『フィーネ』の名を名乗る組織。それに所属する3人のシンフォギア装者と青い仮面ライダー。
彼女たちは国土の譲渡を要求したが、特に何かを行動に起こすことはなかった。
彼女たちの謎はより深まっていくのだった。
『───いいか? 今夜中に終わらせるつもりで行くぞッ!』
リディアンの学園祭が2日後に迫った日の午前1時。武瑠たちは町外れの海辺近くにある廃病院に来ていた。
何故こんな場所に来ているのか。それはあの3人のシンフォギア装者たちともう一人の仮面ライダーがここを拠点にしている可能性があるからだ。
廃病院の出入口前で待機する武瑠たち。5人が耳に着けたインカムに緒川と、大天空寺から了子の通信が入る。
『2ヶ月ほど前から、ここに少しずつ物資が搬入されているようです』
『そこで周辺の監視カメラを調べてみたわ。弦十郎くんたちの予測通り、人の出入りがあったわよ。暗くて顔はわからないけど・・・』
『それが組織フィーネのメンバーである確証はないが、そうである可能性は高い。翼、武瑠くんを先導に、慎重に進んでくれ』
『了解ッ!』
武瑠たちは廃病院の中へ進んでいく。
暗闇に包まれた廃病院の中は、自然とホラーゲームのような雰囲気を漂わせていた。武瑠たちはエントランスを抜け、奥の狭い廊下に足を踏み入れる。
「なんか・・・スゴい所だね・・・」
「なんだよ。ビビってんのか?」
「別にそう言う事じゃないけど・・・なんか、空気が重苦しいと言うか・・・」
「言われてみれば・・・武瑠、何か分かる?」
未来は先頭を行く武瑠に訪ねる。そのときの武瑠は、なにやら難しい顔をしていた。
「武瑠? どうかしたのか?」
「いや・・・俺さ、ゴーストになってから暗闇でも物がハッキリ見えるようになったんだけどさ。さっきから、目の前に赤い靄というか、赤い霧みたいな物が漂っているんだよ」
武瑠の言う通り、廊下には赤い霧状の物が充満していた。
「赤い霧? 埃か何かかな?」
「バカッ! そんなのあるわけねえだろッ!」
「今のところ大丈夫だから、毒とかじゃないと思うけど・・・」
赤い霧に対して考察を述べ合う四人。しかし、それを翼が止めた。
「シッ・・・どうやら、お出迎えのようだぞ」
武瑠たちが進もうとしていた先。赤い霧が漂う廊下の奥からぞろぞろとノイズの群れが現れた。
「あのノイズ、操られてる」
「てことは、フィーネが潜伏していることは間違いない」
武瑠は仮面ライダーゴースト 闘魂ブーストに、未来は仮面ライダーネクロムに変身。響たちもシンフォギアを纏って戦闘を開始した。
「どしゃぶりなッ! 10億連発ッ!」
クリスのガトリングがノイズの群れに向かって無数に等しい程の弾丸を飛ばす。目の前のノイズは瞬く間に崩壊していった。
ゴーストたちはクリスの射線から外れた個体を討伐。
半分日常化しているノイズ討伐を、武瑠たちは余裕な顔でこなしていった。討伐していくなかで、ノイズの統率の取れた動きに武瑠たちはあることを確信する。
「これって、やっぱり・・・」
「ああ。間違いなく操作されたノイズだ」
「今さらノイズッ! あたしらの敵じゃねえんだよッ!」
クリスの言う通り。半分日常化となっているノイズ討伐は、今の武瑠たちにとってはお茶の子さいさい
───のはずだった。
「はあ、はあ・・・ッ」
「チッ・・・何で・・・ッ!」
「くッ・・・」
戦闘開始から数分後。響、翼、クリスのシンフォギア装者たちが早くも肩で息をし始めた。さらに、各々が使っているアームドギアの威力も低下している。何時もなら軽々と扱えるはずのアームドギアが倍以上に重く感じた。
一方、何の変化も起きていないゴーストとネクロムは、疲労の色が見える3人に疑問を抱きながら、3人を守るように立ち回る。
「みんなッ! どうしたんだよッ!?」
「分からん・・・だが、何故かギアの出力が落ちている・・・ッ!」
『3人の適合係数が低下していますッ! 注意してくださいッ!』
(まさかノイズの攻撃で? でも、何時もならこんなことは起きない・・・まさかッ!)
ゴーストはあることに気付き、ネクロムに指示を出す。
「未来ッ! すぐにナイチンゲールの宝具を放ってッ!」
「えッ!? いったいどういう───」
「いいから早くッ!」
「ッ・・・後でちゃんと説明してよねッ!」
ネクロムはメガウルオウダーからネクロム眼魂を抜き取り、トライジェントになる。そして、懐から取り出した白い眼魂『ナイチンゲール眼魂』のスイッチを押してメガウルオウダーに装填。ユニットを起こし、ボタンを押すと、メガウルオウダーから黒い軍服を羽織り、所々に白い包帯を巻き付けた赤いパーカーゴースト『ナイチンゲールゴースト』が飛び出す。
ネクロムはボタンを押し、ゴーストチェンジした。
《テンガン!ナイチンゲール!
メガウルオウド!
クリミアエンジェル!》
ネクロムの頭部に白い十字架の単眼ゴーグルが装着される。
その英雄は戦時医療に革命をもたらし、『小陸軍省』、『光を掲げた貴婦人』、『クリミアの天使』などの異名を持つ存在。『天使とは、美しい花を撒き散らす者ではなく、苦悩する者のために戦う者である』という言葉を残した、白衣の天使。名を『フローレンス・ナイチンゲール』。そして、その英雄の魂を纏ったネクロムの新たな姿。
その名は『仮面ライダーネクロム ナイチンゲール魂』。
ネクロムはユニットのボタンを操作し、オメガウルオウドを放つ。
「全ての毒あるもの、害あるものを絶ち、我が力の限り、人々の幸福を導かんッ!」
ネクロムの後ろに、剣を手にした、白衣の女神の幻影が投影される。その幻影こそ、ナイチンゲールの精神と『傷病者を助ける白衣の天使』の看護師の概念が具現化したもの。
「
白衣の女神がノイズ、そして、響たちに向かって剣を振るう。突然の事に防御出来なかった響たちは来るであろう痛みに覚悟する。
しかし、女神の剣はノイズや響たちを両断することはなかった。だが、
「あ、あれ? 疲れが無くなった?」
響だけじゃない。それはクリスと翼も同じだった。さらに、先ほどまでは鉛のように重かったアームドギアも、今は羽衣のように軽かった。
「天空寺、どういうことだッ!?」
「説明は後ッ! クリスッ!」
「チッ! しゃあねえなッ!」
クリスは左手に持ったアームドギアをガトリングから小型レールガンに変形させ、武瑠はブラスターモードにしたサングラスラッシャーにオレ眼魂、闘魂ブースト眼魂を装填する。
《ダイカイガン!》
「この銃に籠めしは、眩き我が魂の弾丸ッ!
───
武瑠とクリスは同時に引き金を引く。2発の弾丸は二重螺旋を描き、合体技『
後に残ったのは静けさと漂う赤い霧だけだった。
「よし。討伐完了・・・で? どういう事か説明してくれるよな?」
アームドギアをクロスボウに戻したクリスは、響たちを代表して武瑠に聞く。
「この赤い霧・・・多分、これが響たちの適合係数が低下していた原因だと思う」
「この赤い霧が?」
「多分、薬品じゃないかな? LiNKERとかいう適合係数を上げる薬があるって了子さんから聞いたことあるから、逆に下げる奴もあるかなって思ったんだ」
「なるほど。だからナイチンゲール殿の宝具か」
ナイチンゲールの宝具『
『毒と薬は紙一重』という言葉があるように、『
「さあ。早く奥に───」
そのときだった。突然、暗闇の奥から『何か』がゴーストに襲いかかる。突然の事に対処が遅れてしまったゴーストだが、響がその『何か』を横から殴り飛ばしたことによって攻撃を受けずにすんだ。
『何か』は飛ばされた方向にあった壁を蹴り、再びゴーストに飛び付く。
しかし、ゴーストも2度目は難なく対処する。
《闘魂ダイカイガン!
闘魂ブースト!オメガドライブ!》
「はあああッ!」
ゴーストは紅蓮のオーラを纏わせた右足で、『何か』に回し蹴りを放つ。蹴りつけられた『何か』は廊下を転がるが、何事も無かったかのように立ち上がる。
その姿は異形。黒く不気味な表皮の上にはマグマを思わせる色合いの模様が脈動していた。
「なんだ、ありゃッ!? 新種のノイズかッ!?」
「響の拳と俺のオメガドライブを受けて炭素の塊にならないんだぞッ! そんなわけないだろッ!」
哺乳類でも爬虫類でもない。恐らくは地球上に存在しないであろう異形の姿に、ゴーストたちは警戒する。
───そのときだった。
「意外に聡いじゃないですか」
『───ッ!?』
廊下の奥からパチパチと手を叩く音が響き渡る。そこから現れたのは眼鏡をかけ、白いコートを纏った細身の男性だった。その男性を響とクリスは知っていた。
「ウェル博士ッ!?」
「・・・いや。それだけじゃねえみたいだ」
クリスは細身の男性『ジョン・ヴェイン・ウェルキンゲトリクス』・・・通称『ウェル』の後ろに視線を向ける。ウェルの後ろの暗闇から出てきたのは、小型のゲージを持ったもう一人の仮面ライダーの変身者、セレナ・カデンツァナ・イヴ。
「お戻り、ネフィリム」
セレナはゲージを廊下に置いて扉を開く。異形・・・ネフィリムと呼ばれたそれは自身の体の大きさを変え、大人しくゲージの中に入っていった。
「博士、なんで・・・岩国基地が襲われた時に、ソロモンの杖と一緒に・・・」
「つまり、全部自作自演だったってことかッ!?」
「その通りッ! バビロニアの宝物庫よりノイズを呼び出し、制御することなど、この杖をおいて他にありませんッ! そしてこの杖の所有者は、今や私こそふさわしいッ! そう思いませんか?」
「思うかよッ!」
クリスがウェルに向けて矢を放つ。だが、それらはセレナが召喚した、ガンガンキャッチャーに酷似した長銃『ガンガンハンド』に防がれてしまった。
「なッ───!?」
「ドクター・ウェル。無駄な挑発は控えてください」
「おっと。これは失敬」
そう言いながら、内心は全く反省していないウェルを一瞥し、セレナはゴーストたちを見る。
「・・・さて。あなたたちにここがバレた以上、私たちがここに居座る理由もありません。眼魂はまた今度の機会に。私たちは早々に退散するので、見逃して貰えませんか?」
「それ、はいそうですかって言うと思う?」
「まさか。だから───無理矢理にでも」
そう言って、セレナはベルトを召喚。懐から銀色の眼魂を取り出し、スイッチを入れて、ベルトに装填する。
《アーイ!
バッチリミロー!バッチリミロー!》
ベルトからの変身音声。すると、セレナ、ウェルの後ろから一台のシルバーカラーのバイク『マシンヴラド』が運転手も無しで走ってきた。
「───変身」
《カイガン!ヴラド!
敵は串刺し!恐れなし!》
マシンヴラドが変形、分裂し、セレナが纏ったスペクターの
その者はワラキアの独立をトルコの侵攻から保った、キリスト教世界の盾とまで言われる、ルーマニアの名高き英雄。侵略者、国を荒廃させる貴族を容赦なく串刺しの刑にした武人。その行為は『串刺し公』。あの有名な怪物、『ドラキュラ伯爵』のモデルになった存在。
真名を『ヴラド三世』。
そして、串刺し公の魂と一つになったスペクターの新たな姿。
その名は『仮面ライダースペクター ヴラド魂』。
「ヴラド? ・・・ッ! まさか、その英雄は───」
「気づいたところで遅いですよ?」
《ダイカイガン!》
トリガーを押し込んだスペクターの体から紫色のオーラが溢れ出る。
「さあ・・・今こそ、ここに地獄の具現をッ!」
「まずいッ! みんな、逃げ───」
「遅いッ! ───
スペクターが拳を床に叩きつける。すると天井から、床から、左右の壁から、ありとあらゆる場所から鋭利な槍が次々に突きだし、ゴーストたちに襲いかかった。
今回は前編と後編に分けるので、今回は此処までです。
予告の英雄は次回に出します。楽しみにしていてください。
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仮面ライダーゴースト:オレ眼魂、闘魂ブースト眼魂
ムサシ眼魂
ロビンフッド眼魂
ビリー・ザ・キッド眼魂
レオニダス眼魂
アストルフォ眼魂
アナスタシア眼魂
???眼魂
???眼魂
???眼魂
仮面ライダーネクロム:ネクロム眼魂
ホクサイ眼魂
ダ・ヴィンチ眼魂
ナイチンゲール眼魂
仮面ライダースペクター:スペクター眼魂
ヴラド眼魂
???眼魂
???眼魂