なんかこの2人絡ませるの久しぶりな気がします。
―――――7月1日(金) 08:19 1年2組―――――
「鈴、最近元気無くない?目ぇ細い」
「織斑くんと喧嘩?」
生徒2人が心配の言葉を掛ける相手は、彼女ら1年2組にとっての中心人物であり、普段なら真夏の陽光よりも熱く輝いている。
本人は自覚が無いのだろうが、クラスの空気はこの人物が支配していると言っても過言ではない。
だがどうした事か。大人しく席に座り、口はへの字に曲げ、腕を組みながらただ真正面を見据えるその様は。
しかも今日一日だけならまだしも、ここ数日毎日この調子だ。
「…一夏についてって部分は当たってるわ」
やっぱりと言いたげに、2人は苦笑いしながら互いを見合う。
「偶には皆に相談したらー?何なら私が話聞くよ?」
が、鈴音は上瞼を少し垂らしたままゆっくりと顔を左右に振る。
自分の事は自分で片付ける鈴音の性分を知っている学友は、そう言う部分だけ相変わらずの彼女に溜め息を吐く。
一夏が変わったあの日以降、鈴音は一夏と余り接する事が出来ないでいた。何ならここの所、一夏よりセシリアや箒と会話している事の方が多いくらいだ。
鈴音と一夏の付き合いは長い。小学校から中学校まで、鈴音はずっとヒロイックな一夏をその目に焼き付け、想いを寄せてきた。
そんな彼がある日突然、別人の様に変わってしまったのだ。
覚悟していた事とは言え、やはりどう接すればいいか鈴音には解らない。
だがぼやぼやしてたら、一夏を他の女に掠め取られてしまう。それだけは何としてでも避けたい鈴音。
これだけ気にしていると言う事は、やはり一夏を未だに愛しているのだろう。ならば、まるでただの友達みたいな現在の関係性は、鈴音の望む所ではない。
(…結局は行動あるのみ…ね)
先ずはそう、今の一夏をもっと深く詳しく知る必要がある。今2人でデートしても、互いに遠慮し合って終わりな気がするし、2人っきりでのISバトルも同様だ。
かと言って、昭弘たちまで居てはいつも通りになってしまう。
日常以上、デート未満な状況が望ましい。
そう条件を絞ると、「アレ」が一番丁度良いと思い至る鈴音であった。
話はとんとん拍子に進み、一夏は普通に快諾してくれた。
鈴音の希望は日曜日だったが、その日はアリーナの空きが夕方以降しか無く、午前正午は割と一夏もフリーであったのが幸いした。
―――――7月3日(日) 09:06―――――
雨がポツリと降ったり直ぐ止んだりする曇り空から遥か下方の小道。
一夏と鈴音は格納庫への道を、何気ない会話で埋め尽くしながら進んでいた。今さっき職員室で借りたSCの結着された紐を、首から下げながら。
「にしても、鈴って結構ゴーレムに関心があったのね。一度セシリアと見に行ったって聞いたし」
「まぁ、ね。ホラ、人工知能と話せる機会なんて、滅多に無いじゃない?」
「同感ね」
余り表情は変えずに、淡々と会話を進める一夏。時々眼鏡のフレームを摘まむのは、一種の癖の様なものだろうか。
やはり喋り辛い。無表情な一夏なんて、以前の彼からは懸け離れている。心なしか、胃の調子も悪い気がする。気合の余り朝食を摂り過ぎたか。
「と言うか一夏さぁ、やっぱ似合わないわよ眼鏡。勿体ないなら売ったら?」
「似合わなくてもいーの。付けたくて付けてるんだから」
めげずに話題を見つけ出し、普段通りな口調を維持しながら会話を途切れさせない鈴音。眼鏡を外して欲しいのは、心の奥底から発した鈴音の本心だが。
だが眼鏡以上に、せめてその話し方を何とかして欲しかった。一夏が使うと、冗談抜きで不快な気分にさせられる。
そしてそれが、鈴音の胃の不調に更なる拍車を掛ける。
格納庫に着いた時、認めたくはないが鈴音は安堵してしまっていた。やっとこの会話劇が終わってくれた、と。
何十年後かの、近未来の世界。人々はそれがどんなものか知らないが、見慣れてはいる。
此処に居る織斑少年も、アニメや映画等の映像媒体のお陰で、十分過ぎる程慣れ親しんだ。
一夏と鈴音が電気錠を開けた先は、そんなSF世界をそのまま切り抜いて持ち込んだ様な空間であった。ただ一つの束縛も無く、ロボットが闊歩している。そんな彼等と、研究員だけでなく生徒もさも当然の如く会話しているのだ。
こんな光景、見慣れていた筈なのにこの圧巻。これが現実、これが本物の近未来。
「凄い…」
初めて見る一夏は、それしか言葉に出来なかった。
「…何か新しいの増えてるし」
一度来た筈の鈴音も、新顔のロボットを見掛けてそんな声を漏らす。黒く細く鋭角的で紅いバイザーな、いかにも悪役チックな外見の無人ISだ。
2人が続いて気を取られたのは、この格納庫とは非常にミスマッチな“音”であった。
洋楽だ。ジャンル的にはEDMに入るのだろうか。比較的スローテンポで、洋楽特有の電子音が曲の大部分を構成していた。海岸沿いの道路を走る車内で流せば、さぞかし楽しい一時を過ごせそうな一曲だ。
一体誰の趣味なのか。
そんな中、戸惑いを隠せないのか辺りを見渡す一夏。
「と、兎に角!グループが出来ている所に行くわよ!無人ISを囲って研究してる筈だから」
初めてで圧倒されてばかりの一夏を、鈴音はきびきびエスコートする。状況に変化を与えて、一つでも多く一夏の内面を知らねば。
しかし、何かを視界に捉えた一夏はその足を止める。
「ねぇ鈴、『彼』なんてどうかな。あの白い子」
そう言い、一夏は置物みたく壁際で立ち尽くしている白銀の無人ISを指差す。鈴音が先程口にしていた新顔と同型の無人ISだ。
「折角だし、話し掛けてみない?」
「え…う、うん(あの機体…)」
先程、適当な事を言ってしまったのが仇になった鈴音。
無人ISに興味が無い訳ではないが、見学だけならまだしも話すのは抵抗があった。以前本気で一戦交えているのだから、警戒するのもやむなしだろう。
既視感の正体は気になるが、例えゴーレム以外の機体だろうと接触は極力避けたい。
そうこう躊躇している内に、一夏が当該の無人ISへと歩みを進めてしまっていたので、鈴音は慌てて後に続く。
《何カ御用デショウカ》
横一線の紅いバイザーを不気味に点灯させながら、一夏に対してしっかりと向き直る無人IS。表情無しに話すその様は、グシオンを纏った状態の昭弘を思わせる。
鈴音は一夏より斜め後ろから、白銀の彼へ不信の眼差しを送る。
「どうも。随分暇そうね」
ロボットと会話するなんて初めてだろうに、一夏は何の物怖じも見せない相変わらずの無表情だ。
あとその口調を止めて欲しいと、しつこいながら鈴音は思った。
《2分35秒前、私ノ検査ガ一旦終ワリマシタノデ、次ノ検査ニ備エテ待機シテイル所デス》
「なら少し話そうよ。オレは織斑一夏、こっちは凰鈴音」
一夏に紹介されたので、鈴音は渋々と頭だけペコリと下げる。普段のコミュ力は何処へやらだ。
《私ハ『XFGgQ-2:JI.RO.』ト申シマス》
「それじゃあ…ジロ、昭弘は来てる?よくここに来るって聞いたんだけど」
その言葉を聞いて、鈴音は一夏に冷たく突き刺さる様な眼差しを送る。「こんな時でも昭弘か」と。
それは、好きな男が目の前で他の女の話ばかりしている時の感情とよく似ていた。
《昭弘殿デシタラ、82.9%ノ確率デアリーナDヘト赴イテオリマス》
「もしかして、最近はアリーナDに?そこで何をしてるの?」
少々食い気味に訊ねる一夏の表情を見た鈴音は、そのまま反目を維持する。
何故そんなにも、人に執着するのか。何にも誰にも縛られず、前を突き進むのが一夏ではないのか。そんな感情を、瞳に込めながら。
胃袋の不調は遂には身体全体の重しとなり、鈴音は段々具合が悪くなってきた。
《更識簪殿ノ専用機デアル、打鉄弐式ノ製作ヲ手伝ッテオリマス》
すると、一夏の目つきが僅かに鋭くなる。
「…その更識簪って娘と、昭弘は仲良いの?」
《機械デアル私ガ言ッテモ説得力ハ無イカモシレマセンガ、非常ニ仲ガ宜シイ様ニ思エマシタ》
「…フーン」
その後も、鈴音を放ったまま昭弘についての話は長々と続いた。ジロは昭弘と面識があるのか、格納庫での昭弘はどうだったか、ジロから見て昭弘はどんな人物か等々、余す事無く昭弘で埋め尽くされた。
殆ど一夏の質問攻めだったが。
ジロが鈴音に声を掛けたのは、一夏からの質問が終わった直後だった。
《凰殿、先程カラ顔色ガ悪イ御様子》
「へ?べ、別に!?アタシ元々色白だし!」
鈴音にとってはそれが、無人ISとの初会話であった。
《デスガ念ノ為、無理ニ見学ナサラナイ方ガ宜シイカト。整備科ノ先生方ニハ、私ノ方カラ伝エテオキマス故》
機械に気を使われた事が恥ずかしかった鈴音は、青白い顔の中で頬だけ薄っすらと赤くする。
「ジロー!そろそろ時間だってー!」
整備科2年『黛薫子』の声掛けを聞き入れたジロは、一夏と鈴音に一礼した後、中央の人混みへと消えて行った。
「…ゴメンね、鈴。話に夢中で、具合悪いの気付かなくて」
去り行くジロを見詰めた後、一夏は申し訳なさそうに言うが、鈴音の具合は勿論機嫌も直らない。
そんな2人に、黛が早足で近付いて来る。
「ごめんごめん2人共!ちょっとバタバタしてて、来てるの気付かなかった!」
「あ…いえ」
「アタシたちも…勝手にうろついてすいません」
ジロを呼んだ時に初めて2人を視界に捉えた黛は、「気付いてたら案内してあげれたのになー!」と悔しそうな声を上げる。
「にしてもジロか…。余計な詮索かもだけど、2人共もしかしてジロに謝罪してた?「あの一件」について」
「?」
「…一件?」
何の事だろうと、一夏と鈴音は何度かに分けて小まめに目を合わせる。
その反応だけで、黛は己の思い違いに気付く。
「あーそっか。ジロは学園襲撃時と色以外見た目が全然違うから、判らないのも無理ない…か」
となると、色は同じ白銀と言う訳だ。それで漸く、2人はジロが誰なのか思い至った。
「言い辛い事だけど、2人がフィールドで串刺しにしたあの白いゴーレムが、ジロだよ。最近、漸く義体への接続に成功してさ…」
2人は驚愕で目を見開きながら、ジロが去って行った方角を見やる。生徒や研究員が囲ってる中心には、清潔そうな白い台の上で仰向けに倒れ込むジロの姿があった。
「…そう…ですか」
「アタシたちが…」
落ち込む一夏と胸糞悪そうな鈴音を見かねた黛は、慌ててフォローに入る。
「だ、大丈夫!彼もう記憶が無いし!コアだってちゃんと生きてたんだから、別に一度死んだって訳じゃ…」
小声で黛は言うが、2人の沈痛な面持ちは変わらず。
鈴音に至っては増々顔色が悪くなる一方だ。あの時、一夏と共に果たした撃墜が間違いだったのかと、彼女は酷い落胆と喪失感に襲われていた。
既視感の正体は、これだったのだろうか。
黛は、憂鬱を消し飛ばすもう一声を掛ける事にした。
「それにホラ、たかが機械だし。命ある人間を傷つけたんじゃないしさ」
周囲には決して聞こえない程の声量で彼女はそう言った。無論、黛の本心ではない。2人を励ます為だ。
現に黛の思惑通り、鈴音はその言葉に強く賛同していた。
(…そうよ。いくら人の言葉を喋ったって、所詮は人工物じゃない)
暴走して操作不能になった機械を、強制停止させる為に壊しただけ。何の問題があろうかと、鈴音は思った。
同じ様な状況になったら誰だって生き抜くべく、護るべく、無機物を破壊するだろう。
それでも、一夏の表情は晴れない。
さっき、ジロと会話したからこそ解った。彼は、彼等は機械なんかじゃない。会話をする為に思考し、人を心配し思いやる事が出来る。
単純な一夏にとって、それだけで彼等が生きていると断言するには十分だった。
「…「悪」はオレたちです。どうせ機械だからって理由で、ジロに酷い仕打ちを…」
自分が機械と判断したのなら機械であり、破壊しても構わない。
今にしてみれば、皆を護る為とは言え何と身勝手な動機だったのだろうか。一夏は、そう思わずにはいられなかった。
対して、鈴音にとって悪とはショックな一言だった。自分の好きな一夏を、延いては鈴音自身を真っ向から否定された気分だろうに。
あの時自分たちがした事は間違ってなんかいないのに、何故そんなに下手に出るのだ、お前本当に誰だ。面と向かって、一夏にそう言ってやりたい鈴音だった。
一夏を見る度、一夏を聞く度、鈴音の胃はどんどん圧迫され、口の奥には粘質の強い唾液が溜まっていった。
「検査が終わるまで残ります。ちゃんと話して、ジロに謝りたい」
それは止めた方が良いと、黛は思った。ジロが知った所で、記憶自体が蘇る訳ではない。ただ余計な情報が増えるだけで、ジロも対応に困るだろう。知らない方が良い事だってあるのだ。
それに、ジロは優しい。黛もジロの心を覗いた訳ではないが、もう自身を討った相手の事なんて気にも留めていない筈だ。
ジロが折角前を向いているのに、昔の出来事を掘り返すのは野暮だ。
「…謝るよりもさ、仲良くしてくれた方がジロにとっても嬉しい事なんじゃないかな?」
謝れば良いってもんじゃない。大事なのは過ちを忘れない事、自分の罪をしっかり認識する事。
黛の言葉にそんな意味が込められている様な気がした一夏は、長い間の後「分かりました」と答えた。
「鈴もそれでいいでしょ?」
一夏は黛から鈴音に振り向いて、そう同意を得ようとする。
「…機械となんて仲良くしないわよ。信用出来ないし、アタシは何も悪い事なんてしてないし」
あくまで、自身の正当性を主張する鈴音。
攻め入ってきたのは向こうで、自分と一夏はそれを撃退しただけ。なのに何故、自分たち人間が機械の御機嫌を取る様な真似をせねばならない。
そう鈴音は考えていた。
そんな彼女を見て、一夏は声を乗せた溜め息を吐く。
「ごめんなさいね黛先輩。この娘、勝ち気で素直じゃなくって…」
止めてその話し方止めてその表情止めてその思考回路本当に無理気持ち悪い。
自身の主張を流され、相手に媚び諂う様に折れた一夏を見て、鈴音は心も思考も漆黒の感情に飲まれる。その黒い波に押し上げられるが如く、胃液が込み上げて来る。
もう我慢の限界だ。
「いいっていいって!主義主張は人それぞれってね!」
黛が台詞を言い終わった所で、鈴音は思わず右手で口を押さえてしまった。
「鈴!」
「凰さん!?」
それを見た一夏は、ジロの言った通り見学を切り上げて、鈴音の背中を擦り格納庫正面から退館した。
「どう?まだ苦しい?」
夏風に当たり、どうにか吐きはしなかった鈴音。だが未だ気分は最悪なのか、吐き気か何かを我慢する様に口を閉ざしている。
「今日はもう部屋に戻ろっか。何か胃に優しい食べ物、作ったげる」
「それとも、一緒に昭弘の所行こっか?彼と話せば、胃の中も悩み事もスッキリ…なーんて」
勿論、二言目は一夏なりの冗句だった。
だが、今の鈴音にとってはガソリンと言う名の劇物でしかなかった。内耳の奥へと侵入したそれは、鈴音を大爆発へと導いた。
「アンタが昭弘に会いたいだけでしょ!!?」
突然の激昂に、一夏は目を丸くする。が、一夏が動揺を見せたのもその一瞬てあった。
「…さっきからどうしたの?鈴。今日のアンタ、変だよ?」
一夏にとっては、鈴音に怒られる事なんて日常茶飯事だ。いつまでも動じている程ではない。
彼の静かな反応に引っ張られたのか、鈴音も落ち着きを取り戻す。
しかし、冷静になってはいなかった。寧ろ逆。鈴音のその不気味な静けさは、言いたい事を全部言ってやる覚悟の表れであった。
「………ねぇ、一夏。もう…やめたら?“それ”」
幼馴染を見る目ではなかった。鈴音のそれは、何か得体の知れないモノを怪しむ目であった。
一夏もまた、鈴音の言う“それ”が何なのか分からない程馬鹿ではない。
「……オレが無理してるって言いたい訳?」
「ええ、訳の分からないキャラ演じてる様にしか見えないわよ」
鈴音のそれは嘗てのラウラと同じか、それ以上の懐疑心であった。
人は変わるもの。そんな事鈴音だって理解しているつもりだ。だが、鈴音には一夏のこれが変化とは思えなかった。
「オレは演じてなんかいない。ただ自分の心に正直になっただけよ」
だからもう戻るつもりなんてないと、一夏の強い眼差しは鈴音を貫く様に訴えかける。
「戻って欲しいと思ってるのは鈴、アンタでしょう?今のオレじゃ親しみ辛いから、今までと違うオレが嫌だから」
鈴音が以前より素っ気なくなった事なんて、一夏はとっくに気付いていた。
そうとは知らずに思わぬ反撃を受けた鈴音は、言葉が詰まる。綺麗に的を得ていたからだ。例え偽物だろうと、鈴音にとっては「あの一夏」が一番であったと。
自分の我儘は認める。それでも、鈴音は言わねばならない。一夏が、結局今も「囚われたまま」だと言う事を。
「…ええ、戻って欲しいわよ。昭弘に囚われてる今のアンタからね」
「…何ですって?」
今日初めて、一夏が憤りで眉間にひび割れを作った瞬間だった。
「だってそうでしょ?昭弘に言われたから、アンタは変わろうとした。格納庫でもここでも、アンタの頭は昭弘の事ばかり」
「昭弘に心配掛けたくないから、嫌われたくないから、形だけでも変わろうとしてんでしょ」
そこで、2人の間に焼ける様な、裂ける様な、締め付けられる様な沈黙が流れた。
今、先に言葉を繰り出せばきっと心底後悔する。そんな確信に近い予感が、両者の口を固く閉ざしていた。
しかし耐えるも虚しく、その瞬間はアッサリと訪れた。
「じゃあどうしろって言うの?辛く苦しい思いしてでも、前のオレに戻れって言うの?それとも同じ男として、昭弘をもっとライバル視すれば満足?」
そうだその通り。それこそが鈴音の理想としている一夏の姿だ。
そんな事、鈴音の口から言える筈もない。苦しんででも自分を楽しませろと言ってる様なものだ。
「仕方がないでしょ…?オレは「こんなオレ」しか、見つけられなかったんだから…」
「ッ!」
もう耐えられなくなった鈴音は、ヤシの実を食らう勢いで強く強く歯を食い縛り、閉じた瞼から涙を滲ませて何処かへ走り去ってしまった。
ジロに関しては一見一夏が正しい気もしますが、鈴ちゃんも間違った事は言ってない様に思えます。果たしてどっちが正しいのやら…。
何より、2人は仲直り出来るのか。
次回、ご期待下さい。
因みに、XFGQの「G」はゴーレムの頭文字です。タロとジロはゴーレムから郷鐘へと種名が変わったので、区別する為に「G」→「Gg」へと機体識別名をいじりました。Gouganeの略です。