ソードアート・オンライン〜真実を知る者〜 作:夜明けを齎す竜
ドゥンッッ
何もない空中に壁があるかのように衝撃が走る
「おい、キリト!」
「クソッ!何なんだよ!」
「それが高度制限ってやつだ!それ以上は上には行けねぇ!」
「キリトくん!無理だよ!それ以上は上に行けないんだよ!」
壁にぶつかろうとするキリトをリーファが必死に引いている
「ママ!私です、ママ〜!」
キラッ
『主!あれを!』
「なんだありゃ?」
上空から光る何かが落ちて来た
「これは?カード……リーファ、これなんだか分かる?」
「ううん……。そんなアイテム見たことないよ」
キリトがそのカードを受け止めてリーファに見せるが、ALOのアイテムではないらしい
「ユイちゃん、君なら分かるかい?」
「これ……これはシステム管理用のアクセスコードです!」
「んな!」
「じゃあ、これがあればGM権限が行使できるのか⁈」
「いいえ……。ゲーム内からシステムにアクセスするには対応するコンソールが必要です。私でもシステムメニューは呼び出せないんです…」
「そうか…………でもそんなものが理由も無く落ちてくる訳ないよな。これは多分……」
「…はい!これはママが私たちに気づいて落としたんだと思います!」
「翁、お前の感知範囲には反応が無いのか?」
『いいや、我にも感知はできぬ。ただ、その方角に何者かの存在はそのカードで確認された』
「………リーファ、教えてくれ。世界樹の中に通じてるっていうゲートはどこにある?」
「えっ!えっと…樹の根元にあるドームの中だけど…でも無理だよ!あそこはガーディアンに守られてて、今までどんな大軍でも突破できなかったんだよ!」
「それでも行かなきゃいけないんだ」
「『今まで』が無理だっただけだろ?『今なら』行けるかもしれねぇ。可能性がそこにあるなら挑むべきだ」
そっとリーファの手を握るキリト
「ここからは俺一人でいくよ」
「違うわ!俺も行くんだよ」
「……………!」
何か言いたげな顔のリーファ。これはあれだな、やっちまってるな
ビュンッ!
あ、キリトの奴!
ドンッ!
俺と翁はキリトを追って下に急ぐ
「翁!キリトはおそらくそのドームに向かうはずだ、それはどこにある?」
『前方の階段の上だ』
「飛ばすぞ!」
ーーー
「間に合ったか……ほぅ!これが最後の門ね」
十数メートルはあろうかという騎士が大きな扉の左右に立っている。
ザク、ザク、ザク
ゴゴゴ……
騎士の剣が門を守った
【未だ天の高みを知らぬ者よ。王の城へと至らんと欲するか?】
騎士の像が俺たちに語りかける。
ピコン
「これは最終確認か……」
グランド・クエストに挑むかどうかのウィンドが現れる
ポチ
「行くぞ、キリト、翁」
「ああ、絶対にクリアしてやる!」
『主が行く所、そこが我の戦場である』
ゴゴゴ………
【されば、そなたの背の双翼の天翔けるに足ることを示すがよい】
「行くぞ、ユイ。しっかり頭を引っ込めてろ」
「パパ、頑張って」
「翁、背中は任せた」
『請け負った。主が影として我が剣、存分に振るおう』
トン、トン、トン
ブォォォン
暗がりを歩き出すと、ドーム内に光が灯った。広いドームの壁にはいくつもの丸がある。上を見上げると遥か先にその上に続くであろう入り口が見える
「いっけぇぇぇぇぇ!」
「そのまま行け、キリト!翁と俺で援護する!」
頼むぜ『ヘラクレスの弓』お前が頼りだ
キラキラ
壁から剣を携えた騎士が出てくる
「そこを退けぇぇ!」
ドスッ
瞬殺するキリト
キラキラ、キラキラ、キラキラ
「おいおい、マジか…」
壁から瞬殺された騎士と同じ奴らが現れる
「こりゃあ、ヤッベぇなw」
『笑い事ではないぞ、主』
「いや何……これで本気になれるってもんよ」
これでいい!これこそが求めいた闘争!あの時と同じだ、ラフコフ討伐と!いや、あれ以上だぜ!
ゴーン、ゴーン、ゴーン、ゴーン
「晩鐘も鳴ったな……それじゃ、祝砲と行こうか!ーーーEk skýt noun verb níu draca ör níu draca ……
ーー射殺す百頭!」
『シャァ!』
ザク
チュドーーーン
開戦の火蓋は切って落とされた。さぁ、伸之。お前に会えるのもあと少しだぜ
ーーー
キラキラ、キラキラ、キラキラ
「また増援か⁈クソッ、数が多いなぁ!」
ドス、ドス
『いや、主!あれば違う!』
ドシュ
「弓兵部隊か!キリトぉ!」
「おおおお!」
さっきまでいた騎士たちは消え、辺りのエネミーは全てが弓兵になっていた
「翁ぁ!キリトを守れ!」
『しかし、主よ!』
「いいから行け!早く!」
ギギギ、ギギギ
弓兵たちの弓は引き絞られ今にも矢が放たれそうだ。弓じゃ間に合わん!『これ』で!
バシュ
バシュ、バシュ、バシュ
無数の矢が降りそそぐ。翁とキリトは矢の爆破で見えなくなった。これで死ぬタマじゃないと思うが……
サク、サク、サク、
キィン、キィン、キィン
「ハっ!テメぇらの矢ごときにやられる俺ではないぞ?この刀は受け流すことに長けている。この程度、『あの侍』には効くまい……」
ー『物干し竿』。無限の剣を身につけた男の愛刀
「落とし甲斐のありそうな首たちよな。貴様らの本気、このくらいだとは言わせぬぞ?」
ーーー
「ガハッ」
『主!キリトが!』
「ええい、クソッタレどもが!」
キリトが死にやがった。蘇生まで600秒の猶予があるが、その魔法を使えない俺たちにはどうすることもできん。この期間に対処しなければどこで復活できるのか?クソッ。どうにかならんのか!
ブン
「お前らの剣に当たるかよ!秘剣…『燕返し』」
ザン、ザン、ザン
後ろから剣を振りかざしてきた騎士の攻撃を避け、『燕返し』を叩き込む
『主!撤退を、撤退を進言する!このままでは……!』
「いくら一匹一匹が雑魚でも、この数はどうにもなんねぇ。だけどな!殿がいなきゃ逃げるものも逃げられるねぇ!あと一人…居れば……」
「キリトく〜〜〜ん!」
「リーファ‼︎」
リーファが来てくれた!
「リーファ!キリトを頼む!翁も一緒に行けぇ!」
「うん!」
翁はリーファにキリトの魂を渡し、門へと急ぐ
バシュ!
「危ねぇ!」
リーファへと矢が飛んでいった。あれじゃあ、避けられねぇ!
ザンッッ
『主が命に従い、この妖精には手を出させぬ!』
「さっすが〜〜」
ビュンッ
『主よ!早く!門が閉じるぞ!』
ゴゴゴ………
「そう言ってもなっ!」
ザンッ!
「まだ惹きつけられる!俺の速さならまだ大丈夫だ!」
『主……』
カッコつけてはみたものの、そろそろヤバい……!
「逃げるのは嫌なんだけど……これ以上はテメェらとはやり合えそうにないわ!」
ビュンッ
最高速度で突き抜ける。閉まるなよぉぉ!
ゴゴゴ…
「オリャァァァァァァ!」
ファ………
一瞬視界が白くなり、青い空が見えた
ゴゴゴ…バタン!
「ギリギリかよ……」
スッ
地上に降りるとリーファがキリトを蘇生させていた。どうやらアイテムを使用したようだ。魔法だったら覚えておきたかったけど………キリトと俺と翁だけじゃ無理だ。サクヤやアリシャたちの援軍が到着するまで待った方がいいのか?いや、この間にもムラマサは……
「ーーーーでも、もうあんな無茶はしないでくれ。俺は大丈夫だから。これ以上、迷惑をかけたくない」
「迷惑なんて!私……!」
「キリト!お前、その言葉はなんだ!」
ザク、ザク、ザク
キリトは再び門へと歩き出す
「おい、キリト!」
「待って!一人じゃ無理だよ!」
「でも行かなきゃ……」
バスッ
リーファがキリトに後ろから抱きつく。
「もう………もうやめて……。いつものキリトくんに戻ってよ…。私……キリトくんのこと……」
今それはダメだ!リーファ!
「リーファ……。あそこに行かないと何も終わらないし、何も始まらないんだ。合わなきゃいけないんだ、もう一度。……もう一度、『アスナ』に」
「えっ………。今、今なんて…」
「ああ……アスナ。俺の探してる人の名前だよ」
リーファ、君の恋心は叶わない。もうそいつには決めた相手がいるんだ。そいつはアスナの為ならば命だって捨てる奴だ。君の恋よりもアスナとの愛の方が強い
「でも………だって……」
リーファはキリトから手を離し、遠ざかる
ん?様子が変だ。好きな人にもう相手がいただけで、ああなるか?いや、俺は女ではないし、ムラマサなら分かるかもだけど……
「だって……その人は……………
『お兄ちゃん』
なの………?」
え…………???
えっ!!!
なんだとぉぉぉぉォォァ⁈???⁈!
「えっ…………スグ…『直葉』⁈」
くぁwせdrftgyふじこlp!!
待て待て待て待てぇぇぇぇぇい!
なんだこの展開は!ドッキリか?これは俺へのドッキリなのか⁈
そんなわけは無いとはわかってるけど………これは、修羅場の予感!
「ひどいよ…………こんなの………。あんまりだよ………」
「す、直葉……スグ!」
ポチ
ヒュゥゥン
リーファはログアウトしてしまった。呆然としてままのキリト
「おい、キリト!追いかけんかい!お前とリーファの関係は知らん。が、これだけは言える『お前はあの子と話すべきだ』」
「あ、ああ………!」
ポチ
「行ったか………」
『主よ、この後は如何する?』
「そうさな…………。色々あって頭がパンクしそうだ、ちょっと休憩でもしてようかね」
『了解した。ならば、その辺りにでも…………』
ちょっとこれは無理だ
兎に角はクールダウンしなくちゃ………
アニメ3期、廃人になるのはまだかなぁ……