戦士開眼シンフォギアゴースト   作:メンツコアラ

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今回はクリスの誕生回です。
それではどうぞ。





祝福! クリスの誕生日!

 12月28日。

 クリスマスが終わり、街は年末ムードに包まれるなか、武瑠は一人で街の入り口に立っていた。そんな彼に、一人の少女が歩み寄ってくる。

 

「よ、よう。待たせたな」

 

「いいや。時間通りだよ、クリス」

 

「そ、そうか……でよ。これ、どうだ?」

 

 クリスはその場でくるりと回り、武瑠に服装の感想を求めた。

 

「うん。クリスらしくて、スッゴく可愛いと思う」

 

「そ、そうか……//////」

 

 真っ赤に顔を染めるクリスとそんな彼女を見て、自分も少し恥ずかしくなってしまう武瑠。端から見れば二人の周りにはピンク色のオーラが溢れており、人は口から砂糖を吐きたくなるだろうが、別に彼らは付き合っている訳ではない。

 実は本日、クリスの誕生日。大天空寺では誕生日パーティーの準備を行い、その間は武瑠がクリスとデート(武瑠は只のお出掛けと思っている)することになっていた。

 

「けど、本当にいいのか? 了子さんに頼めば、転移で海とか雪野原に行けたのに」

 

「あたしはこれがいいんだよ。ほら、さっさとエスコートしろ」

 

「分かったよ。それじゃあ、僭越ながら……お手を、レディ」

 

「お、おう……//////」

 

 手を繋いだ二人は冬の街へ歩き出す。そんな中、その二人をじっと見つめる一つの影があった。

 

「こちら、ムーン。対象が移動を始めた。オーバー」

 

『こちら、プリンセス。ムーンはそのままバレないように監視を続行して』

 

「了解。任務を続行する」

 

 黒いコートに黒い帽子。某子供探偵の漫画に出てきそうな格好をしている()()に周りの視線が集まる。が、当の本人は気にしない。肝心なのは武瑠たちにバレないことなのだから。

 

(だからこそ、プリンセス(アナスタシア)と手を組んだ。クリス先輩に先を越されないように)

 

 ムーン(月読 調)はメガネ越しにクリスを睨み付ける。

 本当なら彼女が一応恋敵であるアナスタシアと組むなんてあり得ない話だ。本人たちもそう思っている……が、あのクリスが武瑠とデート(調たちはそう思っている)するのだ。街は年末ムードに染まり、二人もその雰囲気に流されてそのまま───

 

(絶対にさせないッ!)

 

 意気込む調。絶対に自分達の想像する最悪の結末にならないように監視を続ける。その為にも、

 

「お嬢ちゃん。ちょっといいかな?」

 

(お巡りさんをどうにかしよう……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 数時間後。途中、彼氏彼女、もしくは夫婦と間違われ、恥ずかしさのあまりにクリスが武瑠を張り手したりとトラブルがあったが、デートは順調に進んでいき、終盤に武瑠たちが訪れたのはフラワーショップだった。

 

「うーん……」

 

「あの~……クリスさん?」

 

「えっと…………」

 

「おーい。無視しないで」

 

「なんだよ?」

 

「いや、ちょっと気になってさ。なんでさっきから仏花を選んでいるの?」

 

 そう。今、彼女が見ているのは菊やカーネーション、ヒャクニチソウ等の仏花として使用される物ばかりだった。

 

「別にいいだろ? あたしが好きで選んでるんだ。後は……あった」

 

 クリスが最後に選んだのはオレンジ色の小さな花。星の形にも見えるその花の名前を武瑠は知らない……が、その花を手に取ったクリスの横顔が何処か寂しく思えたので何も聞かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数分後。店から出てくる二人。何とかお巡りさんを説得(気絶)させ、監視を続けていた調は二人を追跡しようとする。

 

「こちら、ムーン。ターゲットが移動した。これより追せ「させないよ」───ッ!?」

 

 後ろから聞こえた声に思わず声を上げそうになる調だったが、首に衝撃が走り、悲鳴をあげる間もなく気絶してしまう。

 そのまま地面に倒れる調だったが、地面に倒れ伏す事はなかった。

 

「これでよし、と。まったく……二人の邪魔をしたらダメだよ。今日はクリスの誕生日なんだから我慢しようね」

 

 調の体を受け止めた少女……未来は彼女を背負い、大天空寺に向かう。少し前までの未来なら出来なかっただろうが、仮面ライダーとして鍛えられた彼女の体は調を運ぶ程度物ともしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 フラワーショップで仏花を買い、その場にした武瑠とクリス。そんな彼女が最後に選んだのは大天空寺にある墓所だった。

 

「着いたぞ。こんな所まで付き合わせて悪かったな」

 

「クリス、ここって……」

 

 二人が立ち止まった墓。そこには亡くなったクリスの両親の名前が刻まれていた。

 クリスは墓の前にしゃがみ込むと買ってきた仏花を御供えした。

 

「パパ、ママ。今日はあたしの誕生日だぜ。この後、皆があたしの誕生日会を開いてくれるんだ」

 

 嬉しそうで、何処か悲しそうな彼女の顔に武瑠はようやく気づくことが出来た。それは武瑠自身も感じた事のある『寂しさ』、祝って欲しい人が居ない辛さを。

 

「……武瑠。これ、カランコエって花で、花言葉は『あなたを守る』。ママが大好きだった花でさ、パパがプロポーズしたときにあげたんだとよ」

 

「クリス……」

 

「今のあたしが居るのはパパとママのお蔭だからさ。だから、お礼がしたかったんだ」

 

「………………」

 

「さてと。それじゃあ、そろそろ戻るか。あいつらも首を長く「クリスッ!」キャッ!? きゅ、急になんだよッ!?」

 

 突然肩を捕まれ、強制的に向かい合わせにされたクリスは文句を言うが、真剣な目で見つめてくる

 

「た、たけりゅ? にゃ、にゃにを//////」

 

「聞いてくれ。今のクリスの気持ち、俺、凄く分かるんだ。俺だって小さい頃、目の前で父さんを亡くした。だから、クリスがまたそんな気持ちになったら俺が助けるッ! 俺が側に居てやるッ! 俺が守ってやるッ!!」

 

(ど、どういう意味だッ!? こ、ここここ、こここれ、ままさか、プロポーズなんじゃ───)

 

「友達としてッ! 仲間とし「ふんッ!!!」ナラティバッ!!?!?」

 

 クリスの渾身のパンチが武瑠の頬に刺さり、食らった本人の体は衝撃で浮き、回転しながら地面に落ちた。

 

「な、なんで………………がくっ────」

 

「知るかッ! 死ねッ! 百回死ねッ!!!」

 

 顔を真っ赤にして、目に涙を溜めたクリスは気絶した武瑠を放って、大天空寺に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 この時の武瑠とクリスは気づいていたのだろうか? 少し離れた場所で二人を見守る二人の男女の幽霊の姿を……




二人を見守る幽霊とは、一体誰なのか?

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心から御待ちしております。

武瑠達の味方になってほしい英霊は?

  • エリザベート
  • エミヤ
  • アン・ボニー&メアリー・リード
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