バカとテストと変態紳士っ!   作:ガオーさん

25 / 46
第二十二問 第一次試召大戦 ~童貞の道程~

Side 吉井明久

 

 

「では、中堅戦。三人目の方どうぞ」

「…………(スック)」

 

 ムッツリーニが立ちあがった。科目選択権がここで初めて活きてくる。

 なぜならムッツリーニは総合科目の点数の内、実に80%を保健体育で獲得する変態。文系全般で高得点を取る宗一と違い、保健体育をただひたすら鍛え上げたムッツリスケベっぷりはある意味宗一を凌駕する。

 単発勝負ならAクラスにだって負けはしない。

 

「じゃ、ボクが行こうかな」

 

 Aクラスからは色の薄い髪をショートカットにした、ボーイッシュな女の子が出てきた。誰だろう?

 

「一年の終わりに転入してきた工藤愛子です。よろしくね」

 

 体の凹凸も少なくて、ぱっと見少年のようだ。

 

「教科は何にしますか?」

「…………保健体育」

 

 高橋先生の問いにムッツリーニが答える。唯一にして最強の武器(保健体育)だ。その実力はBクラスでも発揮され、見事に根本君を倒した実績がある。

 

「土屋君だっけ? キミ、保健体育が得意なんだってね?」

 

 工藤さんがムッツリーニに話しかける。なんだろう? 転校生だし、ムッツリーニのことをあまり知らないのかな? 随分余裕に見える。

 

「だけど、ボクもかなり得意なんだよ? それも君と違って……実技でね」

「…………実技? おっ、おっ、おっ……!(ブバァ)」

「ムッツリィーニィー!」

 

 な、なんてひどいことを!? 想像力とスケベ心が人より3倍以上あるムッツリーニにそんなえっちそうな誘惑をしたら、鼻血を噴き出すのは当たり前じゃないか!

 ひょっとしてムッツリーニに鼻血を出させて不戦勝狙いをするつもりなのか!?

 

「よくもムッツリーニに……! なんてひどいことを! 卑怯だぞ!」

 

 倒れそうになったムッツリーニを支えながら、僕は工藤さんを睨みつけている。

 当の本人は楽しそうに笑っているだけだ。これが宗一が話していた『肉食系女子』という奴なのか!?

 

「あはは。それじゃあ君が選手交代する? でも勉強苦手そうだね。保健体育でよかったら、ボクが教えてあげるよ。もちろん――実技でね」

 

「「ブハァッ!?」」

 

 な、なんて恐ろしい女の子だ! 僕とムッツリーニを一撃で沈めるだなんて!

 

「余計なお世話よ! アキには永遠にそんな機会なんて来ないから、保健体育の勉強なんて要らないのよ!」

「そうです! 永遠に必要ありません!」

「……なんでそんな悲しいことを言うの……?」

 

 この二人は実は僕のことが嫌いなのかな?

 

「美波、姫路……さすがにそれは言い過ぎだ」

「宗一……」

「川上君……」

 

 宗一は溜息を吐きながら、姫路さんと美波を止める。

 

「いくらバカでブサイクだって言っても、明久だって童貞を捨てるチャンスはある」

「傷ついた! 僕は今ものすごく傷ついたぁ!」

「大丈夫だ明久(肩ポン)」

「そ、宗一……?」

「バカでブサイクでも大丈夫。お金さえあれば誰だって童貞を捨てられるお店があるんだからね」

「宗一? それって風俗って奴だよね? 僕には恋人ができないって遠まわしに言ってるの?」

「そうすれば童貞から素人童貞に格上げだよ」

「なお悪いわ!」

 

 僕ってそんなに童貞を捨てられない男に見えるのだろうか。

 すると、工藤さんがいたずらっぽく笑いながら宗一の方を見る。

 

「君が川上君だね? 噂は聞いてるよ。すごいエッチに詳しいんだって。僕も得意なんだ……よければ、一緒に保健体育を勉強しない? もちろん実技で」

「ハイ!」

 

 工藤さんのからかいに本気の真剣に答えれるのはこの学園でただ一人、宗一ぐらいだと思う。

 

「あはははっ、元気がいいね! もちろん冗談だけどさっ」

「冗談か……」

 

 からからと楽しそうに笑う工藤さんと、本気でへこんでいる宗一。あれが本気だと思っていたのだろうか。

 

「けれど、せっかくだし保健体育だったらなんでも答えてあげるよ♪」

「じゃあさっそく質問です!」

 

 びしっと腕をまっすぐに突き上げ、真剣な表情で工藤さんを見る宗一。

 一体何を質問する気なのだろう。いくら宗一でも初対面の女の子にそんな変なことは――

 

「うん、何かな?」

 

 

 

 

「セッ〇スはしたことはありますか?」

 

 

 

 

 

 宗一の超弩級のストレートな質問が投げ込まれた。

 

「お前は何を訊いてるんだっ!?」

 

 雄二の当然のツッコミ。

 さすがの工藤さんも宗一の変態っぷりを予想していなかったのかあまりにも直球な質問に冷や汗をかいている。

 

 

「は、ははは……ちょっとその質問は答えられないかな? もうちょっと保健体育の質問を……」

「〇ックスはしたことはありますか?」

「だから保健体育の質問を」

「セック〇はしたことはありますか?」

「質問を……」

「セ〇クスはしたことはありますか?」

「…………」

「宗一、そこまでにしておけ。向こうはもうキャパオーバー寸前だぞ」

 

 さすがに止めるべきだと判断したのか、呆れ顔の雄二が宗一の肩を掴む。

 見ると工藤さんは顔を若干赤らめ、肩をぷるぷる震わせてる。目も若干涙目だ。いくら保健体育が得意だからと言って同級生の男の子にあんな直球のセクハラをされるとは夢にも思うまい。

 

「ほ、他の質問にしてくれないかな~、なんて」

「なら、■■■■■■■はOKですか?×××××は? ▲▲▲▲▲とか[自主規制]とか[閲覧禁止]とかは?」

「………………」

 

 よく初対面の女の子にあんなつぶらな瞳で見ながら■■■■■■■とか×××××なんて聞けるな……本当に宗一は変態紳士だよ。

 その辺のセクハラおやじのセクハラをも凌駕する勢いだ。

 見てよ、工藤さんもうほとんど涙目。

 

「宗一。やめておけ。お前は上級者すぎる。ていうか普通に女子に『■■■■■■■はOKですか?』なんて聞くんじゃねえ」

 

 呆れながら雄二は宗一の頭をチョップする。

 

「いや、だって実技はすごいみたいなこと言ってたじゃん。なんでも訊けって言ったじゃん」

「だからってそんな『あなたの好きな食べ物はなんですか』みたいな気軽なノリで訊くか……?」

 

 気のせいか、ムッツリーニの鼻血の勢いがさっきより強くなっている気がする。×××××とか聞いて想像したのだろうか。

 元から羞恥心が欠けているとは思っていたけど、よくAクラスの女子や姫路さん、美波がいる所でホイホイと下ネタを女子にぶつけれるな……。先生もいるのに。あ、鉄人が指をポキポキ鳴らしてる。あれは後で補習室コースだな……。

 観戦していたAクラスの女子達(無表情な霧島さんも)や、美波も姫路さんも顔を真っ赤にしている。

 

「いや……実技が得意な女の子だったらあれぐらい普通に答えれる。つまり、あれに応えれないってことは……処女ビッチか」

「なぁ!?」

 

 処女ビッチという単語に反応し、沸騰したように顔を真っ赤にする工藤さん。

 

「そそそ、そんなボクが処女だなんてあるわけないじゃん!ボク、ぼぼっ、ボクは保健体育の実技が得意でっ」

 

 さっきまで余裕たっぷりだった工藤さんが慌てふためいて反応する。

 

「じゃあ×××××できる? もしくは誰かとヤッたことある?」

「…………」

「やっぱり処女じゃないか(呆)」

「………………………………うぅ」

 

 とうとう工藤さんは耳まで赤らめ、顔を俯かせて何も言わなくなってしまった。

 肉食系女子も黙らせる宗一のセクハラトーク……なんて恐ろしい。

 それにしても……工藤さんもしたことないんだ……。

 

「(ポッ)」

「何? 明久ってもしかした処女厨?」

「言い方っ!!」

 

 僕の心を読んだのか宗一がそう訊いてきた。

 

「間違えた。明久は初めての女の子のほうがいいの?」

「うぇっ!? そ、そりゃあ僕も初めてだし、どうせなら初めて同士のほうが……ってなにを言わせるんだよっ!」

 

 こいつにはいつか『羞恥心』とか『常識』を殴ってでも覚えさせなければいけないだろう。

 

「吉井君との初めて……(ポッ)」

「アキとの初めて……(ポッ)」

 

「童貞丸出しの考え方だね明久。だから童貞なんだよ」

「別にいいでしょそれぐらい!?」

 

 そりゃ夢を見てると言われても仕方ないけど、それぐらいの妄想ぐらい許して欲しい。しかし宗一は「やれやれまったくこのバカは」と呆れ顔で溜息を吐くと━━━━

 

「いい?明久、教えるけど実はーー(ゴニョゴニョ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー三分後

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう、処女とかビッチとかどうでもいい……」

 

 

「「「「「何を言われた(んですか)(のよ)っ!!!?」」」」」

 

 

 なんでもないよ……? ちょっと宗一に現実を教え込まれただけで……。

 

 

「宗一! アンタ何を教えたのよ!」

「そうです、川上君! 吉井君に変なことを教え込まないでください!」

「えー」

「えー、じゃないわよ! アキも早く戻ってきなさい!(ボゴォ)」

「げぶっ!? はっ、あれ? ここは?」

 

 今、とんでもないことを教え込まれた気がするが気のせいだろうか。具体的には女の子への理想を砕かれてしまったような……何か大切な物を失ってしまったような。

 

「…………(ムクッ、ドバドバ)」

「ムッツリーニ!?」

 

 顔を鼻血で真っ赤に染めたムッツリーニがよろよろと立ち上がる。

 

「大丈夫……このぐらい」

「大丈夫なの?すごい量の血だけど……」

「…………このぐらい、宗一のエロトークに比べれば……」

 

 ムッツリーニは普段、宗一とどんな会話をしているんだろうか。

 

「では、召喚を開始してください」

「はい……試獣召喚(サモン)

「…………試獣召喚(サモン)

 

 顔を(宗一のセクハラで)真っ赤にさせた工藤さんと顔を(鼻血で)真っ赤にさせたムッツリーニの召喚獣が現れる。

 ムッツリーニはBクラス戦でも見せた小太刀の二刀流。

 一方工藤さんは。

 

「なんだあの巨大な斧は!?」

 

 見るからに破壊力抜群の巨大な斧。おまけに例の腕輪までしている。ヤバイ、明らかに強いぞ!

 

「実践派と理論派、どっちが強いか見せてあげるよ」

「いや、工藤は処女――」

「川上君は黙ってて!」

「ハイ」

 

 宗一の小声を遮るように工藤さんが怒鳴る。

 どうやらかなり宗一に対して頭に来てるらしい。そりゃ、からかってたつもりがいつの間にかセクハラの爆撃を受けさせられたぐらいだしね……。

 

「―――ごほん。実践派と理論派、どっちが強いか見せてあげるよ」

 

 改めて言い直した工藤さんが艶っぽく笑いかけるのと同時に、腕輪を光らせながら召喚獣が動いた。

 巨大な斧に電光を纏わせ、ありえないスピードでムッツリーニの召喚獣に詰め寄る。

 

「それじゃあ、バイバイ。ムッツリーニくん!」

「ムッツリーニ!」

 

 豪腕によって振るわれた斧が、ムッツリーニの召喚獣を両断する――瞬間。

 

「………………加速」

 

 ムッツリーニの腕輪が輝き、彼の召喚獣の姿がぶれた。

 

「…………え?」

 

 工藤さんの戸惑う顔。僕にも状況が分からない。いつの間にかムッツリーニの召喚獣は相手の射程外にいた。

 

「……………加速、終了」

 

 ボソリ、とムッツリーリが呟く。

 一呼吸おいて、工藤さんの召喚獣が全身から血を噴き出して倒れた。

 

 

保健体育勝負

 

   Aクラス 工藤愛子   466点

 

      VS

 

   Fクラス 土屋康太   572点

 

 

 つ、強い! 下手をすると僕の総合科目並の点数だ!

 

「Bクラス戦の時は出来がイマイチだったらしいからな」

「そ、そんな……! この、ボクが……!」

 

 工藤さんが膝を突く。相当ショックみたいだ。

 

『『『………………』』』

 

 しかし、勝負が決着したと言うのに空気が死んでいる。

 その空気の発生源はAクラスの女子達からだった。

 

「おい。宗一」

「何、雄二」

「Aクラスの女子がお前を見ているぞ」

 

 呆れている雄二の言う通り、Aクラスの女子が睨んでいるのは宗一だった。

 

「…………えーっと」

 

 宗一は頭をぽりぽりと掻いて言う。

 

「むらむらしてやった。特に反省はしていない」

 

『ふざけるんじゃないわよ―――!』

『この変態!死ね!』

『女の敵!』

『Fクラスのくせに工藤さんに何言ってるのよ!!』

『くたばれ変態!』

『変態!変態!』

 

 Aクラス女子から宗一に対して一斉のブーイング。そりゃ、あんな公衆の面前でセクハラしたら、女子から反感を買うなんて当たり前だよね。

 

「…………」

「宗一?」

 

 さすがに女子から大ブーイングをくらって反省したのか、宗一は顔を俯かせる。さすがに傷つき――

 

「女子から罵倒されるってのも……これはこれでアリか」

 

 僕の心配を返してほしいと、心の底から思った。

 

 




このバカテスの二次創作を書きはじめてもう少しで一か月。
正直に言いましょう。この小説を書きはじめたのは、ただ工藤さんをセクハラしていじめたいが為に書きはじめた物です。

キャラ崩壊?そうですね。でもこれがしたかったんです。本当にすいません。反省はしません。


なんでもするから評価してください!(なんでもするとは言ってない)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。