のような物好きは珍しいのだそう。では、この辺りでいいかな

 

「翁、結果は」

 

『シャァ』

 

翁が青黒い炎のと共に現れる。この骸骨の顔じゃ目立つから控えさせていた

 

『結論から述べるとこの世界はかのSAOの型落ちコピーだ。』

 

「ほう。」

 

『主のそのアバターもSAOの時と同じであると言ってよい。ただ、【暗殺剣】や【鷹の目】といった特殊なスキル群及びプレイヤーメイドの武器はデータ破損などで使用不可能。廃棄した方が良いな』

 

「そうか………」

 

ムラマサやマサムネたちとの思い出があるが、背に腹はかえられんな

 

ポチッ

 

「ん?これは……!」

 

『主も気づいたか。左様、その【長刀】だけが主の手に残ったものである』

 

おいおい、泣けてくるね。あの『侍』はまだ俺に懸けてくれてるのか

 

チャキ……

 

「小次郎め、まだ俺はそこに至っておないと?」

 

『物干し竿』。かの巌流の剣士が持った長刀。あの男がその一生をかけて『燕』を切ろうとした技を使える剣。

 

「これで準備は整ったな」

 

『物干し竿』を背中に下げ、羽を伸ばす

 

『主よ。我が光よ。貴方は友と己の為に【簒奪者】になると言った。なれば我はその影として天命を降そう』

 

「ありがとう、翁。さぁ、行きますか!最初っからフルスロットルでなぁ!」

 

俺たちは世界樹に向けて旅立つ。まだこのゲームに来て浅いが、ゴールは見えた。答えはいたってシンプル。伸之をぶっ倒して、ムラマサを助ける。キリトを援護する。アスナを助ける

 

伸之。貴様の積み上げた全て、俺が貰い受ける!精々、首を洗ってまってろよ

 




最後は急ぎ足で締めちゃいましたw
アリシゼーションが待ち遠しい
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