それにしても乱破君マジ良いキャラしてますよね、一回きりとか勿体無さ過ぎる。
もしかしたら前倒しで出すかも……?
焦凍が再び会場に戻ってくるとクラスメイト達が何やら優しい目つきで肩を叩いて「ドンマイ」と言っては去って行った。
何事かと思っていると八百万が頭を下げてきて
「申し訳ありません、轟さん。実は……」
轟焦凍、暗黒面に目覚める10代であった。いや目覚めないが
とある市の、薄暗い路地裏から生ゴミとは比較にならない悪臭が漂っていた。
そこにあったのは血、血、血ーーーー血の海に沈む死体の山だった。
「ハァ〜……塵共が、この大事な時期に手間を掛けさせるな」
全身に刃物を装備し、顔を包帯で巻かれた一人の男がいた。その男の目は明らかに正気ではなく、しかし恐ろしい程の想念に満ちていた。
男は懐から小型テレビを取り出し、死体の事など気にもかけず視聴し始めた。
画面に映るのは緑の美しいツインテールの少女、男が認める二人しかいない本物の英雄の片割れである。
この少女の事は活動初期から知っている。奉仕活動から始まり、人助け、ヴィラン退治、災害救助、様々な活躍をしてきたヒーロー登録をしていないヒーローだ。
最初は擬き、粛清対象だと思っていた。だがこの少女は見返りを一切求めず、そして強大な敵であっても臆する事なく立ち向かっていった。
何よりも先日のスモッグ事件、彼女は間違いなく個性が使えない状態だった筈だ、その前日のとある事件で個性が使えなくなったと報道されたのは男の耳にも新しい。
にも関わらず、彼女は一切の躊躇なくヴィランに立ち向かい、機転をもってして囚われた少年を救い出してみせた。
そしてその後の光景を思い出すと、男はそれだけで感動に震えた。アレがアレこそが真のヒーロー、力無くばただ死ぬだけの偽物とは違う、ピンチを覆す選ばれし存在。
あれは復活ではない、そう再誕だ。彼女は生まれ変わったのだ、一度傷つきながらもより力強く。あのツインテールの輝きはどうだ?以前にも増して美しい。
己の身を顧みず、勇気を持って悪に立ち向かう、それで例え自分が傷つき倒れても構わないと戦うその姿は人々の心を強くうつ。
あの事件以来、テイルグリーンの認知度は以前にも増して倍増する一方だ。男はそれに、密かな優越感すら覚えていた。
ーーーーお前達が偽物を崇めている間に、オレは本物を既に見出していたぞ
オールマイトとテイルグリーンだけだ、このオレを殺していいのは
狂った思想と共に男は渇望する。あのツインテールを一目見たいと、画面越し等あのツインテールに対する侮辱に他ならない。
ーーーーもっとだ、もっと美しいツインテールをオレに見せてくれ!
男は渇望する、真のヒーローを。そして真に美しいツインテールを。それはまさしくツインテールの求道者、男は今では一目見ただけでそのツインテールの美しさが分かるようになっていた。
画面の中では雄英体育祭第二種目"ウォーターブリッツ"が開催されており、テイルグリーンのツインテールが水飛沫の光に照らされ脈動するように波打っていた。
そのあまりの美しさに男は今すぐにでも雄英に行きたくなったが、己には使命があるのだ。ただしき秩序の為に、偽物を粛清しなくてはならない。
今己が処理した塵の様に、世間を徒らに騒がす屑も当然粛清対象だ。
男が次の目的地を考えていたその時、空間に黒い渦が現れ、中から身体中に手を貼り付けた異様な男が現れこう言った。
「アンタがヒーロー殺し、ステインか。単刀直入に言う、アンタをスカウトしに来た。」
その男の、手に隠された狂気の瞳に、男"ステイン"は薄っすらと笑みを浮かべた。
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/とあるバーにて/
「成る程なぁ……お前達が雄英襲撃犯、ヴィラン連合。オレにそこに加われと、そう言うんだな?」
「あぁ、俺たちには強い同志が必要なんだ、アンタ程の男なら是非仲間になって欲しい。この世界を正してやりたいのさ俺は」
どこまでが本気で、どこまでが嘘なのかわからない男"死柄木弔"は薄っすらと笑いながら話す。それは子供の癇癪のようで、同時に何を考えているのかわからない薄気味悪さを感じさせた。
ステインは考える。コイツらは何がしたいのかと?
雄英を襲ったのはオールマイトが目的ではなくテイルグリーンが目的だったという。しかも殺害が狙いではなく拉致が目的。
テイルグリーンを拉致する価値と言われればその治癒能力であろう、何せ彼女の治癒力は古傷だろうが死人(成り立てに限るが)だろうが治してしまう。つまり誰かを治療させるつもりで拉致をしようとした筈だ。
だがコイツも黒い渦の男も傷らしい傷はない、そう考えるならばコイツらの裏にいる何者かだろう。
「お前達の裏にいる者、オマエは何が狙いだ?」
「僕はね、この世界を正したいのさ、より良い世界へとね、誰もがやりたい事を出来る。そんな世界にしたいのだが、僕は今まともに動ける体ではなくてね、故にテイルグリーンに力を借りようと思っているのさ」
その声を聞いた瞬間、ステインの身をおぞましい感覚が襲った。そこにあるのは悪意、たがそれだけだ。狂おしいほどの悪の想念、常人が聞けばそれだけで気が狂いそうになる壊れた声だ。
「君の思想と僕等の思想は合わないかもしれない、だけどこの"現状を打破"するこの一点において目的は共通しないだろうか?
僕等は君を利用し、君も僕等を利用するといい。まずは君を更に強くしよう、その戦闘力の高さと凄まじい信念があれば"コレ"を受け入れても壊れたりはしないだろう」
反応も察知すらも出来なかった。声の主に頭を掴まれ、ステインは己の中に"ナニ"かが入ってくるのを理解し、そこで彼の意識は途絶えた。
「先生、コイツ壊れたりしないのか?」
「心配は要らないさ弔、経験上こういう人間は受け入れられる。異物を己がモノとして受け入れ、更に向こうへと力を増していくのさ」
壊れた顔で先生と呼ばれた男は笑う。
「次こそは、彼女に会いたいものだね?久々に食事なんていうのも悪くなさそうだ……フフフッ」
悪意が集い始める、それは止めることの出来ない運命なのか、それともこれこそが社会の意思なのか。
積み上がった悪意が今、捌け口を求めていた。
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第二種目で激闘を繰り広げた雄英側も、遂に最終種目たるトーナメントに入っていた。
そして今、心操人使対峰田実のお互いに人を操れる物同士の静かな戦いが繰り広げられていた!
峰田実ことテイルグレープはシナを作り、どこまでも扇情的で卑猥な動きで心操を魅了しようとしている。それに対して心操がとった行動は目を瞑るということだった。
確かに目を瞑ればその姿に魅了されることはないだろうが視界を奪われるということはそんなに単純な事ではない。
心操は必死に相手の心を揺さぶるように言葉巧みに話かけ続けるものの、テイルグレープまさかの自分の動きに陶酔して全く聴いていない!
完全にナルシストそのものな行為だが、この姿は峰田からすれば仮の姿。ならばそれに欲情してもなんら問題無し!
粘る心操に業を煮やしたテイルグレープは遂にボディタッチに踏み込んだ!
心操の手を取り自らの身体に触れさせていく、まさに鬼畜の所業!自身が性欲の塊とまで呼ばれる程だというのにこの公衆の面前でまさかの逆セクハラである!
だが心操はこれに耐えた!驚きの精神力である。テイルグレープは"見た目"だけならば本当に魅力的でその身体も比較になるものがいない程のセクシーさである。
この年頃の男子ならば間違いなくイチコロである、それを何故心操が耐える事が出来たのかというと、それはひとえに彼が心の底からヒーローになりたいと思っているからに他ならない。
心を操る己が、心の強さで負ける訳にはいかないと必死に耐える心操を嘲笑うかのようにテイルグレープは遂に恐ろしい行動に出た。
なんと心操の頭を自身の胸に埋めさせ頭を撫で耳元で甘い言葉を囁き続けたのだ!流石童貞男子筆頭の峰田!これには流石の心操も堪らず魅了されてしまう。
その後心操を場外にさせテイルグレープ二回戦進出、敗れた心操には場内スタンディングオベーション!その心の強さを高く評価される事となった。
ちなみに観客席にいた殆どのヒーローがモロ魅了されていたのは、秘密である。
果たしてこのテイルグレープを止める事が出来るモノはいるのだろうか……!頑張れ雄英生徒達!いくらなんでもこんなのが優勝したら色々恥だぞ!
頑張れ生徒達!雄英の品位は君達にかかっている!
「妾が優勝してしまうかもしれんのぅ?」
お願いします、なんでもしますからそれだけは!
雄英の明日はどっちだ!
更新ペースガタ落ちの駄目作者どえす
第二種目を必死で考えたはいいものの、ルールとかそういうのの把握が面倒すぎてどうしたものかと悩んだ結果、裏舞台で誤魔化せと思いついてステインさんです。
グリーンは見返りを求めず、自己犠牲を繰り返してきたヒーローなのでステインさんが思わず追っかけになってしまいました。
ツインテールに目覚めたステインさんは先生からも改造を受けてしまって難易度ハードからインフェルノへ、轟強化に対する世界の答えがこれである。
もしものツインテイルズ
テイルパインをアルティメギルが見たら
「ひっ、テイルブルー二世が誕生してしまったぞ!」
「お、落ち着け!二世ならば胸を見れば……」
「ぬおおおおっ!?コヤツ雄っぱいの持ち主だというのか!?」
「これでは胸を見て立ち向かう事も出来ぬではないか!」
「おしまいだ……テイルブルーすらも上回る修羅が誕生してしまったのだ……」
お通夜状態のアルティメギルであった。
なお、翌日テイルパインにより二桁のエレメリアンが殉職、お家に帰ると逃げ出したエレメリアンは三桁を超えたとか