第32話 大海の一滴へ
―――――5月16日(月)―――――
地上から遠く離れた、オフィスビル最上階の一角。
『アルベール・デュノア』はそこに置かれている黒色のエグゼクティブデスクにて、息苦しそうに頭を抱えていた。それは部屋の湿気のせいか、それとも今起きている現実離れした事態に対してか。
最上階より下の階層では社員一同右へ歩く左へ走る、受話器を取っては声を張り上げ血眼になりながら口論を繰り返す。
デュノア社は今、大規模なサイバー攻撃を受けているのだ。それにより社内で厳重に保管されている「ある情報」が、一方的に書き換えられていく。
情報が泳ぐ電脳空間は時間と共にジワジワと侵食され、皆段々と諦めムードを醸し出していった。
いくらか時間が過ぎた後アルベールは頭を抱えていた両手を静かに下ろし、生気の無い瞳を天井に向ける。どうやら、社員一同による必死の抵抗も徒労に終わったようだ。
彼と愛人の間に生まれた、哀れな娘の存在。
データ上に記されたソレは、今やもう綺麗サッパリ消失してしまった。ご丁寧な事に、デュノア社側からの操作を一切受け付けないと言うサービス付きだ。つまりそれは、全てのシステムを掌握されたと言う事を意味する。ここまで来ると最早魔法の領域だ。
そして止めの一撃は、勝手に起動した彼のノートPCに綴られていた言葉だった。
そのごく短い文章を頭の中で何度も反復した後、アルベールは静かに呟いた。
「…これが私への罰か」
己の娘を、「息子」として世にPRしようと画策していたアルベール。それが断たれた今、経営的に自身の会社が、延いては彼自身が終わりを迎えた事を意味する。
にも関わらず、彼の表情はどこか安らかにも見えた。まるでこれ以上愚行を重ねずに済む事に、安堵するが如く。
自分でも自分の悪行に歯止めをかけれなかった彼は最後に「良いタイミングかもな」と吐き捨て、常軌を逸したハッカーへ密かに感謝の念を抱いた。
生地主義の根強い国、フランス。どんな人種だろうとこの国で生まれ落ち、決まった年月を過ぎれば国籍の取得が可能となる。
悪天候に見舞われたこの日、そんなフランスから『一人の国民』の国籍が抹消された。デュノア社の時とは違い、ひっそりと誰にも気づかれる事無く、データ上からも書類上からも完全にパッと消えたのだ。
同時刻、それと似たような事態がIS学園でも起こった。
第一発見者は『山田真耶』教諭。
日課としている、1組生徒の履歴書の閲覧。その時はつらつらと流し読む程度だったらしい。それでも、彼女の網膜はそこに書き換えられていた「名前」と「性別」をどうしても見逃す事が出来なかった。
発覚から程無くしてフランス本国、そしてデュノア社に対して問い合わせを行ったIS学園。だが、どの部署からもまともな回答は得られなかった。
国際IS委員会にも問い合わせたようだが、「こちらの履歴書にもそう記載されている」「その性別と名前で正しい」の一点張りだそうだ。
「…兎にも角にも、この件は生徒には内密に。今は私達にとっても生徒たちにとっても、大会が最優先です」
生徒が寝静まっている深夜の職員会議にて、密かにそんな決定が下された。
場所は再び変わり、某所の某ラボ。その日、事を終えた「鋼鉄のエージェント」たちは皆一様に片膝を着いていた。
人骨をモチーフにしたからか身体は全体的に細く、鋼鉄でできた白銀色のボディはISコアによって不自然なく動かされていた。その有り様は、人体における心臓と肉体の関係に酷似している。
さて、無人ISである彼等が綺麗に揃って頭を垂れる相手は所謂彼等の創造主。主であり絶対者である「彼女」は、先ずはエージェントたちに労いの言葉を放つ。
「さて皆の衆☆燃えるゴミの処分ご苦労様♪」
燃えるゴミとは、ハッキングで消す事の出来ない情報が記載されている「紙」の事だろう。
彼等は彼女のおちゃらけた口調に大きな反応を示す事無く、100体近く居る内の1体が機械音声に言葉を混ぜる。
《…我等ニカカレバ書類ノ隠滅ナド造作モ無キ事。ソレモコレモ、我等ヲソノ様ニ御創造サレタ貴女様ノ功ニゴザイマス》
誰にも気づかれずセキュリティを掻い潜り、書類の迷宮から「一個人の存在証明」を全て探し出す。どうやら彼等には、その様な悪魔の所業が可能なようだ。
正確にはそんな彼等を一から創り上げた彼女こそ、悪魔そのものと言えるのかもしれない。
―――――6月6日(月)―――――
早朝、無数の積雲に覆われた空の袂。「128」と数字の載った扉の前。
一人の巨漢がその見た目に良く似合う大きな人差指を、インターホンの呼出しボタンに翳す。少し力を入れると、限りなく鐘の音に近い電子音が部屋の内外に響く。
男の右隣には黒髪を一つ縛りにしている堅物そうな美少女が、左隣には長い銀髪を脹脛まで伸ばした可憐な少年が、それぞれ異なる態度で佇んでいた。
その時、巨漢が期待していた音は扉の奥から此方へと近付いて来る足音であった。が、代わりに返ってきたのは凍てつくような無音。
落胆する巨漢『昭弘・アルトランド』に対し、黒髪の美少女『篠ノ之箒』がおずおずと口を開く。
「…もう少し待ってみないか?」
しかし銀髪の美少年『ラウラ・ボーデヴィッヒ』は、機嫌を斜めにしながら口を動かす。
「どうせ先に出たんだろう」
昭弘は無言のまま両者の言葉を聞き入れると、もう一度だけベルを鳴らす。結果は、先と同じ光景が繰り返されるだけであった。
昭弘と箒はトボトボと校舎へ足を運び、ラウラはやれやれと溜息を吐きながら後に続いた。
3人が登校する間、積雲は段々と増えていき薄暗い雨雲が日光を遮り始めた。少し早い気もするが、そろそろ梅雨入りなのかもしれない。
そうして少し遅れて自分たちのクラスへと辿り着いた昭弘たち3人。足を踏み入れるや否や、重苦しい空気が3人を出迎える。
早朝であろうと活気溢れる昭弘のクラス『1年1組』。その空間を重々しい雰囲気に変貌させている元凶は、昭弘たちよりも先に教室へ入っていた「128」号室の住人『織斑一夏』であった。
一夏は朝礼前であるにも関わらず、勉学に勤しんでいた。ただ黙々と淡々と、彼は参考書のページを捲りながら机の端末もスライドさせていく。その様はまるで、周囲の人間を寄せ付けない為だけに勉学と言う手段を取っているようにも見えた。
だが昭弘は一夏が纏う無言の壁など気にも留めず、出来る限り普段の昭弘を装いながら話し掛ける。
「おはよう一夏。朝っぱらから勉強か?」
一夏はそんな昭弘をチラリと一瞥だけすると、少し遅れて「ああ」と小さく返した。
「良かったら今日の放課後一緒に練習しないか?アリーナに空きがあればだがな」
「……いや、いい」
「…そうか」
余りにもあっさりと且つ静かに、一夏は昭弘からの誘いを断る。
元々無口な部類に入る昭弘は、それ以上話題を切り出せなかった。箒に至っては、声を掛ける事すら出来ないでいた。
その時、黄金色の髪を一つに結んでいる美少年…ではなく美少女『シャルロット・デュノア』も遠目から一夏を見ていた。無表情のまま机の甲板と対面する彼を見て、彼女は一体何を想ったのだろうか。
その後も重苦しい空気は漂い続け、SHRの予鈴が全校舎に流れた。
SHRが終わった後も、1組にはどんよりとした気が立ち込めたままであった。だがクラスの中にはそう言うのを気に留めない者も居るには居るもので、ラウラもその1人だ。
「オイ優勝コンビ。結局代わりの景品は何にしたんだ?」
彼が話し掛けた相手は、英国の貴族令嬢『セシリア・オルコット』。そして、2組であるのに当然の如く1組に居座っている中国の代表候補生『凰鈴音』だ。
突然の問い掛けに訝しむ2人。そうでなくとも、周囲の空気的に余り快く応答する気分でもない様子だ。
だが答えない理由も無いので、仕方ないと言った具合で答える。
「…私は『劇場館3ヶ月無料パス』なるものでも、貰おうかと」
「アタシは特に考えてないけど……旅行券とか?」
比較的無難な回答をして来た2人に対し、ラウラは「普通だな」と若干幻滅気味な表情を浮かべながら返す。
そんな今現在のクラスの雰囲気にそぐわない会話に、『布仏本音』も自然な足取りで混ざる。彼女もまた、雰囲気に流されない人間であった。
「いいな~2人とも~。ね~ね~セッシー私も劇場館連れてって~」
本音の間延びした声色に釣られてか、更に何人かがセシリアと鈴音の周囲に集まる。「いいなー」「どうせ殿方と行くんでしょ~?させないよ~ん」「半分千切って分けてよ」と、様々な角度から羨望の声が飛んでくる。
どんな状況であれ、やはり自分の気になる話題には、どうしても反応を隠せないものなのだろうか。
そうして少しずつ、クラスの薄暗い雰囲気は鳴りを潜めていった。
「…そうだ。オルコット、凰」
ラウラは、そう言って話の流れを半ば強引に塞き止める。途端―――唐突に頭を深々と垂れる。それは、セシリアと鈴音に対してのものだった。
無論、余りに突然の謝罪。2人は口を半開きにしながらコチンと表情を固める。
「今更……本当に今更だが先月は2人の訓練を邪魔してしまい、大変申し訳なかった」
長い銀髪の先端を床に掠めながら未だに謝罪の姿勢を崩さないラウラに、クラス中から注目が集まる。
セシリアと鈴音は周囲からの視線に羞恥を覚えると、ラウラに一旦頭を上げるよう促した。
そんな3人のやり取りを、教室の端から目の当たりにした昭弘。奥底から込み上げてくるのは、羽毛の様に軽くて柔らかい安堵感だった。
(信じてはいたが、ちゃんと覚えていたんだな)
その謝罪で、漸くラウラがクラスメイトとして馴染み始めた。そう思わずにはいられない昭弘は、留まる事を知らない嬉しさに突き動かされついついその巨体をラウラたちの方面へ向かわせてしまう。
出しゃばり過ぎだと思いながらも、昭弘は躊躇わずに話に割り込んだ。
「織斑センセイの言う通りだったな」
状況はどうあれ、ラウラが自分から謝罪したのは事実。そんな思いを伝えるかのような昭弘の一言を聞いて、セシリアと鈴音もラウラに言葉を返す。
「…まぁ、許してやっても良いですわよ?今回限りは」
「随分と遅い謝罪だけど…ハァ、次からは時と場合を考えてから謝ってよね?」
2人もそこまで気に留めてはいない様だ。それはトーナメント戦以降ラウラへの印象が、かなり上方修正されてる事をにおわせる一場面であった。
2人から一応許して貰ったラウラを見て、昭弘は喜びと同時に少なくない儘ならなさを覚えた。
原因を知り誠意を込めて謝れば、解決する問題などいくらでもある。だが昭弘は、一夏に対して何を謝れば良いのか皆目見当も付かないのだ。抑々どちらかが謝れば解決する問題なのか、それすらも解らない。
(一夏、オレはどうすれば…)
昭弘はそう思いながら、ラウラから一夏へと視線を戻す。
しかしいくら昭弘が縋る様な視線を向けても、一夏の表情は先と変わらない。生気の薄い瞳を、参考書の文字列と机の端末に向けているだけだった。
ラウラの一声が切っ掛けで、クラスの雰囲気は普段通りの活気を取り戻した。
そんなラウラにシャルロットは羨望の眼差しを向ける。
(…僕とは大違いだ)
デュノア社内で常日頃から忌避の目を向けられて来た彼女は、周囲の視線や反応、雰囲気に人一倍敏感だ。嫌われないよう敵を作らないようにと周囲の顔色を伺ってしまう彼女にとって、ラウラは正反対に位置する人間なのだろう。
そんな彼女の眼差しを、昭弘は偶然にも視界の隅に捉える。
帰りのSHRが終わり、終業のチャイムが1組の教室に鳴り響く。結局昭弘は、その日殆ど一夏と会話を交わす事が出来ずにいた。
そんな折、昭弘の視界をシャルルがユルリと横切る。どうやら千冬と真耶から呼び出しを受けているようであった。そして直ぐに、千冬・真耶・シャルルの3人は足早に教室から出て行く。
別段「問題児」でもないシャルルが呼び出されるその光景を、昭弘は不思議そうに目で追う。
しかしシャルルが呼び出されてからの一夏の反応は、それよりも更に不可思議であった。呆然と立ち尽くしたかと思えば、どこか思い詰めた表情をしながら逃げる様に教室から出て行ったのだ。
箒も一夏の様子が気に掛かったのか、耳打ち気味に昭弘へ話し掛ける。
「…一夏の奴、デュノアと何かあったのだろうか?」
「…かもしれん」
彼等の間で何が起こったのか皆目見当も付かない昭弘にとって、それはまるで全てが溶け出す大海原。そこからごく小さな雫を手探りで見つけ出すような思いで、昭弘は一夏の後を追う。
部活が待っている箒は、歯痒そうに昭弘の後姿を見詰める事しか出来なかった。
万全な防音対策が敷かれている「生徒指導室」。
純白で埋め尽くされた簡素な空間は、研ぎ澄まされた日本刀のような千冬の威圧感をより鮮明に際立たせていた。その直ぐ隣に座している真耶も、千冬程ではないが警戒の色を全面に押し出していた。
何故其処に呼ばれたのか、概ね察しが付いているシャルル。彼は俯き気味に、テーブルを挟んで真正面に腰掛けている千冬からの問い詰めを待つ。
「さて、先ずはこれを見てほしい」
千冬はそう言うと、ノートPCの画面をシャルルに見せる。画面には彼自身の顔写真、その直ぐ傍には彼の本名と性別が載っていた。本名『シャルロット・デュノア』、性別「女性」と。
それを見ても然して動揺を示さないシャルルを見て、千冬は瞼を細めながら軽い説明に入る。
「これは、本学園におけるお前自身の「編入履歴から在籍証明までが詰まった大元のデータ」とでも言うべきか。さて可笑しいな?少なくとも私の記憶には、『シャルル・デュノア』「男性」と表記されていた筈なのだが?」
フランクな口調で痴呆を演じる千冬に対し、シャルルは恐怖を圧し殺しながら突っ返す。
「…データがそう記しているのなら、それが正しいのではないでしょうか」
そんな言葉を聞き入れた千冬は、眉間に皴を寄せながら深い深い溜息を吐き出す。
今まで黙っていた真耶も、珍しく語調を荒げながら再度問い質す。
「デュノアくん、ふざけるのは止めて下さい。この件について、何か知っている事があるなら話しなさい」
「…」
今更語るまでもないが、IS学園のセキュリティは極めて厳重だ。様々な情報を保管している電子空間なら、ハッキングによる情報の書き換えなど尚の事不可能に等しい。しかも千冬と真耶の様子を見る限り、逆探知による特定も失敗に終わったのだろう。
となると当然、ハッカーの正体もごく限られてくる。と言うよりも、千冬が知っている中で凄腕のハッカーなど最早一人しかいない。
千冬は頭の中でそんな推測を進めていくと、黙秘を貫くシャルルを糾す。
「もっと直球でいこうか。誰に頼んだ?…まだ足りないか?いつ、何処で、何故、どうやって『篠ノ之束』に頼んだ?」
しかしシャルルの口は恐怖で震えながらも、その口内を覗かせる事はなかった。
過程はどうあれ大元の情報が書き換えられてしまった今、シャルルが男性として入学していたと言う証拠は存在しない。どれ程千冬と真耶が問い詰めようと彼がだんまりを決め込む限り、犯罪者として本国に送り返される事もないだろう。
実を言えば今の彼に本国と呼べるものがあるのかどうか、それ自体が怪しいのだが。
「…もういい。答える気がないのなら他の生徒に当たるまでだ。お前とずっと行動を共にしていた人間など、ある程度絞り込める。『一夏』とかな」
千冬のわざとらしい最後の一言を、シャルルはしっかりと内耳の奥に届けてしまう。直後、今まで俯き気味だった顔を上げ目を見開く。
その表情の変化が答え合わせになるとも知らず。
同じく放課後。昭弘は歩を進めながら、一夏にどう訊ねるか考えを巡らせていた。まともな会話すら儘ならない現状では、訊き方は勿論話し掛け方にも注意を払うべきだ。
だが時間の流れとは無情なもので、気が付けば昭弘は一夏に追い付いてしまっていた。何の言葉も纏まっていないのにだ。
学園寮の手前辺りでそんな昭弘の存在に気付いた一夏は、無言のままやつれた表情をぬるりと向ける。
「…」
改めて余りに普段の一夏とかけ離れた顔を間近で見る昭弘は、思わずたじろいでしまう。それでも、話し掛けなければ何も始まらない事もまた解っていた。
「一夏、単刀直入に訊くぞ。…デュノアと何かあったか?」
直後、一夏の額から油汗が滲み出る。目の焦点は大きくぶれ始め、身体は電動歯ブラシの様に震え出す。そんな反応を示しながらも、一夏はボソリと否定の意思を言葉にする。
「知らない」
「本当にか?」
「…ゴメン、オレ勉強しないと」
一夏はそう突っ返すと、学園寮入口へと足を向ける。そんな一夏を、昭弘は声を張り上げて引き留める。
「一夏!」
昭弘の大声を聞いた一夏はビクリと身体を震わせ、再びゆっくりと昭弘に振り返る。その時、昭弘を映す瞳は不規則に揺れていた。
しかし昭弘の口から溢れた言葉は、更なる問い詰め等ではなかった。
「…無理するなよ?解らない事があったら何時でもオレたちを頼れ」
昭弘の言葉が意外だったのか、一夏は僅かに口を開いてポカンとする。その後幾らか間を置いた一夏は、再び学園寮に身体を向ける。
無理矢理にでも、訊き出すべきなのかもしれない。しかし、今の昭弘に後悔している様子は見られなかった。
話したくないのなら話さなくてもいい、勉強がしたいのなら思う存分勉強すればいい。今の一夏に必要なものは、尋問などではない。昭弘だってそれくらい何処と無く理解している。
かと言って、それも度が過ぎれば単なる甘やかしになる。昭弘は改めて「人間関係とは難しいものだな」的な思いを、心中でぼんやりと吐露する。
(兎も角、もちっと情報を集めないとな。今度は…信用できんが、デュノアに訊ねるしかないか)
昭弘は小さく溜息を吐くと、重たい足を引き摺るようにシャルルを探し始めた。
未だ彼は、大海原に触れてすらいなかった。