いよいよシンフォギアゴースト一期もラストに近づいてきました。どうせなら、この作品のイラストを描いてみようかな?、と筆を取ってみるも、自分の画力の無さに悲しくなりました。
まあ、気を取り直して。17話目どうぞッ!。
※アストルフォの変身音声を
《触れれば転倒!蒸発中!》
から
《触れれば転倒!理性不機能!》
に変更しました。
街での戦闘から数時間後。五人は瓦礫の山となったリディアンに到着した。
「そんな・・・」
「・・・ッ、みんなーッ!」
「リディアンが・・・あッ!?」
昨日とは全く違うリディアンの姿に、唖然とするリディアン生徒の三人。そのとき、翼とクリスは廃墟となった建物の上に立つ人物を見つける。
その人物とは、
「───櫻井女史ッ!?」
翼はその人物の名前を口に出す。しかし、クリスは違った。なにせ、彼女は五人の中で唯一彼女の正体を知っていたのだから。
「───フィーネッ! この惨状はお前の仕業かッ!?」
『───ッ!?』
クリスの言葉に全員が耳を疑う。武瑠が嘘だろ、と目で訴えるが、了子はそんな彼を嘲笑する。
「───その笑いが答えなのかッ!? 櫻井女史ッ!!」
「そうだよッ! あいつこそッ! あたしが決着をつけなきゃいけないクソッタレッ! ───フィーネだッ!」
クリスは了子を睨み付ける。対して、彼女は蝶の形をした髪止めを外した。すると、彼女の体が光に包まれる。
光が収まると、そこには金色の鎧『ネフシュタンの鎧』を纏った了子、・・・いや。フィーネが立っていた。
「・・・嘘、だろ? じゃあ、本物の了子さんは?」
「櫻井了子の肉体は、先だって食い尽くされた。・・・いや。意識の方は12年前に死んだと言っていい。
『超先史文明期の巫女』フィーネは遺伝子に己が意識を刻印し、自身の血を引く者が、アウフヴァッヘン波形に接触した際、その身に、フィーネとしての記憶、能力が再起動する仕組みを施していた。
12年前。風鳴翼が偶然引き起こした天羽々斬の覚醒は、同時に、実験に立ち会った櫻井了子の内に眠る意識を目覚めさせた。
その目覚めし意識こそが、私なのだッ!」
「あなたが、了子さんを塗りつぶして・・・」
「まるで、過去から甦る亡霊。・・・いや。悪霊そのものッ!」
「はははッ。フィーネとして生き返ったのは私だけではない。
歴史に記される偉人や英雄、世界中に散った私たちはパラダイムシフトと呼ばれる技術の大きな転換期に、いつも立ち会ってきた」
「じゃあ、響や翼さん、クリスが使うシンフォギア・システムは・・・ッ!」
「そのような玩具。為政者からコストを引き上げるための副次品に過ぎぬ」
その言葉に翼とクリスは怒る。
「お前の戯れに、奏は命を散らせたのか───ッ!」
「あたしを拾ったり、アメリカの連中とつるんでいたのもッ! そいつが理由かよッ!」
「そうッ! 全ては『カ・ディンギル』のためッ!」
フィーネがそう叫んだ時だった。突然、地面が大きく揺れ出す。
(地震? ・・・いや。違うッ!
武瑠がそう確信したとき、それは地面を突き破って現れた。
フィーネは天を仰ぎ、その名を言い放つ。
「これこそが地より屹立し天にも届く一撃を放つ荷電粒子砲───『カ・ディンギル』ッ!」
「これが、カ・ディンギル・・・ッ!」
600メートル以上はありそうな、その塔に武瑠たちは戦慄する。一方、クリスの中ではある疑問が浮かび上がった。
「フィーネッ! お前は『バラバラになった世界を一つにする』って言ってたよなッ! こいつで、それが出来るのかッ!?」
「ああ。───今宵の月を穿つことによってなッ!」
「月を・・・穿つ? なんでさッ!?」
「私はただ・・・、あのお方と並びたかった・・・」
(あの方・・・?)
「そのために、あの方へと届く塔を、『シンアルの野』に建てようとした・・・」
「───ッ! それって、『バベルの塔』のことじゃッ!? じゃあ、お前の目的はまさか同じ言葉を取り戻すことかッ!?」
「ほう・・・気づいたか」
それは武瑠に神話の知識があったからこそ、予想がついたこと。響たちは、武瑠にどういうことか問う。
「・・・フィーネは言った。シンアルの野に塔を建てようとしたって。シンアルの野に関係する塔は『バベルの塔』、ただ一つ。天まで届かせようとして、結局出来なかった塔。
聖書だと、昔、人々は同じ言語を持っていた。そして、シンアルの野に集まった人々は天にも届く塔を作ろうとした・・・」
「だがしかし、あの方は人の身が同じ高みに至ることを良しとはしなかったッ!」
「あの方って言うのは、聖書でいう『主』。そいつは人々が互いの言葉を理解出来ないようにして、世界中に散らせた・・・」
「そうッ! それこそが『バラルの呪詛』だッ! そして、月こそがその源ッ! 今宵、月を砕くことでその呪いを解いてくれるッ! そして再び、世界を一つに束ねるッ!」
「だとしても、月を破壊したら───ッ!」
「ああ。少なくとも、今地球上にいる人類の大半が死ぬだろうな。だが、人類の相互理解の為には些細なことだ」
「些細なこと? ・・・ふざけるなッ! 命はそんなに軽くないッ!」
「ふん。貴様がどう言ったところで、永遠を生きる私を止めることなど出来ないッ!」
「・・・いや、止めてみせるッ! みんなッ!」
武瑠の言葉に響たちは頷き、響と未来は眼魂のスイッチを入れ、響たちは聖詠を唄う。
「「───変身ッ!」」
《触れれば転倒!理性不機能!》
《クラッシュザインベーダー!》
「Balwisyall Nescell gungnir tron・・・」
「Imyuteus amenohabakiri tron・・・」
「Killiter Ichaival tron・・・」
それぞれの鎧を纏った武瑠たちは一斉に駆け出す。フィーネが鞭を振るうが、武瑠たちは散開して回避した。。
「くらいやがれッ!」「そこ───ッ!」
クリスと未来が左右から弾丸を放つ。フィーネはその場から飛び退き、回避する。
「はああッ!」「せいッ!」
着地した彼女に、翼の剣と響の拳が繰り出された。しかし、フィーネは二人の攻撃を避け、鎖を二人の体に巻き付け、未来たちに向かって放り投げる。
「
武瑠がナギナタモードにしたガンガンセイバーを突き出す。しかし、フィーネが身を屈めたことにより、刃先がかするだけに終わった。
フィーネは武瑠の足を払い、バランスを崩したところを蹴りつけようとする。しかし、
「───ッ!?」
ガクリッ、とフィーネが膝をついた。立ち上がろうとするが、左足に力が入らない。その隙に武瑠は一旦距離を取った。
「・・・なるほど。アストルフォ魂だったか? なら、今貴様が持つその武器には、触れた相手を必ず転倒させる槍の力が付与されているのか。なら───」
そう言って、フィーネは手に持った鎖を剣のように鋭くし、左足に突き刺した。
あまりの光景に武瑠たちは息を飲む。
グジュリ、グジュリ、とノコギリの要領で鎖を動かし、左足を切断する。そして、
「なッ!? 再生しただとッ!」
「あの再生能力・・・まさか、ネフシュタンと融合したのかッ!?」
「その通りッ! いくら攻撃しようと、私を倒すことは不可能ッ! まもなく発射されるカ・ディンギルの一撃を、お前たちは止めることなど出来ないのだッ!」
夜の暗闇でカ・ディンギルが光を放つなか。フィーネの声が瓦礫の山となったリディアンに響いた。
⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫
(どうするッ!? 考えろ、考えるんだッ!)
フィーネが勝利宣言をするなか。武瑠はこの状況を打破する方法を考えていた。
(レオニダスの『炎門の守護者』なら・・・ダメだ。デュランダルの一撃とは比べ物にならないだろうし・・・。じゃあ、アストルフォの魔術を打ち破る書物・・・違う。カ・ディンギルの一撃が魔術なわけない。
クソッ! どうすればいいんだッ!? 何か、何か手があれば───)
───そのときだった。
「───汝、我が力を欲し、その魂を賭ける覚悟はあるか?」
「───ッ!?」
武瑠の周り、その全ての時間が止まる。唯一動いているのは武瑠と、
───その目の前にいる絶対な死だった。
「あ、あなたは・・・」
黒い装束に髑髏の仮面。手には巨大な両刃の剣。体の節々からは青白い不気味な霧のようなものが溢れている。そして、それが纏う、濃密な死の気配。
そんな存在に、今の武瑠は武瑠は名を聞くのが精一杯だった。
それは威厳のある声で、武瑠の質問に答える。
「───怯えるな。
我、山の翁。ハサンの中のハサンなり。貴様の願いに答え、参上した。我が力を使えば、あれを止めることが出来る」
「本当かッ!? なら───」
「───されど、我が力を使えば、貴様の魂はハサン・ザッバーハの力と共に消滅する」
「な───ッ!?」
『ハサン・ザッバーハの力』。それはつまり、ハサン眼魂のこと。
武瑠の前にいるのは、暗殺教団『山の翁』の初代頭領。ハサンを殺すハサン。その魂は最上級クラスとも言ってもいい。そんな魂を、つい最近まで一般人でしかなかった武瑠の魂が耐えられるはずがない。
「───改めて、問う。汝、己が魂を賭ける覚悟はあるか?」
「・・・やってやる。やってやるよッ! 例え、魂が消滅するとしても、俺は絶対に後悔したくないッ!」
「───請け負った」
山の翁が武瑠に手を翳す。すると、武瑠の懐からハサンの眼魂が飛び出し、自身の色を灰色から漆黒に変え、武瑠の手に収まる。
「───我が力を使えるのは一度きり。逃すでないぞ」
山の翁はその言葉を残し、消え去った。
再び、周りの時間が動き出す。武瑠は漆黒になったハサンの眼魂『オキナゴースト眼魂』を握りしめた。
「・・・みんな、頼みがある」
⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫⚫
「遂にだ・・・。遂に私の悲願が達成されるッ・・・!」
フィーネはまもなくエネルギーが満タンになるカ・ディンギルを仰ぐ。そんな彼女に翼が斬りかかった。
「させるかッ───!」
翼が剣を振り下ろす。それをフィーネは鎖で絡めとり、上に弾いた。
「まだだッ!」
翼は地面に手をつき、逆立ちと同時に横回転し、足のブレードで敵を切り裂く『逆羅刹』を繰り出した。しかし、フィーネは鎖を振り回して防ぐ。
そこに未来とクリスが攻撃を仕掛けた。
《ダイカイガン!オメガフィニッシュ!》
ホクサイ眼魂を装填したガンガンキャッチャーから放たれるブドウ色のエネルギー弾。クリスの放つ紅のエネルギー弾。その二つが合わさり、一個のエネルギー球となってフィーネに一直線に向かう。それをフィーネは首を傾けることで避けるが、
「響ッ!」
「了解ッ! ───必殺シューーートッ!!」
射線上にいた響がエネルギー弾をフィーネに向かって蹴り返す。しかし、フィーネは鞭で陣を組み、強固なバリア『ASGARD』を形成して受け止める。
起こる爆発。フィーネと響たちは互いに一旦距離をとる。
「何をしても無駄だ。お前たちに勝ち目はないッ!」
「・・・それはどうかな?」
「なに? ・・・───ッ!」
そこで、フィーネは武瑠が姿を消していることに漸く気づく。
(何処だッ!? 何処に消えた───)
フィーネが空を見上げる。そこにはヒポグリフに乗って上に上がる武瑠の姿があった。
四人がフィーネと奮闘する中。武瑠はヒポグリフを召喚し、成層圏へ向かう。ヒポグリフがカ・ディンギルの射線上に入ると、武瑠はヒポグリフを消し、浮遊することでその場に留まった。彼の視線ではとカ・ディンギルの物と思われる光が見える。
武瑠は掌に握った眼魂を見た。
『───我が力を使えば、汝の魂はハサン・ザッバーハの力と共に消滅する』
「・・・・・・ッ」
思い返される山の翁の言葉。それによって、スイッチを押すのが躊躇ってしまう。しかし、ここまで来た以上、武瑠に止めるという選択肢はなかった。
「すぅ・・・はぁ・・・。
───山の翁さんッ! あなたの力、お借りしますッ!」
武瑠は眼魂のスイッチを入れ、アストルフォ眼魂と交換する。
《アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!》
ベルトから出てきたのはフードに双角が生えた、裾の長い、漆黒のパーカー『オキナパーカーゴースト』。
武瑠はベルトのトリガーを押し込んだ。
《カイガン!ヤマノオキナ!
告げるは鐘の音!首を出せ!》
コールと共に、武瑠にオキナパーカーゴーストが纏われ、白く縁取りされた髑髏の模様が描かれたマスクが被さる。
その英雄の姿を知る者は居らず。なぜなら、見た者はその時点で命を落とすからだ。それほどまでの絶対なる死の具現。
その者、暗殺教団『山の翁』初代頭領。ハサンを殺すハサンなり。
その英雄の力を纏った武瑠の新たな姿。
その名は『仮面ライダーゴースト ヤマノオキナ魂』。
「ッ、アァッ・・・!?」
(纏っただけで、この痛み・・・必殺技一回がギリギリか・・・でも、やるしかないッ!)
───カ・ディンギル発射まで、あと10秒。
武瑠はガンガンセイバーを召喚し、その剣の瞳の紋章をベルトに翳す。
《ガンガンミナー!ガンガンミナー!ガンガンミナー!》
───カ・ディンギル発射まで、あと7秒。
パーカーから青白い煙が吹き出し、ガンガンセイバーに集束される。やがて、煙は刃となった。さらに、武瑠はベルトのトリガーを押し込んだ。
《ダイカイガン!ヤマノオキナ!オメガドライブ!》
周りに晩鐘の音が鳴り響く。
「───聞くがよいッ! 今ここに、神託は下ったッ!」
───カ・ディンギル発射まで、あと3秒。・・・2秒。
武瑠はガンガンセイバーを上段に構える。
───・・・1秒。・・・0。
瞬間、眩い光が地上を照らし、強大な光の砲撃が月に向かって放たれた。
それを確認した武瑠は渾身の、最後の一撃を放つ。
「───命、燃やすぜッ!」
《オメガブレイク!》
カ・ディンギルの砲撃に、絶対なる死の一撃が放たれる。
その斬擊は強大な光の砲撃を容易く両断し、地上にそびえ立つカ・ディンギル自身さえも切り裂いた。両断された光は、月の表面を少し削るだけに終わった。
白い羽が舞い、輝く武瑠の体を包み込む。
「・・・今まで、ありがとう」
変身が解除され、武瑠の体から光の粒子が出る。
「さようなら、皆───」
その言葉を残し、武瑠は光の粒子となって消え去った。
ゴースト←LOST:オレ眼魂
ムサシ眼魂
ロビンフッド眼魂
ビリー・ザ・キッド眼魂
レオニダス眼魂
アストルフォ眼魂
ハサン眼魂→ヤマノオキナ眼魂←LOST
ネクロム:ネクロム眼魂
ホクサイ眼魂
───────
ユルセン「次回、戦士開眼シンフォギア・ゴーストッ!
「貴様が殺したのだッ!」
───告げられる真実。
「私に戦う資格なんて・・・」
───挫ける擊槍。されど・・・
「まだ───戦えるッ!」
───今こそ、天に舞う時ッ!
「───シンフォギアァァァッ!!」
『飛翔! シンフォギア!』