戦士開眼シンフォギアゴースト   作:メンツコアラ

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 さて、ある程度は予想出来ていると思われますが、ここで問題です。
◯と×に入る文字は何でしょう?
ヒントは平仮名三文字と『◯』と『×』の文字。
答えは本文にて……





番外編G
兄妹! ◯◯◯は×××のお兄ちゃん!


 ある休日の夜、場所は大天空寺。

 何時もなら英霊や武瑠たちがのんびりと過ごしているのだが、

 

「…………」コォォォ

「……………」イライライラ

「……………はぁ」

 

『い、居心地悪い……』

 

 居間にいた者たちの内、極一部を省いた全員の思いが一致するほど、その部屋の空気が重苦しくなっていた。

 

「あのぉ……三人とも、どうs「ちょっとストップ」」

 

 リディアンの寮から大天空寺に移り、その片付けを終えてやって来た響は重苦しい空気を作り出している元凶の四人……アナスタシアとクリス、そして、セレナともう一人に恐る恐る問いかけようとしたが、それを彼女と同様に片付けを終えて来た未来が肩を掴んで制した。

 

「響、今は止めた方がいいって。火に油を注いじゃうかもしれないよ」

 

「それはそうかもだけど……」

 

「未来さんの言う通りですよ」

 

「あ、沖田さん」

 

 半袖短パンを着た短髪の女性……何故か女性の新撰組一番隊隊長にして、新撰組一番の剣士『沖田総司』は疲れた表情で響たちの会話に割り込んできた。

 

「今、彼女たちは激怒寸前の土方さんと同等か、それ以上。下手に話しかければ、その場で打ち首間違いなしですよ」

 

「打ち首って、そんなまさか───……いや。土方さんならしかねませんね」

 

 沖田の言っている土方が自分達の知る土方かどうかは分からないが、あの人なら殺りかねないなぁ、と土方の人柄を思い出して苦笑を浮かべる。

 

「本当……どうしてこうなったんですかねぇ…………」

 

「まっ、原因はあの二人って分かってるんですけど」

 

 三人はすべての始まりである数日前、元凶の()()()()が起こした()()()()()を思い返した。

 

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●

 

 

 

 

 

 

 その日、大天空寺は平和な昼を過ごしていた。

 やる事もなく、装者+ライダー組や英霊たちはそれぞれ居間や私室でのんびり過ごており、武瑠も了子やクリスと一緒に煎餅を噛りながらテレビを見ていたのだが、その平穏は一人の少女の発言(爆弾)によって壊された。

 

 

 

「わたしのお兄ちゃんになってくださいッ!」

 

 

 

「「「………………………………はい?」」」

 

 居間に入ってきた切歌が武瑠に対して言った発言に、武瑠たちは思わず問い返してしまう。彼らの聞き間違いではなければ、彼女は確かに『兄になれ』と言ったのだから無理もない。

 

「切歌ちゃん。今、俺は君をナイチンゲールさんの所に連れていくべきかどうかを割と本気で悩んでいる。今、何て言った?」

 

「だから、わたしのお兄ちゃんn「クリス、ナイチンゲールさんに報告」って、冗談でもあの人は止めて欲しいd「精神科は専門外だけど、後で連れてきて欲しいってさ」───本当に連絡したデスッ!?」

 

「まあ、冗談はそこまでにして。急にどうしたの? 武瑠くんにお兄ちゃんになって欲しいなんて」

 

「じ、実は……」

 

 切歌は恥ずかしがりながらも理由を話した。

 彼女の言葉を簡単に纏めると『昔から兄という存在に憧れていて、もし武瑠が兄だったらいいなと思い、ダメ元で頼んでみた』という事らしい。

 

「だ、ダメ……デスか?」

 

「う~ん……急に頼まれてもなぁ。それに、俺、一人っ子だから妹って存在自体にピンとこないっていうか……」

 

「なら、試しに『お兄ちゃん』って呼んで貰ったら?」

 

「なんでだよ」

 

「ほら、何事も先ずは形からって言うでしょう?」

 

「……楽しんでますよね?」

 

「あら、バレちゃった?」

 

 テヘペロと下を出す了子に『歳考えろ』と武瑠たちは思ったが、口に出した瞬間にO・SHI・O・KI(パイルドライバー)の餌食になりかねないのでなんとか胸の内に納めておく。

 とりあえず、切歌は了子に言われた通り、武瑠を『兄』と呼んで見ることにした。

 

「え、えっと…………

 

 

 

 ───お、お兄、ちゃん

 

 

 

 その瞬間、武瑠の中でナニカが撃ち抜かれた。

 

「──────」

 

「おい、武瑠? ……ダメだ。気絶してやがる」

 

「余程衝撃的だったのねぇ「───はッ!?」あ、起きた」

 

「な、なんだったんだ、今の……?」

 

 未だに自分を襲った衝撃に困惑する武瑠だったが、心配するクリスや切歌に大丈夫と答えた。

 

「や、やっぱり、嫌だったデスよね。わたしなんかが、武瑠せんp「違うだろ、切歌」───ほえ?」

 

「先輩じゃなくて、『《お兄ちゃん》』だろ?」

 

「「…………え?」」

 

「い、いいんですかッ!?」

 

「何を遠慮するんだ? 俺は切歌の……いや。切ちゃんのお兄ちゃんなんだから妹として接しても何の問題も無いに決まっているじゃないか」

 

「~~~~~武瑠お兄ちゃんッ!」

 

 嬉し涙を流しながら武瑠に抱きつく切歌と彼女を受け止め抱き締める武瑠に、二人を見ていたクリスと了子は、

 

「「何、この状況?」」

 

 

 

 

 

 

●●●●●●●●●

 

 

 

 

 

 

 

「話を聞いたとき、この目で見るまでは信じられなかったなぁ」

 

「了子さんから聞いたんだけど、武瑠って子供の頃に『弟か妹が欲しい』って龍さんを困らせいたんだって。その反動じゃない?」

 

「反動って……というか、それ自体は対した問題じゃありませんよ。本当の問題はその後───」

 

 

 

 夕食時───

 

「お兄ちゃん、あーん♪」

 

「あーん♪」

 

「どうデス?」

 

「切ちゃんが食べさせてくれるから、美味しいに決まってるじゃないか♪」

 

「えへへ♪ 嬉しいデスッ♪」

 

 

 

 風呂上がり───

 

「お兄ちゃん。髪を結って欲しいデス」

 

「いいのか? お兄ちゃん、そういうことしたことないから下手かも知れないんだぞ?」

 

「お兄ちゃんがいいんデス♪」

 

「しっかたないなぁ♪」

 

 

 

 就寝時───

 

「えへへ♪ お兄ちゃん、温かいデス♪」

 

「一緒に寝るのはいいけど、ちゃんと寝ような」

 

「はーい♪」

 

 

 

 

 

 

 

「明らかに兄妹の領域を越えてますよね?」

 

「「確かに」」

 

 最早、付き合い始めたばかりのバカップル。そんなイチャイチャを目の前で続けられれば、嫌でもストレスは溜まっていくというもの。

 

「でもさ、クリスちゃんたちの怒り度合いって、明らかに異常だと思うんだけど、何で?」

 

「響は知らなくても大丈夫だと思うよ。

(まあ、アナスタシアさんとクリスは明らかに武瑠の事が好きだからだよね。多分、セレナさんも同じような理由かな。武瑠、変なところでフラグを建てそうだし。でも……

───マリアさんの怒っている理由が分からない)」

 

 未来はセレナの横で怒りのオーラを発している四人目……マリア・カデンツァナ・イヴに視線を向ける。

 

(セレナさんみたいにアプローチする様子もなかったし、武瑠が好きってことはないと思うんだけど……あれ? 唇が動いてる? なら読唇術で……せ、れ、あ、は、あ、た、さ、な、い? う~ん……緒川さんに教えてもらったけど、まだ上手く使いこなせないなぁ。まあ、『セレナは渡さない』って予測はつくけど。でも───)

 

 マリアの唇を見れば、先程から同じ動きをしている。つまり、彼女は『セレナは渡さない』を連呼しているのだ。

 

(なるほど。シスコンだね)

 

 マリアの怒りの原因が分かった未来は全ての元凶である武瑠に意識を向け───

 

「あれ? 武瑠は?」

 

「そう言えば、夕食後から見ていませんね」

 

 一体何処へ? そう思ったとき、部屋の襖が開き、白百合もしくはクリスタルを思わせる程の可憐な少女『マリー・アントワネット』が浴衣姿で入ってきた。

 

「お風呂、上がったわよ。日本の檜風呂って、とても気持ちいいのn───あら? 皆さん、どうしたの?」

 

「マリーさん。とりあえず、この空気に関しては無視して大丈夫ですので……ところで、武瑠を見ませんでした?」

 

「武瑠なら────」

 

 次の瞬間、マリーの口から現状最大級の爆弾が投下された。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三十分後────

 

「「───で? なんか弁護はあるか(なにか弁護はあるかしら)?」」

 

「その前に簀巻き逆さ吊り状態から解放s───ごめんなさい俺が悪かったから『GRACIAL ATTACK』は止めてくださいお願いしますから」

 

「「余計なことは喋るな(余計なことは話さないで)」」

 

 場所は変わって浴室前の廊下。その場で正座させられている水着姿の切歌と天井から吊り下げられている武瑠。

 マリーが爆弾を投下した(※無自覚)後、クリス、アナスタシアはすぐさま浴室へ。扉を開ければ、一緒に湯船に浸かる武瑠と切歌の姿があった。それを見た瞬間、彼女たちの怒りは限界値を越え、クリスブリザードとなって二人を浴室から引きずり出し、武瑠をボコボコにした後、逆さ吊りにしたのだ。

 

「「改めて、弁護は?」」

 

「いい歳した男女が一緒に風呂に入ることは確かにやり過ぎたかもしれないけど、流石に裸はヤバイと思って水着を着た。よって、男女の一線は越えてないから問題ないはずだッ!」

 

「「入った事が問題なんだよ(入った事がもんだいなのよ)ッ!!」」

 

「ずがッ!? ちょッ!? 止めッ!? とま───」

 

 クリスブリザードの拳が決まり、そのまま天井にキス。落ちてきたところを更にGRACIAL ATTACKで再び天井キスを繰り返す武瑠。

 流石の武瑠も連続で襲ってくる衝撃に意識を手放してしまう。

 ……筈だったのだが、そうなる前に助け船が出された。

 

「……クリス先輩、ストップ。流石にやり過ぎ」

 

 この瞬間、武瑠は調が天使に見えた。

 そんな彼の思いに気づかず、調は彼に変わって弁護を始めた。

 

「……今までの行為はどれも兄妹という範疇を越えていた。でも、それは二人が兄妹とは何か、その関係性を知らなかった事もある。二人は兄妹になったばかりなんだから、そこら辺は多少目を瞑るべき」

 

「「そ、それは……」」

 

「……二人も羽目を外し過ぎ。そこは反省するように」

 

「「ご、ごめんなさい」」

 

「……これからは互いが気を付けるように」

 

「「「「はい……」」」」

 

 こうして、調の行動により騒動は収まった。

 その後、時々一緒のベッドで寝る事はあるが、武瑠と切歌は仲の良い普通の兄妹のように接していくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───危なかった。あのままだと、二人が兄妹の縁を切ることになるかも知れなかった。

 

 ●●●は少し前から考えていた。切歌と武瑠、大切な二人をどちらも手に入れる方法を、ずっと模索していた。

 

 ───あの二人が兄妹になれば、ライバルが減ると同時に、()()()()とそういう関係になれば、()()()()とも一緒に居られる。

 

 ───そう。全て計画通り……

 

 誰も見ていないなか、●●●(しらべ)は黒い笑みを浮かべていたのだった。

 

「調、どうかしたデスか?」

 

「……なんでもない」

 

 

 

 

 




答えは武瑠と切歌でした。
『◯』は武瑠の持つ眼魂。『×』は切歌の髪飾りです。



アンケートについて。
『大地の巨人って何?』って聞かれるんですけど、あれは自分が過去に投稿した作品
『FGO×ULTRAMAN GAIA~大地の巨人 最後のマスターと共に~』
で出した藤丸立夏……つまり、ウルトラマンガイアになる立夏です。
いやぁ。モブ厳なシンフォギアの世界で立夏は生き残ることが出来るのかと考えていたとき、過去作を見たときに思い付きまして。
シンフォギアの世界でウルトラマンガイアが戦う……パワーバランスが崩壊しそうと思われますが、すでにOTONAがいるので問題なし。



それでは今回はここまで。
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