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OP『Vitalization』
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俺は天空寺武瑠。4月の始めにノイズに殺され、生き返るために仮面ライダーゴーストになって英雄の眼魂を集めている。
了子さんとの戦いに決着がついてから100日経った。あれから眼魂を6個も手に入れ、さらに新しい仲間、クリスも大天空寺にすむようになった。
残りの眼魂は、あと4個。
開幕! 新たな戦い!
───それは地獄だった。
辺りに出来た瓦礫の山。チラチラと姿を見せる炎。剥き出しになった鉄骨。そんな中、ボロボロになった白銀の鎧を身に纏い、瓦礫の上に倒れ伏す少女と、その少女を見る異形がいた。
異形はその大きな口から舌を出し、今にも少女を食べようとしていた。
(ッ・・・あれを倒すには絶唱しかない。でも、絶唱を唄う力はもう───)
「△△△△△△ッ!」
異形が奇声を上げ、少女の柔肌に牙を立てようとする。少女は目を閉じ、その運命を受け入れようとした。しかし、いつまで経っても痛みが襲ってこない。おかしいと思った少女は、恐る恐る目を開いた。
その瞳に写ったのは口を開いたまま動かない異形の姿だった。さらに、少女はあることに気づく。周りで揺らいでいた炎がピタリと動きを止めていたのだ。
「なん、で・・・」
「───驚いたかい?」
「───ッ!?」
少女と異形のすぐ側に、先程までいなかった筈の男が立っていた。フードを深々と被っている為、顔を見ることは出来ないが、ただ者じゃないことは分かる。
男は倒れ伏した少女に、静かに語りかけた。
「数分だけ周りの空間を止めた。今動けるのは君と私だけだが、私は君に危害を加えるつもりはない」
「誰が、信じるとでも・・・」
「信じる信じないは君の自由だ。しかし、このままでは君は死んでしまう。
───だから、この状況を打破できる力が欲しくないかい?」
男の言葉に、少女は一瞬迷う。今自分が纏っているのとは別の力。それは何よりも魅力だった。しかし、
「お断り、します・・・誰か、分からな、いあなたに力を借りる、くらいなら・・・」
「そうかい? しかし、君がここで死んでしまったら、誰が代わりにこの異形と戦う?
・・・君のお姉さんさ。君の事が何よりも大切なお姉さんは
そう言って、男は懐から目玉のような物を取り出し、少女に差し出す。
「さあ、これを手に取りなさい」
「あ、あぁ・・・」
少女はその目玉のような物に手を伸ばす。そして、それが指先に触れたとき───
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ここは日本にあるライブ会場。そこには8万人を越える人々が世界中から集まっていた。
理由は日本のトップアーティスト、風鳴翼と『歌姫』の異名を持つ『マリア・カデンツァナ・イヴ』の特別共演を見るためだ。今回のライブは世界各国に生中継されるほど注目されている。
そのライブ会場の観客席最上にあるVIPルームには、翼の招待で武瑠と未来がいた。しかし、何時もいるはずの響やクリスは、『ソロモンの杖』の搬送護衛任務でライブ会場にはいない。
未来は誰も座っていない隣の席を見つめながら、この場にいない幼馴染みを思う。
「響・・・」
「大丈夫だよ。響のことだから心配ないって」
「・・・そう言いながら、コンドルデンワーを使おうとしているのは何処の誰?」
「・・・俺です」
武瑠はコンドルデンワーの受話器を置く。実は、武瑠も内心では任務に行った二人が心配でたまらなかった。
「風鳴さんから『何もない。心配するな』って言われたけど、やっぱり気になっちゃうからさ」
「素直に二人が心配って言えばいいのに。・・・けど、間に合うのかな?」
「そのときはそのときでしょ? ・・・ほら、もうすぐ始まるみたい」
武瑠はステージの上を指差す。そこには軽快な音楽が鳴るステージの下から姿を表す翼たちの姿があった。
風鳴翼とマリア・カデンツァナ・イヴ。二人の登場にライブ会場にいる者たちのテンションが倍増する。
「見せてもらうわよ。
マリアの言葉を皮切りに、二人はデュエット曲『不死鳥のフランメ』を唱い始めた。
「~~~~~♪ッ」
「─────♪ッ!」
二人の動き、歌に合わせて炎の演出が起こる。燃える炎の中、優雅に、そして美しく唄う二人の姿はまさに不死鳥の如し。ラストスパートで中央の花道を走り、向こう側のステージに向かう二人にライブ会場はより熱狂する。
時間は1分半ほど。しかし、その熱狂は今までにないほどの物だった。唱い終わった二人に盛大な拍手と万雷の喝采が送られる。
翼はそんな観客たちに言った。
「ありがとう、みんなッ! 私は、いつもみんなから、たくさんの勇気をもらっているッ! だから今日は、私の歌を聞いてくれる人たちに、少しでも勇気をわけてあげられたらと思っているッ!」
翼に続いて、マリアもマイクに向かって叫ぶ。
「私の歌を全部、世界中にくれて上げるッ! 振り返らない、全力疾走だッ! 付いて来れる奴だけ付いて来いッ!」
マリアの言葉に、10万の観客の声が響き渡る。
次に、マリアは翼と向かい合った。
「今日のライブに参加できたことを感謝している。そして、この大舞台に日本のトップアーティスト、風鳴翼とユニットを組み唄えたことを」
「私も、素晴らしいアーティストに巡り合えたことを光栄に思う」
「私たちが世界に伝えていかなきゃね。歌には力があるってことを」
「それは、世界を変えていける力だ」
「そしてもうひとつ───」
マリアはステージの方に向き、薄く笑う。その笑みに翼が疑問を抱くなか、
────そこにノイズが現れた。
ライブ会場に突然現れたノイズ。観客たちが悲鳴を上げ、我先にと出口へ向かおうとするなか、武瑠と未来は目の前の光景に目を疑った。
本来、ノイズは人間を見つければすぐに襲いかかってくる。しかし、現れたノイズは観客たちを囲むように整列していた。まるで、
「まさか、ソロモンの杖ッ!? でも、それは響たちが・・・」
「考えるのは後だッ! とにかく、早くこの事態をどうにかしないと───」
『───うろたえるなッ!』
突然、ステージの上に立つマリアが叫ぶ。その一声に、観客席は静かになった。
『───そう、大人しくしている限りは、ノイズに手出しさせないわ』
「あの言葉・・・このノイズはあの人が呼び出したの?」
未来がマリアの言葉を考察するなか、マリアはマイクに向かって宣戦布告した。
『私たちは、ノイズを操る力を持ってして、この星のすべての国家に要求するッ! ───そして・・・ッ!』
全ての観客の視線が集まるなか、マリアはそれを、血濡れた歌を唄う。
「Granzizel bilfen gungnir zizzl・・・」
「「────ッ!?」」
その歌の示す意味を知る武瑠たちは己の耳を疑う。しかし、それは聞き間違いなどではなかった。
マリア・カデンツァナ・イヴの体が光に包まれ、彼女の体に黒い鎧が纏われる。その鎧は所々違いはあるが、武瑠たちはそのシンフォギアがなんなのか理解した。
「黒い、ガングニール・・・ッ!?」
「なんでッ!? だって、あれは響の・・・ッ!」
頭の中が疑問に埋め尽くされるなか、マリアは言った。
「私は・・・私たちはフィーネ。
───そう。終わりの名を持つ者だッ!」
仮面ライダーゴースト:オレ眼魂、闘魂ブースト眼魂
ムサシ眼魂
ロビンフッド眼魂
ビリー・ザ・キッド眼魂
アストルフォ眼魂
レオニダス眼魂
???眼魂
???眼魂
???眼魂
???眼魂
仮面ライダーネクロム:ネクロム眼魂
ホクサイ眼魂
???眼魂
???眼魂
???:???
???眼魂
???眼魂
???眼魂
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ユルセン「次回、戦士開眼シンフォギアゴーストGッ!」
マリア「我ら武装組織フィーネは、各国政府に対して要求するッ!」
───
翼「決別だ。
───覚悟を決める絶剣。
そして、現れるもう一人の───
「あなたの眼魂を寄越しなさい」
《レディゴー!覚悟!ド・キ・ド・キ!ゴースト》
『亡霊! 青いライダーとフィーネ!』
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今回は2864文字と短めですが、出だしなので許してください。
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