バカとテストと変態紳士っ!   作:ガオーさん

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現代社会

問 以下の問いに答えなさい。
[PKOとは何か、説明しなさい]


姫路瑞希の答え

[Peace Keeping Operation (平和維持活動)の略。
 国連の勧告のもとに、加盟各国によって行われる平和維持活動のこと]


教師のコメント

正解です。




土屋康太の答え

[Pants Koshi-tsuki Oppai の略。
 世界中のスリーサイズを規定する下着メーカー団体のこと]


教師のコメント

君は世界の平和を何だと思っているのですか。




吉井明久の答え

[パウエル・金本・岡田 の略]


教師のコメント

それはセ界の平和を守る人達です。




川上宗一の答え
[Punch Knock Out の略
 アメリカのボクシング協会のこと]

教師のコメント

先生もボクシングは大好きです。



第八問 ガバガバなバカ

Side 川上宗一

 

 

 お ま た せ 。

 はい、よーいスタート(棒)

 ガバガバな清涼祭試験召喚大会二回戦がはっじまーるよー。

 今回は特設ステージで明久・雄二ペアを使っていきます。

 対戦相手はBクラス代表根本&Cクラス代表小山ペア。

 強敵ですがあるアイテムを使えば雑魚雑魚の雑魚なので問題ないです。

 

 まずは試合の形式に乗っ取り召喚獣を出しましょう。

 科目は英語。僕は苦手じゃないですが明久雄二ペアは点数はそこそこ低いですね。

 ですが戦闘はほぼ行わないので、点数は気にしなくてヘーキヘーキ。

 審判が試合開始の合図をしたらあるアイテムを取り出しましょう。

 天高く空へ掲げ、特に根本君にしっかり見えるようにしましょう。

 

 掲げたのはムッツリ商会提供『生まれ変わったワタシを見て!』でした。

 

「さて、根本君、この写真集をばら撒かれたくなかったら……」

 

 あ、おい待てい(江戸っ子)。

 明久が「おとなしくしろ!バラ撒くぞこの野郎!」と脅しましたがここでただ根本ニキを脅すのは悪手です。ていうか既に海外にばら撒かれてるので意味がないんだよなぁ。

 おっと、ここで雄二のファインプレー。

 明久を止め、小山にちらりと1ページだけワンチラリ。

 

「さ、坂本! 分かった、降参する! だからその写真だけは……!」

 

 おっとここで早くもゲームセット。タイマーを……止めずに、ここでちょっとだけボーナススコアを狙ってみましょう。

 

「Cクラス代表。この写真集が観たかったら俺達に負けるんだ」

「さ、坂本!お前は鬼か!?」

 

 当たり前だよなぁ?(暗黒微笑)

 

「いいわ、私達の負けよ」

 

 小山が降参したところでタイマーストップ。

 記録は2分19秒。なかなかのタイムでした。

 小山にはちゃんと写真集を渡して1ページ1ページしっかり見てもらいましょう。あとしっかり審判に声をかけて勝利宣言をもらいます。

 

「あ、はい!坂本君と吉井君の勝利です!」

 

 乾燥した完走ですが、もうちょっと写真集の表紙をいいデザインにできないかなと思いました(反省)。

 

「別れましょう」

「友香ぁぁ―――――――!」

 

 根本君が何か騒いでいますが、オール無視です。これは彼の自業自得なんですから。

 純情な乙女が書いたラブレターを使って脅しをしてはいけない(戒め)。

 

 

 ……ところで全然試験召喚獣で戦闘してないんですけどいいんですか?

 今のはガバだよガバ。ルール自体ガバガバなんで多少戦闘しなくても問題ないです。終わり!!閉廷!!以上!!皆解散!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「2回戦、ガバガバすぎて見ごたえも糞もなかった」

 

 心の中でRTA実況を付けてたけど、観てて全然楽しくなかったです、まる。

 あらかじめ雄二に作戦を聞いていたから新鮮味がなかったというのもあるんだろうけど、一切戦闘せずに相手を脅迫する一部始終を見ても楽しくはない。

 せっかくパフォーマンスが終わって急いで見に来たのに、なんか時間損した気分。

 

「さて、どうしようかな。康太達の手伝いに行くか……」

「変態のお兄ちゃん!」

「でもせっかくだしその辺の屋台に……」

「変態のお兄ちゃん!」

「そういえばAクラスは確かメイド喫茶……工藤のメイド服とか観れるのかしらん」

変態のお兄ちゃんってば!

「ん?」

 

 声が下の方からする。首を下にしてみてみると、そこには小さな女の子がほっぺたを膨らませて僕を見上げていた。

 腰まで伸びたツインテールが特徴的で、グリーンアイの瞳がうるんで僕を睨みつける。

 

「えっと……君は?」

「ひどいです!変態のお兄ちゃん!さっきから葉月がずっと変態のお兄ちゃんって呼んでいるのに変態のお兄ちゃんは―――ムグッ」

「ごめん。とりあえずちょっと黙って」

 

 なんでそんな変態変態言われなきゃいけないんだ。警備員さんにお呼ばれされちゃうだろ。大体その呼び方をするのは――あ。

 

「ひょっとして葉月ちゃん? 美波の妹の?」

「はいです!やっと思い出してくれましたか!」

 

 思い出した。確か去年、美波の家に日本語を教えに行った時、美波に紹介されたんだっけ。その時美波が「こいつは変態だからあんま近付いちゃ駄目よ」とか言うから「変態のお兄ちゃん」という不名誉な呼び方をして僕に懐いたんだった。

 

「ごめんね、葉月ちゃん。すっかり葉月ちゃんも大きくなってたから気付かなかったよ。可愛くなったね」

「本当ですかっ!葉月嬉しいです!ちょっとは大人になれましたか?」

「もちろん」

 

 僕がそう言うと、葉月ちゃんは「嬉しいです!」と太陽のような笑顔を浮かべて僕の腰に突進してきた。突進ていうか頭突き。鳩尾に入った。この威力……きっと将来ラグビー選手になれるよ……。

 

「ぐふっ……とりあえずそれ痛いからやめようか。で、今日はどうしたの? 美波に会いに来たとか?」

「あ、お姉ちゃんに会いに来たのはあるんですけど、今日葉月はお兄ちゃんを探しているんですっ」

 

 お兄ちゃん? 美波に兄貴なんていたのだろうか。

 

「名前はなんていうんだ?」

「あぅ……分からないです……」

 

 兄貴じゃないのか。じゃあ近所のお兄ちゃんみたいな感じなのだろうか。

 

「それなら何か特徴とかある? 分かれば探すのを手伝ってあげられるんだけど」

「えっと……バカなお兄ちゃんでした!」

「お、おう……」

 

 自分の知り合いをいくらかリストアップする。いけない。Fクラスのクラスメイト全員が対象だ。

 

「えーっと、他には何かないかな?」

「え、えーっと……その、すっごくバカなお兄ちゃんでした!」

「明久だな」

 

 僕の知り合いですっごくバカなのは明久ぐらいだ。

 

「知ってるんですか、変態のお兄ちゃん!」

「ああ、もちろん……でも葉月ちゃん」

「はい?」

「変態のお兄ちゃんじゃなくて、普通に呼んでくれない?そう呼ばれると僕すっごく困るんだ」

 

 さっきから視界の端で僕らを見ながらひそひそしている人達の視線が痛い。

 

「えっと……それじゃあ、なんて呼べばいいですか?」

「うーん、宗一でいいよ」

「分かりましたっ! 宗一お兄ちゃんっ!……宗一お兄ちゃん?どうしたんですか?」

「ごめん、その呼び方は僕に効く」

 

 これが妹属性……なんという破壊力だ。

 

「それじゃあ案内するよ。ついてきて」

「はいっ、ですっ!」

 

 葉月ちゃんは僕の右手をしっかり掴んで歩く。少し嬉しい。妹は最近反抗期なのか僕を生ゴミを観るかのような冷徹な目をするので、こういった甘えてくれる年下は初めてだった。

 

「えへへー」

「ん?」

「宗一お兄ちゃん、お兄ちゃんみたいですっ!」

「……ふふん、お兄ちゃんだからね」

 

 

 こんにゃろういい子じゃないか。あとで綿あめ買ってやろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side 吉井明久

 

 

 

 

「というわけで葉月ちゃん。もっかいそのお兄ちゃんの特徴言ってみて。せーのっ」

「えっと、すっごくバカなお兄ちゃんでした!」

「「「「それは吉井で間違いないだろ」」」」

「でしょー? 僕もそう思ってた」

 

 

 Fクラスに戻ってきた宗一は小さな女の子を連れていた。初めは事案かと思ったけど女の子は人を探しているみたいで宗一はその案内をしてあげたようだった。

 連れてきた瞬間、クラスメイトに囲まれた宗一は女の子に「そのお兄ちゃんの特徴を言ってみて」と言ったかと思えば僕の方に一瞬で視線が集まった。

 嫌だな、泣いてないよ?

 

「まったく失礼な! 僕に小さな女の子の知り合いなんていないよ!絶対に人違い―――」

「あ、バカなお兄ちゃん!(ぼふっ)」

「……で、絶対になんだい? 明久」

「絶対に、人違いだったらいいなって……」

 

 宗一が穏やかな笑みを浮かべる。どことなく嬉しそうだけど、そんなにいいことがあったのだろうか。

 

「その子は島田葉月ちゃん。美波の妹で、明久を探しているみたいだったから連れてきたよ」

「え?美波の妹!?」

 

 宗一の紹介に思わず聞き返してしまう。言われてみると、確かに目の色や髪の色が似ている気がする。

 

「うん。歩きながら話を聞いてたけど、どうやら明久と結婚の約束をしたって。ねえ、葉月ちゃん」

「はいですっ!葉月はバカなお兄ちゃんと結婚の約束とちゅーをしましたっ!」

 

「瑞希!」

「美波ちゃん!」

 

「「殺るわよっ!!」」

 

「ごぶぁっ!?」

 

 な、なんだ!? 突如首に痛みが!?

 

「おう、宗一か。パフォーマンス観ていたがすごかったぞ」

「あ、雄二。ありがとうね。そっちの二回戦は面白くもなんともなかったよ」

「は、そりゃ褒め言葉だ。ていうかさっきのノインvsゴジラみたいなのと比べられても困る」

「宗一お兄ちゃん、さっきのおっきなノインを描いたの宗一お兄ちゃんだったんですか!? すごいですっ!」

「ふふふ。後でまた描いてあげるよ」

「わーい!宗一お兄ちゃんありがとうですー!」

「よかったな、チビっ子」

 

 ほのぼのとした雄二と宗一、そして葉月ちゃんの会話。

 

「瑞希、そのまま首を後ろに捻って。ウチは膝を逆方向に曲げるから」

「こ、こうですか?」

 

 そして殺伐とした美波と姫路さんの会話。混ざりたい!僕もあっちのほのぼのとした会話に混ざりたい!!

 

「島田の妹よ。明久にキスをしたというのは本当かの?」

「はいですっ!葉月のファーストキスです!」

 

「坂本は包丁を持ってきて。五本あれば足りると思う」

「吉井君、そんな悪いことをするのはこの口ですか?」

「お願いひまふっ!はなひを聞いてくらはいっ!」

「仕方ないわね。2本刺したら聞いてあげるから待ってなさい」

「あのね、美波。包丁が一本でも刺さったら致命傷なんだよ?」

 

 美波に足りないのは日本語力だけじゃないと思う。

 

「あ、お姉ちゃん! 遊びに来たよ!」

 

 お姉ちゃん……あ!思い出した!小さな子がぬいぐるみを買うのにお金が足りなくて困ったから手伝ってあげたんだっけ。観察処分者に認定されてたりしてたからすっかり忘れてたよ

 

「去年のぬいぐるみの子か!」

「ぬいぐるみの子じゃないですっ、葉月ですっ!」

「ごめんごめん、久しぶりだね。元気だった?」

「はいですっ!」

「葉月! 葉月とアキって知り合いなの?」

「うん。去年いろいろあってね……葉月ちゃんは宗一のことなんで知ってるんだろ」

 

 さっきから見てるとどうやらかなり葉月ちゃんに懐かれているらしい。

 

「それは……ウチが日本語話せなかった頃、家に呼んで勉強教えてもらったりしてたから……」

「そうだったんだ。美波の家に行ったことあったんだ宗一……」

 

 多分、その時に葉月ちゃんと面識を持ったんだろう。……ううん、なんか――

 

「ちょっと羨ましいな」

「え?」

「だって、僕の方が美波と先に仲良くなったのに、なんか羨ましい」

「それって……アキ……ふふ、しょうがないわね。今度はアキをウチの家に招待してあげる!夕ご飯とか作ってあげるから!」

「え、ほんと!? 嬉しいよ!」

「バカなお兄ちゃん、葉月の家に遊びに来てくれるんですか!? わーい!嬉しいですー!」

 

 

「美波ちゃんズルいです……。どうして吉井君とはもう家族ぐるみの付き合いなんですか? 私はまだ両親にも会ってもらってないのに……。もしかして実はもう『お義兄ちゃん』になっちゃってるんですか……?」

「どうどう、姫路。慌てちゃだめだよ。落ち着いて素数を数えるんだ」

 

 

 さっきから宗一と姫路さんは何を話しているんだろう。

 すると、葉月ちゃんはぱたぱたと姫路さんの方へ駆けていく。

 

「あ、綺麗なお姉ちゃん!」

「こんにちは、葉月ちゃん―――」

 

 

「ところで、さっきより客少なくなってない?」

「ああ。俺も気になっていたところだ」

 

 僕が指摘すると、雄二が同意するように頷く。

 さきほど2回戦前に比べると、客足が少し遠のいている。お昼時なのに、この客の少なさはおかしい。

 すると、姫路さんとさっきまでお喋りしていた宗一が深刻そうな表情をして言った。

 

「雄二、実はさっき葉月ちゃんと歩き回ってた時に噂を聞いたんだ」

「噂? どんな噂だ?」

「Fクラスの酷評だよ。中華喫茶は虫が出るから行かないほうがいいって」

「虫? ひょっとして、さっき宗一が倒したクレーマーの妨害かな?」

 

 それしか思いつかない。この教室は掃除は完璧だし、机も椅子も宗一の手作りで綺麗なままだ。だとしたら、午前中に宗一が対処したというクレーマーしか思いつかない。

 

「だろうな。例の連中が妨害を続けてるんだろう。探し出してシバき倒すか」

「うーん……あの常夏連中、暇なのかな?」

「ひとまず、噂の確認をしにいかないとね」

「宗一、その噂の出所は?」

「あー……メイド服を着た美少女達が客をもてなすお店――」

 

 なん……だと?

 

「なんだって!? 雄二、それはすぐに向かわないと!」

「そうだな明久! 我がクラスの成功の為に、低いアングルから綿密に調査しないとな!」

 

 訊いた瞬間に全力ダッシュ。

 喫茶店は姫路さんの転校に関わる大事なことだ! 後悔しないよう全力を尽くさなければ!

 

「アキ、最低」

「吉井君ひどいです……」

「お兄ちゃんのバカ!」

 

 背後からの罵倒も気にならない程に、僕の心は躍っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……明久はともかく、雄二はいいのかなぁ。あのメイド喫茶、霧島がいるAクラスなのに」

 

 

 

 




TRPGのシナリオが一区切りついたのでこっちの方も徐々に更新していきます。お待たせしてすいません。明けまして(以下略
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