戦士開眼シンフォギアゴースト   作:メンツコアラ

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 ───一刀三拝。修練の果てに無限に至る。

 これが一体なんなのか。わかる人はわかりますよね?


抜刀! 大剣豪!

 私立リディアン音楽院の地下深く。そこに拠点を構える特異災害対策機動部二課では、少しした異常事態が起こっていた。

 

「ノイズとは異なる高質量エネルギーを検知ッ! しかも二つッ!?」

 

「───まさかこれって、アウフヴァッヘン波形ッ!? だけど、もう一つは一体?」

 

 モニターに映し出されたエネルギーの波形を見て、二課直属の研究者、『櫻井(さくらい)了子(りょうこ)』はそう呟く。

 

 二課のデータベースの中から波形が最も近いもの、二つのエネルギー反応のうちの一つの名前がモニターに浮かび上がった。その名前は、

 

「ガングニールだとッ!?」

 

 モニターを見た瞬間、二課の責任者である『風鳴(かざなり)弦十郎(げんじゅうろう)』は驚きの声をあげた。なにせ、それはすでに亡くなった彼らの仲間が使っていたものなのだから。

 

「もう一つはまだ分からないのかッ!」

 

「それがデータベースに該当するものが一切ありませんッ!」

 

「なんだとッ!? まさか、未知の聖遺物かッ!?」

 

「分かりませんッ! とりあえず、映像を出しますッ!」

 

 二課の職員は正体不明のエネルギーが検知された場所の映像を映し出す。

 

「な───」

 

「これは・・・」

 

 そこに映し出されたのは、仮面ライダーゴーストがノイズを両断する瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫

 

 

 

 

 

 

 二課が驚愕の声に包まれていた頃。ゴーストとなった武瑠はノイズに向かってガンガンセイバーを振るっていた。斬り倒されたノイズは炭となって崩壊していく。

 

「スゴいッ! 本当にノイズを倒せてるッ!」

 

 そのとき、武瑠の背後からノイズが襲いかかった。気づかなかったため、攻撃を諸にくらい、地面を転がる。

 

「いってえッ!? 死なないんじゃなかったの・・・ッ?」

 

「けど、攻撃をくらうと死ぬほど痛いのさぁ」

 

「そういうのは先に言ってよぉぉぉッ!?」

 

 地面に倒れていた武瑠にノイズが襲いかかる。慌てて飛び退くと、武瑠の体がフワリと浮かび上がった。

 

「え、ちょっ、俺浮いてるッ!? あ、でも、なんか楽しいかも」

 

 ユラリ、ユラリと宙を漂い、襲いかかるノイズを避ける。

 

「ほら、こっちこっちッ!」

 

「おいおい。あんまり浮かれていると───」

 

 ユルセンがそう言っているとき、今度は空からノイズが襲いかかって来た。武瑠は避けることも出来ずに打ち落とされてしまう。ガンガンセイバーもその拍子に落としてしまった。

 

「いってぇ・・・ッ」

 

「ああ、もうッ! 見てらんねぇなッ! トリガーをもう一度引いて、オメガドライブで決めてやれッ!」

 

「わ、分かったッ!」

 

 起き上がった武瑠はベルトのトリガーを引いて韻を結んだ。背後に瞳の紋章が浮かび上がり、武瑠の右足にエネルギーが集まっていく。

 

 襲いかかるノイズたち。武瑠はトリガーを押し込んだ。

 

「死んでるけど、───命、燃やすぜッ!

 

《ダイカイガン! オレ! オメガドライブ!》

 

「はあああああッ!」

 

 飛び上がり、ノイズたちに向かって一直線に蹴りを繰り出す。炭になり、爆散していくノイズたち。残ったのは辺りに舞い散る灰だけだった。

 

「やった・・・。やったッ! 俺、やったよッ!!」

 

 目の前のノイズを倒したことではしゃぐ武瑠。

 

 しかし、

 

「───はい?」

 

 バキバキッとコンクリートの地面を突き破り、巨大なノイズが現れた。それだけじゃない。巨大なノイズが開けた穴から次々に他のノイズが這い出て来たではないか。

 

「おい、嘘だろッ!?」

 

 慌ててガンガンセイバーを拾い、次々に飛びかかってくるノイズを切り伏せる。しかし、あまりの物量に苦戦する一方だった。

 

「逃げたほうがいいんじゃねぇか?」

 

「ふざけるなッ! 宮本武蔵は100人相手に戦ったんだぞッ!」

 

「いや、お前は武蔵じゃねぇだろ」

 

「そうだけどッ! だからって、逃げるわけにはいかないッ! このままじゃ大変なことになるッ! みんなの命を守るために、俺は戦うって決めたんだッ!」

 

 そのときだった。武瑠の懐でナニかが熱を放ち出した。取り出してみれば、宮本武蔵の刀鍔が淡く輝きだしているではないか。

 

「武蔵の刀鍔が・・・」

 

「なんだよ、お前ッ! いいの持ってんじゃねぇかッ! それに韻を結んで、瞳を描けッ!」

 

「こ、こうか?」

 

 言われた通りに、武瑠は刀鍔に瞳を描く。すると、刀鍔が煙となって舞い上がり、一着の赤いパーカーゴースト、『ムサシパーカーゴースト』となった。

 

「えッ、あれはッ!?」

 

「いちいち驚くなッ! 仮面ライダーゴーストは英雄の優れた力を使うことが出来るんだよッ!」

 

「なるほど。───よし、ムサシさんッ! あなたの力を貸してくださいッ!」

 

 武瑠の言葉を承諾するように頷いたムサシパーカーゴーストはベルトの瞳に飛び込む。そのままベルトに吸い込まれ、武瑠の手に一個の赤いアイコン、『ムサシゴースト眼魂(アイコン)』が収まった。

 

 武瑠は眼魂のスイッチを押し、オレゴースト眼魂と交換する。

 

《アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!》

 

 纏っていたオレパーカーゴーストが粒子となって霧散し、ベルトからムサシパーカーゴーストが飛び出した。肩の部分から垂れ下がる二つの刀で迫るノイズを切り倒していく。

 

 武瑠はトリガーを押し込んだ。

 

《カイガン! ムサシ!》

 

 武瑠の体にムサシパーカーゴーストが纏われ、二本の刀が交差した模様の描かれたマスクが被さる。

 

《決闘! ズバッと! 超剣豪!》

 

 江戸時代初期の剣術家。二天一流兵法の開祖にして、二刀流の大剣豪、宮本武蔵。その英雄の力を纏った姿。

 

 その名前は『仮面ライダーゴースト ムサシ魂』。

 

「スッゴい力が溢れてくるッ! いいねぇ、これッ!」

 

 武瑠はガンガンセイバーの刀身を縦半分に分離させ、『二刀流モード』に変形させた。

 

「さあ、天下無双ッ! かかってこいッ!」

 

 武瑠の言葉に答えるかのように、巨大なノイズ以外が一斉に襲いかかる。先程までの武瑠なら苦戦を強いられていただろう。だが、今は違う。

 

 縦に、横に、縦横無尽に振るわれる二本の刀。その戦い方はまさに達人とも呼ぶべきものだった。さっきまでとは違い、大量のノイズに無双していく。

 

「いいぞ、いいぞッ! 次は剣の瞳をベルトとアイコンタクトッ!」

 

「オッケーッ!」

 

 武瑠は剣の紋章をベルトの瞳にかざす。すると、左右両方に紅のエネルギーが宿った。

 

《ダイカイガン! ガンガンミナー! ガンガンミナー!》

 

 武瑠はガンガンセイバーのトリガーを引き、ノイズに斬りかかる。

 

《オメガスラッシュ!》

 

「せいはあああッ!!」

 

 描かれる紅い軌跡に、次々と切り伏せられていったノイズたち。残りは僅か。武瑠はベルトのトリガーを引いた。

 

《ダイカイガン! ムサシ! オメガドライブ!》

 

「南無、天満大、自在天神。仁王倶利伽羅、衝天象ッ!」

 

 武瑠は二刀流モードにしたガンガンセイバーを腰にさし、それを口ずさむ。そして、彼の背後に現れたのは四本の剣を携えた不動明王だった。

 

 不動明王は地、水、火、風、それぞれを纏った四本の剣を振るい、巨大なノイズ以外を一掃する。

 

 武瑠は二本に分離させた刀のうち一本を抜き、顔の横に構える。

 

「行くぞ、剣豪抜刀・・・」

 

 瞬間、構えたガンガンセイバーの片割れに夜の暗闇を飲み込むほどの光が溢れだした。

 

伊舎那大天象(いしゃなだいてんしょう)ッ!!!」

 

 武瑠は巨大なノイズに向けて振り下ろす。巨大なノイズは光に呑まれ、灰すら残らずに霧散していった。

 

 あとに残った夜の静けさ。それは戦いの終わりを告げていた。

 

「お、終わった・・・」

 

 戦いは終わったと安堵し、武瑠は地面に寝転がる。初めての戦闘だからか、武瑠は疲れきっていた。

 

「おっ疲れぇ~。初めてにしちゃ、まあまあだな」

 

「それはどうも・・・」

 

 そう言うと、武瑠は起き上がって何処かに行こうとしていた。

 

「おいおい、どこに行くんだよ?」

 

「響のところだ。どこにいるか分からないけど、無事かどうか確認したいんだ」

 

「その心配はないよ」

 

 突然、武瑠の前に魔術師が現れた。

 

「おっちゃん? 今のはどういう───」

 

「立花響という子は無事だよ。この眼で確認したから間違いない」

 

「本当かッ! よかった・・・」

 

「とりあえず、今日はこれを使って大天空寺に帰りなさい。これは君へのプレゼントだ」

 

 そう言って、魔術師は虚空から馬の装飾がついた変わった形のバイクを取り出した。

 

「これは?」

 

「マシンゴーストライカー。君専用のバイクさ。自立行動が可能だから、特に技術は必要ないよ」

 

「いや、運転に関しては昔父さんが教えてくれたからいいけどさ。俺免許持ってないんだけど」

 

「必要ないさ。だって、君は死んでるんだもん」

 

 なんという屁理屈。普段の武瑠なら断りそうだが、疲れきった体?と幼馴染みが無事と分かったことによる安堵から、そうはしなかった。

 

「あと、これからの戦いに必要になるであろうアイテムが後ろの鞄に入っているから、後で確認しておいてね。それと、そのうちの幾つかは大天空寺にあった物を改造したものだから」

 

「・・・もう何も言わない。とりあえず、ありがとう」

 

「どういたしまして。それじゃあね」

 

 そう言って、魔術師はどこかに去っていった。武瑠はバイクの後ろの鞄の上に置かれていたヘルメットを被り、バイクに跨がった。

 

「それじゃあ、帰ろうか・・・」

 

「そうね。今日みたいな日は早く帰って寝るに限る」

 

「───ん、んんッ!?」

 

 エンジンを吹かし大天空寺へと帰ろうとするが、突然の第三者の声に振り返る。そこにはやたらハイカラな和服を来て、髪を後ろで一つに束ねた女性が立っていた。腰には四本の刀。普通に銃刀法違反である。

 

「あ、あの・・・、どちら様で・・・?」

 

「ちょっとッ!? お姉さん、さっきまで君に力を貸していましたよねッ!?」

 このあと、この一帯には武瑠の叫び声が響き渡るであろう。なにせ彼女は、

 

「私は新免武蔵守藤原玄信(しんめんむさしのかみふじわらのはるのぶ)。分かりやすくいうと、私がさっきまで君に力を貸していた、()()()()よ」

 

「はあ、宮本武蔵さんですか・・・。

 

 ・・・・・・・・・・・・─────────ええええええええええええええええッ!!!!!?????

 

 




 はい。今回はここまで。

 宮本武蔵はFGOの武蔵ちゃん、最終再臨の姿での登場です。


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