IS~筋肉青年の学園奮闘録~   作:いんの

57 / 126
遂にここまで来ました。簪がメインを張る回です、


あと今更ですが、今回はいつにも増して自己解釈全開ですのでご注意を。


第43話 CORE Ⅰ

―――――6月22日(水) 格納庫―――――

 

 IS学園格納庫。其処は正に、昭弘が驚嘆するには十分過ぎる程の規模であった。

 何よりその広さだ。ゴーレム研究用の設備やPC、有線式の高エネルギー充填装置。そしてそれらを繋ぐ大小様々な配線により、かなりのスペースが占領されている。にも関わらず、格納庫正面ゲート付近はまだまだ空間的余裕を残していた。

 

 感想もここまでに、昭弘は今度こそ目的の為に格納庫を軽く見渡す。

 すると丁度1体暇を持て余しているのが居た。黄緑色のボディ、その胸部には白い星型のマークが大きく1つ。それがゴロであるのを視認すると、早速昭弘は歩を進める。

 

 

 IS学園において、昭弘・束・ゴーレムの三関係を把握しているのは千冬と楯無だけだ(無論、昭弘と束の関係も旧知の間柄とまでしか知らない)。

 生徒たちや他の教職員、研究員に話しているのはあくまでゴーレムと昭弘の関係性のみ。それも「以前T.P.F.B.の命で昭弘の阿頼耶識を無人IS研究に役立てる為、匿名の研究機関に派遣される。そこで現ゴーレムのAIと親交を持った」と言う設定で話を通してある。

 

 態々そうしたのは引継ぎをスムーズにする為だ。

 ゴーレムとの関係性も定かでない人間から注意点やら何やらを説明された所で、信用される筈がない。束の所有物である事実も、昭弘の証言以外何一つ証拠は無い。

 ならば上記の様に説明するのが、嘘であろうと一番混乱も少ない。

 

 

 また話は戻る。

 地を這う無数のコードを踏まぬよう慎重に足を運ばせ、少しずつ距離を詰めるが―――

 

「…だから、アナタたちには…関係ない…でしょ…」

 

 ゴロの方角から、ゴロの機械音声でないか細い声が伝わって来る。

 

《ソンナ事ハ御座イマセン。貴女ダケ毎度毎度一人黙々ト作業ヲシテイルト、否ガ応デモ気ニナリマス》

 

「…私は気にしない…一人が良い…放っておいて…」

 

《私ハ気ニシマス。オット丁度貴女ノ話シ相手ニナッテクレソウナ御人ガイラッシャイマシタヨ》

 

 鮮やかな水色の髪に眼鏡の様な機器、それら全体から発せられる愛らしくも何処か陰鬱な雰囲気。両手をカノン砲から五指の揃う掌へと変形させしつこく迫るゴロを煙たがっているのは、かの生徒会長の妹『更識簪』であった。

 ゴロの言う御人だが、位置的に昭弘を指しているのであろう。

 御人と言う呼び方が気になった昭弘だが冗句にいちいち反応しても仕方がないと、無駄な思考に労力は流さないでおいた。

 

「お疲れさん、ゴロに更識。それで?更識はオレに何の用だ?」

 

「…何も」

 

 あからさまに嫌がっている簪を見ては、昭弘も困り果てるしかない。

 

《更識殿、人トノコミュニケーションハ重要デスヨトイツモ言ッテイルデショウ。コノ際、本音殿以外ニモ御学友ヲ増ヤサレテハ?》

 

「……そろそろ…アリーナ、い、行かないと」

 

 簪は昭弘をただの一瞥もせず、自前のノートPCやら何やらを一纏めに片すと整備科生たちに軽く挨拶をして格納庫からそそくさと退室する。

 昭弘は自分でも良く解らないまま、去り行く簪の細い背中を呆然と見送る。

 

《ソウ気ヲ落トサナイデ下サイ昭弘殿。更識殿ハ駄目デシタガ、イツカ必ズ貴方ヲ受ケ入レテクレル人間ガ現レル事デショウ》

 

「…まるでオレが更識に振られたみたいに言うのは止めろ。お前の御節介が鬱陶しいから逃げたんだろうが」

 

《ソウナノデスカ?完璧ナフォローデアッタト強ク自負シテイタノデスガ…》

 

 昭弘の呆れと憤りを乗せた言葉に、ゴロはそう言いながら首が無いので代わりに腰を傾げる。どうやら頭は良くても相手への気遣いは宜しくないらしい。

 率直な物言いにも、使うべき場面とそうでない場面がある事を昭弘は知っている。

 

 簪とゴロの関係も気になる昭弘だが、今はそれが目的で格納庫に来たのではない。「訊く」為に来たのだ。

 よって、少々不自然ながらも話の流れを変える事にした。

 

 

 がしかし、創造主の事でさえ結局顔すらも思い出せなかったとの事だ。

 

 話は更に続く。

 

「…じゃあこの前も教えたタロジロと言う個体のISコア。それとは何かコンタクトを取れたか?」

 

《ソレモ無理デシタ》

《タロ殿トジロ殿ガ互イダケノネットワークヲ持ッテイルナラ兎モ角、モシソレスラ無イ状況ダトスレバ…。結論ダケ言ワセテ頂クナラ、彼等ノ「自我」ハ崩壊シマス》

 

「!」

 

 ISコアにとってのコア・ネットワークとは、人間にとっての社会そのものだと言われている。

 人間は他者が居るからこそ己と言う「個」を自覚出来る。ISコアも同様に、コア・ネットワークと言う世界で他のコアと様々なやり取りをしている。

 そうやって己と他との違いを知る事で、己が「己」であると知るのだ。

 

 もし記憶の無い個体がネットワークから切り離されれば、己と言う個は衰退していく。タロはタロでなくなり、ジロはジロでなくなるのだ。

 それも、どれ程の期間でそうなってしまうのかすら誰にも解らない。

 

 そんな理屈等知る由も無い昭弘だが、ゴロが嘘を付く理由も見つけられないので、事実として受け入れるしかなかった。

 

「…これは確認だが、お前たち3体のコアはネットワークで繋がってるんだよな?」

 

《アクマデ我々3個体間ダケノネットワークデスガネ。サブロ(阿呆)シロ(短気)ト連携ヲ取ル際ハ、カナリ役立チマス。但シ我々ハ直接皆様トコウシテ接スル事ガ可能デスノデ、ネットワークヲ失オウト自我ガ崩壊スル事ハ御座イマセン》

 

 となると自我の消失を防ぐ方法は2つ。どうにかしてコアをネットワークに繋げるか、新しいボディと接続させるかだ。

 無論そんな事は、ゴーレムに御執心な研究員の皆様が様々な手法を用いて今も試みているに違いない。

 

 昭弘はどうも参った。もう訊く事柄がなくなってしまったのだ。

 ゴロとの会話で昭弘が得た情報と言えば、タロとジロが思いの他不味い状況にある事だけ。

 

《…他ニ無イヨウデシタラ、ソロソロオ暇サセテ頂キマスガ》

 

「あぁいや、もう一つあった」

 

 嗚呼やってしまったと昭弘は思った。まだ訊くべき事なんて何も思いついてないのに、焦って呼び止めれば誰しもそうなる。

 とは言え「何でもない」で終わらせ、機会を放棄するのも勿体ない。ちょっとした会話で得られる物だってある。

 

 止む無く、昭弘は「訊くべき事」から「訊きたい事」へと転換する事にした。即ち単に昭弘が抱いている個人的興味だ。

 

「更識を放っておけないのも、孤独なタロとジロの境遇に似ている部分があるからか?」

 

《……イイエ、少シ違イマス》

《誰トモ接スル事ガ出来ズ只自我ガ消失スルノヲ待ツダケノ孤独感ト絶望感ハ、体験シタ事ノ無イ私ニハ測リカネマス。ソンナ彼等トハ違イ幾ラデモ機会ガ設ケラレテイルニモ関ワラズ、自ラ心ヲ閉ザス更識殿。ソンナ彼女ヲ不愉快ニ思ウ所ガ、私ノ中ニアルノデショウネ》

 

 タロ・ジロと簪の境遇は、一見似てる様で実際はまるで非なるものだ。

 「誰にも会えない」のと「誰にでも会える」のは、数字で例えるなら0と1程の隔たりがある。その間には、まるで宇宙の様に広く永い異次元的な距離が存在する。

 簪がそれだけ恵まれた「1」の世界で対人関係を疎かにするのは、ゴロからしてみれば贅沢に過ぎるのだ。世界のほんの一部だけでも、彼等に分けて欲しいとでも言いたいのだろうか。

 

 だがそんな否定的な感情だけで終わらないのが、束が創り上げた無人機であった。

 

《只、単ニ不愉快ナダケデシタラ私モ彼女ト接シタリシマセン》

《…オ恥ズカシナガラ、何故更識殿ヲ放ッテオケナイノカ私自身ニモ良ク解ラナイノデス。幾度己ニ理由ヲ問イ質ソウト、納得ノ行ク答エハ出マセンデシタ》

《彼女ガ一人デ居ルト、何故カ構イタクナル》

 

 最後にそう言い切ると、ゴロは格納庫の奥で話し合っている研究員たちの元にノシノシとその巨体を向かわせた。

 

(…いや、そんな事は有り得ん)

 

 ゴロが簪に抱く感情。その正体が何なのか昭弘には心当たりがあったのだが、結局即座に否定する。

 確かにクロエはずっと一人だった。束や昭弘や無人機たちは居ても、同年代で対等な友人は居なかった。同じくずっと一人の簪に対し、クロエの姿を重ねても不思議ではない。

 だが似ている存在ならラウラが居る。それ以前に、抑重ねようがないのだ。ゴロには記憶が無いのだから。

 

 では一体、ゴロを突き動かすモノは何なのか。

 記憶の更に奥深く、鈍く光る残照の様なものか。それとも、元から心優しくあるよう創られているのか。

 

 

 もう少し詳しく訊いて回りたい昭弘だが、研究員も整備科生も相変わらず忙しない。

 タロとジロが眠る地下施設は、SCだけで気軽に入室出来る様な場所ではない。

 今直ぐにでも助けたいが、整備科生を大幅に下回る昭弘の知識量ではどの道何をどうすれば良いのか見当も付かない。

 

 そうして選択肢を絞っていき、昭弘はどうにか今やるべき事を見出だす。

 

(先ずは知識だな。特にコアに関する知識だ)

 

 心にそう定めた昭弘は、自身と面識がありISに詳しいであろう人物を思い浮かべる。昭弘の持つ普通科1学年用の教材では、ISコアの専門知識を得るには足りないからだ。

 

 先ず1組は駄目だ。今は殆ど研究組に混ざってる。本音も生徒会だろう。

 整備課の教員たちもゴーレムの一件で忙しい。千冬と真耶にも、これ以上迷惑を掛ける訳にはいかない。

 となると…

 

 現時点では簪が最有力であった。

 昭弘の記憶では、彼女は当初から研究に参加していた。それに先程彼女が持参していた、本格的な機器の数々。整備科並かは何とも言えないが、ISに関してはかなりの知識量を持っている筈。

 また、彼女は基本的に1人だ。集団活動に割り入って場を乱すよりずっと都合が良い。特別親しい訳でもないが、後は彼女の良心に賭けてみるしかない。

 

(アレは確かアリーナDの方角だったな。どの道、丁度良いかもしれん。ラウラが暴走しかけた時の礼もまだだしな)

 

 そんな理由を追加で並び立て、昭弘は先程の簪に倣うように研究組へ軽く挨拶をした後退室した。

 

 

 

―――アリーナD

 

 IS学園人工島。

 この島で本校舎から最も離れた場所が此処「アリーナD」だ。

 その距離故に、利便性はお世辞にも良いとは言えない。加えて、お天道様は今にも小雨が降ってきそうな曇天に遮られている。

 そんな状況で態々「学園島の僻地」と言われる場所に赴く生徒も、そうそう居はしない。

 岩壁にぶつかる波の音はアリーナCと同じだが、人が少ないからか潮騒は唯々虚しさだけを残すばかりだ。

 

 其処こそが簪にとっての穴場であった。

 中に生徒は殆ど居らず、アリーナを管理する職員もごく僅か。ここには自身の邪魔をする人間は居ない。

 ピット内まで微かに響く寂しい波打ち音すらも、作業中の簪にとっては心地良かった。

 

 だが自然が創り出すその音は、時々簪を別の思考へと誘導する。

 

ゴーレム(アイツ等)も本音も、どうして私なんかに構うんだろう)

 

 色とりどりの配線に繋がれた自身のISに向き合い、キーボードをカタカタと指で叩きながらそんな事にも思考を割く簪。

 すると突然―――

 

「オイ」

 

 と低い声がピット内に響く。警戒心を剥き出しにしながら振り向くと、片腕でダンボール箱を抱えた昭弘が立っていた。

 対して簪は、顔を顰めて再び打鉄弐式へと向き直って言い放つ。

 

「…何の…用?」

 

 折角一人の時間に、突如として押し掛けて来た来訪者。簪の気分は最悪の一歩手前だった。

 こう言う中途半端な知人と会うのは、簪にとって却って気不味くなる。赤の他人の方が何も話さない分まだマシだ。

 

 そんな簪の心境を察してか、昭弘は敢えて抑揚の無い調子で事務的に話を進める。

 

「先ずISTTの件でな。ラウラが暴走しかけた時、お前には軽く助けられた。その礼と言っちゃ何だが、スポーツ飲料だ。大したもんじゃないが」

 

 そう言うと昭弘は箱をズシンと下ろす。サイズ的に500mlが24本と言った所か。

 すると簪は作業を続けながら返事をする。

 

「…別に。私が…勝手にやった…事だし。……その、要らなくもないけど…」

 

「じゃあ受け取ってくれ。何なら今飲んでも構わん。残った分はオレがお前の部屋まで運ぶから安心しろ」

「それでもう一つはだな…」

 

 嫌な予感に任せて、簪は昭弘をジトリと見やる。「頼み事ならお役御免だ」と訴えかける様に。

 

「オレにISコアの事を詳しく教えて欲しい」

 

 断る要素しかないので、簪は珍しく即答する。

 

「他を…当たってくれる?私もその…色々忙しいし…。アナタに教える…義理も…無いし」

 

「…残念だ。ああそれと部屋番号を教えてくれ。ついでにスポーツ飲料(コイツ)も、お前の部屋まで運んでおく」

 

「えっ…」

 

 途端に簪の表情に弱々しさが宿り始める。

 スポーツ飲料の入った箱の重さは12kg。更にこのアリーナDから学園寮まで、徒歩だと片道20分は掛かる。

 流石の簪も、そんな重労働を昭弘に強いるのは大いに気が引けた。ここで部屋番号を伝えると言う事は、自分の部屋まで運んでおけと無慈悲に命じている様なもの。

 女子の中でも取り分け細身な簪では、運ぶのは尚厳しい。ピット内にある台車で運ぶとしても、戻す為に再びアリーナDまで戻らねばならない。それは非常に面倒だ。

 

 互いの労力的に最も合理的な方法は、やはり2人で協力して運ぶ事だろう。

 となると簪の作業やら機動訓練やらが終わるまで、昭弘には此処で待って貰う事になる。

 それもそれで申し訳ない。

 

(大体アルトランドくんが此処迄持って来なければ…。もしかして意外と馬鹿なのかな?)

 

 そんな心の中では言いたい放題な彼女だが、そろそろ妥協案が必要な事も理解している。早くしないと昭弘が行ってしまう。

 

(…まぁただ待たせるよりはマシかな)

 

 彼女にとっては不本意の極みだが、色々と手伝って貰う事が現時点では一番後腐れがないのかもしれない。ただ待たせるよりはずっとマシだ。

 昭弘の頼みを聞き入れる事になるが。

 

 さっきからくだらない事で何を悩んでいるのかと、簪は大きな溜め息を吐いた。

 たかがスポーツ飲料ではないか、ISコアの事をさらっと教えるだけではないか。それに比べれば、気遣いの為に色々考える方が遥かに疲れる。

 

「…そ、その……私の事手伝ってくれたら…別に教えても…」

 

「恩に着る。何でも言ってくれ」

 

 面倒臭くなったので適当な気持ちで引き受けた簪だが、昭弘に上手い事誘導された感は否めなかった。

 

 

 簪の条件。それは、自身と打鉄弐式の空中演武を昭弘に見て貰う事だった。

 

 

 

 演武は10分程で終わった。

 敵が今正に眼前で展開しているかの様に迫り、躱し、穿ち、撃つ。その様はシャドーボクシングが最も近い表現だろうか。

 

「ハァ…ハァ…どう……だった…?」

 

 ISスーツのままピットにて息を切らす彼女は、昭弘にそう訊ねる。

 対して昭弘は、箱に隙間なく詰められているスポーツ飲料の1本を一先ず簪に手渡した。

 弐式の演武を見せた理由は未だ不明だが、脚色の無い率直な感想を昭弘は述べる事にした。

 

「…失礼かもしれんがお前の打鉄弐式…もしかして未完成か?」

 

「…何故、そう…思ったの…?」

 

「確かにお前の弐式は速い。だが専用機にしては、どうにも中途半端な感じがした。兵装は薙刀と粒子砲の2種類だけで、かと言って白式程の近接特化な訳でもない」

 

 白式と言う単語を聞いた時、一瞬だが簪の顔に憤りの色が見えたのを昭弘は見逃さなかったが、構わず感想を続ける事にした。

 

「動きに関しては全体的に見事な機動だった。だが、急停止と旋回速度の遅さが少し目立った様に思えた」

 

「急停止と…旋回速度。…分かった…ありがとう」

「着替えが終わったら…後は…約束通りに…」

 

 「約束だけは果たす」と言った態度の簪は、自身のISについて多くを語らなかった。

 

 しかし毎回懲りもせず余計な勘繰りの働く昭弘が、何も訊かない筈もなく。

 

「何故オレにマニューバを見て欲しかったんだ?…弐式を完成させる為の、何か新しい兵装を追加する予定でも?」

 

「……アナタには…関係ない」

 

「抑どうして弐式は未完成の状態なんだ?」

 

「………しつこい」

 

「白式と何か関係あったりす―――」

 

「しつこいってばッ!!」

 

 感情に任せて声を荒らげた事実に、簪は数秒遅れてハッとする。かなり久しぶりの怒声であったのだろうか。

 煙たがれる事はある程度予想していた昭弘だが、怒鳴られるのは流石に予想外だったようだ。そんな動揺を簪に悟られないよう、昭弘は口調を落ち着かせながら謝罪する。

 

「…すまない。ズケズケと踏み込み過ぎたな」

 

「……ううん。私の方…こそ…ごめんなさい」

 

 互いに謝りはしたものの、一度心に現れた水源までは消えてくれなかった。

 

 昭弘は簪の怒声を思い返す度、彼女とそのISに関する疑問と興味が湯水の如く沸き出した。あの剣幕の裏側に、一体どんな理由が潜んでいるのだろうかと。

 

 簪も又、昭弘からの要らぬ質問を脳内で再生する度、突き放さんとする衝動に駆られた。それは誰の力も借りてはならない、自分一人の力だけで成し遂げるべき事なのだから。

 

 

 そんな互いの心に深く根を張る水源も知らぬまま、2人は共にアリーナを去った。

 

 

 

続く




昭弘なら12kgを20分間なんて余裕…なんじゃないかな?無理かな?

次も、結構小難しい話になっちゃいます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。