艦これ、始まるよ。   作:マサンナナイ

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第八十二話

 

「や、やられるのかよ!?」

 

 特に仲が良い姉妹を目の前で敵に喰われたからと言う理由は分かるがあまりにも無謀な暴走行動を起こした不知火の手が持つペンチ型の近接武装が目の前の黒山から飛び出してきた触手に絡め取られかけ、抵抗する駆逐艦娘の身体が敵の下へと引き寄せられようとしている。

 

(変更不能だとっ、それ、どういう事だ!?)

 

 コンソールパネル上で旗艦である艦娘の状態をリアルタイムで表示する立体映像を交代させる為に手を伸ばし、現在の指揮下に居る艦娘の名前が書かれたカードへと変更しようとしていたその立体映像が突然に黒い染みだらけになり操作不能になった事で中村は心の底から驚きに呻く。

 すぐさま声に出さずに中村が内心で疑問の叫びをあげるが少し前までなら敵の攻撃の正体だけでなく位置をリアルタイムで知らせていた妖精の返事は無く。

 足下を支えていた存在がいきなり何も言わずにいなくなった現状に気付いた調子の良い態度で見栄を張っていた男は頭を殴られたかの様な衝撃に混乱する。

 

(マズイ、まずいぞこれは!? どうすりゃ良い!?)

 

 艦橋を包むモニターは全天周の球体であるが故に少し視線を横に向ければ自分達を圧し潰す為に落ちてくる黒い雪崩は嫌でも見え、その押し寄せるその反り返った崖は半日ほど前に戦っていた戦艦レ級の艤装を横に寝かせたぐらいのサイズである。

 だが、大量の魚雷と砲弾をまき散らす高層ビル並の尻尾と無数の乱杭歯が並ぶ口が表面で蠢く得体の知れない黒い泥の塊、どちらも人間にとっては本能的な恐怖を掻き立てる危険な存在だが純粋な物量と触れただけで内部へと引きずり込まれると言う厄介さはレ級の尻尾を大きく上回っていた。

 

(おいっ、返事はどうした猫吊し!!)

 

 そんな秒刻みで深刻化する危機的な状況であるのに艦娘の艦橋に座っていれば事ある事に中村の視界の端をうろつくお節介な妖精は彼が呼び出そうとしても全然その姿を見せず。

 文字通りに自分達へと覆い被さって来る予定外と予想外、そして、理不尽を固めた怪物に追い詰められた指揮官は冷や汗を滴らせる顔と思考を恐怖に硬直させかける。

 

「司令官! ・・・義男さんっ!」

 

 彼の思考と身体が硬直する直前にその肩が少女の手で強引に揺すられ、吹雪の声に顔を向ければ自分と同じ様に恐怖が見える表情ではあるがしっかりと真っ直ぐに見つめてくる黒い瞳が宿す花菱形はまだ諦めの色に落ちていない事を主張していた。

 その瞳に宿る力、その光が目覚める原因となった敵艦隊との戦いで私の司令官を信じたいと、中村義男と言う人を信じさせてください、と彼がそれまでに吐いてきた嘘も纏めて受け入れた彼女が「それでも」と言い切った献身と言うにはあまりにも愚直な想い。

 

(それに初めて戦った日にも俺が自分でこの子の司令官をやるって、ついてこいと言ったんだろう!)

 

 自分の名を呼ばれた一拍の間、吹雪と見つめ合った中村は彼女の想いをまた正面から思い出させられた(突き付けられた)事で自然と湧いて出た皮肉気な笑みと共に手を伸ばし、自分の肩に触れていた駆逐艦娘の手を引き寄せて握る。

 

(吹雪がいる、だから大丈夫と言い切って虚勢の一つでも張ってみせなきゃならんよな!)

 

 どれだけ情けない姿を見せても良い、どんなに泣き言を喚き散らしても構わない。

 そして、ずっと私の司令官でいてください(私と一緒に生きてください)

 

「はっ、考えても仕方ないか、あんなのに食われてたまるか! だよな、吹雪!」

 

 そう願った吹雪との約束(責任)を果たす為に中村は押し寄せる恐怖の具現を前にして裏返りそうになる声にあえて不格好な笑いを被せて吐き出した。

 

「はいっ! 司令官!」

 

 吹雪の同意に押され、頭上に迫る敵の巨大な攻撃を前にしてぎこちなくお道化て肩を竦め。

 そして、突然に啖呵を切った指揮官の姿へ艦橋いる艦娘全員の視線が集まる。

 

「え、ちょっ、どうしたの吹雪!? それに提督まで、まさかここから打開する策が!?」

 

 その言葉の意図が分からずに困惑する高雄達とは対照的に吹雪だけは中村と繋いだ手を指を絡める様に握り直して彼の思惑の説明など聞く必要も無いとばかりに強く頷いた。

 

「作戦なんか無くても死にさえしなきゃどうとでもなるんだよ! 俺はその場凌ぎのプロだ!」

「ぇぇ・・・、そ、その場凌ぎって」

「ここで俺達があれに捕まったら、木村達を助けられる可能性まで消えるからこそ今は逃げる!」

「逃げ、もぅ! ホントになんでこんなのが私の司令官なのよ!? なら大見栄切って無いでさっさと指示出しなさいったら!!」

 

 口を半開きにした大鳳に胡乱気な目で見られようと、呆れが怒りに達した霞が眉を吊り上げ尖らせようとも、普段から敵と戦わずに逃げ回るのは得意と臆面も無く言い切る自衛官にあるまじき指揮官は隣で自分の全てを肯定してくれる吹雪の笑みを免罪符に間違っても作戦などと言えない手段の実行を決断する。

 そして、未練がましく触っていたコンソールパネルの旗艦変更の為の機能から手を離した中村の頭の中では敵の撃破や友軍の救出よりも自分達の生存が最優先の目的となってその手段として思いついた正しく悪足掻きが可能であるか、どの程度まで敵の目を惑わす効果があるかを目算する。

 

《司令官、不知火は・・・取り返しのつかない事をっ》

 

 そして、奇しくも中村がその悪足掻きの実行を決心したと同時、弾薬と燃料を使い果たしながらも激昂に任せて闇雲に振るった近接武装までもを敵に絡め取られ頭上に迫る巨大な黒く汚れた雪崩の影を前にしてやっと正常な判断力を取り戻した不知火が自分の落ち度を認める悔いに満ちた苦し気な声を絞り出した。

 

「だから! こんな事になった責任は取ってもらう!」

 

 敵を脆い木偶の坊と侮っていた事、その侮りが原因で相手に姉妹艦が目の前で呑み込まれた事、それだけなら未だしも陽炎の手を離してしまった精神的衝撃に耐えられず指揮官の声を無視して行った暴走行為に対する指揮官の叱責にも聞こえるその声の勢いで蒼白に強張った表情の艦娘(少女)は怯える様に身を竦める。

 

《くっ、なんなりとご命令を!》

「文句は後にしろよ! まずは!」

 

 しかし、自分の身勝手で指揮官と仲間達を致命的な危機に晒していると言う事実の責任を取る事が今の自分がするべき事であると縮ませかけた身体の背筋を気力だけで伸ばして不知火は自らの落ち度を雪ぐ手段を命じてくれるだろう司令官へと指示を求めた。

 

「手持ち武器をすぐ切り離せ! 今すぐ破棄しろ!」

《っ!? は、了解しましたっ!》

 

 端的な言葉による命令と一瞬の苦々しい顔の直後の了解の返事と同時、二基の連装砲と鉄骨のアームが変形した巨大なペンチのグリップを握っていた不知火の両の掌からバチンと電流が爆ぜた様な音が鳴り。

 

『バックステップ、でもスクリューは使うな! とにかく後ろに跳べ!』

 

 腕にまで迫ろうと巻き付いてきていた触手に身体の一部である武装を奪い取られ歯噛みする駆逐艦娘は命令通り文句を言わずに頭の中に響く指揮官の指示に従って頭上に迫る黒い崖崩れに顔を向けたまま後方へと革靴で海面を跳ねる。

 しかし、後ろ向きのまま自分の脚のみで波を蹴る速度では押し寄せる敵の攻撃を回避できないと不知火を含めたその場の艦娘全員が思う所であったが彼女達の指揮官である中村の視線は駆逐艦娘の手から分離され触手によって黒塊へと引きずり込まれたペンチ型の艤装の輝きに向いていた。

 

 持ち主(不知火)本体(霊核)から意図的に切り離され物質としての形を維持できなくなり素材である光粒へと分解していく兵器へ呼び寄せられる様に黒い泥で蠢く無数の顎が艦娘の近接武装へと殺到して噛み砕いて貪り硬質な破壊音を立てる。

 

「やっぱりか! アイツらは目が無い代わりに霊力を頼りに襲い掛かる! それも分かり易く光ってるモノなら尚更!」

「装備が解ける時の光を囮にって、でも、あの程度じゃ時間稼ぎにもならないったら!」

「だからもっとデカいのを使う、不知火、次は主機をパージっ!」

 

 自分へと襲い掛かろうとしている流動する深海棲艦の血塊の一部は黒に砕き溶かされていく儚い光粒に惹かれて流れを変えたが、その光がもって数秒であると言う屈辱的な事実に表情を歪ませた不知火は次にやってきた命令に目を剥き喉を見えない手で締められたかの様な錯覚で呻きを漏らしかけた。

 

 艦橋から聞こえた会話とつい今しがた見た光景から彼が自分に何をやらせようとしているのかは簡単に予想が出来る。

 

 目の前で姉妹艦を失い冷静さまで失ってここまで事態を悪化させた以上、何を言われても、どんな罰を受けても仕方ない落ち度であると彼女自身もハッキリと理解しており司令官の命令に抵抗するつもりはない。

 

《了解!!》

 

 しかし、頭では分かっていても肉体の損傷を嫌がる生物(船体の欠損を嫌う艦娘)としての本能と合わさって身に纏う艤装が霊力を結晶化して作られた疑似金属で出来ていようと自分達の半身である事には変わりないのだと心の内(霊核)で怒りが揺れる。

 それを艦娘の指揮官として知っている筈なのに司令官は何と言う非情な命令を出すのですか、と泣き言を言いそうになった不知火はその感情を吐き出さない様に敢えて叫ぶように了承する。

 

「高雄! ついでだ! 残りの霊力も詰めてくれてやれ!」

 

 そもそもの原因は自分の落ち度なのだ、と不知火は自分に言い聞かせるように背骨に沿う様に存在している霊力供給端子と背部艤装を固定するネジと留め金へ解放を命じた。

 

「了解しました! 提督! ぁぁっ、この瞬間こそ彼の本領発揮っ!

 

 艦橋での操作と不知火の意志に従って霊力を編んで作られた疑似的な機械の塊と駆逐艦娘の間に繋がっている神経の線が背中から次々に切り離され。

 痛みは無くとも半身を抉り取られる様な喪失感に悲鳴に歯を食いしばって耐えた不知火は背中から外れて海面に落ちようとしている自分の艤装本体を両手で掴み振り子の様に遠心力を加えて加速させ餓えた怪物の目の前へと投げた。

 

《まさか自分自身(不知火)が沈む姿を見る事になるなんてっ・・・》

 

 海面に飛沫を上げた陽炎型駆逐艦の艤装の煙突から発煙筒の煙の様に噴き出してわずかに回転するスクリューが沈みかけの船を押して苦悶の表情で呻く不知火からさらに離れていく。

 そして、本体を逃がす為に囮となった半身から立ち昇る霊力の光によって不知火へと覆い被さろうとしていた黒い雪崩が急激に方向を変えて海を叩き、直後に爆発したような大波が後進する彼女まで迫る。

 

(目の前でいなくなった陽炎の事、艦娘としてのプライドもそうだが、同情の余地があるのは分かってるが、今は慰めの言葉を期待してくれるなよ、不知火)

 

 容易く砕かれ儚く散った光と悔しそうに顔を伏せる不知火の姿、少しの申し訳なさを感じつつも中村は今は考えるべきではないとそれを脇に除けておく。

 

「おし! 振り払えた! ならコンソールは・・・動いた!!」

 

 その押し寄せる波のおかげで勢いを増した不知火の後退はスクリューによる加速程ではなくとも黒山の麓からそれなりの距離が開きわずかながらも猶予が出来る。

 指揮席のコンソールパネルから身を乗り出してた中村の前で不知火の姿とステータスを表示させている立体映像が黒い虫食いから平常の表示に戻り。

 艤装の大部分を失った事に対する苦情の様な赤い文字列がずらずらと箇条書きで上から下へと流れ落ちていくがそれを気に留めず中村は服や肌に幾つもの焦げ目をつけて海水を弾く程度の障壁も展開出来ず濡れ鼠になった不知火へと疑似映像ごしに触れた。

 

「何ぐずぐずしてんの!? 早くっ!」

「言われんでも、吹雪ぃ!! わかってるなぁっ!?」

 

 闇夜を溶かした雪崩の落下によって発生したスコール染みた大量の海水を浴びながら背後に浮かび上がった光の輪へと消えていく不知火。

 

「ん~? なんだか周りがキラキラしてる気がするの~」

「ふぇ? あ、この反応って・・・電探が」

 

 その水飛沫の向こうで駆逐艦娘の装備を容易く飲み込んだ貪欲な怪物がコールタールの様な不定形を伸縮させる様子に霞が焦れた声を上げるのと中村がコンソールパネルに吹雪と書かれた札を差し込むのは同時だった。

 

「分かってます! 特型駆逐艦、吹雪行きます!!」

 

・・・

 

 光輝く金色の輪に吹雪型ネームシップの名前が煌めき、それを塗り潰そうと怪物の食指が這い寄り、闇夜に一際輝く鏡面の向こうから顔を突き出した戦乙女は首元で編まれていく紺色の襟をはためかせながら自らの左目へと力を注ぎ込む。

 

(・・・ダメ! 服がまだ、艤装の展開も間に合わない!?)

 

 まだ金の輪の中にある艤装本体は無数の光粒から鋳造される部品を噛み合わせている最中、出撃を命じる指揮官の声に急かされ突き出した身体には所々半端に編まれた布の裾が湯気の様な輝きを揺らめかせていた。

 完全に服と装備が戦闘形態の大きさに展開されるまでの十数秒、全艦種の中でも軽装な艦種である為に出撃準備は大型艦のそれよりも遥かに早いが秒単位で危機が迫る現状の吹雪にとってはもどかしく余りにも長く感じる。

 時間を止める事だけなら身一つあれば可能であるが丸腰のままでは自分の能力の発動限界いっぱいまで使って逃げてたとしても目の前の敵から逃れる事が出来ないと吹雪は少しでも早く出撃する為に輝く茅の輪に手を掛け足を踏み出し強引に身体を光の中から引きずり出す。

 

(お願いだからっ! 早く出て来て!)

 

 スローモーションの様に妙に遅く感じる時を止めろと叫ぶ指揮官の声に応える為、吹雪は輪の中に残っている腕に力を籠め。

 その手が握るベルトを無理やりに輪の外へと引っ張り、装甲がまだ展開されておらず内部の回路や機構が剥き出しになっている機械の塊が強引に駆逐艦娘の背中へと接続される。

 しかし、自分の船体へと拙速を命じてまで早めた装備展開までのわずか数秒の間に狩猟者の触腕が暗闇に弾ける波飛沫の向こうから鞭の様に撓り吹雪の目前へと迫っていた。

 

《ダメです、そんなっ!?》

 

 あと一歩、背後に背負った光の中から踏み出す事さえできればと悲鳴を上げる吹雪は目の前で振り上げられた触手から身体を守る様に腕を翳して指揮官の命令を実行できないと言う事実に表情を歪め。

 

 その直後、駆逐艦娘へと振り抜かれた黒い鞭が真上から振り下ろされた白い剣によって胴体を真っ二つに溶断され、一つの破片も残さずに閃光が呑み込み焼き尽くす。

 

《ヘーイ、ブッキー! いくらPinch(ピンチ)だからって無茶のし過ぎはNoGood(良くない)だヨー?》

 

 まるで白く輝く幕を目の前に下ろされたように昼間の様な輝きの中で陽気な声をかけられた吹雪は突然現れた強い光に眩んだ視界に手を翳して目を何度も瞬かせる。

 そして、敵の攻撃から自分達を守ってくれたらしい相手の姿を確かめる為に自分が身体を突き出している金の輪以上に眩しく輝く存在へと身体を捻って振り向いた。

 

《それにGiant(巨大)Enemy(な敵)の相手はワタシ達、戦艦の仕事と相場が決まってるデース♪》

《金剛さんっ!》

 

 肩口に入った切れ込みから滑らかな肌が覗く白い袖を振り、墨色の帯引き締められ黒鉄の艤装で覆われた腰に手を当てて金糸で編まれた飾り紐を揺らし胸を張る金剛型戦艦の姿に吹雪は敵の脅威によって強張っていた表情を緩めて歓声を上げる。

 

every one(あなた達)が戻ってくるのが遅くてとっても心配してたんだからネ、それで、What happened?(なにが起こっているの?)

 

 そして、エスコートする様に手を差し伸べてくる金剛の手を取り完全に展開された艤装を背に吹雪は真昼の様に輝く水面に立った。

 

《ン~ン、ンン!? 木村艦隊が・・・Yes、テイトク! understood(理解しました)、このワタシに任せてくだサーイ!》

《すみません、金剛さん、助けに戻って来てもらえて・・・私達》

 

 そんな吹雪へと鷹揚に頷いて見せる金剛、現状の簡易的な情報交換を行う二つの艦隊へと引き寄せられた流動する黒い塊が無数の腕を形成して牙を突き立てようと振り回すがその悉くが二人の艦娘を包み込む光の羽毛に触れたと同時に表面を沸騰させ爆ぜる様に溶けて蒸発し、黒が散った残滓すら戦艦娘が背負う巨大な黒鉄へと吸い込まれて消えていく。

 

《なら善は急げですヨ! ブッキー、状況はテイトク達のお話で大体分かりました。 なら私達も木村艦隊をHelpに向かいます!》

《はいっ! よろしくお願いします!》

 

 反射的に頭を下げる吹雪へと手を差し伸べ微笑んだ金剛は駆逐艦娘と握手して軽く引っ張りながらもう一方の腕を勢いよく敵の本拠と大量のグロテスクな流動体が蠢く海へと振り抜き。

 

《Follow me! しっかり付いて来てくださいネー!》

 

 その動作に呼応して金剛の背に背負われた霊力粒子の加速器から伸びた二対四枚の白翼が剣の様に白刃を翻して黒泥へと斬り込み、突き刺さった部分から大量の蒸気と昏いマナの粒子が溢れた。

 

《まずは、金剛型戦艦のPowerを見せてやるデース!》

 

 白翼が宿す純粋な熱と艦娘の力によって焼き清められた視界を歪める程のマナ、その粒子は無為に大気へと溶け散る前に金剛の背中で唸りを上げる粒子加速器へと吸収され、雛を守る親鳥の様に閉じていた翼を背中に広げ不敵に笑う戦艦は加速器と動力機関に直結された四門の主砲を白い羽が切り開いた黒山へと向ける。

 

《全砲門! FIREァッ!!》

 

 雲一つなく月と星が見下ろす真夜中の海上、闇の塊が蠢く領域を切り裂く様に四条の閃光が放たれた。

 




 
要するに装備投げ捨てて変わり身に使っただけ?
本当に作戦でも何でもないじゃん。(呆れ)

金剛さんが居なかったら今頃は木村艦隊と同じ目に合ってたのです。
 
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