兵器:新IS、オリジナルIS、オリジナル兵器のみ。ビーム兵器は原理がよく解らないのでカット。グシオンのマチェットも本編以上説明する事がないのでカット。
〈登場人物〉
本作の主人公である、筋肉隆々の巨漢。常に不愛想で寡黙だが、他人にお節介を焼きたがる一面も。アクションを起こすのは昭弘からだけでなく、クラスメイトからもよく相談事を受ける。そのせいか、担任教師からも「第3の担任」「副副担任」等と認識されてしまう事もしばしば。しかし、意外と大人げない部分もあり、仲の良い友人が別の誰かと仲良くしていると、女々しく嫉妬したりもする。また、セシリア・オルコットとは犬猿の仲であり、よく子供じみた口喧嘩を展開していたりする。
セシリアやシャルロットに対しては厳しめな昭弘だが、基本的には他人に優しい。只、余りに優し過ぎる面もあり、敢えて厳しく接する事が苦手だ。また、周囲への察しは良いが、自身がどういう存在なのかよく解っていない節もある。ここ最近起きたトラブルでは、それらが要因の一部でもあった。―――1年1組所属
剣術家。髪を後ろで1つに縛った、厳格な雰囲気を漂わせている美少女。入学当初は極度の人見知りであったが、昭弘や仲間たちと接している内に、少しずつ改善されていく。
昭弘と一夏には異性として想いを馳せており、最終的にどちらか片方を選ぶ事が、当面の彼女の課題だ。だが箒自身、本当にそれが正しいのか、最近になって悩み始めている。それらが要因なのか、ここ最近は「力」や「強さ」に固執気味であり、時々そんな自身を叱りつけている。―――1年1組所属
箒と同じく剣術家。少し前まで姉である千冬の存在に苦しみ、「自分はこうあるべき」と己に言い聞かせ続け、無理に明るく振る舞っていた。今では、昭弘や箒たちの尽力もあってか、無理をせず自由に振る舞っている。
伊達眼鏡を掛けており、表情の変化が少ない。口調も大分落ち着いたが、以前よりも寧ろ良く喋り、そして何故か時々お姉さん言葉を発する様になった。理由は何とも言えないが、一夏は昔から家事、中でも特に料理が得意であった。そんな一夏の大元に根付いた女性らしさが、時々入る謎のお姉さん口調の原因なのかもしれない。―――1年1組所属
英国貴族。令嬢らしい上品な金髪を持っており、顔も相応に美しく整っている。プライドこそ高いが、仲良くなればかなり頼もしい存在でもある。昭弘が周囲にとっての兄貴的存在なら、セシリアは姉御的存在と呼べるだろう。只、その昭弘を酷くライバル視しており、未だ互いに苗字で呼び合っている。
少し前までは、一夏を異性として愛していた。しかし、もっと愛おしい人間が出来てしまった為、一夏の事は既に諦めている。しかし、今でも彼女にとって一夏は大切な友人であり、彼女なりに親しく接している。―――1年1組所属
中国からの転入生。勝ち気な性格をしている、ツインテールの美少女。人との交流に積極的であり、休み時間中は自身のクラスである2組と1組を行ったり来たりしている。特に、昭弘やセシリアとは仲が良い。また、頭の切り替えが早く、例外もあるが基本的に過ぎた事は気にしない。そしてこれは自身も認めているが、思った事を口に出さずには居られない率直な性格をしている。
一夏は幼馴染であり、また、意中の相手でもある。ただ、一夏の変化に未だ振り回されている感は否めない。これに関しては、時間を掛けて慣れていくしかないだろう。―――1年2組所属
フランスから転入してきた、元フランス代表候補生。今現在はアメリカ国籍を取得し、フランス国籍は既に抹消されている。
転入当初は訳あって男装しており、女子生徒から狂信的な人気があった。だが、当の本人はかなりのネガティブ思考であり、自身の存在を無価値と評していた。昭弘と交流を重ねて行く内に、大分思考がプラス寄りに変わり、自分の意見もそれなりにはっきりと言える様になった。気弱な部分は相変わらずだが。
性別発覚後、以前の様な狂信的な人気は鳴りを潜める。故に、クラスメイトから嫌われている訳でもないが、特別仲の良い人間が居る訳でもない。ただし、俗に言うボッチではなく、昭弘たちとはグループになって良く喋っている。―――1年1組所属
ドイツからの転入生、且つ代表候補生。左目に黒い眼帯を付けており、長い銀髪を持つ美少年。転入当初は、多くの人間から女子と間違われていた。所謂「試験管ベビー」であり、親と言う存在がどう言うものなのか知らない。また、
織斑千冬に強い憧れを抱いていて、自分自身を捨ててでも「織斑千冬そのもの」になろうとしていた。今ではその考えを改め、純粋にIS乗りとして千冬を超えんと切磋琢磨している。
一見すると、無表情で冷たい印象を受ける。物怖じせず、良くも悪くも空気が読めないので、鈴音と同様思った事をズバズバと口にする。その上、口も悪いので、仲良くなるには人を選ぶかもしれない。ただし、昭弘とは大の仲良しで、時々彼の膝上に腰掛けたりもしている。―――1年1組所属
日本の代表候補生。髪は水色のセミロングで、眼鏡の様な機器を付けている美少女。人と接する事に慣れていないのか声が小さく、一言の中で間を置く回数が多い。本音とは幼馴染であり、親友。姉である更識楯無には、何らかのコンプレックスを抱いているが、楯無は簪の事を溺愛している。
ISの整備面にも造詣が深いのか、よくゴーレムの研究を手伝っている。その為か、昭弘とはゴーレムを通じて多少の面識がある様だ。―――1年4組所属
1組の騒音担当その1。ISTTで昭弘とタッグを組んでいた、ツインテールの美少女。代表候補生でもない彼女だが、昭弘と無茶な試合を繰り返していく内にみるみる成長していき、決勝では鈴音と互角の戦いを繰り広げた。
普段はごく普通の女子高生だが、ISの事になると途端に熱く語り出したりもする。相川と仲良し。―――1年1組所属
1組の騒音担当その2。ショートヘアーで快活な美少女であり、スポーツ観戦が好き。IS適性こそ低いものの、トリッキーな戦術を駆使して相手を翻弄する。谷本とは大の仲良しだが、ISTTで彼女に敗北した事を機に、ライバル意識も芽生え始めた。
前回の人物紹介で「千冬は何人かに告白された事がある」と書いたが、相川こそ正にその一人であったのだ。しかし、千冬以外の同性に欲情している様子も無いので、レズビアンなのかどうかは不明。―――1年1組所属
整備科を目指して日々地道に努力する、長めの黒髪に椿色のヘアピンを付けた美少女。基本的にIS戦は苦手だが、相川と同じく戦術面に秀でており、ISTTではトラッパーとして活躍した。
決して煩い訳ではないが、時々ラウラにちょっかいを掛けたりする面も。だが、昭弘には未だに苦手意識を持っており、余り積極的には話そうとしない。―――1年1組所属
1組の中では比較的真面目なタイプの優等生で、黒のショートヘアーに黄色いヘアピンを付けている美少女。彼女もまた整備科志望だが、進路の事で色々と不安を抱いている様だ。
学園に関する情報の把握が早く、行動力もあるので、クラスメイトからは「しっかり者」と言われている。―――1年1組所属
長く麗しい髪を持つ、何処か大人びた雰囲気の美少女。整備科志望。クラスの誰よりも落ち着いているが、それでいて堂々としており、周囲の反応に流されない。
その見た目にそぐわず、無人ISであるゴーレムには強い興味を抱いている。―――1年1組所属
ブリュンヒルデの異名を持つ、世界最強のIS操縦者。1年1組の担任教師であり、織斑一夏の実姉でもある。年下の女子からモテる。
教師としては比較的優秀の部類に入るが、姉としてはそうでもない一面も。料理はお世辞にも上手ではないし、何より弟の本性にごく最近まで気付けなかったのが、その好例だ。気付いた後は相当のショックを受けた彼女だが、昭弘からの喝でどうにか立ち直った。
謎多き闇の組織、「亡国機業」の実動部隊リーダー。と言うのはあくまで建前で、実際は亡国機業の持つ兵器兵力の殆どを管理・保有しており、実質的には組織のトップである。アッシュブロンドの美しい長髪を持つ、血の様な紅い瞳の美女。しかし、年齢や素性等、現時点では一切不明。
昭弘の存在を酷く警戒していて、交戦状態に陥る事も視野に入れている様だ。昭弘が仲間になる確証も無いとなれば、当然の想定なのかもしれないが。
亡国機業における運営面のトップであり、支配者。双子の妹であるスコールと2人で、組織を牛耳っている。髪はスコールと同じアッシュブロンドの長髪で、瞳も同じく紅い。か細い身体、露出の激しい衣服、そしてその美貌から女性と間違われる事が多いが、れっきとした男性である。スコール以上に謎多き人物であり、実はサイボーグなのではないかと言う噂も存在する。
スコールとは違い、昭弘の事を偉く気に入っており、必ず仲間に加わってくれると信じている。
〈登場IS〉
ラウラ専用IS。全体的に黒色の第3世代型ISであり、近接攻撃から中距離・遠距離攻撃まで、何でもこなせる万能機。
特に、第三世代型特殊兵装である
・装備 ワイヤーブレード×6 プラズマ手刀×2 大口径レールカノン
シュバルツェア・レーゲンが二次移行した姿。漆黒の様な色合いはそのままだが、全体的な大きさは生身の人間サイズにまで小さくなった。装甲は極めて薄いが、肌の露出部分はレーゲンよりも少なく、首から上と上腕部以外は全て黒い装甲に覆われている。また、主な攻撃手段となる拳と足の装甲は、途轍もなく硬い。
他のISとは文字通り次元の異なる機動力を秘めており、瞬時加速以上のスピードで複雑な軌道を描く。余りに速過ぎる為、ハイパーセンサーでなければ目で追う事すら儘ならない。更に、AICとPICを応用する事で空間に手や足を着く事が出来、これを利用した
しかし、現時点では武装を何一つ使う事が出来ず、拳や足による打撃格闘術でしか攻撃出来ない。
・装備 現在なし
シャルロット専用機で、橙色のIS。第2世代機だが拡張領域が異常に広く、様々な武装を格納出来る。その数は近接武器から射撃兵装まで、最大20種にも及ぶ。しかしこの機体を使いこなすには、状況に応じて瞬時に武装を切り替える技術が必要であり、それが出来なければ単なる宝の持ち腐れとなる。
・装備
簪専用の第3世代型ISであり、色は白に近い水色と、見た目の印象はまるで打鉄と異なる。そして、見た目だけに留まらず性能も真逆で、打鉄が防御重視なのに対し、弐式は機動力重視の性能となっている。
しかし、研究所で何かしらのいざこざがあったのか、未だ完成には至っていないらしい。それでも尚、荷電粒子砲や対複合装甲用超振動薙刀は強力で、搭乗者である簪の実力も合わさり見事決勝トーナメントに進出した。
・装備 春雷(連射型荷電粒子砲2門) 夢現(対複合装甲用超振動薙刀)
〈IS専用兵器〉
・
IS用に改良が施された、大型の50口径重機関銃。今現在、ISに最も運用されている兵器。設計としては、クローズドボルト方式とオープンボルト方式とがある。長くなるので詳細は端折るが、連射可能時にボルト(遊底)と稼働部品が前進したままで、銃身が閉じた状態なのが前者。後退したまま、開いた状態なのが後者である。銃身自体、連射が続くと高温になるが、後者の方が冷却されやすい。
現在世界で使われているIS専用重機関銃は、以下で述べる3種類のみである。
ブローニングM2を、そのままIS用に改良した重機関銃。
M2は1933年、アメリカ軍に採用された。以降、80年以上経った現在でも、未だに現役な長寿機関銃である。歩兵一人での携行が難しい為、主に固定兵器として使われている。銃本体だけでも40kg近くはあり、最低でも銃を固定する三脚が無ければ、運用は不可能だ。しかし、M2はその重量のおかげで発射時の反動も軽減される。何より12.7mm弾の威力は絶大で、航空機や装甲車にとっても十分な驚異となる。それを、ISの怪力によって持ち上げるのだ。
ライフルの様に手持ちで撃つ為、グリップとフォアグリップ、ストックが新たに追加。銃後方に付いていた逆V字型の
片手撃ち補助機能も、新たに追加された。片手でグリップを持ったまま肘を伸ばす事で、ストック下部に内蔵されたセンサーが反応し、ストック後方から上腕部を固定する為の機械腕が伸びるのだ。これにより、片手撃ちでも腕を伸ばしたままなら、それなりの精度を保つ事が可能となる。弾数よりも取り回しを重視する為、弾帯(銃弾を横一列に連結したもの)も排除し、代わりに保弾板(銃弾が20発程並んだ板)をケースで覆った
クローズドボルト方式である為、銃身に熱が籠りやすく、コックオフ(熱による弾薬の爆発)を引き起こす可能性が高い。よって、長時間の連射が出来ず、多くても10発程度連射したら間隔を開けねばならない。M2においては、銃身の根本部分に複数の穴が空いており、これにより幾らか銃身が冷却されやすくなっている。
ISTTにおいて、谷本癒子の他にも多くの生徒に使われていた。他2種の重機関銃と比べると軽く、取り回しが良いバランスの取れた性能となっていて、精度も高い。故に、初心者や訓練生から人気が高い。IS用の重機関銃としては、現在世界で最も多く普及している。
何故より連射性能の高いM3ではなくM2なのかと言うと、単純にコストパフォーマンスの良さがある。元々M2は三脚固定、車両・軍用機・甲板設置型、連装型など、様々な運用法がある。対してM3の運用は、軍用ヘリのドアガンか、ガンポッド程度だ。単独携行型に改良させるならば、より多彩な運用実績を誇るM2の方が、コストも掛からないと判断された。また、M3は連射性能が高い分弾切れも早いので、必然的に弾倉も更に大きくなる。よって、銃全体の重量も大幅に増してしまうし、弾倉が大き過ぎて取り回しもシビアになってしまう。以上の様な理由で、ISの御供にはM2が選ばれた。
・口径:50口径 銃身長:1143mm 全長:1820mm 本体重量:50.2kg 発射速度:毎分485~635発 有効射程:2000m 最大射程:6770m
ヴィッカース
IS用としては、新しく50口径12.7mm弾型が製造された。つまり、ヴィッカースと言う名を踏襲してはいるが、中身は殆ど別物である。銃身周りを覆っていた、冷却水を入れる為のウォータージャケットも存在しない。しかし、基本設計はクローズドボルト方式のままだ。ISTTでは、相川清香が決勝トーナメントで使用していた。
基本構造は、XMと大体同じである。発射速度こそXMに劣るが、XMよりも内部機構が単純で、何より異常な頑強さを誇る。ダイヤモンドに次ぐ硬度をもつCBN砥石(ボラゾン砥石)が多く含まれていて、それをカーボンで覆っているのだ。故にストックによる殴打も強力で、銃本体の重さも相まってその威力は大型のスレッジハンマーを優に凌ぐ。つまり、近接武器としても大いに役立つのだ。また、CBN砥石は高温にも非常に強く、900℃までなら加水分解しないと言われている。こう言った頑強さは、ヴィッカースの名を冠するに相応しい部分ではある。
・口径:50口径 銃身長:1202mm 全長:2000mm 本体重量:136.1kg 発射速度:毎分430~580発 有効射程:2200m 最大射程:7000m
数字の通り、現時点で最も新しいタイプの重機関銃。
1897年、フランス軍に正式採用されたMle1897を、何度も改良して完成したのがMle1914である。基本的に3人1組で運用し、戦車にも搭載されていた。1940年まで、同軍に使用された。
Mleシリーズの最終型となったMle1914も、元々は8mm弾専用の空冷式重機関銃であり、それを12.7mm弾用50口径に現代改良した。因みに、弾帯や弾倉の代わりとなった保弾板倉は、Mle1914の保弾板機構からヒントを得たのだと言う。本編ではシャルロット・デュノアが愛用している。
上記の2丁とは異なる、オープンボルト方式の重機関銃である。この方式最大の強みは、連射後も銃身が開いている為冷却されやすく、より長時間のフルオート射撃が可能な点だ。しかし、銃身が開いている分砂埃が入りやすく、酷い悪天候下では故障の原因にも繋がる。また、長大な弾帯を使用している訳でもないので、フルオート射撃と言っても保弾板倉にセットされている20~30連発が限界だ。それでも尚、撃ち続けられるアドバンテージは大きく、対IS戦でも大量の銃弾をバラ撒く事が可能だ。その利点が認められた為、今更になってオープンボルト方式が採用された。今までその方式が採用されなかった理由としては、M2の存在が大きい。現存する重機関銃の中で最も信頼性が高く、IS用の改造も簡単かつ低コストで済むM2は、やはりISの兵器としても優秀であったのだ。
元々Mle1914は弓状トリガーであったので、グリップ周りは殆どそのままだ。フォアグリップ、ストック、片手撃ち補助機能に関しては、上記の2種と同様に追加された。
因みに、Mle2022を開発・生産したのは他ならぬT.P.F.B.であり、XMに代わる低コスト単独携行型重機関銃を目指している。過去、デリーがデュノア社に訪問したのも、本銃に関する商談が主な目的であった。
・口径:50口径 銃身長:1250mm 全長:1930mm 本体重量:102.9kg 発射速度:毎分430発 有効射程:2150m 最大射程:6900m
これら重機関銃には1つ、大きな弱点がある。その存在こそ、今日における重戦車である。その分厚い装甲を破るには、12.7mm弾では質量も速度も足りないのだ。但し、キャタピラー等は十分破壊可能なので、動きだけなら封じられる。
もしISで戦車を仕留めるならば、従来通りの対戦者ライフルか、20mmクラスの弾丸を撃ち出せる兵器が必要となるだろう(特殊な兵装を積んでいる第三世代型ISは例外である)。
・IS専用ガトリング砲
多銃身式の機関砲であり、機関銃など比較にならない程の発射速度を誇る。環状に並んだ複数の銃身を回転させ、それぞれの銃を同じ位置で撃発させる事で、驚異的な連射を可能としている。その構造上、銃身の回転が速ければ速い程、発射速度も早くなる。近年では戦闘機搭載用ガン、ミサイル及び戦闘機迎撃用の艦載兵器(ファランクスシステム)として活躍している。それを重機関銃同様ISで持ち上げるのだが、重機関銃より巨大な兵装である為、取り回しが難しい。
現在2種類が存在し、その内片方を紹介・説明する。
攻撃機(AV-8B ハリアーⅡ)、ガンシップ(AC-130U スプーキー)、自走式対空砲(LAV-AD)にも搭載されているGAU-12イコライザー。これをIS用に改造したのが、GAU-0アトラクターである。本来25mm口径5砲身のイコライザーだが、更なる発射速度向上の為に7砲身へと増やされた。重量よりも発射速度が優先されたのは、砲身を減らしても大きな軽量化にはならないからだ。どうせ大して変わらないなら、少しでも発射速度を向上させ、小さく素早いISに1発でも多く砲弾を当てるべきだと判断された。同じ7砲身ガトリング砲に30mm口径のGAU-8アヴェンジャーがあるが、余りに巨大且つ超重量過ぎた為、ISでの運用は流石に無理があった。
驚異的な連射性能で25×137mm弾を吐き出すその攻撃力は、重戦車も含めてほぼ全ての標的を撃ち抜く。ISであっても、SEの大幅な減少は避けられない。只、やはりその重量と大きさ故、例えISを纏おうと扱いは難しい。発射衝撃が大きい分、片手撃ちが不可能なので、アトラクターを使用している際は他の携行兵器を使えないのだ。当然、それだけの巨砲を両手で持ったままでは、空中での機動力も著しく低下する。発射衝撃を抑える為、PICにもエネルギーを割かねばならない。本編では、谷本癒子が自在に振り回していたが、誰もがあんな風に扱える訳ではない。練習以前に、兵器との絶対的な相性が必要だ。抑々が、広大な拡張領域を保有しているラファールリヴァイヴでなければ、この兵器の運用は厳しいだろう。
「attractor」には、「引きつける者、魅力ある者」と言う意味がある。「equalizer(平定者)」や「avenger(正義の復讐者)」と比べると、ネーミングの方向性が違う。これは「手持ち」と言う、今までとはまるで異なる、ガトリング砲の新しい運用方法を示唆している。そう言った意味では「0」と言う数字に関しても、「始まり」を表現しているものと思われる。
そしてこれは余談だが、ラファール専用の武装であるクアッド・ファランクス(ガトリング砲×4門)にも、GAU‐0が使われている。IS中最強の火力を誇るクアッド・ファランクスだが、発射時は一切の移動が出来ないと言う多大な欠点を持っていた。一説によると、「過ぎた火力を止まって撃つより、適切な火力を動きながら撃つべき」と言う発想が、アトラクター開発の発端になったとも言われている。
・口径:25mm×7砲身 全長:2.11m 重量:139kg +給弾装置:250kg 発射速度:毎分4300~5000発 有効射程:1100m
また暫く休みます。前回ほど長くはならないと思います。