戦士開眼シンフォギアゴースト   作:メンツコアラ

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1日遅れて……

 マリアさんッ! お誕生日、おめでとうございますッ!

 今回はマリアさんの誕生日回なのですが、一部カオスあります。
それではどうぞ……


祝福! マリアの誕生日!

「えっと………?」

 

 8月7日、午前7時半。

 大天空寺の与えられた部屋で、何時ものように起床し、身支度を整えて部屋を出ようとしたマリアは目の前に立つ人物に困惑していた。

 まあ、無理もないだろう。恐らく……いや。ほぼ確実に、ほとんどの人が今のマリアと同じ状況になれば、困惑するに違いない。

 何せ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「(このメイド、誰ッ!?)」←しかも和服メイド。

 

「(狼狽えるな、マリア・カデンツァナ・イヴッ! まずは状況整理よ。今、私が居るのは大天空寺の私の部屋。昨晩、何時ものように床について、何時ものように起きて、何時ものように身支度を整えて、何時ものように部屋を出ようとしたら、扉の向こう側にちょっとボーイッシュな和服メイドさんが立っていた。

……うん。ワカラナイッ!)」

 

「おはようございます、マリアお嬢様」

 

「あ、えっと、その……おはようございます」

 

「朝食がまもなく出来上がります。お手数ではございますが、リビングまでお願いいたします」

 

「あ、はい」

 

「それでは……」

 

 そう言って、和服メイドはその場を離れていった。

 

「…………とりあえず、リビングに行きましょうか……」

 

 

 

 

 

 

 リビングに着くと、マリアを待っていたのは祝福の嵐だった。

 

「あ、マリアさんッ! おはようございますッ! それとお誕生日おめでとうございますッ!」

 

「……マリア、お誕生日おめでとう」

 

「おめでとうデースッ!」

 

「マリア姉さん、お誕生日おめでとう♪」

 

「マリアさん、おめでとうございます」

 

「おめでとさん。これからも頼むぜ」

 

 etc. etc.……

 

 装者を始め、リビングに居た英霊の皆も、今日が誕生日であるマリアに祝言を送り、早速皆で誕生日プレゼントを贈ろうとしたのだが、

 

「お、おはよう、皆。それと、ありがとう……」

 

「……マリア姉さん、どうかしたの? 心なしか、元気がないけど……もしかして、どこか体調が?」

 

「いえ。体調はすこぶる良好よ。ただ、ね……今朝、部屋の前に和服メイドさんが立っていて……」

 

「のう、マリアよ」

 

「どうしたの、ノッb「そのメイドとは後ろの奴か?」───え?」

 

 ノッブの言葉に後ろを振り返るマリア。そこには料理を乗せたキッチンワゴンを押す和服メイドが居た。

 

「あ、あなたはッ!?」

 

「どうかされましたか、マリアお嬢様?」

 

「どうかされましたかじゃないわッ! あなた、何者なのッ!?」

 

「……あぁ。そういえば、ご挨拶が遅れていましたね。私は武美(たけみ)。本日限りのマリアお嬢様の専属メイドでございます」

 

「せ、専属メイド……?」

 

「はい。さあ、せっかくの料理が台無しになってしまいますので、早く席にお着き下さいませ」

 

「え、えぇ……」

 

 謎の和服メイド……武美に言われるがままに、マリアは席へ着く。その間、何故かクリスと一部の英霊たちが口元を押さえ、武蔵に至っては口から涎を垂らしていた。

 

「それでは。こちらが本日の朝食になります」

 

 そう言って、武美がマリアの前に出したのはキノコのソテーとトロットロのスクランブルエッグ、そしてシンプルなフレンチトーストだった。

 

「フレンチトーストにはお好みで粉砂糖、もしくはココアパウダーをおかけください」

 

「あ、ありがとう……」

 

 マリアはまず、スクランブルエッグに手を出すのだが、その味に目を見開くことになった。

 

「(なにこれッ!? 美味しいとか旨いとか、そんなレベルじゃないッ! この滑らかさは何ッ!? 私の知るスクランブルエッグのホロホロとした感覚が全くないッ! キノコのソテーもしっかりと火が通って、なおかつキノコ本来の香りを損なわせていないッ! まさか───やっぱりッ! フレンチトーストもスゴすぎるッ! おおっといけない。落ち着くのよ、マリア・カデンツァナ・イヴ。しかし、その爽やかさはなんだ? 仄かな柑橘系の香りからオレンジバターだとは思うけど、市販の物はこれほど爽やかじゃない……まさか、自家製とでも言うのッ!? でも、それならこの味わいも風味も納得できるッ!)」

 

「マリアさん、どうしたの?」

 

「あ、気にしないでください。多分ですけど、マリア姉さん、今の状況に着いていけてないと思いますから」

 

 少しして朝食を終えたマリアだったが、そのタイミングを見計らったかのように、武美がティーセットを持ってやって来た。

 

「マリアお嬢様、食後にオレンジティーなどいかがですか?」

 

「ええ。頂くわ───って、その入れ方はやめて。杉下◯京じゃないんだから」

 

 武美の入れたオレンジティーを口にし、その間に武美は皆の食器を片付ける。

 彼女が部屋に出たところで、マリアはようやく口に出した。

 

「ねぇ。あなた達、彼女が誰か知ってるわよね? そろそろ教えてくれない?」

 

「いいですけど……マリア姉さんも知っている人ですよ?」

 

「昨日も……というか、毎日会ってるな」

 

「毎日? 

 (……あれ? そう言えば、今朝から()()会っていないわね? 彼に限って寝坊なんて───あ゛ッ)」

 

 マリアは気づいた。気づいてしまった。ここに、本来居なくてはならない人物が約一名居ないことに。だが、どうしても『武美=その人物』の等式が成り立たないため、セレナに確認を取ってみる。

 

「ねぇ、セレナ。まさかとは思うけど、武瑠……ってことは無いわよね?」

 

「正解です」

 

「嘘だッ!!!」

 

 思わず叫んでしまうマリアだったが、無理もないだろう。あの武瑠が、まさかあれほど可憐な少女にハイパー大変身ッ!するなんて、誰が予想できただろうか?

 

「ちょっと待ってッ!? 本当に武瑠なのッ!? というか、なんで女装しているのッ!?」

 

「えっと、実は……」

 

 セレナがマリアに武瑠の女装について説明する。

 それを簡単に纏めると以下のようになった。

 

 マリアさんの誕生日。しかし、若い歳上の女性に何を送れば良いのか、武瑠には分からない。

    ↓↓↓↓↓

 響達やセレナ、英霊に相談する。

    ↓↓↓↓↓

 ノッブが『女装して、ご奉仕してみれば?』と提案。大半悪ふざけ、一部の者が本気で賛成。

    ↓↓↓↓↓

 武瑠、必死に抵抗するも了子も加わって、見事女の子にマックス大変身。

 

 

「───という事です」

 

「ゴメン。ナニイッテルカワカラナイ」

 

「マリア姉さんが困惑するのも分かります。わたしたちだって、実際に完成したときは驚きましたもん」

 

「声は? 明らかに女性の声だったわよね?」

 

「あ、それは異世界に行ったとき、未来さんが絆創膏型の変声機を貰っていたので」

 

「…………………………そう」

 

 マリアは考えるのを止めた。

 しかし、せっかくの誕生日プレゼントなので、今日は目一杯ご奉仕してもらおうと思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 その頃、キッチンでは……

 

「…………あぁ……武瑠、大丈夫か?」

 

「武美ですよ、エミヤ様。あと、今の私の状況が大丈夫に見えるなら、その目玉をくり貫いてナイチンゲール様に看て貰った方がよろしいかと」

 

「すまない。君も苦労しているのだな」

 

「もう、写真とかが撮られていたら舌を咬みきって死にたいです。もう死んでますけど」

 

 この時の武美……いや。武瑠は知らなかった。知るよしもなかった。既に自身の女装写真が一部の者の間で出回っていた事に。




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