戦士開眼シンフォギアゴースト   作:メンツコアラ

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H A P P Y B I R T H D A Yッ!!
KIRIKA AKATSUKIッ!   
 ✨ ✨  ✨ ✨  ✨ ✨ 

ということで、今回は皆大好き切ちゃんの誕生日。
盛大に祝おうではないかッ!!





祝福! 切歌の誕生日!

 4月13日。

 その日は武瑠にとって、ウルトラ級に大切な……それこそ、自分の誕生日や父親の命日よりも大切かつ重要な日だ。何せ、その日は武瑠の大切な大切な義妹、暁 切歌の誕生日なのだ。

 

 この日の為に武瑠は入念な準備をしてきた。

 彼女の誕生日パーティー用に普段なら絶対に手を出さない黒毛和牛を迷い無く買い、プレゼントもマリアやセレナ、調に何度も相談。自分が今用意できる最高の物を用意した。その差にクリスや調が怒ったのはまた別の話。

 

 

 そして、切歌の誕生日当日。

 武瑠は彼女の要望により、調を連れて三人で遊園地に遊びに来ていた。

 

「さあ、遊ぶデスよッ!」

 

「人生初の遊園地……」

 

「二人とも、遊園地とか初めてなのか?」

 

「施設にいた時、外に出ることなんて許されなかったから……」

 

「今度はマリアやセレナ、マムも連れてくるデスッ!」

 

「切歌……調……よし。今日は好きなだけ遊ぼうッ! 金は全部、俺が払うッ!」

 

「おおッ! お兄ちゃん、太っ腹デスッ!」

 

「それじゃあ、レッツゴー」

 

 武瑠と調は切歌を間に挟み、三人仲良く腕を組んで遊園地を回り始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 ───コーヒーカップ

 

 

「目~が~ま~わ~る~デ~ス~」

 

「し、調、回しすぎ……ッ!」

 

「まだまだいける……」

 

 

 

 

 

 

 ───ジェットコースター

 

 

「デデデデェェェェスッ!」

 

「─────ッ!」

 

(あまりの勢いで二人(切歌と調)の顔が凄いことにッ!?)

 

 

 

 

 

 ───お化け屋敷

 

 

「ヴェアアアッ!!」

 

「ヒィ……ッ!?」

 

「ヴェアア「おいテメェ……」……ヴェ?」

 

「……俺の妹を怖がらして楽しいか? ん?」

 

「ヒィイイイイッ!?」

 

(武瑠先輩が怖すぎて、脅かし役の人たちが逃げていく……)

 

 

 

 

 

 ───観覧車

 

 

「おおッ! 絶景デスッ!」

 

「綺麗……」

 

「……そうだな」

 

「およ? お兄ちゃん、どうしたデスか?」

 

「まさか、高所恐怖症?」

 

「いや、なんというか……こう高いところに居ると、天に召されてそうで、な」

 

「お兄ちゃん、成仏しちゃうデスかッ!?」

 

「行かせない……ッ!」

 

「いや、二人とも。そう思うだけだから、抱きつかなくていいからな?」

 

 

 

 

 

 

 三時間後。一通り遊んだ武瑠たちはフードコートで一息入れることにした。

 

「という訳で、俺特性のお弁当です」

 

 机の上に広げるお弁当箱。中には切歌や調、マリア、セレナ、ナスターシャ教授を模したおにぎりやオカズがぎっしりと詰まっていた。

 

「凄いデスッ! 皆がお弁当にいるデスよッ!」

 

「改めて、誕生日おめでとう。これは一足先の俺と調からの誕生日プレゼントだ」

 

「……エミヤ師匠にも手伝ってもらった。味はパーフェクト」

 

「ありがとデスッ! でも、こんなにも綺麗だと食べ辛いデス」

 

「まあ、これくらいならいつでも作ってあげるし、気にせず食べな。あ、それとこれは俺個人から」

 

 そう言った武瑠は懐から掌サイズの小包を切歌に手渡す。

 中身が気になった切歌は許可を貰い、包装を剥がしてみると、中には宝石の装飾が付いた髪止めが入っていた。

 

「こ、これはッ!? なんか、スッゴい高そうデスッ!」

 

「グリーンダイヤの髪留め。

 はじめは手作りしようと思ったんだけど、納得の出来る物が作れなくてな。どうしようかって街に出たときに見つけんた。四月の誕生石のダイヤ。切歌のイメージカラーの緑。髪留めだから、切歌の綺麗な金色の髪に着けても映えるだろうなと思って買った」

 

「ち、ちなみにお値段は……?」

 

「五十万四千円」

 

「「五十万ッ!?」」

 

 あまりの値段に思わず聞き返す切歌と調。

 もちろん、これはS.O.N.G.から出された武瑠個人の給料で買ったものだ。といっても、五十万はかなりの額。大天空寺の食料費も入っている武瑠の財布に大ダメージを与えかねないが、ここは愛する義妹のため、迷うこと無く全額払った。

 

「武瑠先輩、やり過ぎ」

 

「そ、そうデスッ! こんな高級品、さすがに普段から着ける事なんて出来ないデスッ!」

 

「な、なん……だと……」

 

 自分が必死に考えたプレゼントがまさかの不評にショックを受け、机に項垂れて涙を流す武瑠。そんな彼を見て、流石に可愛そうだと思った二人はどうしたものかと考え、調がある案を思い付いた。

 

「武瑠先輩。手作りしたと言っていたけど、それは今手元にある?」

 

「一応……」

 

 涙を流す武瑠が取り出したのは先程とは別の小包。

 開けてみると、中には深緑色の×印の髪留めが入っていた。

 

「また髪留め……」

 

「ちょっと壊れかけていたから新しいのがいるかなぁと思って……ちなみに×印なのは普段使っている物を参考にしました……」

 

「お兄ちゃん、私、こっちの髪留めがいいデス」

 

「でも、何の変哲もないただの髪留めだぞ?」

 

「それでいいんデスッ! だって、これには大好きなお兄ちゃんの思いが籠められているデス。私にとって、宝石の髪留めよりも何十倍も価値があるデスッ!」

 

「き、切歌ぁぁぁぁ……ッ!」

 

「良かったね、先輩」

 

 

 

 

 

 その後、切歌は早速新しい髪留めを着けて、三人は大天空寺に帰宅するのだった。

 ちなみに、あの宝石の髪留めは流石に勿体無いと切歌が受け取り、特別な日にだけ着ける事にしたのだった。

 

 

 

 

 

「あれ? 武瑠、ご飯は?」

 

「ちょっと訳あってな。俺は暫くご飯抜きで生活することにした。大丈夫。幽霊だからお腹すかない」

 

「そ、そうなの?」

 

 

 

 


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