戦士開眼シンフォギアゴースト   作:メンツコアラ

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 すいません。大変ながらくお待たせしました。
 それでは、新話どーぞ。


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 俺は天空寺武瑠。高校一年の春にノイズに殺され、生き返る為に仮面ライダーゴーストとなって、英雄の眼魂を集めている。
 黒いガングニールの装者、マリア・カデンツァナ・イヴ・・・。彼女は自らを生まれ変わったフィーネと名乗った。だけど、了子さんは大天空寺にいるからそんなことはない。
 彼女たちは、一体何を企んでいるんだ?





祭典! 学園祭!

 秋。その時期、多くの学舎では祭りが行われているだろう。

 徒競走や騎馬戦など、生徒たちが汗水流して競い合う体育祭。

 出店や舞台など、各々が出し物をして盛り上げていく文化祭。

 

 ここ、リディアン音楽院でも祭りが行われていた。

 正門から正面玄関へと続く道には所狭しと屋台が並べられ、リディアンの生徒、そして外部からの人々で溢れかえっている。

 その人々の中に未来と響の姿もあった。だが、響は周りとは違って少し難しい顔をしている。

 

「響? ひーびーきー?」

 

「・・・・・・・・・」

 

「響ってばッ!?」

 

「・・・・・・ほえ? あ、未来。どうしたの?」

 

「それはこっちのセリフ。さっきから上の空だけど、どうしたの?」

 

「ちょっとね。大したことじゃないよ」

 

 はぐらかそうとする響。しかし、未来は響の悩みの種に心当たりがあった。

 

「マリア・カデンツァナ・イヴのこと?」

 

「・・・うん」

 

 自身をフィーネと名乗るマリア。

 テロ組織フィーネのアジト潜入任務が終わった後、響たちは念のために了子の元に行き、またフィーネが転生する可能性はあるのか問いかけた。

 それに対して、了子の答えは否だった。今の了子・・・正確にはフィーネの魂は大天空寺にある。故に、フィーネが大天空寺からいなくならないかぎり、次のフィーネが生まれることは無いそうだ。(※この後、武瑠は年増扱いしたことで死ぬほど怒られた。)

 

 では、何故彼女はフィーネの名を名乗るのか。彼女たちの本当の目的は何なのか。

 言っては悪いが、響はそれほど頭が良い方ではない。そのせいか、考えれば考えるほど、頭の中がゴチャゴチャしてきた。

 

「頭の中がピプペポパニックだよ・・・」

 

「はいはい。お疲れ様」

 

 そう言って、未来は響の口の中に綿飴を一口分千切って放り込んだ。響の口の中に優しい甘さが広がる。

 

「悩むのもいいけど、今日くらいは羽を伸ばそ? せっかくのお祭りなんだから」

 

「・・・そうだね。よしッ! 考えるのは後回し。今日はとことん楽しもうッ!」

 

 そう言って、響はいつもの明るい表情に戻る。

 だが、ふとあることが頭の中を横切った。

 

「そう言えば、武瑠は何処?」

 

「確か、今の時間はうちのクラスの出し物で・・・ほら、あそこ」

 

 そう言って、未来は建ち並ぶ出店のとある一ヶ所を指差す。そこには、六メートル以上はありそうな人の行列があった。その殆どはリディアンの生徒。

 

 彼女たちは何故並ぶ? 

 物珍しい物を売っているからか? いや。出店の看板を見るかぎり、売っているのはありふれた焼きそばだ。

 味が他よりもよすぎるからか? いや。確かに味はいいが、それでもずば抜けてウマイという訳ではない。

 

 では、何故彼女たちは並ぶのだろうか?

 その理由は出店を切り盛りしている者が、リディアン音楽院唯一の男子生徒だからだ。

 

「ありがとうございますッ!

 いらっしゃいませッ! 三人前ですね? 少々お待ちをッ!」

 

 屋台から武瑠の声がほぼ絶え間なく聞こえる。その裏では同じシフトに当たっていたクラスメイトが慌てて材料を切ったり、買いに走り出したりしていた。

 

「うわぁ。これ、手伝わなくて大丈夫かな?」 

 

「武瑠なら大丈夫だよ。行こ」

 

「そ、そうだね。武瑠、がんばれー」

 

 二人は並んで校舎の方に歩いていった。しかし、そのときの彼女たちは気づかなかった。人混みの中から二人を見る視線に。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・行ったみたい」

 

「ふぅ。ひやひやしたデスよ」

 

 そう言いながら、響たちが人混みの中に消えていったのを確認するピンクのシンフォギア『シュルシャガナ』の装者、月読 調と翠のシンフォギア『イガリマ』の装者、暁 切歌。

 彼女たちはとある目的の為にリディアン音楽院に偵察に来ていた。

 

「でも、案外間抜けな奴らで良かったデスね。これで祭りを満喫できるのデスよ」 

 

「・・・切ちゃん。分かってると思うけど」

 

「大丈夫デスよ、調。この身に課せられた使命は決して忘れてないデス。

 ・・・でも、せめて焼きそばだけでも食べたいデスッ!」

 

 『このソースの香りが堪らないデスッ!』と言いながら幸せそうな笑みを浮かべる切歌に、調はため息を吐きながら優しい笑みを浮かべた。

 

「しょうがないなぁ、切ちゃんは。焼きそばだけだよ?」

 

「ありがとうッ! やっぱり調は優しいデスッ!」

 

 目的は一旦他所に、二人は焼きそばを買いに並んだ。

 ・・・あの行列が出来ていた武瑠が店番をする屋台に。

 

 

 

 

 

 

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「焼きそば一つ。マヨ増しでお願いします」

 

「はいッ! お待ちどうさまッ! 500円になりますッ!」

 

「焼きそば一つと、貴方をお持ち帰りでッ!」

 

「残念だけど、俺は商品じゃないよッ! またのお越しをッ!」

 

 ヘラを動かしながら、必死に焼きそばを量産していく武瑠。

 売上は、すでに5、60は軽く越えているだろう。だが、お客の行列はなかなか減る様子はない。

 いくら武瑠が体力などとは無縁であるゴーストだとしても、そろそろ限界が訪れようとしていた。

 

(だけど、あと数分もすれば交代の時間だ。それまでは耐えてみせるッ!)

 

 そう思い、次のお客に顔を向けた時だった。

 

「いらっしゃいま───」

 

「すみません。焼きそばを二つ───」

 

 突然、注文をしていた金髪の女の子とその連れと思われるツインテールの女の子が固まった。だが、それは武瑠も同じだった。

 何せ、その女の子二人はテロ組織フィーネのメンバーである切歌と調だったのだから。

 

(((───何でさッ!?)))

 

(な、何でゴーストがここにいるんですかッ!? ここ、女子高のはずデスよねッ!? ま、まさか、こんな見た目して、本当はマリアくらいの歳で、ここで教員をしているとかデスかッ!?)

 

(・・・一応、見つかったときのために変装はしてる。バレてはない・・・よね?

 どうしよう・・・わたしが主人公だったらどうするッ!?)

 

(この二人!なんで堂々とここにいるんだッ!? もしかして、俺がゴーストだって気づかれてない? いや、スペクターが知ってたのだから知っているはず。というか、この子達、眼鏡っ子だったんだ・・・いや。よく見たら伊達眼鏡だぞ。まさか、変装しているつもりなのか? 気づかれてないと思ってるのか?

 畜生ッ! こういう場合って、どう対処すれば良いんだッ!?)

 

 三人とも、目の前の出来事に思考を巡らせる。この間、僅か0.2秒。

 結果、三人が出した答えは、

 

「───ませ~ッ! 焼きそば二つですねッ!?」

 

「お、お願いするデスよッ!」

 

「・・・め、麺多めで」

 

(((自分は何も見なかったッ!))デスッ!)

 

 目の前の出来事を無かったことにした三人。

 武瑠が焼きそばを素早く二つのパックに入れ、箸、お手拭きをセットで二人に渡した。受け取った切歌と調はその場をそそくさと去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 五分後。シフトを終えた武瑠は裏庭で座り込んでいた。

 身体的疲労はともかく、精神的疲労が勝っていた。

 

「はぁ・・・暫く動きたくない・・・」

 

 そんなことを呟きながら項垂れる武瑠。

 そんな彼の頭にコツンと何かが当たった。頭を上げると、目の前に缶ジュースを持ったクリスが立っていた。

 

「お疲れみたいだな。飲めるか?」

 

「ありがとう。・・・ふぅ。やっぱり疲れた時はオレンジが一番だねぇ」

 

「おっさん臭いことしてんじゃねぇよ」

 

 そう言いながら、クリスは武瑠の隣に座る。

 武瑠が呑気にジュースを飲んでいる中、クリスが恥ずかしそうに口を開いた。

 

「な、なぁ。この後、暇か?」

 

「? シフトはこの後入ってないから、暇かと言われたら暇だけど・・・」

 

「だ、だったらよッ! あ、あたしの歌を、聞いてくれないか?」

 

「はい? どういうこと?」

 

「そのさ・・・なんか、流れでステージに立つことになってよ。ほら、音楽コンサートがあるだろ?」

 

「ああ。優勝者には生徒会が叶えられる範囲で願いを聞いてくれるっていうあれだろ? 

 別に歌を聞くのはいいけどさ。なんで態々それを言いに来たの?」

 

「そ、それは、その・・・ママが、その好きな人が出来たら・・・その人の為に・・・

 

 顔を赤く染め、ボソボソ呟くクリス。

 よく聞こえなかった。武瑠は顔をクリスに近づけるが、

 

「───ッ!? ち、近寄るなッ!!」

 

「ぐぺッ!?」

 

 クリスの鋭いアッパーカットが武瑠の顎に突き刺さる。武瑠はそのまま仰向けに倒れた。

 

「と、とにかくッ! ちゃんと来いよッ!」

 

 その言葉を残し、クリスはその場を離れて行く。だが、気絶していた武瑠には気づいていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 暫くして、ようやく武瑠は目を覚ます。

 

「いっつぅ・・・クリスの奴、何も殴ることはないじゃないか。・・・今、何時だ? バットクロックッ!」

 

 武瑠はバットクロックを召喚し、今の時間を確認する。バットクロックが示していたのは午後1時 50分。

 

「えっと、確かコンサートが2時からだから───って、後5分しかないじゃないかッ!?」

 

 武瑠は立ち上がり、超特急でコンサート会場に向かおうとする。

 

 ───だがしかし、

 

「たっける~~~~ッ!!」

 

「ぐふぉッ!?」

 

 横から突然飛んできたユルセン。彼の頭突きで、武瑠の体がくの字に曲がる。武瑠は腹を抑え、地面にうずくまった。

 

「ユル、セン・・・何、するん・・・」

 

「何こんなところで蹲ってんだよッ! そんな場合じゃないぞッ!」

 

「誰の、せい、だと・・・」

 

「───市街地の近くでウェルが暴れてるッ!」

 

「何だってッ!?」

 

 腹の痛みは何処へやら。起き上がった武瑠はユルセンにその言葉が真か、問いかけた。

 

「間違えねぇよッ! 確かに見たんだッ! 弦十郎の旦那も気づいちゃいねぇッ!」

 

「なら急いで───」

 

 『向かおう』。

 そう言おうとした武瑠だが、脳の中にクリスの顔が浮かび上がった。

 コンサート開始まで、後5分。今ならギリギリ間に合うかもしれないが、ウェルは市街地の近くで暴れており、さらに彼の手にはソロモンの杖がある。最悪の場合、市街地の人たちに被害が出る可能性もある。

 武瑠は悩んだ。だが、コンサートと人々の命。その二択は天秤に掛けるまでもなかった。

 

「ごめん、クリス・・・。

 ───ユルセンッ! すぐに了子さんに連絡。置換魔術で、その場所まで運んでもらおうッ!」

 

「響たちにはッ!?」

 

「・・・皆には黙ってて。せめて、今日だけでも皆にはゆっくりして欲しいから」

 

「・・・了解」

 

 ユルセンは宙に瞳の紋章を作り出し、その中に消えていく。

 武瑠はすぐさまリディアンの正門へ走り出した。

 

 

 

 

 

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仮面ライダーゴースト:オレ眼魂、闘魂ブースト眼魂

 ムサシ眼魂

 ロビンフッド眼魂

 ビリー・ザ・キッド眼魂

 アストルフォ眼魂

 レオニダス眼魂

 アナスタシア眼魂

 ドレイク眼魂

 ???眼魂

 ???眼魂

 

 

 

仮面ライダーネクロム:ネクロム眼魂

 ホクサイ眼魂

 ダ・ヴィンチ眼魂

 ナイチンゲール眼魂

 

 

 

仮面ライダースペクター:スペクター眼魂

 ヴラド眼魂

 ???眼魂

 ???眼魂

 

 

 




ユルセン「次回ッ! 戦士開眼シンフォギアゴーストッ!」


ウェル「私は英雄になるッ!」

 ドクター・ウェルの狂った欲望。
 彼の言葉に、武瑠は怒る。

武瑠「英雄はそんなものじゃないッ!」

 ───そして、彼の英雄も。

???「気に入らねぇな・・・」

『局中法度! 不滅の誠!』


『憤怒! 英雄の定義!』


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 ZI-O with TRINITY SEVENの方も宜しくお願いします。

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