戦士開眼シンフォギアゴースト   作:メンツコアラ

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 すいません。

 諸事情により、投稿する英雄のストーリーを一人だけにさせていただきます。

 楽しみにしていた方々、誠に申し訳ございません。


 ───さて。という訳で、閑話二作目です。かーなーりグダグダしていますが、許してください。

 しかし、遂に『仮面ライダージオウ』が始まりましたね。ジオウを見て、自分はふと思いました。これ、『ハイスクールD×D』か『トリニティ・セブン』。もしくは『FGO』とクロス出来るんじゃね、と。

 まあ、それはもう少し見てから考えよう。
 ・・・と言うわけでスタートです。





閑話その2 氷結! 氷の皇女!

 これは、武瑠がアナスタシア眼魂を手に入れた後の物語。

 

 

──────────────────────

 

 

 武瑠たちが監禁生活から解放されてから約2日後。武瑠は早速新たな英雄眼魂『アナスタシアゴースト眼魂』を手に入れた。同時に、大天空寺にも新しい家族が増えた。

 

 しかし、

 

「あのー、アナスタシアさん・・・」

 

「近づかないで」

 

 彼女は氷のような皇女だった。誰かが声をかけても『近づかないで』の一言で済ませる冷たい少女。そのせいで、他の英雄たちやクリス、了子たちはあまり会話しようとはしなかった。

 

 だが、唯一武瑠だけは違った。

 

「アナスタシアさん。ご飯出来ましたよ」

 

「近づかないで」

 

「そう言わずに一緒に食べましょうよ」

 

「イヤよ。それに、私たちは食事を必要としない体なのになんで食べないといけないの?」

 

「まぁまぁ。そう言わずに───」

 

 どれだけ拒絶されようが話しかけ続けた。他愛のないこと。ちょっとした報告。そんなことを武瑠が語っては、アナスタシアが拒絶する。

 

 それが3日ほど続いた時だった。ついにアナスタシアが折れた。・・・と言っても、

 

「まぁ・・・壁越しに喋るくらいなら構いませんが・・・」

 

「壁越しかよッ!」

 

 アナスタシアの言葉に、クリスがツッコミを入れる。しかし、それは確実な一歩だった。

 

 

 

 今度は武瑠とアナスタシアの壁越しで会話する日々が始まる。武瑠が何かを話せば、アナスタシアは『そう』や『そうね』と返す。それがまた3日ほど経った時には、

 

「アナスタシアさん。美味しいケーキを買ったから、食べながら話しませんか?」

 

「まあ・・・同じ部屋にいるくらいならいいわ」

 

(どんどん親密になっていきやがる・・・)

 

 同室を許可したアナスタシアと武瑠の関係に、クリスは僅かな戦慄を覚える。

 

 

 

 それから武瑠とアナスタシアは面と向かって離すようになった。武瑠の話に、アナスタシアも『フフッ・・・』と小さな笑みを溢すようになる。そして、今度はたった1日で、

 

「武瑠、会話は少しだけ待ってて頂戴。今、お茶を入れてあげるから」

 

「いやッ! 誰だよこいつッ!?」

 

 その変貌は、クリスがアナスタシアを指差して叫ぶほどのものだった。

 

 それから武瑠とアナスタシアのお喋りが始まった。アナスタシアは武瑠の隣に座っている。その日は今までとは違い、アナスタシアも普通の女の子のように会話を楽しんでいた。その姿は大天空寺に来たときでは想像もつかないだろう。

 

 二人が会話をするなか、アナスタシアがあることを聞いた。なんで私とお喋りしようと思ったのかしら?、と。

 

「うーん・・・寂しそうだったから、かな?」

 

「寂しそう?」

 

「うん。初めてあなたにあった時、なんか寂しそうな目をしていたから。・・・俺はその目に覚えがありました。8年前の、父さんを亡くしたばかりの俺もそんな目をしていましたから」

 

「・・・あなたも家族を失ったのね。だったら、はじめの私の態度もわかるでしょ? 誰も信じられない。信じることが出来なかった」

 

「だから、一緒にいようとしたんです。了子さんが昔言ってました。『傷ついた心には誰かが側にいてあげるのが一番の特効薬なんだ』って」

 

「あなたは愚かね。もしかすると、私が氷漬けにしていたかもしれないのよ?」

 

「そのときはそのときです」

 

 武瑠の言葉に、アナスタシアは『そう・・・』と小さく答え、頭を武瑠の肩に乗せた。武瑠が戸惑うなか、武瑠の手にアナスタシアの白く小さな手が添えられる。

 

「───武瑠。もしこれからも一緒にいてくれるなら約束して。私の手を離さないで・・・。私の目の届く所にいて。私の声を聞いたら、いつでも返事をして。・・・私はもう・・・失いたくないの。大切なものをッ・・・」

 

 ポタッ、ポタッ、とアナスタシアの瞳から小さな雫が流れ落ちる。武瑠は彼女の手を優しく握った。

 

「約束しますよ。アナスタシアさん」

 

 

 

 

 

 こうして、アナスタシアは心を開いた。

 

 ・・・開いたのだが、ちょっとした問題が起こった。それはアナスタシアが心を開いた日の夕飯のとき、大広間での出来事。

 

「・・・なぁ、武瑠」

 

「ク、クリス? どうしたの?」

 

「なんでそいつが、お前にピッタリと寄り添って座っているんだ?」

 

 そう。アナスタシアは武瑠の隣にピッタリとくっついて座っていた。その姿には、その場で食事していた英雄の一部も目を点にしている。

 

「別にいいじゃない。私がどこで食事を取ろうと、私の勝手でしょ? それとも何? あなたは廊下で食事しろとでも言いたいの?」

 

「いや、別にそういう「ねぇ、武瑠」って聞けよッ!」

 

「どうかしました?」

 

「私、お箸じゃ食事できないわ」

 

「あ、すいません。すぐにフォークとか取ってきます」

 

「別にいいわ。その代わり、あなたが食べさせて」

 

「「はあッ───!?」」

 

 アナスタシアの発言に武瑠とクリスは顔を真っ赤にする。

 

「それと敬語は止めて。むず痒くて仕方ないわ」

 

「わ、わかりまし「敬語は止めて」・・・分かった。これでいいか?」

 

「よろしい」

 

 アナスタシアは満足ですと言わんばかりに武瑠の腕に抱きつく。その大胆な行動に、武瑠はさらに顔を赤くした。

 

「さあ、武瑠。早く食べさせ───」

 

 ───ダァンッ!

 

 突然の音に、その場にいた者全員が箸を止める。その音はクリスがフォークを叩きつけた机だった。クリスはひきつった笑みをアナスタシアに向ける。

 

「フォークを持ってきたぜ。さっさと離れて食事したらどうだ?」

 

「野蛮ね。もう少し優しく扱ったらどうなの?」

 

「うるせえ。てめえみたいな野郎にはこれで十分だ」

 

「あなたは少し礼節を覚えたらどう? ・・・失礼。食べ方が汚いお猿さんには難しいわね」

 

 ブチッ!(クリスの堪忍袋の緒が切れる音)

 

「・・・そうか。お前は誰かに食べさせてもらえないと食事が出来ない、お・子・さ・ま、なんだなッ! イヤー、それならそうと言えばいいのにッ!」

 

 ピキッ!(アナスタシアの額に血管が浮かび上がる音)

 

「・・・あなた。氷漬けにされたいのかしら?」

 

「あ? やる気か?」

 

 二人の間に火花が散り、クリスから紅いオーラが、アナスタシアから白いオーラが発せられる。武瑠は二人を止めようとするが、

 

「「武瑠(お前)は黙ってて(ろ)ッ!!」」

 

「は、はい・・・」

 

 他の英雄たちは被害を受けないように避難する。そんな中、了子だけは『修羅場ねぇ』と言いながらお茶を啜っていた。




~BGM『Vitalization』~

 ───フィーネとの決着から100日間。

 死んでしまい、仮面ライダーゴーストになった少年、天空寺武瑠。

 彼は仲間たちと共にノイズを倒しながらも平和な日常を過ごしていた。

 ───しかし、

「私たちは『フィーネ』ッ! 終わりの名を持つ者だッ!!」

 黒いガングニールを纏う歌姫と『終わりの名を持つ者(フィーネ)』の名を語る組織。


「綺麗事で戦う奴の言うことなんか、信じられるかデスッ!」

「それが偽善ッ!」

 ───ぶつかり合うシンフォギア装者たち。そして、


「眼魂を寄越しなさいッ!」

「俺と同じベルトッ!?」

 ───もう一人の仮面ライダー、『スペクター』。



 今ここに、武瑠たちの新たな戦いが始まるッ!

 ───『戦士開眼シンフォギアゴースト G』開幕ッ!


 
 

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