緑谷出久君はテイルグリーン   作:7564

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USJ事件当日、とある場所で

「追い詰めたぞ!オールフォーワン!今日が貴様の最後と知れ!」

「あぁ、まんまと"釣られて"くれたねオールマイト、嬉しいよ。」

「なにっ・・・まっ、まさか貴様!?」

「さて、あの子が上手く出来るようにキミは僕が足止めしよう」

(緑谷少年・・・!生徒の皆!無事でいてくれよ・・・!!)

そして、オールフォーワンの一瞬の隙をついて雄英に戻ったオールマイトを少女の慟哭が迎えた。

「・・・っく、何が平和の象徴かっ・・・!予想して然るべき事であったろうに・・・!?」

自身が完全復活を果たしたことに気づかぬヤツではない、だと言うのに今の今迄一切考えもしなかった自分をオールマイトは恥じた。

「済まない・・・緑谷少年・・・ん?少、年?あれ、なんか少女になっていやしないかい・・・?」

オールマイト、その少女の横顔に、見惚れるかな


女の子の時間

緑谷出久は(ツインテール)を失い、そして元の姿をも失った。

その髪は解かれ、ツインテールの結び方も忘れてしまった彼女に、再びツインテールは蘇るのであろうか・・・。

その答えはツインテールだけが知っている・・・。

 

USJにおける襲撃事件の後何があったかをダイジェストでお送りしよう。

テイルグリーンの正体が自分達と近い年である事実に驚く生徒達を尻目に、オールマイトが息も絶え絶えにUSJに現れ、テイルグリーンの怪我を見て急ぎリカバリーガールの元へ搬送。

損傷が酷い為、手術の後個性を使った治療を受けオールマイトが抱き抱えて帰宅。

自宅にて生オールマイトに驚く出久ママにオールマイトと出久から何があったかの説明がされたのであった。

 

ダイジェスト終了!

 

 

「そう・・・やっぱり出久がテイルグリーンだったんだねぇ・・・」

 

母、引子がオールマイトと少女と化した息子からの説明を受けて最初の一言がこれであった。

 

「お母さん・・・知ってた、の?」

 

「馬鹿だね、母親だもの、自分の子供がどんな姿になってても分かるわよ」

 

それから親子二人はお互いに抱き合い声を出して泣いた。

オールマイトは二人の姿に、遠い過去の自分を思い出しながら、そっと緑谷宅から出て行った。

出久は大切な恩人が居なくなってしまった事をひたすらに後悔し泣き、母はどこまでも我が子に寄り添って泣いた。

親子が泣き止んだのは、お互いに疲れ切って眠ってしまうまで続くのだった。

 

事件の影響で翌日は臨時休校となり、出久は母から女性としての振る舞いを教わっていた。

いつ戻るのか、もしくはもう戻れないかもしれないならば女性としての色々な事を知らなくてはならなかった。

 

まぁ、特に一番問題なのは下着関係であろう、何せ今の出久はテイルグリーンの時と全く同じプロポーションを誇る超我儘ボディなのだ。

母引子も昔はかなりのマシュマロボディであったものの、今の出久には遠く及ばないであろう。

息子の思わぬ成長に母も感激、涙が止まらなかった。

 

あの、お母さん?その娘、男ですからね?

 

翌朝、何はともあれ失ったものを悲しむ間もなく、緑谷少年は今ソレと・・・ブラジャーと向き合わなければならなかった。

眼前にブラジャーを掲げながら、ムムムと唸りながら睨めっこを続ける。

昨日までは変身する時に、恥ずかしいのを我慢すれば良かったが、現実は非情な事に変身が解けても女の子だ。

確かにブラジャーはつけなければならないのだろう、今朝何もつけずに廊下を歩いていた時、何がとは言わないが非常に不安定で身体がフラフラとふらついたのである。

変身している時は、ガッシリと固定されていたので始めて知る不便さである。

しかし、いち男としてコレをつけたら何か負けた気がするのもまた事実。

パンツは最悪男物でも問題ないが、コレばかりはしっかりとしたものをつけなくてはならない。

 

「出久〜?早く着替えてご飯食べなさーい」

 

タイムリミットが来てしまったようだ、仕方なく出久は観念して女性の象徴をブラジャーに収める。

 

ちなみにつけ心地は思いの外よく、もうコレなしでは動き回れないと、胸が安定する感覚に感動する出久であった。

その日は1日、母のレッスンの続きだった。

女の子の日の説明から、異性からどう見られるのかという情報、更には女性らしい仕草のレッスンに出久のライフは既に0だった。

一通りレッスンが終わり、ふと出久は母に教わってみたい事を思い出した。

 

「お母さん、僕にツインテールの結び方を教えてくれない?」

 

自分ではもう結べなくなってしまったのならば、誰かに結んでもらう。

そんな当たり前の事すら出久は忘れていた。

テイルレッドはもうテイルギアの中には居ない、ギアのコアが鮮やかな赤だったのから、透明に変わっているし、なによりもテイルレッドの圧倒的なツインテール属性がこのテイルギアからは全く感じ取れなかった。

それと同時に、出久は理解していた。今の自分は変身が出来ない事を、今迄テイルグリーンに変身出来ていたのはテイルレッドのツインテール属性が力を貸してくれていたからに過ぎない。

だからもう一度出久がテイルグリーンになる為には己自身のツインテール属性を、その領域まで高めなくてはならなかった。

力が足りないからと、悔やんでいる暇はないのだ。

出久は既に無免許とは言え、三年以上もヒーローとして活動している。

救えないものなどいなかったように笑うと、あのヴィランはそう言っていたが、そうではない。テイルグリーンにも救えなかった命はあり、それをずっと後悔して今でもたまに夢に出る。

だが、テイルレッドは止まるな、進み続けろと言っていた。なら自分に出来る事は泣き喚いて蹲る事ではなく、もう一度ヒーローとして再起する為に何が出来るのかを考える事だ。

そして今、出久に必要なのはツインテールと触れ合う事。

テイルレッドに導かれても今日までその領域に手が届かなかった自分が、どうやったらまたテイルグリーンになれるだろうか?と考えた結果、女性に教わればいいと出久は考えた訳だ。

母にお風呂で様々なシャンプーやリンスの事を教わり、女性がどれだけ髪の毛のケアをしているかを教わった。

まさか自分の裸に興奮して鼻血を出す事になるとは予想だにしなかったが、それでもなんとか首から下を見ないようにして母のレッスンに挑んだ。

その後、自分で悪戦苦闘しながらも結んだツインテールは、あまりにも不恰好でとてもじゃないが見れたものではなかった。

だから、まずは見てみようと思った。模倣することから始めるのだ、このツインテール道を一歩一歩着実に歩む為にも。

 

母の手際はお世辞にも良いとは言えなかった。

しかしその髪の毛を労わるような優しい手つきで左右均等に結われていく自分の髪を見て、出久は何かを感じとっていた。

女の子がツインテールを作るのにはこんなにも沢山の努力と時間がかかっていたのだ、いつも自分が変身でお手軽に結んでいたツインテールのなんと浅はかなことか。

女体の神秘も、女性としての生活よりも何よりも、出久にとっては己のツインテールを取り戻す事が何よりも最優先だった。

 

その日は1日、母と共にツインテールを結び続けた。

 

 

翌日・・・出久はとある場所を訪れていた。

そこは出久にとって戒めの場所、救えなかった人が眠る場所。

 

"ウォーターホース"

 

2年前、テイルグリーンが間に合わなかった二人のヒーローが眠る墓前で、出久が救えなかった少年が墓石を清掃していた。

 

「お前・・・もしかしてテイルグリーンか・・・?」

 

少年は今、己のヒーローとしての原点と向き合う。

 

 




「くそっ、くそっ、くそおおおおおっ!!なんなんだあのチートはっ!?先生!聞いてないぞ!!なんだあのツインテールは!どうしてツインテールがあんなに強いんだっ!ツインテールにするだけであんなに強くなるんなら苦労はねぇよチクショウがっ!?ツインテールはチートツールだったってかチクショおおおおおおおおおお!!!」

「待て、弔、一体何の話をしている。」

オールマイトの足止めをして戻ったオールフォーワンを死柄木の意味不明の叫びが襲う。





いやー1日1回投稿途切れちゃいましたねー
やっぱ1日1回は結構厳しいですね、ハイ。
今回はとっても短いですがここで区切らないと次回の区切りが上手くいかないので投稿です。
女の子になったばかりの出久ちゃんをこれから雄英で沢山ラッキースケベな目に合わせてあげたい(主にかっちゃんとか)のでシリアスをなんとか乗り越えるんだ・・・!
私は勢いに任せたギャグが書きたいのだ!!

というかこんな作品が毎日ランキングに入ってるのを見て戦々恐々なんだが、え・・・?マジで?これ面白いの?
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