戦士開眼シンフォギアゴースト   作:メンツコアラ

39 / 90
 すいません。大変長らくお待たせしました。
 最近、ジョジョやその他もろもろに手を出し始めたオルフェンズ・・・改めて、『メンツコアラ』です。
 次回は出来る限り早く投稿できるように勤めます。
 誠に申し訳ありませんでした。


憤怒! 英雄の定義!

 3人の少年がそこを通ったのは偶然だった。

 

 彼らは今日、入部している少年野球の練習があった。しかし、迂闊にも彼らはその事を忘れており、慌てて向かっている最中なのだ。

 だが、今からでは自転車を使っても遅刻してしまう。

 そこで少年たちは近道をした。人気のない廃工場の敷地内を通るそれを使えば、なんとか間に合うだろう。

 

 だがしかし、少年の一人が、工場の角で急に足を止めた。

 

「おい、どうしたんだよ?」

 

「いや、何か音がしなかった?」

 

「どうせ、聞き間違いだろ? それよりも早く行こうぜ。監督に怒られちゃうよ」

 

 『そうだね』と、少年たちは再びペダルに足を掛ける。

 そのときだった。

 

H , help me !!(た、助けてくれ)

 

 突然、中から一人の男が飛び出してくる。その男が身に付けているものはどれも戦争ドラマや刑事ドラマ等でしか見ないような代物だった。

 それを見た少年たちは撮影か何かだろうと思っていた。

 

 ───男が背後から現れたノイズに抱き付かれ、消滅するまでは。

 

(((───え?)))

 

 突然の出来事に惚ける三人。

 そこに男が飛び出てきた扉から白衣を纏った細身の男性・・・そう。あのドクター・ウェルが出てきたのだ。 

 

「おやぁ・・・? こんなところに居るなんて、いけないガキですねぇ・・・」

 

 ドクター・ウェルが手に持ったソロモンの杖を静かに少年たちに向け、ノイズを三体ほど召喚した。

 ノイズが少年たちに襲いかかる。

 少年たちは突然のことで頭が追い付かず、ただそこに立ち尽くすだけ。

 

 ノイズが触れるまで、わずか数秒。その間、彼らは自分達の短い人生を走馬灯のように思い返していた。

 

 少年たちは声を出すことなく、己の死を確信してしまう。

 

 ───しかし、こんなときだからこそ、希望は現れる。

 

「させるかああああッ!!!」

 

「キュアアァッ!」

 

 そいつは幻獣を駆り、手にした槍でノイズを串刺しにした。貫かれたノイズは炭素の塵となって辺りに舞う。

 少年たちはその姿に漫画に出てくるような聖騎士を連想させた。そいつは少年たちに向かって叫んだ。

 

「ぼさっとするなッ! 今すぐに逃げろッ! 早くッ!!」

 

「は、はいッ!!」

 

 我に帰った少年たちは目一杯ペダルを漕いで、一目散にその場を離れていった。

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●

 

 

 

 

 

 

 

(よし、もう大丈夫だな・・・)

 

 少年たちがその場から離れていった事を確認したそいつ・・・仮面ライダーゴースト 闘魂アストルフォ魂はヒポグリフから下り、ウェルと対峙した。

 

「お早い登場ですね、仮面ライダーゴースト。もう少し時間が掛かると思ったのですが・・・」

 

「そんな事はどうでもいい。お前はこんな所で何をしてたんだ?」

 

「簡単なことです。他国の者に襲われたので、そいつらを排除していただけですよ」

 

「・・・じゃあ、何であの子達を襲った?」

 

 サングラスラッシャーの刃先をウェルに向け、マスクの下から睨み付けるゴースト。

 そんな彼に対して、ウェルはこう答えた。

 ・・・『邪魔だったから』と。

 

「なッ───」

 

「もし報道でもされれば、私の夢が遠退きますからね。余計な物は早めに排除しなくては」

 

「ドクター・ウェルッ・・・」

 

 サングラスラッシャーを掴む手の力が強くなる。

 

「このジョン・ヴェイン・ウェルキンゲトリクスには夢があるッ!」

 

「夢、だと?」

 

「そうッ! それは()()()()()()()ッ! 世界を救う『英雄』にねッ! そして、私は人類史に名を刻むッ! 貴方が纏う英雄と同じようにね」

 

「────は?」

 

 その時、ゴーストの中で何かが切れた。

 人はそれを『堪忍袋の緒』という。

 

「英雄になりたいだと? そんなことの為に、お前はあの子達を殺そうとしたのか?

 ───ふざけるなッ!

 英雄は、人類史に名を残した人たちは命を燃やして生き切った人たちなんだ。お前みたいな、無関係の人たちの命を容易く切り捨てる奴なんかと一緒にするなッ!!」

 

「人殺しがいけないとでも言うつもりですかッ! だが、人類史の英雄たちは人を殺した者たちも多数存在するではないですかッ!」

 

「ああ、その通りだよ・・・だけど、自ら英雄になるために人を殺した奴なんて一人もいないッ! 英雄は自分からなるものじゃない。他者が認めて、初めてなれるものなんだッ! 自分から英雄になろうとした時点で、お前は失格なんだよッ!」

 

「私が英雄失格? 冗談もほどほどにしろッ!」

 

 ウェルがゴーストに向かってノイズを放つ。ゴーストはそれらを容易く切り伏せるが、ウェルはお構いなしに召喚し続けた。

 

「貴様が何と言おうが、私はどんな手を使っても英雄になって見せるッ! そして、栄光と名誉を我が物にするのさッ! 私は英雄になぁるッ!! 」

 

「だったら、今ここでお前を止めるッ! この人の力でッ!」

 

 ゴーストは懐から深緑の眼魂、『ヒジカタゴースト眼魂』を取り出し、スイッチを押して、ベルトのアストルフォ眼魂と交換する。

 

《アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!

 

《カイガン! ヒジカタ!

 局中法度! 不滅の誠!》

 

 アストルフォゴーストが霧散し、赤いトランジェントの上に深緑のパーカーゴースト、『ヒジカタゴースト』が纏われ、頭部に『誠』の文字が刻まれたマスクが被さる。

 

 

 世は幕末。日本の政権を担っていた江戸時代が終わろうとしていた時期の京都に、彼らは存在した。

 誠の旗を掲げた武装治安組織、『新撰組』。

 

 その組織の中に、『鬼の副長』として恐れられた男がいた。最後まで屈することはなく、例えそこが戦場だろうが地獄だろうが『誠』を背負っている以上倒れることはない。その男の名は、『土方 歳三』。

 

 そして、今彼の魂を纏うゴーストの新たな姿こそ

 

 ───『仮面ライダーゴースト ヒジカタ魂』。

 

 チェンジを終えたゴーストは右手にサングラスラッシャーを静かに構える。

 

「姿が変わった程度でぇッ!!」

 

 ウェルがゴーストに向かってノイズを一斉に放つ。その数は片手では数えきれない程。いつものゴーストなら一度に対処しきれない数だ。

 そう、()()()()()()()()()()

 

 ────(ザン)ッ!!

 

「───え?」

 

 素っ頓狂な声を出すウェル。

 彼の攻撃に対してゴーストがしたのはサングラスラッシャーを一回振るっただけ。そう、たった一回だけだ。たったそれだけで十体近くいたノイズを全て倒したのだ。

 

「ばっ、バカなッ!? あの数を一瞬でだとッ!? そんなことがあり得るわけ───ヒィッ!?」

 

「・・・・・・」

 

 ゴーストが一歩、一歩、ゆっくりと足を前に出す。ただそれだけの行為が、ウェルにとっては恐ろしく思えた。

 

「う、うわあぁぁあぁぁぁッ!!!?」

 

 ウェルは巨人型のノイズを召喚し、ゴーストを叩き潰すように命令する。しかし、

 

「───フンッ!」

 

「な、何ぃぃぃッ!?」

 

 振り下ろされたノイズの豪腕を一刀両断。直径が自身の身長近くある物をたった一回で両断することはほぼ不可能だろう。だが、それをゴーストはやってのけた。

 ゴーストはすぐさま飛び上がり、ノイズの頭に降り立つ。そして、ブラスターモードに変形させたサングラスラッシャーのトリガーを容赦なく引いた。

 連続して鳴り響く銃声。鳴り止む頃には巨人型のノイズの頭に幾つもの大穴が開いており、音も立てずに崩壊していった。

 地面に着地したゴーストはマスクの下からウェルを睨み付ける。

 

「ヒ、ヒイィィィッ!?」

 

 ゴーストが放つ威圧に、ウェルは腰を抜かした。

 そんな彼を見て、ゴーストは大きなため息を吐いた。

 

「気に入らねぇな。よくそんなので英雄になるだの抜かしやがったな」

 

「な、なんだとッ!?」

 

 ゴーストの言葉にウェルは怒りを示す。だが、ゴーストはより威圧を込める。

 

「いいか。今の時代まで英雄と呼ばれたものたちの共通点は二つある。一つは最後まで己の魂を燃やして生き切ったこと。そして、自身のすることに覚悟を持っていたことだ。だが、今のお前からは覚悟の『か』の字も見えやしねぇ。そんなお前が英雄になれるわけないんだよ」

 

「・・・まれ」

 

「あぁん? 何言ってんだ? はっきり聞こえるように───」

 

「黙れぇぇぇぇぇぇッ!!!!」

 

 ウェルが奇声を発し、ゆっくりと立ち上がる。

 

「私が英雄失格ぅ? 私が英雄になれないだぁ? そんなこと知ったことかぁぁぁぁッ! 

 貴様が何と言おうと、どんな手段を取ってでも、私は英雄になって見せるのさぁぁぁぁッ!」

 

「・・・そうか。なら───」

 

《ダイカイガン!》

 

「───歯ぁ、喰い縛りな」

 

 それは瞬きを一回出来るか、出来ないかの瞬間に起きたことだった。たったそれだけの間にゴーストはウェルの懐に入り込んだ。

 ゴーストは構え、拳を堅く握り締める。

 

「覚えておけ・・・俺がッ───!」

 

 そして、放つ。己の意思と彼の者が掲げていた覚悟を込めて。

 

「新ッ───!」

 

 初擊。ゴーストが正面から放った右ストレートはウェルの体をくの字に曲げ、肺の中の空気を全て吐き出させる。

 

「撰ッ───!!」

 

 二発目。間髪入れずに叩き込まれた左フックがウェルの脳を揺らし、平衡感覚を奪う。

 そして、ゴーストは先程よりも硬く拳を握りつぶさんと言わんばかりに握り締める。

 

「組ッ!!! だあぁぁぁぁぁッ!!!!」

 

 ゴーストが放ったアッパーカットはウェルの体を上に飛ばす。数秒間宙を舞ったウェルの体はすぐに地面に落ちた。

 ゴーストは仰向けに倒れるウェルを静かに見据える。

 

「し、しぬ・・・殺さ、れる・・・」

 

「安心しな。手加減はしておいた。死ぬことはない」

 

 とは言っても、威力を大分弱めているとはいえ、生身の人間が土方の宝具『不滅の誠(しんせんぐみ)』をくらったのだ。あばら骨は2、3本は折れているだろう。

 

「あとはてめぇを連行するだけだ。大人しくしててもら「させると思いますか?」───ッ!?」

 

 頭上から聞こえた声に、咄嗟に後ろに跳ぶゴースト。次の瞬間、先ほどまでいた場所にスペクターが鋭利な鎌・・・スペクターの持つゴーストガジェット『コブラケータイ』とガンガンハンドを合体させた『ガンガンハンド 鎌モード』を振り下ろした。

 

「チッ・・・お守りの到着か。出会い頭に鎌は無いんじゃないのか?」

 

「すいませんね。彼を今失うわけにはいかないので」

 

 そう言って、スペクターはガンガンハンドの瞳の紋章をベルトにかざす。

 

《ダイカイガン! オメガファング!》

 

 スペクターが蒼い斬擊を放つ。

 それに対して、ゴーストは身構えるが、スペクターの狙いはゴーストではなかった。

 斬擊はそのままゴーストの足元に着弾し、視界を被うほどの土煙を起こす。

 

「チッ! 邪魔だッ!」

 

 サングラスラッシャーを一振り。その時に起こる風圧で土煙を消し飛ばす。

 だがしかし、煙の向こうにスペクターたちの姿はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから少しの間、武瑠はスペクターたちを探した。

 しかし、あの光学迷彩を使っているのか、彼女らを見つけることは出来なかった。

 諦めて学園に戻ろうとする武瑠。だが、転移を使って来た為、ここが何処か分からず、学園に到着したのは学園祭が終わり、片付けも終了して生徒が全員帰った後だった。

 仕方なく、武瑠は大天空寺へ帰る。

 本殿に付くと、武瑠は恐る恐る中に入って行き、リビングの扉を静かに開けた。

 

「た、ただいま~・・・」

 

「お帰りなさ~い♪ 随分と遅かったわね」

 

「了子さん、クリスは・・・?」

 

「まだ帰ってないけど・・・打ち上げにでも行ってるんじゃない?」

 

「そ、そうなんだ・・・はぁ。帰ってきたら何て言えば良いんだろう・・・」

 

「取り敢えず、夕食にしない? 考えるのはそのあとで」

 

「そうだね。そうさせて頂きます」

 

 武瑠は重い足取りでキッチンへと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 このとき、武瑠は思いもしなかった。

 クリスが・・・正確には、響、未来、翼を合わせた四人が戦いの準備をしていることに。

 

 

 

 

───────────────────────

 

仮面ライダーゴースト:オレ眼魂、闘魂ブースト眼魂

 

 ムサシ眼魂

 ロビンフッド眼魂

 ビリー・ザ・キッド眼魂

 アストルフォ眼魂

 レオニダス眼魂

 アナスタシア眼魂

 ドレイク眼魂

 ヒジカタ眼魂←NEW

 ???眼魂

 

 

 

仮面ライダーネクロム:ネクロム眼魂

 

 ホクサイ眼魂

 ダ・ヴィンチ眼魂

 ナイチンゲール眼魂

 

 

 

仮面ライダースペクター:スペクター眼魂

 

 ヴラド眼魂

 ???眼魂

 ???眼魂

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。