どうも皆さん。
この度はだいぶ時間をかけてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
楽しみに待っていただいた皆様、大変申し訳ございませんでした。
多分、こんな事がまた起こると思われますが、どうか御了承ください。
それではどうぞ。
響、翼、クリス、未来、調、切歌の六人が別行動を始めてから30分。
たったそれだけの時間の中、物事は大きく動いていた。
クリスによるソロモンの杖の奪取。
月を正軌道に戻そうとするが失敗するマリア、ナスターシャ教授。
ドクター・ウェルによって遺跡の一部ごと月に追放されるナスターシャ教授。
そして、
「───擊槍ッ! ガングニールだぁぁぁぁッ!!」
マリアが纏っていたガングニールが響を装者として選び、彼女が戦士として戻ってきた。
(───さて。響君がネフィリムの心臓を止めに向かい、弦十郎君たちはドクター・ウェルの追跡。物語で言うなら、いよいよ結末目前といったところかな? 武瑠君、◯◯◯ちゃん、早く戻ってこないと出遅れちゃうよ)
二課の仮本部の司令室、モニター越しに響たちを見守る魔術師は此方に全速力で向かっているであろう二人の戦士に対して呟いた。
●●●●●●●●●
「翼さんッ! 未来ッ!」
「響ッ!」「立花ッ!」
ネフィリムスペクターの群れを殲滅し、一息ついていた翼と未来。翼は夢幻召喚を解除し、未来はアームドギアを解除した所で、二人の元にガングニールを纏った響が合流した。
「立花、その姿は……」
「はい。マリアさんのガングニールが、わたしを選んでくれたんです」
「じゃあ、さっきの光はやっぱり響だったんだね。相変わらず、無茶して……心配したんだよ?」
「でも、こうやって戻ってこれたんだから結果オーr「そういう問題じゃないの」……あははは……ごめん。だけど、もう大丈夫ッ! 絶対に遅れはとらないからッ!」
「まったくもぉ……」
「諦めろ、小日向。立花はこういう奴だと、分かりきった事だろう……さて、後は雪音だが───」
「───呼んだか?」
まるで出るタイミングを見計らってたかのように、イチイバルのシンフォギアを纏ったクリスがソロモンの杖を片手に現れた。
「クリスちゃんッ! 無事だったんだべッ!?」
「引っ付くなッ! 暑苦しいッ!」
「雪音、けじめを付けることが出来たのだな」
「あぁ。こいつのお蔭でな」
クリスは持っていたアナスタシア眼魂を見せる。
これで、響たちの手元にはアルトリア眼魂を含めて二つの眼魂が集まった。
この場にない眼魂は残り十数個。現状、調たちに任せてはいるが、自分たちも探しに行くべきか。響たちがその件について相談しようとしたとき、弦十郎から通信が入った。
『了子くんたちの解析にて、高エネルギー反応の出所を特定したッ! 恐らくは、そこがフロンティアの炉心であり心臓部ッ! ドクター・ウェルもそこにいるはずだッ!
装者たちは本部からの指示に従って急行せよッ!!』
「───翼さんッ!」
「ああッ! この場に槍と弓と鏡。そして、剣を携えているのは私たちだけだッ! 急いで向かうぞッ!」
「「「了解ッ!」」」
『心臓部までナビゲートしますッ! まずは───』
通信機から聞こえる友里の指示に従い、四人はフロンティアの心臓部へ駆け出した。
●●●●●●●●●
「勝手に人ん家の庭を走る野良猫どもめッ! フロンティアと一体化したネフィリムの力で思い知るがいいッッ!」
●●●●●●●●●
四人が心臓部へ向かう途中、それは突然起こった。
「な、なにッ!?」
響たちの行く手を遮るように地面が盛り上がり、下から何かが来ると彼女たちは警戒するが、現れたのは土塊だった……いや。ただの土塊ではなかった。
土塊がその姿を変え、巨大な異形と化した。
黒い表皮に所々に見えるマグマのような赤い模様。姿、形は違えど、その異形はネフィリムの面影があった。
「GURUAAAAAッ!」
雄叫びを上げた異形が四人に向かって焔のブレスを吐く。響たちはその場を飛び退く事で回避したが、彼女たちが先程までいた場所は焔の熱でドロドロに溶かされていた。
「この気配……まさか、あの敵は自立型完全聖遺物なのかッ!?」
「にしては張り切り過ぎだろッ!」
「喰らい尽くせッ! 僕の邪魔をする何もかもをッ! 暴食の二つ名で呼ばれた力を示すんだ、ネフィリィィィィィィムッ!!」
●●●●●●●●●
フロンティアの司令室。
その場でたった一人残されたマリアは自身の無力さを嘆いていた。
「私では、何も出来やしない……セレナの歌を……セレナの死を、無駄なものにしてしまう…………」
壁に寄りかかり、涙を流すマリア。彼女の精神は崩壊する一歩手前まで追い詰められているが、救える者はいないだろう。
───たった一人を除いて。
「───マリア姉さんッ!」
「───え?」
マリアは自分自身の耳を疑った。
何せ、本来なら二度と聞けない声が聞こえたのだから無理もないだろう。
恐る恐る顔を上げる。彼女の視線の先、声が聞こえた方向に立っていたのは、
「───セレ、ナ……?」
見慣れた顔。走ってきたのか、肩で息をする彼女の髪は乱れ、しかし、決して見ま違う事などあるはずがない。
そこにはネフィリムに完全に取り込まれた筈のマリアの妹 セレナ・カデンツァナ・イヴが立っていた。
「ふぅ……ただいま、マリア姉さん」
「セレナ───ッ!」
立ち上がったマリアは転けそうになりながらもセレナに駆け寄り、その小さな体を力一杯抱き締めた。
「セレナッ……セレナッ……!」
「マリア姉さん、苦しいよ。落ち着いて」
「落ち着いていられないわよッ! だって……あなた、ネフィリムに取り込まれて死んだのよッ!」
「それは、ごめんなさい……でも、もう大丈夫。ちゃんと生きているし、もうネフィリムの侵食に悩むことは無くなったんだよ」
「セレナ、まさかとは思うけど……」
その時、マリアの腕の力が緩み、その隙を狙ってセレナはマリアの抱擁から脱出。改めて、彼女と面と向かいあった。
「マリア姉さん、聞いて。わたし、今スゴくやりたい事があるの。今、わたしが持っているこの力で皆を救いたい」
「セレナ……────」
「マリア姉さんは何がしたい? マリア姉さんがやりたい事は何?」
(私の、やりたい事……───)
マリアは戸惑いながらも、心の内に秘めた思いを口に出した。
「唄で、世界を救いたい……月の落下で起こる災厄から皆を救いたいッ……」
「なら、やろう。わたし達二人じゃあ無理でも、今は仲間がいる。皆の唄を合わせれば、世界だって救える。
───生まれたままの感情を忘れないで」
マリアの手を取るセレナ。
次に彼女が口に出したのは唄だった。
「───リンゴが浮かんだ お空に……♪」
その曲を、マリアは知っている。
セレナと何度も一緒に歌い続けた曲だ。
「───リンゴが落っこちた 地べたに……♪」
マリアもセレナの唄に続き、二人の歌声が重なり、二人が歌い終わったとき、あるものがセレナの懐から飛び出した。
それはかつて、セレナが使用し、あのネフィリム暴走の事件以来、壊れて使えなくなっていたシンフォギア『アガート・ラーム』のペンダントが光に包まれていた。
宙に浮いていたその光は数瞬の後、二つに別れて、マリアとセレナ、二人の掌に収まった。
「これは……ッ!?」
光が納まり、自身の手の上にあったそれを見た瞬間、マリアは驚きの声を上げた。
マリアの手に収まったのは傷一つないシンフォギアのペンダント。そして、セレナの手にあるのは光と同じ輝きを持つ白銀の眼魂だった。
二人は理解した。シンフォギアと眼魂、そのどちらもがアガート・ラームの物だと。自分達はアガート・ラームに選ばれたのだと。
「まさか、私たちの唄に共鳴しt『それだけではありませんッ!』───ッ! マムッ!」
「マムッ! 無事だったんだねッ!」
部屋の中心にある装置に追放されているナスターシャから通信が入った。
『二人とも、よく聞きなさい。二人の唄に世界が共鳴し、膨大な量のフォニックゲインが集まりました。これだけあれば、月の遺跡を再起動させ、正軌道に戻す事が可能です。月は私が責任を持って止めてみせますッ!』
「マムッ! だけど、そんなことをすれば貴女g『あー、そこら辺は大丈夫だよ』───ッ!?」
「その声……魔術師さんッ!?」
『ミス・ナスターシャは僕が責任を持って地球まで無事に送るから安心してくれ』
『マリア、セレナ。貴女たちを縛るものはありません。
行きなさい、二人とも。行って、私に貴女たちの唄を聞かせなさい』
「……ありがとう、マム」
マリアは決心した。
その瞳に……心に迷いはない。
「───行くわよ、セレナッ! 世界最高のステージを開演しましょうッ!」
「OKッ! マリア姉さんッ!」
Appleって、歌詞大丈夫でしたっけ?
ダメだったら、すぐに変えます。
それでは本日はこれにて。
感想、評価、お気に入り登録。
心からお願いします。