高校一年の春にノイズに殺されて、生き返るために仮面ライダーゴーストとなって、英雄の眼魂を集めている。
ついに姿を現したフロンティア。
ドクター・ウェルがそれを使って、月の落下を早めてしまった。
俺やクリス、翼さん、未来の四人はドクター・ウェルを止めるため、フロンティアへ乗り込むのだった。
「Imyuteus amenohabakiri tron……♪」
「Killiter Ichaival tron……♪」
《テンガン! ネクロム!メガウルオウド!
クラッシュ・ザ・インベーダー!》
《カイガン!カナデ!
纏うは擊槍! 片翼の無双!》
~BGM『逆光のリゾルヴ』~
ゴーストの体を通して、奏の無双の唄が戦場に響き渡る。
二台のバイクがフロンティアに着地する直前、クリスはゴーストライカーから飛び降りてゴーストたちとは別の方向へ。
ゴースト、翼、未来はクリスを信じて、目の前から迫ってくるノイズたちを相手する。
「~~~~♪ッ!」
翼はマシンネクロムの前方で脚部のブレードを結合させ、巨大な刃に。『騎刃ノ一閃』を繰り出し、見事なハンドル捌きでノイズを切り裂き、その後ろに座る未来は武瑠たちが討ち漏らしたノイズをガンガンキャッチャーで撃ち抜いていく。
ゴーストも負けじとアームドギアを形成。槍から持ち手を外しバイクと合体。新技『STAR∞DRIVE』でノイズに突撃していった。
『おいおいッ! なんだよ、この技ッ!? 翼の真似事かよッ!』
「即席だけどなッ!」
「我々も負けてられないな、小日向ッ!」
「今、競っている場合じゃないと思うんですけど」
会話をしながらもノイズを倒す手を止めない三人+幽霊。
この調子ならフロンティアの中枢へ到着するのも時間の問題だろう。
だが───、
「「「『───ッ!?』」」」
後方から迫る光弾を、咄嗟の判断でハンドルをきり、回避するゴーストと翼。バイクを止め、光弾が飛んできた方向を見れば、いつかゴーストが対峙したネフィリムスペクターが立っていた。
ネフィリムの特性が強く出ているのか、ヨダレを垂らしてゴーストたちを見ている。
「……未来、翼さん、俺が足止めをするから、先に行ってくれ」
「一人で大丈夫なのか?」
「前に戦ってますから、ある程度の動きは詠めます」
「……分かった。だが、無茶はするなよ」
そう言い残し、翼は未来を連れ、再びマシンネクロムを発進させる。
残ったゴーストはゴーストライカーから降り、アームドギアを構える。
『いけるのか?』
「足止めくらいなら大丈夫。それに、今はあんたがいるだろ?」
『おうッ! 大船に乗ったつもりでいなッ!』
「それじゃあ……行くぞ───」
地面?を蹴り、ゴーストはネフィリムスペクターに突撃していった。
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一方、弦十郎たち二課の職員、響たちシンフォギア装者と了子はモニターに写されるゴーストたちの戦いを見守っていた。
「あれが報告にあったネフィリムスペクターか……ッ!」
「彼女から聖遺物特有のエネルギーを検知。もはや、人というよりも完全聖遺物と呼んだ方が正しく思えるレベルですよ」
「司令、セレナちゃんをわたしと同じ方法で救えませんか?」
「それは可能だろうが、それを成せる神獣鏡がない。今は前回と同じように一定のダメージを与えて鎮静化するしか───……? どうした、二人とも?」
弦十郎は響の隣で困惑した表情を浮かべる調と切歌に問いかける。まるで、あり得ないものを見たような表情を浮かべる二人に。
「なん、で……? なんで、セレナが……?」
「セレナ・カデンツァナ・イヴがどうかしたのか?」
「セレナは
『いないわよ? ドクター・ウェルが彼女を連れ帰ったんじゃないの?』
「……そのドクター・ウェルが『セレナはここにはいない』と言っていた」
「え? でも、セレナさんは大天空寺にもいなくて? それに調ちゃんたちの飛行機にも乗ってなくて?」
話の食い違いに混乱し、頭を抱える響。
そんなとき、モニターで観測していた友里が声をあげた。
「司令ッ! 翼さんたちのいる地点に
「なんだとッ!?」
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『武瑠、無事ッ!?』
「未来さんッ!? 通信機で大声は止めてくれるッ!? イヤホン型だから耳が痛いッ!」
振り下ろされる金棒をアームドギアで弾き、ネフィリムスペクターの巨体に蹴りを入れるゴースト。
「急になにッ! こっちは足止めでいそがs───」
『わたしたちの所にもネフィリムスペクターが現れたのッ! しかも複数ッ!』
「はぁ───ッ!?」
未来の言葉に耳を疑うゴーストだったが、こんな状況で冗談を言う彼女ではないことは分かっているため、余計に混乱してしまう。
目の前の存在は偽者?
いや、それだと未来たちの所に複数いる事が説明できない。
なら、未来たちの元にいるのが偽者ということになるが、その正体はなんだ?
考えを張り巡らせていると、
『───武瑠、前ッ!』
「おわ───ッ!?」
気がつけば、ネフィリムスペクターが大きな口を開け、突貫してきているではないか。
ゴーストは咄嗟にアームドギアをネフィリムスペクターの口に投げ込み、喉に太い棒状のモノを突っ込まれ苦しむところを肉薄し、新たに手甲を生成。響がするのと同じように手甲をスライドさせ、アームドギア生成のエネルギーをぶつけようとする。
しかし、ゴーストがネフィリムスペクターに触れた瞬間、彼の目の前の景色が一変した。
───横たわるセレナ・カデンツァナ・イヴ。
───側に立つドクター・ウェルが手に持っていたひび割れた所から赤黒い光を放つ黒い塊を押し付ける。
───塊から触手が伸び、セレナの体を取り込んでいく。
「───ッ!」
現実に戻させるゴースト。前方にはゴーストに殴り飛ばされたネフィリムスペクターの姿。
だがしかし、今の彼にネフィリムスペクターの姿は写らず、先程見たビジョン……ネフィリムスペクター……いや。ネフィリムが持つ記憶を元に全てを理解した。
「ドクター・ウェルゥゥゥッ!」
叫ばずにはいられなかった。
こんなことがあっていいのかと。自分の目的のためにどんな非人道的なことも喜んでやるドクター・ウェルに対する怒りが沸き上がる。
通信機から何事かと弦十郎たちが問いかける。
ゴーストは答えた。
ドクター・ウェルがネフィリムにセレナを取り込ませた……正確には喰わせた事を。
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「フハハハハッ! どうやら幽霊野郎は気づいた見たいですねッ!」
「貴様ッ! セレナに何をしたッ!」
フロンティアの司令室で高笑いするドクター・ウェルを睨み付けるマリア。しかし、殺意さえ向けられていると言うのに、ドクター・ウェルは気にすることはせず、マリアの質問に答えた。
「見ての通りですよッ! ネフィリムの融合症例であるあの小娘をネフィリムに取り込ませたッ! 心臓だけの弱っている状態では、逆にフロンティアに取り込まれる可能性もありましたからねぇッ! やはり、元々一緒の存在なだけあってよく馴染みましたよッ!」
「貴様ぁぁぁぁぁッ!」
マリアは既に我慢の限界だった。
母親同然のナスターシャを宇宙へ追放され、最後には唯一の肉親であるセレナにまで手をかけられたのだ。怒るなと言う方が無理だろう。
だがしかし、ネフィリムと一体化しているドクター・ウェルには敵わず、司令室の床に倒れ伏す結果となった。
「くぅッ……」
「あなたはそこで見ていなさい。わたしが英雄になる瞬間をねッ!」
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「嘘、でしょ……」
「セレナがネフィリムに食われたって、何かの冗談デスよねッ!?」
切歌が懇願するように問いかけるが、ゴーストは無言で返し、それが冗談ではないことを悟った切歌は司令室を出ようと踵を返した。
「切ちゃん、待ってッ!」
「これが待てるかデスッ! セレナが殺されたも同然なんデスよッ! 仇をとらないt「だからって、殺すの?」……ッ、それは……」
「殺せば、どんな理由だとしても同類。あの男と同じ」
「じゃあ、どうすればいいんデスかッ!?」
「それは……」
「───一緒に戦おうッ!」
そんな提案をしたのは響だった。
「セレナさんって、スッゴい優しい人なんだよね?
なら、例えネフィリムに食べられて、武瑠たちが戦っているのがセレナさんじゃなかったとしても本人はそんな事を望まないはず。だから、みんなで止めようッ!」
「……分かった」
「何もしないよりかはマシデス」
「司令ッ! わたし、カタパルトに案内してきますッ!」
「こら、響くん───行ってしまったか……仕方ない。武瑠くんたちに通達ッ! 調くんと切歌くんがそちらに向かうッ!」
「了解ッ!」
どうせ止まらない。なら、彼女たちの思う通りにさせてあげよう。
そう考えた弦十郎だったのだが、
「───なぜ響くんも出撃しているんだッ!!?」
「あなた、無茶しすぎ」
カタパルトからフロンティアに降り、武瑠たちの元に向かうなか、調が響に対していった言葉に切歌も同意した。
「全くデス。ギアも無しでよくやるデスよ」
「そうかな? 考えるよりも体が動いちゃったというか……」
「武瑠先輩といい、あなたといい、なんで誰かの為に一直線になれるの? それが正しいかどうかも分からないのに」
「わたし、自分のやってることが正しいなんて一度も思ったことないよ。ただ自分の気持ちを偽りたくないだけ。偽ったら、誰とも手を繋げなくなる。
そう考えるきっかけを作ってくれたのは武瑠なんだ。
以前、大きな怪我をして、皆が喜んでくれると思ってリハビリを頑張ったんだけど、お母さんやお婆ちゃんは暗い顔ばかりしていて、いろんな人たちからも拒絶されて……耐えれなくなって、一度だけ自殺しようとしたんだ。それを止めてくれたのが武瑠。
あの時、武瑠が言ってくれた言葉は今も覚えてる。
あの言葉があったから、今のわたしがあるんだ」
「なんか、ヒーローって感じデスね」
「武瑠には言わないでね。恥ずかしいから」
「了解デs「切ちゃんッ!」───って調? 急に叫んでどうしたデス?」
「あ、あれ……」
「あれ? ……───何デスか、あれッ!?」
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少し前、大天空寺の地下室ではちょっとした騒ぎが起きていた。
「さ、櫻井殿ッ! モ、モノリスがッ!」
御成が指差す場所には心臓のように脈動するモノリス。
「これは……何かと共鳴している?」
その頃、ドクター・ウェルは持ってきた十五個の眼魂と自分が持っていた他の物とは違う形状の眼魂を取り出し、それらが円を描くように並べた。
すると十六個の眼魂は共鳴するように光だし、宙に浮かぶと光の粒子となって新たに黄金の瞳の紋章を作り出した。
「おぉ……ッ! これが、わたしを英雄に至らせるための力ッ!」
中心に瞳。そこから広がるように描かれた幾何的模様は神秘的な雰囲気さえ漂わせている。
ドクター・ウェルは両手を広げ、叫ぶ。
「さぁ、十六人の英雄たちよッ! 私の願いをかなe───」
───だがしかし、ドクター・ウェルの願いが叶うことはなかった。
ドクンッ、と紋章が脈動したかと思えば、強烈な衝撃波がドクター・ウェルを襲い、彼の体が壁に叩きつけられた。
「な、なにが……ッ!? 願いが叶えられるんじゃないのか……ッ!?」
困惑するドクター・ウェルを他所に、紋章はそのまま上へ。司令室の天井をすり抜けていった。
フロンティア上空。そこに現れた巨大な瞳の紋章はそこにいた者たちの視線を集めた。
「小日向、あれをッ!」
「瞳の紋章? でも、あんなの見たことが……ん?」
「瞳の紋章、出現ッ! エネルギー、今もなお上昇中ッ!」
「まさか、願いを叶えられたのk───ん?」
「おっきな瞳の紋章……でも、まだ武瑠たちは十六個揃えてないy「十六個ある」───え?」
「……十六個目の眼魂。ドクター・ウェルはどこで入手したかは知らないけど、古代ギリシアの数学者 アルキメデスの眼魂を持っていた」
「早く行かないとッ! まだ間に合うかもしれないデスッ!」
「調ちゃん、お願いッ!」
「言われなくても分かっt───ん?」
「ど、どうしたの?」
「……何かが吸い込まれてるみたいに上がってる」
「え? ……あ、ホントだ───て武瑠ッ!?」
「ぬおぉぉぉッ!? 吸い込まれるぅぅッ!」
『おいッ! 早く何かに掴まれッ!』
「空中で何を掴めとッ!?」
突如現れた瞳の紋章に見とれ、気がつけば紋章に吸い寄せられるかのように上に上がっていくゴースト。
必死になって下に下りようとするが、そんな抵抗もむなしく、徐々に紋章に近づいていった。
そして、紋章と武瑠の距離が0になった瞬間、武瑠の視界を光が包み込んだ。
ドーモ、皆さん。
メンツコアラ、です。
例年よりも涼しい夏の中、期末が近づいててんやわんやしている状況ですが、読者の皆さんはいかが御過ごしですか?
最近、過去に投稿したFGOとウルトラマンガイアの作品を連載してくれっていう声がよく送られるんですけど、これって投稿した方がいいのだろうか?
それでは本日はこれにて。
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心から御待ちしております。
次回の題名予定。
『激凍! 燃やすは心の火!』